神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

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第1章 ゴミスキルと古代兵器

第41話 C級冒険者に昇格

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「すみません。魔物退治から戻って来たんですが、あの部屋で良いですか?」
「はい。そちらへどうぞ」

 魔物退治を終え、クリスと共に冒険者ギルドへ戻って来た。
 ちなみに、マリーさんは黒髪が目立つし、冒険者カードなども持っていないので、マジックフォンの姿でポケットの中に入ってもらっている。

「お、ストレージ持ちの兄ちゃん。また来たか」
「はい。討伐の確認と素材の買取をお願いします」

 魔物を倒したのは、ほぼマリーさんなので僕たちの手柄にするのは気が引けたけど、マリーさん曰く、シャルロットを修理する為だから気にするなと。
 そんな事を気にする前に、早くシャルロットを直して欲しいと言われ、ギルドへ直行する事になり、魔物の死骸を次々と出していく。

「お、おい。な、なんだこの量は? 昨日の今日だろ? 幾らそれほど強くない魔物とはいえ、こんなの一日で狩れる量じゃねーぞ!?」
「えっと、朝から頑張ったので」
「いや、頑張って何とかなる量じゃねーって。そもそも、こんなに沢山の魔物に遭遇出来るものなのか?」
「偶然、魔物の群れに遭遇しまくりまして」

 ギルドの魔物解体職員のオジサンにジト目で見られつつ、自分でもどうかと思う言い訳をしていると、

「まぁ、とりあえず魔物を倒した事は事実だからな……ほれ、新しいカードだ」

 突然新しいカードが僕とクリスに渡される。
 何の事かとクリスと顔を見合わせていると、

「C級冒険者に昇格だよ。まったく……こんな短期間でC級へ昇格だなんて前代未聞だぜ」

 オジサンが呆れた様子で苦笑いしていた。

「あ……やった! これでダンジョンにも入れるんですね?」
「まぁな。だが、ダンジョンの中に居る、ボスモンスターって奴に挑む事は出来ないのと、新規のダンジョンにも入る事は出来ない」
「どういう事ですか?」
「先ず、ボスモンスターっていうのが、どのダンジョンにも居るもんなんだが、とにかく強い。C級の冒険者じゃ太刀打ち出来ないし、死ぬのが関の山だ。偶然出会ってしまった場合は仕方がないが、普通はダンジョンの奥底に居るし、ダンジョンが何階層かっていう情報もあるから、最奥には行かないようにするんだ」

 ボスモンスターか。
 そんなのが居るなんて知らなかったよ。
 けど強いって事は、倒せばきっと大きな魔石を得られるんだろう。
 まだ戦えないけどさ。

「で、ギルドが色んな冒険者から情報を買い、何階層までは安全だとかって話を提供しているんだが、新しいダンジョンは、そういった情報が未だ無いだろ? だから、C級では立ち入り禁止なんだよ」
「へぇー、そうなんですね」
「まぁでも、こんなに早くC級冒険者に上がる奴なんて早々居ないから……いや、一人だけ居たな。凄い早さで一番上のS級冒険者になった奴が」
「S級!? よく分からないですけど、凄そうですね」
「いや、実際凄い奴だったよ。ローガンっていう奴なんだが、S級冒険者になってすぐに、冒険者を辞めて騎士になりやがってな。俺たちギルド側としては、高難度の依頼を解決したり、後輩の育成をして欲しかったのに……まったく」

 S級冒険者かぁー。
 全然イメージは湧かないけど、きっと相当凄いんだろうね。
 
「まぁでも、兄ちゃんもローガンと同じくらい早く昇格しているんだ。案外すぐにB級へ上がれたりするんじゃないか? ……つっても、その行ける所の制約が減るB級が一番危ないんだけどな」
「そうなんですか?」
「あぁ。C級までは、さっき話したみたいに、ボスと戦っちゃいけねぇとかって話があったが、B級からは一部の例外を除いて、基本的にどこでも行ける。だから、調子に乗って、情報も無いのに知らない場所へ行ってしまい、帰らぬ者になったりとかな……っと、まぁそれはさて置き、昇格おめでとう。あと、これが素材の買取金額だ。かなり纏まった額だし、装備でも整えたらどうだ?」

 オジサンから小袋を預かると、お礼を言って宿へ。
 部屋で報酬を確認してまると、中には金貨が数枚入っていた。
 もちろん大金なんだけど、実は森で集めた薬草との時と報酬が大して変わらない……って、シャルロットに教えてもらったあの薬草は、いったいどれだけの価値があったの!?
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