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第10章 聖剣と魔王
第335話 異世界召喚魔法
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「フローレンス様! これは一体!?」
「ヘンリー、違うでしょっ! それに、また女の子を侍らせてるっ!」
「侍らせて……って、この二人は俺の仲間ですが」
「あの巨乳女騎士も、仲間というか部下だったでしょ! しかも、そっちの女騎士と同じくらいに大きな胸だったし!」
フローレンス様は何を言っているのだろうか。
巨乳騎士っていうのはニーナの事だと思うけど、ジェーンはおっぱいを触らせてくれるけど、夫婦では無いんだが。
そう思った直後、
「ヘンリーのバカぁぁぁっ!」
フローレンス様が纏う黒いオーラが一際濃く大きくなり……黒い塊が飛んできた!?
「なっ……はぁっ!」
子供くらいの直径がある塊を聖剣で真っ二つに斬り……消えない!?
そのまま後ろに流れて行く!?
「ジェーン! マーガレット!」
「主様、大丈夫です」
「私も。叩き落としたよー」
俺の左右に控えていた二人に、俺が斬った黒い塊が飛んで行ってしまったが、二人とも無事回避してくれたようだ。
「フローレンス様! 一体どうされたというのですか!?」
「また言った! バカバカバカバカーっ!」
フローレンス 様の纏う黒い魔力が更に膨れ上がり、より一層濃く、強大になっていく。
『ヘンリーさん! やっぱりこれは、マズいです!』
(言われなくても分かってるよ!)
『いえ、おそらくヘンリーさんの想像を上回るヤバさです! あの黒い魔力……かつて私が戦った魔王と同等。もしくは、それ以上です』
フローレンス様が纏う黒い魔力が強力なのはわかるが、魔王以上だって!?
(それは……フローレンス様が、魔王みたいな存在に憑依されているって事か!?)
『そういう事です。今はまだ、王女様が意識の主導権を持っているようですが、もしも憑依している側の魔王が主導権を握ってしまったら……魔王の再臨。再び、世界が闇に閉ざされる可能性があります』
(闇に閉ざされる……って、それがアオイが魔王と戦った時の話か?)
『えぇ。魔王を頂点とした、魔族の群れが人間やエルフ、獣人族などの国々を滅ぼし、野山に居る獣が片っ端から魔物に変質していきました。残った各種族は結束し、エルフのある秘術に世界を託す事にしたんです」
(秘術?)
『はい。異世界から、魔王を倒せる力と才能を持った者を呼び寄せるエルフの秘術――今だから分かりますが、召喚魔法ですよ。それを使い、日本という異世界から二人の人間を召喚したんです』
日本? 異世界? アオイは一体何を言っているのだろうか。
こことは違う世界? そんな物が存在するのか?
だけど思い返してみれば、魔法学校で――というか、俺たち人間の中では召喚魔法を使う召喚士の扱いは悪いが、エルフのルミは召喚魔法を高等魔法だって言っていたっけ。
始めはアオイも召喚魔法の存在を知らなかったし、その魔王を倒す為にエルフが使った秘術を、後で人間が真似て、劣化版の召喚魔法が人間側で認知されていて、使えないという評価になっているのだろうか。
『おそらくヘンリーさんの考える通りかと。エルフの使う召喚魔法は、ヘンリーさんが使うような簡易な魔法陣ではなく、魔法陣を描くだけで数日要するような物でしたし』
(なるほど。ちなみに、その異世界から召喚された人間の一人は勇者ツバサ=キムラだろ? 二人っていうのは? もう一人勇者が居たのか?)
『私ですよ、私。アオイ=タナカ……というか、田中葵とクラスメイトの木村翼。二人の美少女によって、この世界は救われたんです』
(いや、自分で美少女って言うなよ……って、二人の美少女!? 勇者ツバサは女の子だったのか!?)
『はい。ちなみに、私も翼も十三歳の中学一年生でした』
アオイの言う中学一年生というのはよく分からないが、十三歳か。
その年齢なら、アオイが貧乳でも仕方ないな。
『誰が貧乳ですかっ! 誰がっ! ……というか、思いっきり話が逸れました! とにかく、王女様が魔王に意識を奪われる前に倒さないと!』
(倒さないと……って、フローレンス様をか!?)
『そうです! いくらヘンリーさんが化物級に強くとも、あの翼でさえ魔王は封じる事が精一杯で、倒す事が出来なかったんです。今なら攻撃も単調ですし、王女様ごと倒すしかありません!』
過去の魔王との戦いを経験し、魔王との戦いで命を落としてしまったアオイが、目の前に居るフローレンス様を斬れと言ってくる。
だが、そんな事……どうすれば良いんだっ!
「ヘンリー、違うでしょっ! それに、また女の子を侍らせてるっ!」
「侍らせて……って、この二人は俺の仲間ですが」
「あの巨乳女騎士も、仲間というか部下だったでしょ! しかも、そっちの女騎士と同じくらいに大きな胸だったし!」
フローレンス様は何を言っているのだろうか。
巨乳騎士っていうのはニーナの事だと思うけど、ジェーンはおっぱいを触らせてくれるけど、夫婦では無いんだが。
そう思った直後、
「ヘンリーのバカぁぁぁっ!」
フローレンス様が纏う黒いオーラが一際濃く大きくなり……黒い塊が飛んできた!?
「なっ……はぁっ!」
子供くらいの直径がある塊を聖剣で真っ二つに斬り……消えない!?
そのまま後ろに流れて行く!?
「ジェーン! マーガレット!」
「主様、大丈夫です」
「私も。叩き落としたよー」
俺の左右に控えていた二人に、俺が斬った黒い塊が飛んで行ってしまったが、二人とも無事回避してくれたようだ。
「フローレンス様! 一体どうされたというのですか!?」
「また言った! バカバカバカバカーっ!」
フローレンス 様の纏う黒い魔力が更に膨れ上がり、より一層濃く、強大になっていく。
『ヘンリーさん! やっぱりこれは、マズいです!』
(言われなくても分かってるよ!)
『いえ、おそらくヘンリーさんの想像を上回るヤバさです! あの黒い魔力……かつて私が戦った魔王と同等。もしくは、それ以上です』
フローレンス様が纏う黒い魔力が強力なのはわかるが、魔王以上だって!?
(それは……フローレンス様が、魔王みたいな存在に憑依されているって事か!?)
『そういう事です。今はまだ、王女様が意識の主導権を持っているようですが、もしも憑依している側の魔王が主導権を握ってしまったら……魔王の再臨。再び、世界が闇に閉ざされる可能性があります』
(闇に閉ざされる……って、それがアオイが魔王と戦った時の話か?)
『えぇ。魔王を頂点とした、魔族の群れが人間やエルフ、獣人族などの国々を滅ぼし、野山に居る獣が片っ端から魔物に変質していきました。残った各種族は結束し、エルフのある秘術に世界を託す事にしたんです」
(秘術?)
『はい。異世界から、魔王を倒せる力と才能を持った者を呼び寄せるエルフの秘術――今だから分かりますが、召喚魔法ですよ。それを使い、日本という異世界から二人の人間を召喚したんです』
日本? 異世界? アオイは一体何を言っているのだろうか。
こことは違う世界? そんな物が存在するのか?
だけど思い返してみれば、魔法学校で――というか、俺たち人間の中では召喚魔法を使う召喚士の扱いは悪いが、エルフのルミは召喚魔法を高等魔法だって言っていたっけ。
始めはアオイも召喚魔法の存在を知らなかったし、その魔王を倒す為にエルフが使った秘術を、後で人間が真似て、劣化版の召喚魔法が人間側で認知されていて、使えないという評価になっているのだろうか。
『おそらくヘンリーさんの考える通りかと。エルフの使う召喚魔法は、ヘンリーさんが使うような簡易な魔法陣ではなく、魔法陣を描くだけで数日要するような物でしたし』
(なるほど。ちなみに、その異世界から召喚された人間の一人は勇者ツバサ=キムラだろ? 二人っていうのは? もう一人勇者が居たのか?)
『私ですよ、私。アオイ=タナカ……というか、田中葵とクラスメイトの木村翼。二人の美少女によって、この世界は救われたんです』
(いや、自分で美少女って言うなよ……って、二人の美少女!? 勇者ツバサは女の子だったのか!?)
『はい。ちなみに、私も翼も十三歳の中学一年生でした』
アオイの言う中学一年生というのはよく分からないが、十三歳か。
その年齢なら、アオイが貧乳でも仕方ないな。
『誰が貧乳ですかっ! 誰がっ! ……というか、思いっきり話が逸れました! とにかく、王女様が魔王に意識を奪われる前に倒さないと!』
(倒さないと……って、フローレンス様をか!?)
『そうです! いくらヘンリーさんが化物級に強くとも、あの翼でさえ魔王は封じる事が精一杯で、倒す事が出来なかったんです。今なら攻撃も単調ですし、王女様ごと倒すしかありません!』
過去の魔王との戦いを経験し、魔王との戦いで命を落としてしまったアオイが、目の前に居るフローレンス様を斬れと言ってくる。
だが、そんな事……どうすれば良いんだっ!
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