神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

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第1章 ゴミスキルと古代兵器

第14話 シャルロットの妹

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「えへへー、どんなお洋服が良いかなー。お兄ちゃんも選んでねー」
「もちろん。いっぱい収入があったし、好きなのを選んで良いからね」

 そう言いながら、クリスと歩いているんだけど、銀貨三十枚は結構大金だ。
 なので、色々と試した結果、ゴミストレージに入っている鉄の金庫……これを出して、中に銀貨を仕舞って、再びストレージに収納する事にした。
 修理したから新品同然の金庫なんだけど、元がゴミだから、ストレージに出し入れ可能なんだよね。
 もちろん、中の銀貨もちゃんと取り出せるし、運ぶ必要もなければ盗まれる心配も無い。
 中々、良い物を見つけたね。

「お兄ちゃん。大通りに戻ってきたよー」
「そうだね。服屋さんを探すから、ちょっと待ってね」

 そう言って、小声でシャルロットに尋ねてみると、

『この通りだけで、服屋は十軒以上ありますね。そのうち、男性の服を扱うお店が六軒、女性の服を扱うのが五軒、子供服を扱うのが二軒ですね』

 沢山服屋さんがある事が分かったので、とりあえず通りを歩いてみる事にした。
 クリスが好む服もわからないし、目に留まったお店に入り、クリスに判断してもらうのが良いと思う。
 ……とはいえ、女性の服の専門店はスルーで良いよね。子供服の専門店は悩むところだけど。
 一先ず、男女両方の服を扱うお店を見つけ、早速行ってみようとしたんだけど、

『カーティスさん! 先程お伝えした魔鋼鉄です! そちらに到着したみたいです……って、これはっ!?』

 突然シャルロットが叫びだす。
 シャルロットを修理する為に必要な魔鋼鉄を持っている人が来たというので、先ずはどんな人かと思って目を向けると、

「……じ、ジェームズ!?」

 シャルロットの言う方向に、ルイス家の馬車が停まっていて、僕の弟ジェームズと黒髪の可愛らしい女の子が降りるところだった。

「どうして、ここにジェームズが?」
『どうして、ここにマリーが……』
「どうして、お兄ちゃんは女の子を見ると、すぐに見つめるのっ!?」

 シャルロットが何か言った気がしたんだけど、何故か不機嫌なクリスに手を引かれ、お店の中へ。
 そのままクリスに引っ張られ、

「お兄ちゃん。じゃあ、クリスに似合いそうな服を選んでー」
「う、うん。わかった」
「クリスも、色々と見てくるねー」

 お店の奥の方で解放された。
 チラッと外を見てみると……ジェームズは何かを探すかのように、キョロキョロと周囲を見渡している。
 こんな所で何を探して居るんだ?
 今更、僕を捜しに来たって事はないだろうし……いやでも、僕を笑いに来たっていう可能性ならあるな。
 あの黒髪の女の子が誰かは知らないけど、クリスのおかげで見つからずに済んで良かったのかも。

「ねー、お兄ちゃん。これは、どうかなー?」
「良いんじゃないかな?」
「ホント? じゃあ、こっちは?」
「うん。クリスに似合っていると思うよ」
「……本当にそう思ってる? お兄ちゃん、上の空じゃない?」
「そ、そんな事はないよ? ほら、これなんてクリスに似合うと思うし」
「……な、なるほど。やっぱりお兄ちゃんは、そういう格好が好きなんだ。わかった! クリス、頑張るね!」

 ……ん? しまった! 適当にそこら辺の服を渡しちゃったけど、どんな服だったんだろ。
 クリスに悪い事しちゃったな。
 店の前からジェームズたちが居なくなり、ようやく我に返った時には、

「お兄ちゃん。全部で銅貨五十枚なんだけど、買っても良いかな?」

 既に店員さんが包装まで終えていた。
 一先ず支払いを終え、

「ふふっ……お兄ちゃん。早く宿に戻ろうよー。クリス、お兄ちゃん買ってもらった服に着替えたいなー」
「そうだね。一旦その服を置きに宿へ戻ろうか」
「はーい!」

 上機嫌のクリスと共に宿へ向かう。
 一先ずクリスの荷物を置いて、その後に冒険者ギルドへ行こうと思っていると、突然シャルロットが話しかけてきた。

『カーティスさん。マリーが居ました』
「……マリーって?」
『私と同じ、魔……マジックフォンで、妹のような存在です』
「……妹が居るんだ。だったら、声を掛けてみようか。シャルロットを助けてくれるかもしれないし」
『いえ、逆です。私はかつて……この妹たちに破壊されたので』
「えっ!?」

 シャルロットの言葉に、思わず思いっきり声が出てしまい、

「ん? お兄ちゃん、どうかしたの?」
「あ、あぁ。何でも無いんだよ。気にしないで」

 クリスに愛想笑いをする事になってしまった。
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