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第9章 ドワーフ婚姻試練
第275話 アタランテと過ごす夜?
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お婆さんにも口止め料――もとい、支援金として帝国金貨を数枚渡し、モニカと名乗る十一歳の幼女――髪が短いので、後ろ姿ではどちらか分からなかったが、女の子だった――を屋敷に連れ帰る。
ちなみに、別に悪い事をしている訳じゃないんだけど、見知らぬ旅人が幼女を連れ去ったと言われるのは何か嫌だったので、お婆さんには遠い親戚がモニカを引き取った事にしてもらった。
まぁ、モニカに関しては他の保護した幼女たちと違って、俺が家を壊してしまっている訳だ。
保護しない訳にはいかないのだが、
「……」
ノーマが無言で「またですか?」とでも言いたげな目を向けてくる。
一先ず、最近は恒例になっている、お風呂、食事、自己紹介のセットを終え、就寝となった。
「……ラウラは隣のベッドで寝ている。ユーリヤは、ラウラの寝相を警戒してか、最初から俺の隣で寝ているし、シュゼットはユーリヤの反対側だ」
よし、これでアタランテの部屋に心置きなく忍び込めるな。
ちなみにレオナたち三姉妹は、ヴィクトリーヌの部屋で眠っている。
何でも、今日の午後にヴィクトリーヌが犬耳族と近い種族の狼耳族だと知って親近感を覚えたらしく、一方でヴィクトリーヌ自身も幼い頃に獣人族だと迫害された苦い経験があるので、三人の面倒をみてくれているらしい。
つまり、後は周囲の幼女を起こさないようにベッドを抜け出せば、アタランテにあんな事や、こんな事が出来……ん? んん!? 俺の脚に何か乗っている!?
暗闇の中で首をもたげ、ジッと自分の足を見てみると、ショートカットの幼女モニカが俺の足に抱きついている!?
「ん……」
しかも誰かが寝返って、俺の腕に……って、これはレオナ!? いや、リオナか!? どっちだ!? 流石にエッチなコトを警戒していたルオナでは無いと思うが。
暗闇の中で三つ子を判別する事は難し過ぎて、どちらかは分からないけれど、それよりも、ヴィクトリーヌの所で寝ているハズなのに、どうしてここで寝ているんだ!?
……というか、ユーリヤはともかく、幼女が多過ぎないか!?
どうしてこうなった……。俺は、俺は、アタランテとエッチな事をしたかったのにっ!
――ぺろぺろあむあむ
そうそう、こんな風に舐めて……って、誰かが俺の右腕を舐めている!?
このシルエットは、三姉妹の誰か……食いしん坊のリオナか。
あんなに夕食を食べていたのに、夢の中でも食べる夢を見ているのか……って、俺の腕を食べようとするなよっ!
それよりも、アタランテに……アタランテにぃぃぃーっ!
結局、ベッドから離れる事なく朝を迎え、
「ふーん。貴方、私の所へ来ないで……へぇー」
ちょっと不機嫌そうなアタランテのジト目で起こされる。
もしかして、アタランテも待っててくれていた!?
「じゃあ、今から……」
「にーに。なにするのー?」
「おにーちゃん、ごはん? ごはん?」
あ、うん。無理だな。
ちなみに、三姉妹の中で俺のベッドで寝ていたのは、予想通りのリオナと、予想外なルオナだった。
「お、おにーちゃんがリオナを食べちゃわないように、見張りにきただけなんだもん」
「いや、未だにその疑惑が解けてないのかよ! というか、そもそもリオナはどうして俺の部屋に来たんだ? ヴィクトリーヌの部屋で寝てるって聞いたんだけど」
「ヴィクトリーヌは噛んだら痛いって言ったから。おにーちゃんなら、寝ぼけて噛んでも平気だし」
いやまぁ、確かな俺は噛まれても痛く無かったけどさ。
小さくため息を吐き、治癒魔法を使って怪我を治そうと、ヴィクトリーヌの部屋に行く。
扉を開けると、パンツ一枚だけの姿となっているヴィクトリーヌが居て、
「え!? ヘンリー殿!? あ、朝から我を求めてくるのか? わ、我は構わぬが、同室のレオナに見せるには、少々早くないだろうか」
胸やパンツを隠そうともせずに、仁王立ちしている。
「おねーちゃん、おきがえはどーするの? おにーちゃんと、なにかするの?」
あー、何をしているかと思ったら、ヴィクトリーヌは着替え中だったのか。
ノックし忘れた俺が悪かったな。
「うむ。レオナには未だ早いとは思うが、愛し合う男女が貪り合う様に……」
「いや、着替え中だったんだよね!? というか、幼女に何を教えようとしているんだよっ!」
「何って、ヘンリー殿が我に教えてくれた、女の悦び……」
「ストーップ! とりあえず、俺がここへ来た理由は……」
「我の身体を求めてであろう。我はいつでも良いぞ。もちろん今からでも、大丈夫だ!」
「幼女の教育に悪過ぎるわっ!」
一先ず治癒魔法を使って、リオナが噛んでしまった傷を治し、朝食を済ませた俺たち火酒捜索隊は、モニカの半壊した家へと移動した。
ちなみに、別に悪い事をしている訳じゃないんだけど、見知らぬ旅人が幼女を連れ去ったと言われるのは何か嫌だったので、お婆さんには遠い親戚がモニカを引き取った事にしてもらった。
まぁ、モニカに関しては他の保護した幼女たちと違って、俺が家を壊してしまっている訳だ。
保護しない訳にはいかないのだが、
「……」
ノーマが無言で「またですか?」とでも言いたげな目を向けてくる。
一先ず、最近は恒例になっている、お風呂、食事、自己紹介のセットを終え、就寝となった。
「……ラウラは隣のベッドで寝ている。ユーリヤは、ラウラの寝相を警戒してか、最初から俺の隣で寝ているし、シュゼットはユーリヤの反対側だ」
よし、これでアタランテの部屋に心置きなく忍び込めるな。
ちなみにレオナたち三姉妹は、ヴィクトリーヌの部屋で眠っている。
何でも、今日の午後にヴィクトリーヌが犬耳族と近い種族の狼耳族だと知って親近感を覚えたらしく、一方でヴィクトリーヌ自身も幼い頃に獣人族だと迫害された苦い経験があるので、三人の面倒をみてくれているらしい。
つまり、後は周囲の幼女を起こさないようにベッドを抜け出せば、アタランテにあんな事や、こんな事が出来……ん? んん!? 俺の脚に何か乗っている!?
暗闇の中で首をもたげ、ジッと自分の足を見てみると、ショートカットの幼女モニカが俺の足に抱きついている!?
「ん……」
しかも誰かが寝返って、俺の腕に……って、これはレオナ!? いや、リオナか!? どっちだ!? 流石にエッチなコトを警戒していたルオナでは無いと思うが。
暗闇の中で三つ子を判別する事は難し過ぎて、どちらかは分からないけれど、それよりも、ヴィクトリーヌの所で寝ているハズなのに、どうしてここで寝ているんだ!?
……というか、ユーリヤはともかく、幼女が多過ぎないか!?
どうしてこうなった……。俺は、俺は、アタランテとエッチな事をしたかったのにっ!
――ぺろぺろあむあむ
そうそう、こんな風に舐めて……って、誰かが俺の右腕を舐めている!?
このシルエットは、三姉妹の誰か……食いしん坊のリオナか。
あんなに夕食を食べていたのに、夢の中でも食べる夢を見ているのか……って、俺の腕を食べようとするなよっ!
それよりも、アタランテに……アタランテにぃぃぃーっ!
結局、ベッドから離れる事なく朝を迎え、
「ふーん。貴方、私の所へ来ないで……へぇー」
ちょっと不機嫌そうなアタランテのジト目で起こされる。
もしかして、アタランテも待っててくれていた!?
「じゃあ、今から……」
「にーに。なにするのー?」
「おにーちゃん、ごはん? ごはん?」
あ、うん。無理だな。
ちなみに、三姉妹の中で俺のベッドで寝ていたのは、予想通りのリオナと、予想外なルオナだった。
「お、おにーちゃんがリオナを食べちゃわないように、見張りにきただけなんだもん」
「いや、未だにその疑惑が解けてないのかよ! というか、そもそもリオナはどうして俺の部屋に来たんだ? ヴィクトリーヌの部屋で寝てるって聞いたんだけど」
「ヴィクトリーヌは噛んだら痛いって言ったから。おにーちゃんなら、寝ぼけて噛んでも平気だし」
いやまぁ、確かな俺は噛まれても痛く無かったけどさ。
小さくため息を吐き、治癒魔法を使って怪我を治そうと、ヴィクトリーヌの部屋に行く。
扉を開けると、パンツ一枚だけの姿となっているヴィクトリーヌが居て、
「え!? ヘンリー殿!? あ、朝から我を求めてくるのか? わ、我は構わぬが、同室のレオナに見せるには、少々早くないだろうか」
胸やパンツを隠そうともせずに、仁王立ちしている。
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あー、何をしているかと思ったら、ヴィクトリーヌは着替え中だったのか。
ノックし忘れた俺が悪かったな。
「うむ。レオナには未だ早いとは思うが、愛し合う男女が貪り合う様に……」
「いや、着替え中だったんだよね!? というか、幼女に何を教えようとしているんだよっ!」
「何って、ヘンリー殿が我に教えてくれた、女の悦び……」
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一先ず治癒魔法を使って、リオナが噛んでしまった傷を治し、朝食を済ませた俺たち火酒捜索隊は、モニカの半壊した家へと移動した。
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