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第10章 聖剣と魔王

第332話 聖剣

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「お兄ちゃん……いつも、こんな感じなの?」
「あぁ、いつもこんな感じだ」

 一緒に風呂を済ませ、俺の寝室へ来たルミが、初めてソフィアが来た時と同じような言葉を呟く。
 まぁベッドが幼女たちで溢れ返っているからな。
 ただ、風呂でもベッドでも、ラウラが何の違和感も無く混ざっているが。

「とりあえず、子供たちの前では禁止だからな」
「うぅ……わ、わかった。というか、ルミだって、子供たちに見られながら……なんて趣味は無いよっ!」
「……ラウラちゃんは、ここでも問題なしだけど」

 とりあえずラウラの言葉はスルーして、いつものように就寝……と、みせかけて、子供たちが寝静まったところで、ソフィアの部屋に瞬間移動する。
 もちろん、ラウラも起きているので一緒に。

「へ、ヘンリーさん。私だけ、未だなのですっ! いつの間にかニーナさんやアタランテさんともされていて、ズルいのですっ!」

 ソフィアの部屋には、昨日居なかったプリシラと、ニーナとアタランテも居た。
 一先ず今晩はプリシラからという事になり……その後は全員で。
 相変わらず、クレアは凄く頑張る……というか凄く乱れ、ドロシーはちょっとアブノーマルな方向に目覚めつつあるけど。

 その翌朝、

「お兄ちゃん! 昨日はどこへ行っていたのっ!?」
「どこ……って、一緒に寝てただろ」
「違うもん! ルミがちょっとウトウトしている間に、居なくなってたもん! お、お風呂へ一緒に入った仲なんだから、その後を期待してたのにっ!」

 食堂でルミに会い、朝食前に口を尖らせられてしまった。

「……旦那様。昨日の夜も凄かった」
「……ズルいっ! ルミよりも幼い子としてるんだから、ルミにもしてよっ!」
「いや、朝から何を言っているんだよっ! というか、ラウラもそんな事を言わなくて良いってば」

 ルミとラウラは、見た目の年齢が近いから、ライバルみたいになっているのだろうか。
 ただ、どちらも種族が違うし、実年齢も違う……もしかして、エルフとドワーフは仲が悪いっていう噂が本当だったりして。
 何にせよ、仲良くするように言いつつ、朝食を済ますと、

「……旦那様。そろそろ剣が出来上がっていると思う」
「え? こんなに早く?」
「……パパなら、聖銀でもすぐ打てる」
「なるほど。結婚の挨拶関係も一通り終わったし、行ってみるか」

 ライマーさんに頼んでいた聖剣が出来上がっているハズだと、ラウラが言ってくれた。
 魔王の魔力が膨れ上がっていたという事実もあるし、何が起こるかも分からないから、早速取りに行こうか。
 一先ず、ドワーフの国へ行くと皆に告げ、ラウラと共に……

「ドワーフさんの所なら、私も行くわ。お世話になったしね」

 ソフィアも混ざり、三人で移動する。
 ドワーフの国へ着くと、ラウラの案内でライマーさんの所へ行き、

「お、婿殿。もしかして、孫が出来たっていう話か?」
「……パパ。流石に気が早過ぎ。出来ていてもおかしくない量と回数だけど、未だ分からない」
「って、ラウラは何の話をしているんだよっ!」

 父娘で何て話をするんだよっ!
 いや、子供が出来たら報告には来るけど、量とか回数の話はしなくて良いから。

「えーっと、そろそろ剣が出来上がっているはずだと、ラウラから聞いて来たんですが」
「あぁ、聖銀の話か。かなり前に完成させていたから、すっかり忘れていたぞ。ちょっと待っていてくれ」

 そう言ってライマーさんが一旦奥に姿を消し、二本の剣を手にして戻って来た。

「聖銀が大量にあったから、依頼された両手剣と片手剣の両方を作っておいた。どちらも聖剣と呼んで差し支えない出来だ。受け取ってくれ」
「二本も……ありがとうございます」
「いや、こちらも聖銀を打つのは久しぶりだったからな。若い衆の良い勉強になったよ。あと、これはおまけだ」
「えっと、剣の柄……?」
「あぁ、聖銀が余ったからな。魔力を込めれば、刀身が現れる。物理的な攻撃力は無いが、魔法を剣の形にしたと思ってくれれば良い」

 なるほど。
 どういう仕組みかは分からないが、物凄い事だけは分かった。

『わ、私の方が凄いですし。具現化魔法で、好きな形の武器を作れますし』

 ……って、どうしてアオイは、何か凄い物を目にすると、すぐに対抗するんだよっ!
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