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第47話 熱が篭るテレーズさん
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「ルーシー様。どちらのお店に参りましょうか?」
とりあえずテレーズさんと一緒に街へやってきたものの、ローランドさんへのプレゼントのイメージが全く湧かない。
菜園クラブで毎日作物を作っているし、何かの農具とか?
けど、どんな農具が必要かが分からないし、そもそも農具で良いのかな?
クラブ活動って、学園から予算っていうか、活動費みたいのが補助されるものよね? ときメイの世界では分からないけど。
「ルーシー様?」
「え、えーっと、ホームセンターに……」
「ホームセンター? 失礼ですが、ホームセンターとは?」
あぁぁぁ……ときメイの世界にホームセンターがある訳なかった!
何でも揃うし、農具や野菜の種だって売っているのに!
……あ、もしかして、作物の種が正解だっりするのかな?
農具だと、違和感しかないし、種なら高くもないだろうから、ちょうど良い気がしてきた。
「えっと、野菜の種を贈りたいんだけど、何処に売っているかな?」
「種……ですか? 園芸店とかでしょうけど……何故、そんな物を?」
「ローランドさんは、菜園クラブの部長さんだからね。野菜の種なら、植えて育てられるかと思って」
「……ですが、クラブの代表を務める程の方でしたら、沢山の種をお持ちではないでしょうか。私は農業の事は分かりかねますが、撒く時期とか、一緒に育ててはいけない作物があったりとか……確認してからの方が宜しいのでは?」
うーん。言われてみれば、確かにそういうのはあるかも。
日本でも相性の悪い野菜があるって聞いた事があるような、無いような……
「えっと、じゃあ何を送ったら良いんだろ?」
「先ず確認ですが、ルーシー様はローランド様の事をどのように想っていらっしゃるのですか?」
「ど、どうって、それはその……菜園クラブの部長?」
「そのまんまじゃないですか。もっと、色々ありますよね? 好きとか嫌いとか、とりあえずキープとか」
「キープって何!? わ、悪い顔になってるよ、テレーズさん!」
なんて言うか、こう……もっと誠実に清く正しく恋愛しようよ。
……まぁその、そもそも恋愛自体した事ないけどさっ!
最後に男の子と良い感じになったのは……小学四年生の頃かな。
いや、向こうは私の事なんて全く意識してないかもしれないけどさ。
なんせ小学生だし。
というか、どうして私は中学生から女子校に通わされたのかなっ!
中学、高校、大学と、受験戦争無しでエスカレーター式に進学出来たのは良かったけど、男性に免疫のないまま社会に出てしまい、上司のオジサンや、先輩方に……こほん。
まぁ私が引き篭もって、ときメイにハマった経緯はさておき、テレーズさんのニヤニヤを止めないと。
「えっとね、テレーズさん。ローランドさんには、メリッサさんっていう幼馴染で、生徒会の副会長さんが居て……」
「そんなの関係ありません! 要は、ルーシー様がどうしたいかです。ルーシー様がローランド様の事を、憎からず思っていらっしゃるのであれば、そのメリッサ嬢を蹴散らさなければ!」
何故かテレーズさんが、変に力の篭った話をしてくるんだけど……
過去に何かあったのかな?
あんまり……というか、ときメイでテレーズさんの逸話なんて無いから、全然分からないけど。
そんな事を思っていると、
「……ん? 私の事を呼んだ? ……って、アンタは、ローランドに付き纏う一年生じゃないのっ! ちょっと魔力が多いからって、ローランドをたぶらかしてっ!」
「あっ! め、メリッサさん……って、待ってください。私はローランドさんをたぶらかしてなんて居ません!」
めちゃくちゃタイミングの悪い事に、すぐ近くをメリッサさんが歩いていた。
とりあえずテレーズさんと一緒に街へやってきたものの、ローランドさんへのプレゼントのイメージが全く湧かない。
菜園クラブで毎日作物を作っているし、何かの農具とか?
けど、どんな農具が必要かが分からないし、そもそも農具で良いのかな?
クラブ活動って、学園から予算っていうか、活動費みたいのが補助されるものよね? ときメイの世界では分からないけど。
「ルーシー様?」
「え、えーっと、ホームセンターに……」
「ホームセンター? 失礼ですが、ホームセンターとは?」
あぁぁぁ……ときメイの世界にホームセンターがある訳なかった!
何でも揃うし、農具や野菜の種だって売っているのに!
……あ、もしかして、作物の種が正解だっりするのかな?
農具だと、違和感しかないし、種なら高くもないだろうから、ちょうど良い気がしてきた。
「えっと、野菜の種を贈りたいんだけど、何処に売っているかな?」
「種……ですか? 園芸店とかでしょうけど……何故、そんな物を?」
「ローランドさんは、菜園クラブの部長さんだからね。野菜の種なら、植えて育てられるかと思って」
「……ですが、クラブの代表を務める程の方でしたら、沢山の種をお持ちではないでしょうか。私は農業の事は分かりかねますが、撒く時期とか、一緒に育ててはいけない作物があったりとか……確認してからの方が宜しいのでは?」
うーん。言われてみれば、確かにそういうのはあるかも。
日本でも相性の悪い野菜があるって聞いた事があるような、無いような……
「えっと、じゃあ何を送ったら良いんだろ?」
「先ず確認ですが、ルーシー様はローランド様の事をどのように想っていらっしゃるのですか?」
「ど、どうって、それはその……菜園クラブの部長?」
「そのまんまじゃないですか。もっと、色々ありますよね? 好きとか嫌いとか、とりあえずキープとか」
「キープって何!? わ、悪い顔になってるよ、テレーズさん!」
なんて言うか、こう……もっと誠実に清く正しく恋愛しようよ。
……まぁその、そもそも恋愛自体した事ないけどさっ!
最後に男の子と良い感じになったのは……小学四年生の頃かな。
いや、向こうは私の事なんて全く意識してないかもしれないけどさ。
なんせ小学生だし。
というか、どうして私は中学生から女子校に通わされたのかなっ!
中学、高校、大学と、受験戦争無しでエスカレーター式に進学出来たのは良かったけど、男性に免疫のないまま社会に出てしまい、上司のオジサンや、先輩方に……こほん。
まぁ私が引き篭もって、ときメイにハマった経緯はさておき、テレーズさんのニヤニヤを止めないと。
「えっとね、テレーズさん。ローランドさんには、メリッサさんっていう幼馴染で、生徒会の副会長さんが居て……」
「そんなの関係ありません! 要は、ルーシー様がどうしたいかです。ルーシー様がローランド様の事を、憎からず思っていらっしゃるのであれば、そのメリッサ嬢を蹴散らさなければ!」
何故かテレーズさんが、変に力の篭った話をしてくるんだけど……
過去に何かあったのかな?
あんまり……というか、ときメイでテレーズさんの逸話なんて無いから、全然分からないけど。
そんな事を思っていると、
「……ん? 私の事を呼んだ? ……って、アンタは、ローランドに付き纏う一年生じゃないのっ! ちょっと魔力が多いからって、ローランドをたぶらかしてっ!」
「あっ! め、メリッサさん……って、待ってください。私はローランドさんをたぶらかしてなんて居ません!」
めちゃくちゃタイミングの悪い事に、すぐ近くをメリッサさんが歩いていた。
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