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第9章 ドワーフ婚姻試練
第289話 青空学校始動?
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ワープ・ドアを使って屋敷に帰ってくると、三姉妹の残りの二人が駆け寄ってくる。
「あ、戻ってきたっ! おにいちゃん、リオナは!?」
「ん? あぁ、ぐっすり眠っているから、静かにしてやってくれ」
「リオナがこんなにぐっすり眠っているなんて……まさか、食べ物で釣ってエッチな事をしたの!?」
いや、しないから。
というか、レオナは素直にリオナの事を心配しているけれど、ルオナは何を心配しているんだよ。
けど、この三姉妹もだけじゃなく、他にも幼女がいっぱいいて、ノーマが凄く困っていたり、ワンダが一緒になって遊んで居たり、何故かニーナがおっぱいを触られていたり……いいなぁ。俺も混ざりたい……じゃなくて、収拾のつかないカオスな状態となっていた。
同世代の子供が多いからか、それとも食べ物なんかの心配がないからか、大変な目に遭ったのに塞ぎ込む子供も居らず、元気で何よりなのだが、俺の基礎学校時代でさえ、もう少し落ち着きがあったと思う。
「……って、そうだっ! これだっ!」
「ヘンリーさん、どうかされたのですか?」
「エリザベス……頼みがあるんだ。さっき、リオナがエルフの村へついて来てしまった時に思ったんだけど、この子供たちを一先ず基礎学校に通わせたいんだ」
「なるほど。そうですね、孤児たちもこの家に慣れたみたいですし、そろそろ良いのではないかと」
「ん? その言い方だと、既に準備していたって事なのか?」
「はい。トリスタンさんとパメラさんから頂いた要望を纏め、実現可能だと判断した範囲のみとなりますが」
さ、流石はエリザベス。
俺の思考を先読み出来る聖女……凄いな。
「具体的にはどういう状況なんだ?」
「一先ず、想定よりも子供の数が多くなってしまいましたが、基礎学校の校舎となる建物の建築を発注済みです」
「発注? どこかの大工さんにか?」
「はい。エルフさんたちにお願いしております。場所は、この村のすぐそばの森の中です。エルフの樹を使った建物の技術を用いて、必要最低限の伐採で建物が造れるそうです」
「エルフが作る建物か。凄そうだけど、費用がかなり高いんじゃないのか?」
「いえ。メリッサさんのパンケーキの新作のおかげで、かなり安くなっていますよ」
で、出来る。
甘い物でエルフたちの心を鷲掴みにして、こちらの要望を通し易くする……エリザベス、おそろしい子。
「一先ず、エルフさんたちに机や椅子を先に作ってもらいましたので、青空教室という形であれば授業は可能かと」
「なるほど。とはいえ、それだと雨が降ると辛いだろ。校舎が完成するまでの仮校舎は俺が何とかするよ」
「何とか出来るのですか? 流石ヘンリーさんですね。ですが、私も困っている事がありまして……」
「あー、それは何となく想像がつく。俺も気にしている事だから。……誰が子供たちの教師をするかだろ?」
俺の言葉でエリザベスが小さく頷く。
今この屋敷には、一番幼いユーリヤを始めとして、十歳にも満たない子供が結構居る。
例えば、リオナみたいなタイプの子はジッとさせるのが難しそうだし、大人しいモニカが居たり、早く働きたいと言うシュゼットが居たり。
特に、ハザーラー帝国でロリコン魔族を退け、各街をマーガレットと共に回った事で、かなりの孤児を保護したからな。
正直言って、俺も全員が把握出来ていなかったりする。
ちなみにあの時点では、俺よりもマーガレットの方が英雄扱いされていて、孤児たちも聖女マーガレットについて行きたいという感じだったので……うん。幼女たちはマーガレットに任せれば良いんじゃないかな。
割と本気でそんな事を考えていると、
「はっはっは。ヘンリーよ、父を呼んだかな? 低学年担当教師、トリスタン……登壇っ!」
「ヘンリー君が呼んだのは、先生の事よね? マックート村基礎学校初代学長、パメラ……見参っ!」
どこからともなく、オッサンとオバ……もとい、父さんとパメラが現れた。
「却下。いや、パメラはギリギリ良しとしよう。だけど、父さんはダメだ。絶対に!」
「何故だっ!? 言っておくが、父さんは十歳未満の女の子にあらゆる事を教えられるように、パメラ先生の指導の下、毎日夜遅くまで教育について勉強しているんだぞっ!?」
「子供たちが危険だから。以上」
「何を言う。危険な訳が無いだろう。日々の授業から着替えやトイレまで、幼女たちから目を離さず、常に見守る所存だぞ!?」
「そこは目を離せっ! いや、父さん。冗談で言っている訳じゃなくて、本気でダメな奴だから。マジで皆ドン引きする奴だから」
見守りだなんてそれっぽい事を言っているが、要は覗き見……というか、もう発想が犯罪者だよ。
「ヘンリーさん。いかがいたしましょうか」
エリザベスと顔を見合わせ、揃って溜め息を吐いてしまった。
「あ、戻ってきたっ! おにいちゃん、リオナは!?」
「ん? あぁ、ぐっすり眠っているから、静かにしてやってくれ」
「リオナがこんなにぐっすり眠っているなんて……まさか、食べ物で釣ってエッチな事をしたの!?」
いや、しないから。
というか、レオナは素直にリオナの事を心配しているけれど、ルオナは何を心配しているんだよ。
けど、この三姉妹もだけじゃなく、他にも幼女がいっぱいいて、ノーマが凄く困っていたり、ワンダが一緒になって遊んで居たり、何故かニーナがおっぱいを触られていたり……いいなぁ。俺も混ざりたい……じゃなくて、収拾のつかないカオスな状態となっていた。
同世代の子供が多いからか、それとも食べ物なんかの心配がないからか、大変な目に遭ったのに塞ぎ込む子供も居らず、元気で何よりなのだが、俺の基礎学校時代でさえ、もう少し落ち着きがあったと思う。
「……って、そうだっ! これだっ!」
「ヘンリーさん、どうかされたのですか?」
「エリザベス……頼みがあるんだ。さっき、リオナがエルフの村へついて来てしまった時に思ったんだけど、この子供たちを一先ず基礎学校に通わせたいんだ」
「なるほど。そうですね、孤児たちもこの家に慣れたみたいですし、そろそろ良いのではないかと」
「ん? その言い方だと、既に準備していたって事なのか?」
「はい。トリスタンさんとパメラさんから頂いた要望を纏め、実現可能だと判断した範囲のみとなりますが」
さ、流石はエリザベス。
俺の思考を先読み出来る聖女……凄いな。
「具体的にはどういう状況なんだ?」
「一先ず、想定よりも子供の数が多くなってしまいましたが、基礎学校の校舎となる建物の建築を発注済みです」
「発注? どこかの大工さんにか?」
「はい。エルフさんたちにお願いしております。場所は、この村のすぐそばの森の中です。エルフの樹を使った建物の技術を用いて、必要最低限の伐採で建物が造れるそうです」
「エルフが作る建物か。凄そうだけど、費用がかなり高いんじゃないのか?」
「いえ。メリッサさんのパンケーキの新作のおかげで、かなり安くなっていますよ」
で、出来る。
甘い物でエルフたちの心を鷲掴みにして、こちらの要望を通し易くする……エリザベス、おそろしい子。
「一先ず、エルフさんたちに机や椅子を先に作ってもらいましたので、青空教室という形であれば授業は可能かと」
「なるほど。とはいえ、それだと雨が降ると辛いだろ。校舎が完成するまでの仮校舎は俺が何とかするよ」
「何とか出来るのですか? 流石ヘンリーさんですね。ですが、私も困っている事がありまして……」
「あー、それは何となく想像がつく。俺も気にしている事だから。……誰が子供たちの教師をするかだろ?」
俺の言葉でエリザベスが小さく頷く。
今この屋敷には、一番幼いユーリヤを始めとして、十歳にも満たない子供が結構居る。
例えば、リオナみたいなタイプの子はジッとさせるのが難しそうだし、大人しいモニカが居たり、早く働きたいと言うシュゼットが居たり。
特に、ハザーラー帝国でロリコン魔族を退け、各街をマーガレットと共に回った事で、かなりの孤児を保護したからな。
正直言って、俺も全員が把握出来ていなかったりする。
ちなみにあの時点では、俺よりもマーガレットの方が英雄扱いされていて、孤児たちも聖女マーガレットについて行きたいという感じだったので……うん。幼女たちはマーガレットに任せれば良いんじゃないかな。
割と本気でそんな事を考えていると、
「はっはっは。ヘンリーよ、父を呼んだかな? 低学年担当教師、トリスタン……登壇っ!」
「ヘンリー君が呼んだのは、先生の事よね? マックート村基礎学校初代学長、パメラ……見参っ!」
どこからともなく、オッサンとオバ……もとい、父さんとパメラが現れた。
「却下。いや、パメラはギリギリ良しとしよう。だけど、父さんはダメだ。絶対に!」
「何故だっ!? 言っておくが、父さんは十歳未満の女の子にあらゆる事を教えられるように、パメラ先生の指導の下、毎日夜遅くまで教育について勉強しているんだぞっ!?」
「子供たちが危険だから。以上」
「何を言う。危険な訳が無いだろう。日々の授業から着替えやトイレまで、幼女たちから目を離さず、常に見守る所存だぞ!?」
「そこは目を離せっ! いや、父さん。冗談で言っている訳じゃなくて、本気でダメな奴だから。マジで皆ドン引きする奴だから」
見守りだなんてそれっぽい事を言っているが、要は覗き見……というか、もう発想が犯罪者だよ。
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