神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

文字の大きさ
上 下
25 / 90
第1章 ゴミスキルと古代兵器

第21話 大量の買い取り依頼

しおりを挟む
「着いたよ。イリアスの街だ」

 四日前にイリアスの街を出て、北のウバイツの街、北西のエスコックの街、西のオタニサの街へ順に回って行き、再びイリアスの街へと戻って来た。
 ジェームズとマリーさんの追跡から逃れる為に、毎回特急馬車を使ったので結構な出費だったけど、その分かなりの量のゴミを収集出来たので、きっと大丈夫……だと思いたい。

「お兄ちゃん。先ずは冒険者ギルドだよね?」
「そうだね。荷物配達の仕事も受けているからね」

 逸れないようにクリスと手を繋いで街を歩き、ギルドへ到着すると、

「いらっしゃいま……お久しぶりですね、カーティスさん。そちらは、カーティスさんのご趣味ですか? 可愛いですね」

 受付のお姉さんが変な事を言う。
 何の事かと思って、視線の先に目を向けると、

「えへへ……いーでしょー。お兄ちゃんに買ってもらったんだー」

 ワンピース姿のクリスが可愛らしい笑みを浮かべていた。
 お姉さんは可愛い可愛いってクリスを褒めるけど、お願い待って! クリスが男の娘から戻ってこれなくなるよっ!

「こ、こほん。すみません。オタニサの街から、荷物を預かっています」
「はいはい。荷物運びの依頼ですね……って、あら? これ、昨日の日付なのにもう届いた……って、まさか特急馬車を使ったんですか? そこまで急がなくても大丈夫ですよ?」

 もう慣れたけど、他の街と同じように驚かれ、再び北のウバイツの街へ荷物を運ぶ仕事を請けると、いよいよテレーズさんの所へ。
 だけどその前に、収集しまくったゴミがどれだけ修理出来るか確認だね。
 どんな物が、どれくらい修理出来るか楽しみだ。

「むー、お兄ちゃん。おっぱいエルフの所へ行くからって、ウキウキしてるー」
「ち、違うってば。あと、テレーズさんだからね? そんな呼び方しちゃダメだよ?」

 一先ず宿を押さえ、部屋に入ると、早速ゴミスキルを使用する。
 現れた半透明の板に沢山文字が並ぶので、修理可能なゴミに絞ったんだけど、それでも多い。
 一つ一つ吟味していられないので、まとめて一気に修理すると、

――ゴミスキルがレベルアップしました。ゴミ錬金スキルが利用可能です――

 聞き慣れない言葉が聞こえて来た。

「錬金……って、何だろう?」
「どうしたの? お兄ちゃん」
「いや、大量のゴミを一気に修理したら、ゴミ錬金っていうスキルが使えるようになったんだけど、錬金っていう意味が分からなくてさ」
「んー、とりあえず使ってみたら?」
「そうなんだけどさ。万が一、今修理した物に影響したら困るから……テレーズさんのお店で買い取りが終わってからにしようか。クリス、行こう」

 新たなスキルは一旦置いておいて、先ずはテレーズさんの所へ。
 特急馬車に四回乗って、結構な額を使っちゃったからね。
 シャルロットに案内してもらいながら、テレーズさんのお店に到着すると、

「いらっしゃいませー! 二名様ですね。こちらへどうぞ」

 前回同様に可愛らしいメイド服姿のウエイトレスさんに案内される。

「お兄ちゃん! クリスたちは、ご飯を食べに来た訳じゃないでしょっ!」
「あー、うん。……すみません。店長のテレーズさんをお願い出来ますか」
「あ! そう言えば、前にも来てくださった、店長をご指名のお兄さん! では、奥へどうぞ。……店長ー! ご指名でーすっ!」

 この、ご指名って言い方は何とかならないかな?
 お昼前だからか、前よりお客さんも多いし、すっごく注目されているんだけど。
 思わず隠れる様にして、そそくさと奥の部屋へ入り、

「こーんにちっはー! 店長のテレーズでーすっ! ……あら、カー君じゃない。またお姉さんの所へ来てくれて嬉しいわー!」

 ある部分が凄く大きな幼いエルフ、テレーズさんが現れた。

「こ、こんにちは。あの、また装備品を買い取っていただきたくて」
「おっけーよー! じゃあ、カー君のを出して、お姉さんに見せて」
「はい。ちょっと待ってくださいね」

 ゴミスキルを使用し、状態が「優」と表示されている物を順番に出していく。

「あら、この鋼の剣は良いわね。こっちのバトルアックスも良いわよー! それから……」

 うん。前に来た時よりも沢山あるし、買い取ってもらえる金額が楽しみだ。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。 異世界パルメディアは、大魔法文明時代。 だが、その時代は崩壊寸前だった。 なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。 マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。 追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。 ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。 世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。 無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。 化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。 そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。 当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。 ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...