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第36話 人の姿になってしまったダニエル
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どうしてダニエルが人間に……って、待って! そんな事よりも、もっと大事な事があった!
「だ、ダニエル! 身体……身体っ!」
「ん? あぁ、何でかは分からんけど、人間の姿になってるな。何でやろ?」
「そ、そうじゃなくて、その……裸だよっ! 色々隠してっ!」
「何をや?」
「な、何って……お、乙女に何を言わせようとしているのよっ!」
「いや、何の事かホンマに分からんねんけど」
茶髪のイケメン……大学生くらい? になったダニエルが、全裸のままキョトンとしている。
いやこれ、目のやり場に困るよっ!
「……って、ナーシャちゃん!? な、何をしているのっ!?」
「魔獣が人間の姿になったので。変身魔法はかなり高度な魔法です。どれくらい再現出来ているのか見ているのですが」
「見ちゃダメっ! というか、触るのはもっとダメっ!」
「身体の中の魔力構造を知りたいんですけど……」
「で、でも、ダニエルは男の人でしょ?」
「……あ、そういう事ですか? そんなの別に気にしないですよ? それより、どうしてこうなったかの方が気になりますし」
いや、そこは女の子として気にしようよっ!
エルフだから? エルフと人間は感覚がズレてるの!?
いやまぁ、それを言うなら、ダニエルとは完全にズレてて、全裸なのに一切隠してくれないし、堂々と仁王立ちしてるし。
「しかし、困ったな。この姿やと、棲み家に戻ったら、何て言われるやら」
「棲み家……って、そのシカの仲間が居るの?」
「仲間っていうか、妹やな。この姿でも、ワイやと気付いてくれるやろか? けど、妹さんは人間嫌いやから、この姿で帰ったら攻撃されそうやねんなー」
「妹さんが居るんだ。んー、とりあえず時間が経てば元に戻るかもしれないけど、お家に帰らないと、妹さんに心配されちゃうよね?」
「まぁ一日、二日くらいやったら、帰らんでも大丈夫やろうけど、あんまり長い間帰らんかったら心配するやろなぁ」
「どうしよう。私の家は寮だから、他の人に見つかったら大変な事になっちゃうし……」
どうしたものかと考えていると、未だにペタペタとダニエルの身体を触っていたナーシャが口を開く。
「それなら、私の家に来ますか? 私は一人暮らしですし、幸か不幸か、エルフの村から離れた所に住んでいますし」
「お、えぇんか? それは助かるわ」
「構いませんよ。ダニエルさんにはお世話になっていますし、身体を調べさせていただく事も出来ますし」
何だろう。ナーシャもダニエルも、変な事を言っている訳ではないんだけど、止めないといけない気がする。
何ていうか、全裸の男性と幼い女の子を一つ屋根の下に置いておくのは、見た目的にダメ過ぎるのよね。
勿論、ダニエルが変な事をする訳がないって、わかっているんだけどさ。
『あの、ルーシーさん。とりあえず、治癒魔法を試してみては如何でしょうか? これが仮に状態異常だとすると、治癒魔法で治せるかと』
あ、そうだった。
ダニエルが人間の姿になっちゃって、すっかり頭から抜け落ちていたけど、治癒魔法を試してみようと思っていたんだ。
ユリアナに思い出させてもらったので、早速状態異常を治す魔法をダニエルに使ってみると、
「おぉ、戻った! おおきに! いやー、助かったわ」
「残念です。ダニエルさんを調べたかったのに」
無事に元の姿へ戻る。
しかし、胸を撫で下ろしたのも束の間で、
「お姉ちゃーん。どうしよう。ボク、身体が変だよー」
ずっとダニエルに意識が向いていたけど、セシルが人間の女の子の姿になっていた。
セシル……ごめん。ずっと男の子だと思ってたよ。
「だ、ダニエル! 身体……身体っ!」
「ん? あぁ、何でかは分からんけど、人間の姿になってるな。何でやろ?」
「そ、そうじゃなくて、その……裸だよっ! 色々隠してっ!」
「何をや?」
「な、何って……お、乙女に何を言わせようとしているのよっ!」
「いや、何の事かホンマに分からんねんけど」
茶髪のイケメン……大学生くらい? になったダニエルが、全裸のままキョトンとしている。
いやこれ、目のやり場に困るよっ!
「……って、ナーシャちゃん!? な、何をしているのっ!?」
「魔獣が人間の姿になったので。変身魔法はかなり高度な魔法です。どれくらい再現出来ているのか見ているのですが」
「見ちゃダメっ! というか、触るのはもっとダメっ!」
「身体の中の魔力構造を知りたいんですけど……」
「で、でも、ダニエルは男の人でしょ?」
「……あ、そういう事ですか? そんなの別に気にしないですよ? それより、どうしてこうなったかの方が気になりますし」
いや、そこは女の子として気にしようよっ!
エルフだから? エルフと人間は感覚がズレてるの!?
いやまぁ、それを言うなら、ダニエルとは完全にズレてて、全裸なのに一切隠してくれないし、堂々と仁王立ちしてるし。
「しかし、困ったな。この姿やと、棲み家に戻ったら、何て言われるやら」
「棲み家……って、そのシカの仲間が居るの?」
「仲間っていうか、妹やな。この姿でも、ワイやと気付いてくれるやろか? けど、妹さんは人間嫌いやから、この姿で帰ったら攻撃されそうやねんなー」
「妹さんが居るんだ。んー、とりあえず時間が経てば元に戻るかもしれないけど、お家に帰らないと、妹さんに心配されちゃうよね?」
「まぁ一日、二日くらいやったら、帰らんでも大丈夫やろうけど、あんまり長い間帰らんかったら心配するやろなぁ」
「どうしよう。私の家は寮だから、他の人に見つかったら大変な事になっちゃうし……」
どうしたものかと考えていると、未だにペタペタとダニエルの身体を触っていたナーシャが口を開く。
「それなら、私の家に来ますか? 私は一人暮らしですし、幸か不幸か、エルフの村から離れた所に住んでいますし」
「お、えぇんか? それは助かるわ」
「構いませんよ。ダニエルさんにはお世話になっていますし、身体を調べさせていただく事も出来ますし」
何だろう。ナーシャもダニエルも、変な事を言っている訳ではないんだけど、止めないといけない気がする。
何ていうか、全裸の男性と幼い女の子を一つ屋根の下に置いておくのは、見た目的にダメ過ぎるのよね。
勿論、ダニエルが変な事をする訳がないって、わかっているんだけどさ。
『あの、ルーシーさん。とりあえず、治癒魔法を試してみては如何でしょうか? これが仮に状態異常だとすると、治癒魔法で治せるかと』
あ、そうだった。
ダニエルが人間の姿になっちゃって、すっかり頭から抜け落ちていたけど、治癒魔法を試してみようと思っていたんだ。
ユリアナに思い出させてもらったので、早速状態異常を治す魔法をダニエルに使ってみると、
「おぉ、戻った! おおきに! いやー、助かったわ」
「残念です。ダニエルさんを調べたかったのに」
無事に元の姿へ戻る。
しかし、胸を撫で下ろしたのも束の間で、
「お姉ちゃーん。どうしよう。ボク、身体が変だよー」
ずっとダニエルに意識が向いていたけど、セシルが人間の女の子の姿になっていた。
セシル……ごめん。ずっと男の子だと思ってたよ。
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