神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

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第1章 ゴミスキルと古代兵器

第12話 買い取り屋さん巡り

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『一先ず、一番評判が良いのが、こちらのお店になります』
「……なるほど。ありがとう」

 小声でシャルロットに感謝しつつ、立派な店舗を構える買取屋へ。
 クリスは鉄の短剣を二本。僕は鉄の剣を一本だけ貰い、修理した他の武器や防具は全て売ってしまう事にした。
 ちなみに、これから野営をする事もあるだろうし、鉄鍋などは売らずにそのまま残すつもりだ。

「残念ながら質も状態も、非常に良いのですが、どこで買ったが分からないと買い取れないんですよ」
「スキルで作った装備でもですか?」
「はい。鍛治スキルを持ち、それを売られる方は、一般的に鍛治ギルドへ属されております。お客様が鍛治ギルドへ属されているのであれば、こちらも買い取れるのですが……」
「そうですか。ありがとうございました」

 買取を拒否され、トボトボと店を出る。
 うーん。見た目は新品そのものなのに、断られるとは思わなかった。

『カーティスさん。大丈夫ですよ。まだ二店舗ありますし、ご案内しますよ』

 シャルロットに案内してもらい、クリス共に二軒目の買取屋へ行くと、

「兄さん。悪いがウチは盗品は扱っていないんだ」
「盗品なんかじゃありません!」
「そうかい。そりゃ悪かったな。だが鍛治ギルドに入っていないのに、この新品同然の武器や防具だろ? その上、種類もバラバラ。これじゃあ盗品と疑われても仕方がないと思うんだけどね」

 泥棒扱いされる始末だ。
 ゴミを修理して売れば、それだけで纏まったお金になると思ったんだけど、簡単にはいかないみたいだ。

『カーティスさん、どうしましょうか。最後の一軒は、趣味でされているのか、かなり評価が低いお店ですけど……』
「……ダメ元で、一応行ってみようか」
『わかりました。では、ご案内致します』

 またもや買取屋を目指して街を歩く。
 うーん。この方法なら、魔物と戦うとか護衛をするとかっていう相応の危険を伴う依頼を請けずに――クリスを危険な目に遭わせずにお金を稼げると思ったんだけどな。
 やはり、普通に冒険者ギルドで依頼を請けるべきかな?

「お兄ちゃん……元気出して」
「あ、ごめんね。ちょっとだけ考え事をしていたんだ」
「うん……」

 僕が落ち込んでいると思ったらしく、クリスが何か言いたげに、手を繋いできた。
 どうやって安全にお金を稼ごうかと考えていただけなんだけど……クリスに気を遣わせる程に、考えに没頭してしまっていたのか。

「よし、クリス。後で服屋さんに行こうか」
「えっ!? クリスの服……臭うかな? 昨日、夜中にこっそり洗ったんだけど」
「そんな事してたの? そうじゃなくて、もっと性能の良い防具を揃えようって話だよ。クリスに鎧は合わないと思うし、丈夫で動き易い服をプレゼントするよ」
「お洋服……お兄ちゃんのプレゼント……えへへー」

 何故か照れだしたクリスと共に歩いていると、

『カーティスさん。ここですね』

 大通りから離れた住宅街の中に、ポツンとお店があった。
 ……あったけど、見た目は完全に可愛らしいカフェだ。
 評価が低いとか以前に、場所を間違えている気がするんだけど。

「……シャルロット。本当にこのお店なの?」
『はい。間違いありません』
「お兄ちゃん。お昼ご飯食べたばかりだよー?」

 シャルロットは間違いないと断言するけど、僕もクリスも、カフェにしか見えない。
 しかし、せっかくここまで来たんだから、とりあえず入ってみよう。

「いらっしゃいませー! 二名様ですね。こちらへどうぞ」

 可愛いメイドさんの格好をしたウエイトレスさんに案内され、窓際の席へ。
 あまり大きなお店ではないけれど、結構お客さんが入っている。

「こちらがメニューになります。本日のオススメは、私の愛情いっぱいのオムライスですっ!」

 そう言って、メイドさんがメニューを置いて離れた直後、ボソッと、

「……それは、絶対に注文しない」

 クリスが不機嫌そうな声で呟い……た?

「えっ!? クリス? な、何か言った?」
「な、何でもないよー! お兄ちゃん。お昼ご飯は済ませてるし、デザートを注文するの?」
「いや、そうじゃなくて……すみませーん!」

 さっきのクリスの声は僕の勘違いだろう。
 一先ず、案内してくれたメイドさんに声を掛けると、

「ご注文ですね? 私の愛情たっぷりオムライス……食べてくれますよね?」
「あ、えっと、食事に来たんじゃなくて、ここってアイテムの買取をしてくれるって聞いたんですけど」
「なるほど。店長をご指名ですね! わかりました! 店長ー! ご指名でーすっ! ……お客様、では奥の部屋へどうぞ」

 窓際の席から一転して、お店の奥へ。
 メイドさんに連れられ、恐る恐る奥へ向かうと、

「はーい! 店長のテレーズでーすっ! お姉さんをご指名だなんて、君は何をして欲しいのかなー? 我慢しないで、言っちゃえ、言っちゃえー」

 綺麗なメイド服を着た、大きな幼い女の子が現れた。
 自分の事をお姉さんだなんて言っているけど、明らかに僕より幼くて、でも身体のとある部分は大きくて……やっぱり、お店を間違えたのかもしれない。
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