神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

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第1章 ゴミスキルと古代兵器

第36話 魔物退治の依頼にも役立つゴミスキル

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「では、気を付けてくださいね。いってらっしゃい」

 昼過ぎに着いたグルガンの街で、早速魔物退治の依頼を請けてみた。
 街の近くに現れるという魔物の一覧を貰い、クリスと共に早速出掛ける。

「お兄ちゃん。クリスから離れちゃダメだからね?」
「ありがとう。でも、クリスも無理はしないでね」

 短剣を手にしたクリスと、魔銃を手にした僕たちは、魔物の目撃情報が多いという、街の北側へ。
 というのも、近くに魔物の巣があるそうだ。
 だけど、D級冒険者はその中への立ち入りを禁止されていて、あくまで巣から出て来た魔物の討伐しか許されない。
 まぁでも、魔物と戦った事が無いのに、いきなりそんな所へ行くつもりは無いけどね。

『カーティスさん。北北西に魔物が居ますよ』
「クリス。向こうに魔物が居るから、気を付けて」
「うん、わかったー!」

 シャルロットが魔物の位置を教えてくれるので、不意をつかれる事もなく、

「えーいっ!」

 クリスが草むらの中に居た狼みたいな魔物に斬りつけ、動きを鈍らせた所で僕が魔銃で止めを刺す。

「クリス、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。お兄ちゃんがすぐに倒してくれたし」
「クリスが上手く引き付けてくれたからだよ」

 互いの無事を確認すると、討伐証明の為に、魔物の耳を切り取る事に。

「って言っても、僕が凍らせちゃったから……どうしよう」
「お兄ちゃん。冒険者ギルドの説明では、魔物はマジックアイテムや薬の素材になったりするから、持ち帰れば買い取ってくれるって言っていなかったっけ?」
「そうだけど、この魔物……大型の犬くらいの大きさだから、一体ならともかく、沢山持って帰るのは無理じゃないかな」
「んー……でも、お兄ちゃんのストレージスキルを使えば?」
「ストレージに収納出来れば楽だけど、収納出来るかなー?」

 ゴミ保管スキルは、ゴミしか保管出来ないんだけど、僕たちが倒した魔物の死骸はどういう扱いになるんだろう。
 このスキルは、物の価値や値段に関係無く、所有者が不要と判断したらゴミ扱いとなる。
 ならば、この死骸の所有者は?
 倒した僕になるの? それとも、この死骸自身になるの?
 疑問を抱きつつも、スキルを使ってみる。

「≪ゴミ保管≫……あ、収容出来た」
「やったね、お兄ちゃん。これなら、丸ごと持って帰れるね」

 どうやら、倒した魔物はゴミ扱いとして収納出来るみたいだ。……理由は分からないけど。
 とりあえず、色々と確認したい事が出てきて、シャルロットに魔物の位置を教えてもらいながら、何匹も魔物を倒しては収納していく。
 暫く魔物を倒しながら移動していると、

「お兄ちゃん。次はゴブリンだよ。三体居て、どれも武器を持っているから気を付けて」

 ついに見つけた。
 ずっと探していた魔物だ。
 手にナイフや棍棒を持ち、革の腰巻きを纏ったゴブリンが複数体いるので、威力を落とす代わりに範囲の広い弾を魔銃に込め……撃つ。
 冷気で三体の動きが鈍くなった所で、クリスがゴブリンの一体を斬りつけ、僕も急いで次弾を込める。
 魔銃は弾を込める時に、威力や範囲と言った性質を変えられるのは良いんだけど、連射出来ないのが困った所だ。
 クリスが二体目を切り倒した所で、ようやく準備が整い、三体目は僕が倒す。

「お兄ちゃん、ありがとう。ゴブリンの動きが遅くなったおかげで、簡単に倒せたよー」
「怪我が無くて良かったよ」

 クリスが無事な事を確認した後、

「≪ゴミ保管≫」

 またもやゴミ保管スキルを使用する。
 すると、これまでの魔物と同様にゴブリンの死骸がストレージに収納され、更にゴブリンたちが手にしていたボロボロの武器や腰巻きも収納された。
 つまり、魔物の死骸に加えて、魔物が持っていた装備品までゴミとして収納出来る事になる。
 やるつもりは一切ないけど、これって相手が人間でも同じ事になるとしたら、証拠が綺麗に消えて……うん。考えるのは止めておこう。
 それから、もう少し魔物を倒し、僕が収納する前にクリスが死骸を手にすると、所有者がクリスになって、ストレージに収容出来ないとか、死骸もゴミ分別スキルで部位に分けられるとか……スキルの出来る事を調べ、冒険者ギルドへ帰る事にした。
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