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第2章 ゴミスキルと魔導少女たち
第74話 レイトの街
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「お兄ちゃーん! 着いたよーっ!」
「ここがクリスの故郷なんだね」
「うんっ! って言っても、もっと街の奥だけどね」
道中色々あったけど、シャルロットのナビに従い、無事にレイトの街へ到着した。
既に夕方なので、先ずは宿を探さないとね。
「いやいや、お兄ちゃん。クリスの家に泊まっていってよー!」
「流石にいきなりそれは迷惑じゃない? クリスはともかく、僕たちはダメだよ。……とはいえ、クリスも家族に会いたいと思うから、途中にある宿を抑えてすぐに行こう」
「あー、まぁ確かに連絡も何も出来ていないもんね。今日、クリスから話をして、明日に改めてパパとママへ挨拶してもらう方が良いのかな?」
「挨拶くらいなら、すぐにするけど?」
クリスを家に送って、ご両親に挨拶するなら、少しの時間で終わるし、日を改める必要なんて無いと思うんだけど。
「お兄ちゃん。その挨拶が人生の今後に影響するかもしれないんだよ!? ……うん、第一印象は大切! やっぱり今日は街の宿に泊まって、お風呂で身体を綺麗にして、ぐっすり休んで明日挨拶に行こう! という訳で、クリスがお風呂でしっかりお兄ちゃんを洗ってあげるから!」
「いや、自分で洗うよっ!」
というか人生に影響する挨拶って何?
あ……実はクリスのお父さんが凄い鍛冶師とか?
だったら、弟子入り……って、僕は鍛冶スキルじゃなくてゴミスキルで武器を作っているから微妙じゃない?
「クリスさん……頑張ってください」
「そうね。きっとご主人様は、何もかもを理解していないわよ」
「え!? シャルロットもマリーも、どうしたの!? 何だか、呆れられている気がするんだけど」
訳が分からないまま、一先ず宿を探し始め……って、随分と人が多い街だね。
街に入って、少し喋っている内に、通りに大勢の人が集まっていた。
さっきまでは、そこまで人が多くない、割と普通の街って感じだったのに。
何か催し物でもあるのかな? と思いながら暫く歩いた所で、
「カーディさん、危ないっ!」
いきなりレナさんに抱きつかれる。
何事かと思っていたら、その辺を歩いていた普通のオジサンが、僕にナイフを振り下ろした所だった。
しかも、何人もが一斉に暴れだしたらしく、僕以外にも狙われた人がいるようだ。
「きゃぁぁぁっ!」
「衛兵はどうしたっ!? 衛兵を呼べっ!」
「痛いっ! 足……いきなり足を斬られたっ!」
突然の出来事に通りがパニックになり、あちらこちらで悲鳴や怒声が響く中で、僕にナイフを振り下ろした男に向かって、マリーが歩いて行く。
「何なの? とりあえず、この男には眠ってもら……」
「マリーっ! 危ないっ!」
「――っ! よくもやったわね!」
何処からともなく矢が飛んで来て、マリーの肩に突き刺さる。
「レナさん! 魔法で防御出来る!?」
「出来ますが、人が多過ぎます! 今使うと、無関係の人が風の結界で吹き飛ばされてしまいます」
「くっ……シャルロット。近くに居る武器を持っている人を……いや、ダメか」
冒険者なら武器を持っているだろうし、そうでなくても護身用に武器を持っている人だって居る。
シャルロットに調べてもらう条件が思い付かないので、目で見て対応するしかない!
氷の魔銃に魔力を込めると、武器を持って人に襲い掛かろうとしている人の足を凍らせていく。
「何をするっ! お前も、こいつらの仲間かっ!」
「えっ!? すみません」
何人かの動きを止めたけど、街の人を守ろうと武器を手にしていた人を誤って凍らせてしまい……ダメだ。もう、誰が誰だか分からないよっ!
「面倒ね。もう街ごと全員纏めて吹き飛ばして……」
「ダメーっ! 街は壊さないでよーっ!」
「じょ、冗談に決まっているでしょっ! だから離れてっ!」
街の人だけでなく、僕たちまでパニックになってしまった所で、
「見つけました。この人たちは魔法で操られています。こっちに術者が居るので、ついてきてください」
シャルロットが元凶を見つけたと言い、人が入り乱れる通りを進みだした。
「ここがクリスの故郷なんだね」
「うんっ! って言っても、もっと街の奥だけどね」
道中色々あったけど、シャルロットのナビに従い、無事にレイトの街へ到着した。
既に夕方なので、先ずは宿を探さないとね。
「いやいや、お兄ちゃん。クリスの家に泊まっていってよー!」
「流石にいきなりそれは迷惑じゃない? クリスはともかく、僕たちはダメだよ。……とはいえ、クリスも家族に会いたいと思うから、途中にある宿を抑えてすぐに行こう」
「あー、まぁ確かに連絡も何も出来ていないもんね。今日、クリスから話をして、明日に改めてパパとママへ挨拶してもらう方が良いのかな?」
「挨拶くらいなら、すぐにするけど?」
クリスを家に送って、ご両親に挨拶するなら、少しの時間で終わるし、日を改める必要なんて無いと思うんだけど。
「お兄ちゃん。その挨拶が人生の今後に影響するかもしれないんだよ!? ……うん、第一印象は大切! やっぱり今日は街の宿に泊まって、お風呂で身体を綺麗にして、ぐっすり休んで明日挨拶に行こう! という訳で、クリスがお風呂でしっかりお兄ちゃんを洗ってあげるから!」
「いや、自分で洗うよっ!」
というか人生に影響する挨拶って何?
あ……実はクリスのお父さんが凄い鍛冶師とか?
だったら、弟子入り……って、僕は鍛冶スキルじゃなくてゴミスキルで武器を作っているから微妙じゃない?
「クリスさん……頑張ってください」
「そうね。きっとご主人様は、何もかもを理解していないわよ」
「え!? シャルロットもマリーも、どうしたの!? 何だか、呆れられている気がするんだけど」
訳が分からないまま、一先ず宿を探し始め……って、随分と人が多い街だね。
街に入って、少し喋っている内に、通りに大勢の人が集まっていた。
さっきまでは、そこまで人が多くない、割と普通の街って感じだったのに。
何か催し物でもあるのかな? と思いながら暫く歩いた所で、
「カーディさん、危ないっ!」
いきなりレナさんに抱きつかれる。
何事かと思っていたら、その辺を歩いていた普通のオジサンが、僕にナイフを振り下ろした所だった。
しかも、何人もが一斉に暴れだしたらしく、僕以外にも狙われた人がいるようだ。
「きゃぁぁぁっ!」
「衛兵はどうしたっ!? 衛兵を呼べっ!」
「痛いっ! 足……いきなり足を斬られたっ!」
突然の出来事に通りがパニックになり、あちらこちらで悲鳴や怒声が響く中で、僕にナイフを振り下ろした男に向かって、マリーが歩いて行く。
「何なの? とりあえず、この男には眠ってもら……」
「マリーっ! 危ないっ!」
「――っ! よくもやったわね!」
何処からともなく矢が飛んで来て、マリーの肩に突き刺さる。
「レナさん! 魔法で防御出来る!?」
「出来ますが、人が多過ぎます! 今使うと、無関係の人が風の結界で吹き飛ばされてしまいます」
「くっ……シャルロット。近くに居る武器を持っている人を……いや、ダメか」
冒険者なら武器を持っているだろうし、そうでなくても護身用に武器を持っている人だって居る。
シャルロットに調べてもらう条件が思い付かないので、目で見て対応するしかない!
氷の魔銃に魔力を込めると、武器を持って人に襲い掛かろうとしている人の足を凍らせていく。
「何をするっ! お前も、こいつらの仲間かっ!」
「えっ!? すみません」
何人かの動きを止めたけど、街の人を守ろうと武器を手にしていた人を誤って凍らせてしまい……ダメだ。もう、誰が誰だか分からないよっ!
「面倒ね。もう街ごと全員纏めて吹き飛ばして……」
「ダメーっ! 街は壊さないでよーっ!」
「じょ、冗談に決まっているでしょっ! だから離れてっ!」
街の人だけでなく、僕たちまでパニックになってしまった所で、
「見つけました。この人たちは魔法で操られています。こっちに術者が居るので、ついてきてください」
シャルロットが元凶を見つけたと言い、人が入り乱れる通りを進みだした。
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