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第62話 ダンジョン攻略
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翌朝。
ホームルームが終わると同時に裏門へ走って行くと、急ぎ過ぎたのか私が一番乗りで、少し遅れてローランドさんがやって来た。
「ルーシー、早いな」
「おはようございます。これからダンジョンに入れるんですよ? 足も軽くなりますって」
「凄いな。ダンジョン攻略なんて、二年生でも嫌がる生徒が居たりするんだが」
「そんな……勿体無い。まぁ目指すタイプが違えば仕方ないかもしれませんが」
魔法を使う職業は沢山あるんだけど、その中でも戦闘タイプや調査タイプの職業に就きたい生徒は、積極的にダンジョンへ行くと思うけど、生産タイプの職に就きたい人は、必ずしも行く必要はないからね。
ダンジョンでしか手に入らない材料なんかもあるけど、自分で取りに行かなくても、冒険者ギルドとかに依頼して、誰かに取ってきて貰えば良い訳だし。
「あら、貴女……一年生なのに本当に来たのね」
「メリッサさん。おはようございます。今日はよろしくお願いします」
「……貴女の魔力の多さは知っているけど、ダンジョンに入った経験は無いわよね? 足手纏いにならないようにだけ気を付けて」
少ししてメリッサさんが現れたけど、何だか不機嫌そうだ。
でも、流石にダンジョンへ二人で入るのは苦しいと思うから、そんなに邪険にして欲しくないなーと思ったり。
まぁここまで来たら、最悪私一人でも行くけど。
一人で行くのは無謀だけど、私は治癒魔法が使えるから、実は例外。
とはいえ、私の治癒魔法は即死でなければ回復出来てしまうというチート級の効果なので、二人には見せられないけど。
「ところで、貴女の魔法は大量の水魔法しか知らないのですが、どういう魔法が使えるのですか?」
「そうですね。木……じゃなくて、土とか水とか風はある程度使えますが、火魔法は何故か全く使えません」
「そう。だったら、後方支援とか防御魔法とかが良いかもしれないわね。私とローランドが前衛で、ルーシーさんが後衛……これで行きましょう」
「はい。よろしくお願いします」
一先ず話がまとまり、先ずは裏門から森へ。
ときメイでは二年生まで通してもらえなかった裏門が、あっさり通れた。
森の中を二人について歩き、途中のY字路で右へと曲がる。
「あれ? こっちの道という事は、中級ダンジョンですか? 上級でも大丈夫ですよ?」
「まだ貴女の実力が分からないからね。そもそもダンジョンが初めてでしょうし、先ずは雰囲気に慣れて貰う為に……って、どうして初めてダンジョンへ行くはずの貴女が、場所を知っているの?」
「え!? えーっと、何となくこっちな気がしただけです。あはは、あははは……」
危ない、危ない。
ダンジョンへ行けるって事で、浮かれすぎていたわね。
けど、中級ダンジョンかぁ。ボスを倒せば、それなりのアイテムが手に入るけど、途中でエンカウントする魔物は大した物をドロップしないから、あんまり美味しくない。
どうせなら最初から上級ダンジョンへ行きたいけど、二人は私がゲームで何百回もダンジョンに潜っているのを知らないからね。
まずは中級ダンジョンで、私がダンジョン慣れしている事を示しますか。
そのまま暫く歩いていると、森の中に小さな洞穴が見えてきた。
「あれが中級ダンジョンよ。準備はいい?」
「えぇ。任せてっ!」
「じゃあ二人とも、行こうか」
二人の後に続き、念願のダンジョンへとやってきた。
ホームルームが終わると同時に裏門へ走って行くと、急ぎ過ぎたのか私が一番乗りで、少し遅れてローランドさんがやって来た。
「ルーシー、早いな」
「おはようございます。これからダンジョンに入れるんですよ? 足も軽くなりますって」
「凄いな。ダンジョン攻略なんて、二年生でも嫌がる生徒が居たりするんだが」
「そんな……勿体無い。まぁ目指すタイプが違えば仕方ないかもしれませんが」
魔法を使う職業は沢山あるんだけど、その中でも戦闘タイプや調査タイプの職業に就きたい生徒は、積極的にダンジョンへ行くと思うけど、生産タイプの職に就きたい人は、必ずしも行く必要はないからね。
ダンジョンでしか手に入らない材料なんかもあるけど、自分で取りに行かなくても、冒険者ギルドとかに依頼して、誰かに取ってきて貰えば良い訳だし。
「あら、貴女……一年生なのに本当に来たのね」
「メリッサさん。おはようございます。今日はよろしくお願いします」
「……貴女の魔力の多さは知っているけど、ダンジョンに入った経験は無いわよね? 足手纏いにならないようにだけ気を付けて」
少ししてメリッサさんが現れたけど、何だか不機嫌そうだ。
でも、流石にダンジョンへ二人で入るのは苦しいと思うから、そんなに邪険にして欲しくないなーと思ったり。
まぁここまで来たら、最悪私一人でも行くけど。
一人で行くのは無謀だけど、私は治癒魔法が使えるから、実は例外。
とはいえ、私の治癒魔法は即死でなければ回復出来てしまうというチート級の効果なので、二人には見せられないけど。
「ところで、貴女の魔法は大量の水魔法しか知らないのですが、どういう魔法が使えるのですか?」
「そうですね。木……じゃなくて、土とか水とか風はある程度使えますが、火魔法は何故か全く使えません」
「そう。だったら、後方支援とか防御魔法とかが良いかもしれないわね。私とローランドが前衛で、ルーシーさんが後衛……これで行きましょう」
「はい。よろしくお願いします」
一先ず話がまとまり、先ずは裏門から森へ。
ときメイでは二年生まで通してもらえなかった裏門が、あっさり通れた。
森の中を二人について歩き、途中のY字路で右へと曲がる。
「あれ? こっちの道という事は、中級ダンジョンですか? 上級でも大丈夫ですよ?」
「まだ貴女の実力が分からないからね。そもそもダンジョンが初めてでしょうし、先ずは雰囲気に慣れて貰う為に……って、どうして初めてダンジョンへ行くはずの貴女が、場所を知っているの?」
「え!? えーっと、何となくこっちな気がしただけです。あはは、あははは……」
危ない、危ない。
ダンジョンへ行けるって事で、浮かれすぎていたわね。
けど、中級ダンジョンかぁ。ボスを倒せば、それなりのアイテムが手に入るけど、途中でエンカウントする魔物は大した物をドロップしないから、あんまり美味しくない。
どうせなら最初から上級ダンジョンへ行きたいけど、二人は私がゲームで何百回もダンジョンに潜っているのを知らないからね。
まずは中級ダンジョンで、私がダンジョン慣れしている事を示しますか。
そのまま暫く歩いていると、森の中に小さな洞穴が見えてきた。
「あれが中級ダンジョンよ。準備はいい?」
「えぇ。任せてっ!」
「じゃあ二人とも、行こうか」
二人の後に続き、念願のダンジョンへとやってきた。
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