英霊召喚 ~ハズレと呼ばれた召喚魔法で、過去の大賢者を召喚して史上最強~

向原 行人

文字の大きさ
上 下
293 / 343
第9章 ドワーフ婚姻試練

第290話 隠し子騒動

しおりを挟む
 基礎学校の教師か。
 パメラは良いとして、ざっと見たところ、ワンダは子供好きそうな感じがする。
 エリザベスは依頼すればやってくれると思うけど、これ以上負荷を大きくするのはマズい。
 幼女の人数が多いだけあって、それなりの人数が欲しいから……

「冒険者ギルドで募集してみるというはどうだろう?」
「うーん。ですが、冒険者と教師は対極……とまでは言いませんが、仕事内容も生活も違い過ぎますし、難しいのではないでしょうか」
「おーい。ヘンリーもエリザベスさんも、どうして私を無視するんだ? 幼女教育なら、この私に任せろとあれ程……」

 父さんを放置して、エリザベスと暫し意見を出し合う。
 幸い、エリザベスのおかげで、エルフの村から安く仕入れ、王都に色を付けて買い取って貰っているため、村の資金には余裕がある。
 なので、外部から子供好きの教師を連れて来るのが良いと思う。……女児ばかりなので、出来れば女性で。

「あ……そうだ! 魔法学校の生徒に泊まり込みで対応してもらうっていうのは、どうだろう。パメラが居るから、こっちに居ても単位が取れる事にしてもらって」
「うーん。魔法学校側と取り決めを交わす事と、協力してくれる生徒が居れば、まだアリかもしれませんが……」

 とりあえずパメラに俺の案を伝えてみると、

「学長が良いって言うなら、こっちで魔法学校の授業を教えるのは構わないわよ。一応、先生の本職は魔法学校の教師だしね」

 一先ず承諾してくれた。
 ……時々忘れそうになるけど、パメラって魔法学校の教師なんだよな。
 そんな事を思いながら、先ずは学長の承諾を得る為、ユーリヤと一緒に魔法学校へ来て、

「……許可出来るとしても、三年生で、かつ本人と親御さんが承諾した場合のみかの。長期休暇時の手伝い程度であれば、好きにしてくれれば良いのじゃが」

 一先ず許可は得られた。
 しかし、当然と言えば当然だけど、親の許可は要るよな。
 とりあえず話だけでもしてみようと、基礎魔法コースの教室へ行くと、

「あー、ハー君っ! 久しぶりーっ!」

 休憩時間だった事もあり、エリーが抱きついて来た。
 うん。この控えめなエリーのおっぱいに触れると、原点に戻ってきたって感じがするよね。

「ハー君? ジッとエリーの胸を見つめて、どうしたのー?」
「いやー、何だかほっこりするなーって思って」
「……ん? どうしてー?」

 不思議そうに小首を傾げるエリーの頭を撫でると、

「えへへー。なでなでしてもらったー」

 胸の話が無事に誤魔化せた。

「にーに。ユーリヤもー」
「はいはい。ユーリヤも撫で撫で」
「わーい」

 エリーから派生して、ユーリヤの頭も撫で……そろそろ本題に移ろう。

「皆、久しぶり! 今日はあるお願いがあって、やって来たんだが、この中で子供が好きな人は居るだろうか」

 教壇に立ち、大きな声で呼び掛けると、

「子供……って、まさかヘンリー君と子供を作るって事!?」
「そ、そんなのダメだよっ! 不純異性交遊だよっ! ……ふ、不純じゃないと言ってくれるのなら、か、考えても良いけど……」
「待って。エリーちゃんはどうなるの!? そ、そういう事に興味はあるけどさ……」

 予想していたのと全く違う反応が駆け巡る。
 あれ? 何かがおかしいんだが。

『そうですか? ある意味で日頃の行いの賜物だと思いますけど』
(いや、子供が好きか? って聞いて、子供を作ってくれ……って、なるか!?)
『呼びかけたのがヘンリーさんだからですよ』
(断定されたっ!?)

 とりあえず収集がつかなくなる前に、軌道修正する。

「すまん。訂正するが、子供の面倒を見るのが好きな子は居るか? 今、子供の面倒を見る人手が欲しんだ」
「え……子供の面倒って、もしかしてユーリヤちゃんのお世話が出来るのっ!?」
「うーん。場合によってはユーリヤも含まれるかもしれん。まぁでも、ユーリヤはもちろんだが、みんな可愛いぞ」
「ユーリヤちゃん以外の可愛い子供!? 待って。ヘンリー君は、既に子供が居るの!?」
「そうだな。今、俺の所に女の子が何人か居るな」
「えぇぇぇっ!? ど、どういう事なのっ!? え、エリーちゃんはっ!? ……もしかして、実はエリーちゃんが既にっ!? それとも……まさか隠し子っ!?」

 何故だ!? 軌道修正したはずなのに、何故かクラス中が騒ぎ始めてしまった。
 どうして落ち着かせようとしたのに、逆にざわつくんだ!?
 俺では埒が明かないので、エリーにフォローしてもらおうと思ったら、

「ハー君はー、エリーとの子供以外に子供が居るのー?」

 エリーが困惑した様子で俺を見つめてくる……って、エリーとの子供も居ないっての!
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました

遥 かずら
ファンタジー
冒険者ギルドに所属しているエンジは剣と魔法の才能が無く、文字を書くことだけが取り柄であった。落ちこぼれスキル【転写】を使いギルド帳の筆記作業で生計を立てていた。そんなある日、立ち寄った勇者パーティーの貴重な古代書を間違って書き写してしまい、盗人扱いされ、勇者によってギルドから追放されてしまう。 追放されたエンジは、【転写】スキルが、物やスキル、ステータスや魔法に至るまで何でも【コピー】できるほどに極められていることに気が付く。 やがて彼は【コピー】マスターと呼ばれ、世界最強の冒険者となっていくのであった。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

処理中です...