神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

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第1章 ゴミスキルと古代兵器

第20話 いろんな街でゴミ収集

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「うわぁー! お兄ちゃん。この馬車、凄く速いねー!」
「うん。流石は特急馬車だね」

 普通の乗合馬車よりも荷台を小さくして載せる重量を軽くした上に、魔法で強化された馬が爆走して行く。
 イリアスの街があっという間に見えなくなった所で、マリーさんの場所を確認してみる。

「……シャルロット。マリーさんの位置はどうだ?」
『あの街の中心から変化なしですね』

 ジェームズはまだ寝ているのか?
 家だとメイドさんや執事たちに起こしてもらっていたはずだけど、流石に連れて来てはいないようだ。
 マリーさんが追って来る事も想定して、特急馬車を利用したんだけど、どうやら用心し過ぎだったらしい。
 特急馬車が凄い速度で街道を走り続け、そろそろお昼ご飯の時間だという所で、停車する。

「ご乗車お疲れさまでした。ウバイツの街です」

 御者さんに声を掛けられ、僕たちを含めて六人しか居ない乗客がウバイツの街へと降り立った。
 ウバイツの街は、イリアスの街の北側に位置しする大きな街だ。
 その上、僕は殆ど来た事がないんだけど、

「……シャルロット。この街の冒険者ギルドの場所ってわかる?」
『もちろんです。ご案内致しますね』

 シャルロットが案内してくれるそうで、最短距離でギルドへ行く事が出来た。

「お兄ちゃん。誰にも道を聞かずにギルドへ来たけど、この街へ来た事あるの?」
「ん? あぁ、少しだけね。それより、早く依頼を終わらせちゃおう」

 先ずは荷物運びの依頼を終わらせるため、受付のお姉さんに話し掛け、

「確かに受け取りました。では、こちらが報酬の銀貨二十枚となります」

 小さな袋を受け取る。
 一回の配達で銀貨二十枚となると、そこそこ美味しい仕事に見えるけど、乗合馬車の料金を含めてこれだからね。
 しかも馬車の料金は片道分なので、この街に用事があるならともかく、そうでなければ殆ど実入りの無い仕事だったりする。
 ちなみに、僕たちは特急馬車を使っているから、余裕で赤字なんだけどね。

「すみません。また配達の仕事を請けたいんですけど、何かありますか?」
「そうですね。でしたら、この街の西隣にあるエスコックの街への荷物運びがあるのですが……」
「それ請けます!」
「え? は、はい。では、こちらの荷物をエスコックの街の冒険者ギルドへ、五日以内にお願い致します」

 冒険者ギルドへ荷物を運んで報酬を受け取ると、その場で次の荷物運びの仕事を請ける。
 それからシャルロットの案内で、手頃な料金で泊まれる評価の良い宿を押さえると、ギルドで預かった荷物を部屋に置き、先ずはクリスと昼食を済ませた。
 そのままゴミ捨て場へ行くと、

「≪ゴミ保管≫」

 大量のゴミをストレージの収納する。
 シャルロットに調べてもらったところ、大きな街なのでゴミ捨て場が六つあるので、四か所を回ってそれぞれでゴミを取集し、暗くなる前に宿へ。
 宿の食堂で夕食を済ませ……イリアスの街のように、変な人に絡まれる事なく、一日を終える事が出来た。
 ふっふっふ……また翌朝にはエスコックの街へ移動し、同じ事をして、また次の街へ。
 ゴミを沢山修理して、テレーズさんに買い取ってもらう……うん。計画通りだ。

「お兄ちゃん。何だか、随分と嬉しそうだね」
「まぁね。今日、頑張って四か所でゴミを収集したんだけど、装備品が沢山捨てられていたから、沢山修理出来るなーって思ってね」
「例えば、どんなのがあったのー?」
「そうだねー、イリアスの街では鉄製品のゴミが多かったんだけど、この街は鉄よりもワンランク上の鋼の装備があったんだー」

 クリスと話しつつ、ゴミ修理スキルで装備品を沢山修理していくと、

「あれ? ……凄いや。何に含まれていたのか分からないけど、真銀がある!」
「真銀って?」
「マジックアイテムを作ったりするのに使われる、高価な金属だよ。鉄や鋼なんかよりも、遥かに貴重なんだ」

 ゴミ整理スキルの板に、真銀という文字が表示されていた。
 一先ず、ゴミ分類スキルで何かのゴミから得られたと思うんだけど、いろんな街でゴミを集める計画は大成功な気がする。
 シャルロットを修理するのに必要な魔鋼鉄程ではないにしても、これを集めれば壊れたマジックアイテムを修理出来たりするだろうしね。
 いろんな街を回って、テレーズさんの所へ戻るのが楽しみだ。
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