25 / 90
第1章 ゴミスキルと古代兵器
第21話 大量の買い取り依頼
しおりを挟む
「着いたよ。イリアスの街だ」
四日前にイリアスの街を出て、北のウバイツの街、北西のエスコックの街、西のオタニサの街へ順に回って行き、再びイリアスの街へと戻って来た。
ジェームズとマリーさんの追跡から逃れる為に、毎回特急馬車を使ったので結構な出費だったけど、その分かなりの量のゴミを収集出来たので、きっと大丈夫……だと思いたい。
「お兄ちゃん。先ずは冒険者ギルドだよね?」
「そうだね。荷物配達の仕事も受けているからね」
逸れないようにクリスと手を繋いで街を歩き、ギルドへ到着すると、
「いらっしゃいま……お久しぶりですね、カーティスさん。そちらは、カーティスさんのご趣味ですか? 可愛いですね」
受付のお姉さんが変な事を言う。
何の事かと思って、視線の先に目を向けると、
「えへへ……いーでしょー。お兄ちゃんに買ってもらったんだー」
ワンピース姿のクリスが可愛らしい笑みを浮かべていた。
お姉さんは可愛い可愛いってクリスを褒めるけど、お願い待って! クリスが男の娘から戻ってこれなくなるよっ!
「こ、こほん。すみません。オタニサの街から、荷物を預かっています」
「はいはい。荷物運びの依頼ですね……って、あら? これ、昨日の日付なのにもう届いた……って、まさか特急馬車を使ったんですか? そこまで急がなくても大丈夫ですよ?」
もう慣れたけど、他の街と同じように驚かれ、再び北のウバイツの街へ荷物を運ぶ仕事を請けると、いよいよテレーズさんの所へ。
だけどその前に、収集しまくったゴミがどれだけ修理出来るか確認だね。
どんな物が、どれくらい修理出来るか楽しみだ。
「むー、お兄ちゃん。おっぱいエルフの所へ行くからって、ウキウキしてるー」
「ち、違うってば。あと、テレーズさんだからね? そんな呼び方しちゃダメだよ?」
一先ず宿を押さえ、部屋に入ると、早速ゴミスキルを使用する。
現れた半透明の板に沢山文字が並ぶので、修理可能なゴミに絞ったんだけど、それでも多い。
一つ一つ吟味していられないので、まとめて一気に修理すると、
――ゴミスキルがレベルアップしました。ゴミ錬金スキルが利用可能です――
聞き慣れない言葉が聞こえて来た。
「錬金……って、何だろう?」
「どうしたの? お兄ちゃん」
「いや、大量のゴミを一気に修理したら、ゴミ錬金っていうスキルが使えるようになったんだけど、錬金っていう意味が分からなくてさ」
「んー、とりあえず使ってみたら?」
「そうなんだけどさ。万が一、今修理した物に影響したら困るから……テレーズさんのお店で買い取りが終わってからにしようか。クリス、行こう」
新たなスキルは一旦置いておいて、先ずはテレーズさんの所へ。
特急馬車に四回乗って、結構な額を使っちゃったからね。
シャルロットに案内してもらいながら、テレーズさんのお店に到着すると、
「いらっしゃいませー! 二名様ですね。こちらへどうぞ」
前回同様に可愛らしいメイド服姿のウエイトレスさんに案内される。
「お兄ちゃん! クリスたちは、ご飯を食べに来た訳じゃないでしょっ!」
「あー、うん。……すみません。店長のテレーズさんをお願い出来ますか」
「あ! そう言えば、前にも来てくださった、店長をご指名のお兄さん! では、奥へどうぞ。……店長ー! ご指名でーすっ!」
この、ご指名って言い方は何とかならないかな?
お昼前だからか、前よりお客さんも多いし、すっごく注目されているんだけど。
思わず隠れる様にして、そそくさと奥の部屋へ入り、
「こーんにちっはー! 店長のテレーズでーすっ! ……あら、カー君じゃない。またお姉さんの所へ来てくれて嬉しいわー!」
ある部分が凄く大きな幼いエルフ、テレーズさんが現れた。
「こ、こんにちは。あの、また装備品を買い取っていただきたくて」
「おっけーよー! じゃあ、カー君のを出して、お姉さんに見せて」
「はい。ちょっと待ってくださいね」
ゴミスキルを使用し、状態が「優」と表示されている物を順番に出していく。
「あら、この鋼の剣は良いわね。こっちのバトルアックスも良いわよー! それから……」
うん。前に来た時よりも沢山あるし、買い取ってもらえる金額が楽しみだ。
四日前にイリアスの街を出て、北のウバイツの街、北西のエスコックの街、西のオタニサの街へ順に回って行き、再びイリアスの街へと戻って来た。
ジェームズとマリーさんの追跡から逃れる為に、毎回特急馬車を使ったので結構な出費だったけど、その分かなりの量のゴミを収集出来たので、きっと大丈夫……だと思いたい。
「お兄ちゃん。先ずは冒険者ギルドだよね?」
「そうだね。荷物配達の仕事も受けているからね」
逸れないようにクリスと手を繋いで街を歩き、ギルドへ到着すると、
「いらっしゃいま……お久しぶりですね、カーティスさん。そちらは、カーティスさんのご趣味ですか? 可愛いですね」
受付のお姉さんが変な事を言う。
何の事かと思って、視線の先に目を向けると、
「えへへ……いーでしょー。お兄ちゃんに買ってもらったんだー」
ワンピース姿のクリスが可愛らしい笑みを浮かべていた。
お姉さんは可愛い可愛いってクリスを褒めるけど、お願い待って! クリスが男の娘から戻ってこれなくなるよっ!
「こ、こほん。すみません。オタニサの街から、荷物を預かっています」
「はいはい。荷物運びの依頼ですね……って、あら? これ、昨日の日付なのにもう届いた……って、まさか特急馬車を使ったんですか? そこまで急がなくても大丈夫ですよ?」
もう慣れたけど、他の街と同じように驚かれ、再び北のウバイツの街へ荷物を運ぶ仕事を請けると、いよいよテレーズさんの所へ。
だけどその前に、収集しまくったゴミがどれだけ修理出来るか確認だね。
どんな物が、どれくらい修理出来るか楽しみだ。
「むー、お兄ちゃん。おっぱいエルフの所へ行くからって、ウキウキしてるー」
「ち、違うってば。あと、テレーズさんだからね? そんな呼び方しちゃダメだよ?」
一先ず宿を押さえ、部屋に入ると、早速ゴミスキルを使用する。
現れた半透明の板に沢山文字が並ぶので、修理可能なゴミに絞ったんだけど、それでも多い。
一つ一つ吟味していられないので、まとめて一気に修理すると、
――ゴミスキルがレベルアップしました。ゴミ錬金スキルが利用可能です――
聞き慣れない言葉が聞こえて来た。
「錬金……って、何だろう?」
「どうしたの? お兄ちゃん」
「いや、大量のゴミを一気に修理したら、ゴミ錬金っていうスキルが使えるようになったんだけど、錬金っていう意味が分からなくてさ」
「んー、とりあえず使ってみたら?」
「そうなんだけどさ。万が一、今修理した物に影響したら困るから……テレーズさんのお店で買い取りが終わってからにしようか。クリス、行こう」
新たなスキルは一旦置いておいて、先ずはテレーズさんの所へ。
特急馬車に四回乗って、結構な額を使っちゃったからね。
シャルロットに案内してもらいながら、テレーズさんのお店に到着すると、
「いらっしゃいませー! 二名様ですね。こちらへどうぞ」
前回同様に可愛らしいメイド服姿のウエイトレスさんに案内される。
「お兄ちゃん! クリスたちは、ご飯を食べに来た訳じゃないでしょっ!」
「あー、うん。……すみません。店長のテレーズさんをお願い出来ますか」
「あ! そう言えば、前にも来てくださった、店長をご指名のお兄さん! では、奥へどうぞ。……店長ー! ご指名でーすっ!」
この、ご指名って言い方は何とかならないかな?
お昼前だからか、前よりお客さんも多いし、すっごく注目されているんだけど。
思わず隠れる様にして、そそくさと奥の部屋へ入り、
「こーんにちっはー! 店長のテレーズでーすっ! ……あら、カー君じゃない。またお姉さんの所へ来てくれて嬉しいわー!」
ある部分が凄く大きな幼いエルフ、テレーズさんが現れた。
「こ、こんにちは。あの、また装備品を買い取っていただきたくて」
「おっけーよー! じゃあ、カー君のを出して、お姉さんに見せて」
「はい。ちょっと待ってくださいね」
ゴミスキルを使用し、状態が「優」と表示されている物を順番に出していく。
「あら、この鋼の剣は良いわね。こっちのバトルアックスも良いわよー! それから……」
うん。前に来た時よりも沢山あるし、買い取ってもらえる金額が楽しみだ。
37
こちらもよろしくお願いいたします。
★魔動列車で行く異世界旅行~列車を作るスキルを授かったんだけど、訪れた街が例外なく栄えるので、いろんな場所から招待され過ぎて困ってます~
★魔動列車で行く異世界旅行~列車を作るスキルを授かったんだけど、訪れた街が例外なく栄えるので、いろんな場所から招待され過ぎて困ってます~
お気に入りに追加
1,613
あなたにおすすめの小説
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。
異世界悪霊譚 ~無能な兄に殺され悪霊になってしまったけど、『吸収』で魔力とスキルを集めていたら世界が畏怖しているようです~
テツみン
ファンタジー
『鑑定——』
エリオット・ラングレー
種族 悪霊
HP 測定不能
MP 測定不能
スキル 「鑑定」、「無限収納」、「全属性魔法」、「思念伝達」、「幻影」、「念動力」……他、多数
アビリティ 「吸収」、「咆哮」、「誘眠」、「脱兎」、「猪突」、「貪食」……他、多数
次々と襲ってくる悪霊を『吸収』し、魔力とスキルを獲得した結果、エリオットは各国が恐れるほどの強大なチカラを持つ存在となっていた!
だけど、ステータス表をよーーーーっく見てほしい! そう、種族のところを!
彼も悪霊――つまり「死んでいた」のだ!
これは、無念の死を遂げたエリオット少年が悪霊となり、復讐を果たす――つもりが、なぜか王国の大惨事に巻き込まれ、救国の英雄となる話………悪霊なんだけどね。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる