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第10話 火魔法の授業はイケメン先生
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「いってきまーす!」
『いってらっしゃい』
ユリアナに見送られながら、校舎へ向かう。
まぁ世界樹の杖を持っているので、ユリアナと話そうと思えば何処でも話せるんだけど、こういうのは気分っていうか、無言で寮を出るより良いよね。
とりあえず、今日から授業が始まるんだけど、学園生活の三年間の方針とにては、生活魔法を使えるようになる為、全ての属性を満遍なく習得する事だ。
だけど、一番最初に取り組むのは、火魔法と決めていたりする。
というのも、昨日も土魔法を使ったけど、ユリアナに力を借りれば、初級……つまり目標の生活魔法が既に使えちゃうのよね。
火魔法以外は。
ユリアナは木だからか、火魔法が使えないから、これは私が自分で使えるようにならないと。
「おはようございます。えっと、ルーシーさん……ですよね?」
自分で選択した授業の教室へ行く前に、ホームルームがあるから一組の教室へ来たら、いきなりクラスの女の子に話し掛けられた。
……って、入学式で隣にいた、ルーシーの取り巻きの一人の子だ。
「お、おはよう。私はルーシーだけど……?」
「ですよねっ! 私は、昨日話し掛けたミリアって言うんですけど、覚えてらっしゃいますか?」
「え、えぇ」
ど、どうしよう。
何故、私から何もしていないのに話し掛けてきたの!?
やっぱり私を悪役令嬢に仕立て上げたいって事!?
私がルーシーだから、悪役令嬢に違いないし、それを受け入れた上で、エンディング後の事を考えてスキルの習得に勤しもうとしているのに。
ゲーム内では名前の出て来なかったミリアが、親睦を深めようとしているらしく、他愛のない話を幾つか話してきて……一呼吸置く。
何となく、今から本題に入るんだろうなと身構えると、ミリアが半歩間を詰める。
「あのっ! ルーシーさん。私に……」
「あ、ミリアさん。先生が来られましたよ」
「……そ、そうですね。では、後ほど」
よ、良かった。
ミリアには悪いけど、私には時間が無いのよ。
この世界では誰でも使える魔法が使えない上に、辺境生活が確定しているんだもん。
とりあえず、先生が何か喋っているけど、それを聞き流しながら、火魔法の教科書をチラ見する。
昨日はまさかの消灯で、教科書が読めなかったから、予習も出来ていないけど……うん。何が書いてあるか、サッパリ分からないわね。
何故か文字は日本語だから読めるんだけど、魔法理論って書かれた章とか、魔法陣っぽい絵とか、全然理解出来ない。
内心頭を抱えているうちにホームルームが終わっていたので、ミリアにつかまらないようダッシュで教室を移動する。
「お。今年の一年生はやる気があるね。ここは火魔法の授業を行う教室だけど、受けたい授業とあっているかな?」
「はい! 先生、全然魔法の事が分からないんですが、どうぞ宜しくお願いします!」
「はっはっは。元気なお嬢さんだね。三年間、頑張ろうな」
火魔法の先生は、名前は忘れたけど、おそらく二十代半ばのイケメン先生だ。
高校にこんな先生が居たら、大人気になるんだろうな。
実際、私だってちょっと良いと思う。
日本で社会人だった私からすると、高校一年生の男子は、精神的に幼いんじゃないかなって思うんだよね。
……まぁルーシーが誰かと結ばれる事はないので、ただの酸っぱいブドウなんだけどねっ!
さて、真面目に火魔法の勉強を頑張りますか。
目指せ、生活魔法! 火を起こせるようになって、辺境で料理が出来るようになるんだっ!
『いってらっしゃい』
ユリアナに見送られながら、校舎へ向かう。
まぁ世界樹の杖を持っているので、ユリアナと話そうと思えば何処でも話せるんだけど、こういうのは気分っていうか、無言で寮を出るより良いよね。
とりあえず、今日から授業が始まるんだけど、学園生活の三年間の方針とにては、生活魔法を使えるようになる為、全ての属性を満遍なく習得する事だ。
だけど、一番最初に取り組むのは、火魔法と決めていたりする。
というのも、昨日も土魔法を使ったけど、ユリアナに力を借りれば、初級……つまり目標の生活魔法が既に使えちゃうのよね。
火魔法以外は。
ユリアナは木だからか、火魔法が使えないから、これは私が自分で使えるようにならないと。
「おはようございます。えっと、ルーシーさん……ですよね?」
自分で選択した授業の教室へ行く前に、ホームルームがあるから一組の教室へ来たら、いきなりクラスの女の子に話し掛けられた。
……って、入学式で隣にいた、ルーシーの取り巻きの一人の子だ。
「お、おはよう。私はルーシーだけど……?」
「ですよねっ! 私は、昨日話し掛けたミリアって言うんですけど、覚えてらっしゃいますか?」
「え、えぇ」
ど、どうしよう。
何故、私から何もしていないのに話し掛けてきたの!?
やっぱり私を悪役令嬢に仕立て上げたいって事!?
私がルーシーだから、悪役令嬢に違いないし、それを受け入れた上で、エンディング後の事を考えてスキルの習得に勤しもうとしているのに。
ゲーム内では名前の出て来なかったミリアが、親睦を深めようとしているらしく、他愛のない話を幾つか話してきて……一呼吸置く。
何となく、今から本題に入るんだろうなと身構えると、ミリアが半歩間を詰める。
「あのっ! ルーシーさん。私に……」
「あ、ミリアさん。先生が来られましたよ」
「……そ、そうですね。では、後ほど」
よ、良かった。
ミリアには悪いけど、私には時間が無いのよ。
この世界では誰でも使える魔法が使えない上に、辺境生活が確定しているんだもん。
とりあえず、先生が何か喋っているけど、それを聞き流しながら、火魔法の教科書をチラ見する。
昨日はまさかの消灯で、教科書が読めなかったから、予習も出来ていないけど……うん。何が書いてあるか、サッパリ分からないわね。
何故か文字は日本語だから読めるんだけど、魔法理論って書かれた章とか、魔法陣っぽい絵とか、全然理解出来ない。
内心頭を抱えているうちにホームルームが終わっていたので、ミリアにつかまらないようダッシュで教室を移動する。
「お。今年の一年生はやる気があるね。ここは火魔法の授業を行う教室だけど、受けたい授業とあっているかな?」
「はい! 先生、全然魔法の事が分からないんですが、どうぞ宜しくお願いします!」
「はっはっは。元気なお嬢さんだね。三年間、頑張ろうな」
火魔法の先生は、名前は忘れたけど、おそらく二十代半ばのイケメン先生だ。
高校にこんな先生が居たら、大人気になるんだろうな。
実際、私だってちょっと良いと思う。
日本で社会人だった私からすると、高校一年生の男子は、精神的に幼いんじゃないかなって思うんだよね。
……まぁルーシーが誰かと結ばれる事はないので、ただの酸っぱいブドウなんだけどねっ!
さて、真面目に火魔法の勉強を頑張りますか。
目指せ、生活魔法! 火を起こせるようになって、辺境で料理が出来るようになるんだっ!
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