神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

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第2章 ゴミスキルと魔導少女たち

第80話 ネクロマンシー

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 レナさんが今度こそ僕らと一緒に行動する事になった。
 あと、ベルナルド伯爵の息子さんが騎士団に自首し、自らが行った事を告白すると言っているので、これで一先ず収束かな? と思っていると、

「え……そんな!? レナさん! 防御魔法を! 早くっ!」
「え? シャルロットさん? ……ウインド・シールド」

 シャルロットの言葉で、レナさんがキョトンとしながらも、とりあえず防御魔法で僕たちを覆う。
 その直後、防御魔法の周囲が暗い闇で覆われる。

「シャルロット!? これは!?」
「おそらくですが、魔力の内容から考えて、ネクロマンシー……つまり、ベルナルド伯爵がアンデッドとして復活したのではないかと」
「その通りだ。流石はシャルロット。本当はお前を使い、この魔法ではなく、転生魔法を手に入れるつもりだったのだが……まぁこれはこれで良しとしよう」

 背後から、首をはねられたはずのベルナルド伯爵の声が聞こえてきた。
 慌てて振り向くと、ベルナルド伯爵の身体が倍ほどに大きくなっており、顔も、服から見える手足も骨になっている。
 見た目は巨大なスケルトンのようだが、手にした杖が闇色に輝き、何かの魔法を使おうとしているようだ。

「全員、一旦下がりましょう! レナさんは防御魔法を維持しながら下がって! 防御魔法がなければ、こいつの近くに居るだけで何らかの状態異常を受けます!」
「……アース・ホール」

 マリーがベルナルド伯爵の足下に大きな穴を開けるが……落下しない。
 どうやら、宙に浮いているらしく、ゴーストに近いのか?

「……グラビティ・プレス」

 ベルナルド伯爵が何かの魔法を使うと、身体が真下に引っ張られるかのような強い力を感じる。
 どうやら、先程までの名前を知っているとか知らないといった魔法ではなく、ここに居る全員が一度に同じ効果を受けているようだ。

「アンデッドになって、魔力が大幅に増えています。これも、小細工無しに大量の魔力を費やした力業……周囲全てに先程よりも遥かに強力な重力魔法を使用しています!」
「何とかしないと……これは、マズい!」
「はい。このまま重力が増していくと、潰されてしまいます」

 何とか、この重力魔法の範囲から抜け出さないと……だけど、どうすれば。

「……ウインド・バリア」

 マリーが風の魔法を使い、レナさんの防御魔法を強化する。
 そうか。マリーは色んな魔法が使えるから、前にもこんな魔法を……そうか。
 前と同じだ!

「マリー、レナさん。防御魔法の範囲を、僕のギリギリすぐそばまで小さくして!」
「何をする気なんですか!?」
「いいわ! このままではジリ貧だし、やるわよっ!」

 マリーが防御魔法を小さくし、少し遅れてレナさんも。
 僕のすぐ目の前に球状の防御魔法の端があるので、火の魔銃の銃口をその外側へ出し、火の弾を撃つ!
 火の弾も重力によって、すぐに地面へ落下し……僕が込めた魔力に従い、大きな爆発が起こる。

「カーティスさん!? 無茶苦茶過ぎます!」
「そ、それより防御魔法の維持を……」
「大丈夫よ。だけど、前に一度私がした時よりも、かなり強引ね」

 風の防御魔法に包まれた僕たちは、まとめて爆発によって吹き飛び、重力の範囲の外へ。
 前にマリーが使った手を、爆風で再現したけど、上手くいって良かった。
 とりあえず、これで普通に動けるから、仕切り直しだ!

「ライトニング・ボルト」

 防御魔法を解いたマリーが、ベルナルド伯爵に向けて雷魔法を放つ……が、その遥か手前で雷が地面に落ちる。
 さっきは、同じ魔法が重力の影響を受けなかったのに! というか、雷や魔法に重力なんて影響するの!?
 それだけ魔力が膨大なのかもしれないけど、だからと言って放っておく訳にはいかない!

「ふっ。そんな方法で我が魔法から逃れるとはな。だが、こうなってしまった以上、シャルロットは不要! 私の事を知るお主ら全員には消えてもらおう」

 その直後、再びベルナルドの杖が闇色に輝き、

「皆さん、こっちへ! 今、向こうが使おうとしている魔法は魔力を大量に使う分、小回りが効きません! この位置であれば、マリーかレナさんの魔法だけで防げます」
「お姉様、では私が! ウインド・バリア」

 シャルロットの言葉で移動し、マリーが防御魔法を使う。
 少しして、

「ダーク・ブレス」

 闇色の何かが僕たちの周囲を覆った。
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