278 / 343
第9章 ドワーフ婚姻試練
第275話 アタランテと過ごす夜?
しおりを挟む
お婆さんにも口止め料――もとい、支援金として帝国金貨を数枚渡し、モニカと名乗る十一歳の幼女――髪が短いので、後ろ姿ではどちらか分からなかったが、女の子だった――を屋敷に連れ帰る。
ちなみに、別に悪い事をしている訳じゃないんだけど、見知らぬ旅人が幼女を連れ去ったと言われるのは何か嫌だったので、お婆さんには遠い親戚がモニカを引き取った事にしてもらった。
まぁ、モニカに関しては他の保護した幼女たちと違って、俺が家を壊してしまっている訳だ。
保護しない訳にはいかないのだが、
「……」
ノーマが無言で「またですか?」とでも言いたげな目を向けてくる。
一先ず、最近は恒例になっている、お風呂、食事、自己紹介のセットを終え、就寝となった。
「……ラウラは隣のベッドで寝ている。ユーリヤは、ラウラの寝相を警戒してか、最初から俺の隣で寝ているし、シュゼットはユーリヤの反対側だ」
よし、これでアタランテの部屋に心置きなく忍び込めるな。
ちなみにレオナたち三姉妹は、ヴィクトリーヌの部屋で眠っている。
何でも、今日の午後にヴィクトリーヌが犬耳族と近い種族の狼耳族だと知って親近感を覚えたらしく、一方でヴィクトリーヌ自身も幼い頃に獣人族だと迫害された苦い経験があるので、三人の面倒をみてくれているらしい。
つまり、後は周囲の幼女を起こさないようにベッドを抜け出せば、アタランテにあんな事や、こんな事が出来……ん? んん!? 俺の脚に何か乗っている!?
暗闇の中で首をもたげ、ジッと自分の足を見てみると、ショートカットの幼女モニカが俺の足に抱きついている!?
「ん……」
しかも誰かが寝返って、俺の腕に……って、これはレオナ!? いや、リオナか!? どっちだ!? 流石にエッチなコトを警戒していたルオナでは無いと思うが。
暗闇の中で三つ子を判別する事は難し過ぎて、どちらかは分からないけれど、それよりも、ヴィクトリーヌの所で寝ているハズなのに、どうしてここで寝ているんだ!?
……というか、ユーリヤはともかく、幼女が多過ぎないか!?
どうしてこうなった……。俺は、俺は、アタランテとエッチな事をしたかったのにっ!
――ぺろぺろあむあむ
そうそう、こんな風に舐めて……って、誰かが俺の右腕を舐めている!?
このシルエットは、三姉妹の誰か……食いしん坊のリオナか。
あんなに夕食を食べていたのに、夢の中でも食べる夢を見ているのか……って、俺の腕を食べようとするなよっ!
それよりも、アタランテに……アタランテにぃぃぃーっ!
結局、ベッドから離れる事なく朝を迎え、
「ふーん。貴方、私の所へ来ないで……へぇー」
ちょっと不機嫌そうなアタランテのジト目で起こされる。
もしかして、アタランテも待っててくれていた!?
「じゃあ、今から……」
「にーに。なにするのー?」
「おにーちゃん、ごはん? ごはん?」
あ、うん。無理だな。
ちなみに、三姉妹の中で俺のベッドで寝ていたのは、予想通りのリオナと、予想外なルオナだった。
「お、おにーちゃんがリオナを食べちゃわないように、見張りにきただけなんだもん」
「いや、未だにその疑惑が解けてないのかよ! というか、そもそもリオナはどうして俺の部屋に来たんだ? ヴィクトリーヌの部屋で寝てるって聞いたんだけど」
「ヴィクトリーヌは噛んだら痛いって言ったから。おにーちゃんなら、寝ぼけて噛んでも平気だし」
いやまぁ、確かな俺は噛まれても痛く無かったけどさ。
小さくため息を吐き、治癒魔法を使って怪我を治そうと、ヴィクトリーヌの部屋に行く。
扉を開けると、パンツ一枚だけの姿となっているヴィクトリーヌが居て、
「え!? ヘンリー殿!? あ、朝から我を求めてくるのか? わ、我は構わぬが、同室のレオナに見せるには、少々早くないだろうか」
胸やパンツを隠そうともせずに、仁王立ちしている。
「おねーちゃん、おきがえはどーするの? おにーちゃんと、なにかするの?」
あー、何をしているかと思ったら、ヴィクトリーヌは着替え中だったのか。
ノックし忘れた俺が悪かったな。
「うむ。レオナには未だ早いとは思うが、愛し合う男女が貪り合う様に……」
「いや、着替え中だったんだよね!? というか、幼女に何を教えようとしているんだよっ!」
「何って、ヘンリー殿が我に教えてくれた、女の悦び……」
「ストーップ! とりあえず、俺がここへ来た理由は……」
「我の身体を求めてであろう。我はいつでも良いぞ。もちろん今からでも、大丈夫だ!」
「幼女の教育に悪過ぎるわっ!」
一先ず治癒魔法を使って、リオナが噛んでしまった傷を治し、朝食を済ませた俺たち火酒捜索隊は、モニカの半壊した家へと移動した。
ちなみに、別に悪い事をしている訳じゃないんだけど、見知らぬ旅人が幼女を連れ去ったと言われるのは何か嫌だったので、お婆さんには遠い親戚がモニカを引き取った事にしてもらった。
まぁ、モニカに関しては他の保護した幼女たちと違って、俺が家を壊してしまっている訳だ。
保護しない訳にはいかないのだが、
「……」
ノーマが無言で「またですか?」とでも言いたげな目を向けてくる。
一先ず、最近は恒例になっている、お風呂、食事、自己紹介のセットを終え、就寝となった。
「……ラウラは隣のベッドで寝ている。ユーリヤは、ラウラの寝相を警戒してか、最初から俺の隣で寝ているし、シュゼットはユーリヤの反対側だ」
よし、これでアタランテの部屋に心置きなく忍び込めるな。
ちなみにレオナたち三姉妹は、ヴィクトリーヌの部屋で眠っている。
何でも、今日の午後にヴィクトリーヌが犬耳族と近い種族の狼耳族だと知って親近感を覚えたらしく、一方でヴィクトリーヌ自身も幼い頃に獣人族だと迫害された苦い経験があるので、三人の面倒をみてくれているらしい。
つまり、後は周囲の幼女を起こさないようにベッドを抜け出せば、アタランテにあんな事や、こんな事が出来……ん? んん!? 俺の脚に何か乗っている!?
暗闇の中で首をもたげ、ジッと自分の足を見てみると、ショートカットの幼女モニカが俺の足に抱きついている!?
「ん……」
しかも誰かが寝返って、俺の腕に……って、これはレオナ!? いや、リオナか!? どっちだ!? 流石にエッチなコトを警戒していたルオナでは無いと思うが。
暗闇の中で三つ子を判別する事は難し過ぎて、どちらかは分からないけれど、それよりも、ヴィクトリーヌの所で寝ているハズなのに、どうしてここで寝ているんだ!?
……というか、ユーリヤはともかく、幼女が多過ぎないか!?
どうしてこうなった……。俺は、俺は、アタランテとエッチな事をしたかったのにっ!
――ぺろぺろあむあむ
そうそう、こんな風に舐めて……って、誰かが俺の右腕を舐めている!?
このシルエットは、三姉妹の誰か……食いしん坊のリオナか。
あんなに夕食を食べていたのに、夢の中でも食べる夢を見ているのか……って、俺の腕を食べようとするなよっ!
それよりも、アタランテに……アタランテにぃぃぃーっ!
結局、ベッドから離れる事なく朝を迎え、
「ふーん。貴方、私の所へ来ないで……へぇー」
ちょっと不機嫌そうなアタランテのジト目で起こされる。
もしかして、アタランテも待っててくれていた!?
「じゃあ、今から……」
「にーに。なにするのー?」
「おにーちゃん、ごはん? ごはん?」
あ、うん。無理だな。
ちなみに、三姉妹の中で俺のベッドで寝ていたのは、予想通りのリオナと、予想外なルオナだった。
「お、おにーちゃんがリオナを食べちゃわないように、見張りにきただけなんだもん」
「いや、未だにその疑惑が解けてないのかよ! というか、そもそもリオナはどうして俺の部屋に来たんだ? ヴィクトリーヌの部屋で寝てるって聞いたんだけど」
「ヴィクトリーヌは噛んだら痛いって言ったから。おにーちゃんなら、寝ぼけて噛んでも平気だし」
いやまぁ、確かな俺は噛まれても痛く無かったけどさ。
小さくため息を吐き、治癒魔法を使って怪我を治そうと、ヴィクトリーヌの部屋に行く。
扉を開けると、パンツ一枚だけの姿となっているヴィクトリーヌが居て、
「え!? ヘンリー殿!? あ、朝から我を求めてくるのか? わ、我は構わぬが、同室のレオナに見せるには、少々早くないだろうか」
胸やパンツを隠そうともせずに、仁王立ちしている。
「おねーちゃん、おきがえはどーするの? おにーちゃんと、なにかするの?」
あー、何をしているかと思ったら、ヴィクトリーヌは着替え中だったのか。
ノックし忘れた俺が悪かったな。
「うむ。レオナには未だ早いとは思うが、愛し合う男女が貪り合う様に……」
「いや、着替え中だったんだよね!? というか、幼女に何を教えようとしているんだよっ!」
「何って、ヘンリー殿が我に教えてくれた、女の悦び……」
「ストーップ! とりあえず、俺がここへ来た理由は……」
「我の身体を求めてであろう。我はいつでも良いぞ。もちろん今からでも、大丈夫だ!」
「幼女の教育に悪過ぎるわっ!」
一先ず治癒魔法を使って、リオナが噛んでしまった傷を治し、朝食を済ませた俺たち火酒捜索隊は、モニカの半壊した家へと移動した。
0
お気に入りに追加
1,338
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
追放?俺にとっては解放だ!~自惚れ勇者パーティに付き合いきれなくなった俺、捨てられた女神を助けてジョブ【楽園創造者】を授かり人生を謳歌する~
和成ソウイチ
ファンタジー
(全77話完結)【あなたの楽園、タダで創ります! 追放先はこちらへ】
「スカウトはダサい。男はつまらん。つーことでラクター、お前はクビな」
――その言葉を待ってたよ勇者スカル。じゃあな。
勇者のパワハラに愛想を尽かしていたスカウトのラクターは、クビ宣告を幸いに勇者パーティを出て行く。
かつては憧れていた勇者。だからこそここまで我慢してきたが、今はむしろ、追放されて心が晴れやかだった。
彼はスカルに仕える前から――いや、生まれた瞬間から決めていたことがあった。
一生懸命に生きる奴をリスペクトしよう。
実はラクターは転生者だった。生前、同じようにボロ布のようにこき使われていた幼馴染の同僚を失って以来、一生懸命に生きていても報われない奴の力になりたいと考え続けていた彼。だが、転生者であるにも関わらずラクターにはまだ、特別な力はなかった。
ところが、追放された直後にとある女神を救ったことでラクターの人生は一変する。
どうやら勇者パーティのせいで女神でありながら奴隷として売り飛ばされたらしい。
解放した女神が憑依したことにより、ラクターはジョブ【楽園創造者】に目覚める。
その能力は、文字通り理想とする空間を自由に創造できるチートなものだった。
しばらくひとりで暮らしたかったラクターは、ふと気付く。
――一生懸命生きてるのは、何も人間だけじゃないよな?
こうして人里離れた森の中で動植物たちのために【楽園創造者】の力を使い、彼らと共存生活を始めたラクター。
そこで彼は、神獣の忘れ形見の人狼少女や御神木の大精霊たちと出逢い、楽園を大きくしていく。
さらには、とある事件をきっかけに理不尽に追放された人々のために無料で楽園を創る活動を開始する。
やがてラクターは彼を慕う大勢の仲間たちとともに、自分たちだけの楽園で人生を謳歌するのだった。
一方、ラクターを追放し、さらには彼と敵対したことをきっかけに、スカルを始めとした勇者パーティは急速に衰退していく。
(他サイトでも投稿中)
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる