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第9章 ドワーフ婚姻試練
第273話 アタランテと久々に勝負
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「おにいちゃん! おふろ、ありがとっ! あんなに大きなおふろ、レオナはじめてっ!」
「リオナはおふろより、ごはんがほしいー! おなかすいたー!」
「わ、わたしは、おふろくらい一人で入れたんだけど……た、たまには良いかな」
新たに加わった犬耳幼女三姉妹を綺麗に洗い、ついでにユーリヤともお風呂で遊んであげて、食堂へ。
メリッサが用意してくれた昼食を食べながら皆への紹介と、変態――もとい父さんへの警告を行って、後はノーマに任せて解散とした。
ラウラが俺の部屋でゴロゴロしているので、こっそりユーリヤを連れ出して、人気のない裏庭へ移動する。
「さて、ユーリヤ。今日もお散歩に行こうか」
「うん! にーにと、おさんぽいくー!」
正直言って、俺とユーリヤだけで進んだ方が速いので、今日もそうしようと思っていたのだが、
「貴方。どこへ行くつもりかしら」
「あ、アタランテ!?」
「今回は、私も連れて行ってくれるんでしょ?」
「いや、そうなんだけどさ。ラウラはあんまり魔法を使いたがらないだろうし、俺が一人で走って次の街へ行ってから、皆で瞬間移動した方が早いと思うんだが」
「貴方。もしかして、私の能力の事を忘れたの? 以前、貴方には負けたけど、それでも元は世界で一番足が速かったんだよ!?」
「……えっと、それはつまり、アタランテも俺と一緒に走るって事か?」
「ふふっ。久しぶりに競走しましょう。貴方が勝ったら、私に好きな事をして良いわよ」
好きな事!? アタランテに!?
それはつまり、成り行きでの建前上の妻や、書類上での妻とかじゃなくて、本当の妻にしちゃうような事でも!?
「……いいの?」
「もちろん。というか、私だって負けるつもりはないんだよ? それに私が勝ったら、私も貴方に好きな事をさせてもらうからね?」
「あぁ、競走だからね。じゃあ、行こうか……テレポート」
ユーリヤをおんぶし、アタランテをお姫様抱っこして、レオナたちが住んでいた小屋へ移動する。
「じゃあ、この街から次の街へ先に着いた方が勝ちって事で」
「えぇ、構わないわ」
「よし。じゃあ、その条件で競走だ。だけど、先に情報収集だな」
「じれったいわね。要はこの街に入ってきた門と逆側の門から出て、街道沿いに走れば良いんでしょ?」
「そうだけど……まぁいいか。前の街で帝都は北東だって言っていたしな」
アタランテの提案通りに、反対側の門の近くまで行くと、浮遊魔法を使ってこっそり門を越える。
暫く街から離れたところで街道へ降り立つと、
「じゃあ、これからアタランテと競走する訳だけど、本来の目的は次の街へ行く事だ。なので、身体強化魔法を使ってどちらも足が速くなるようにするから」
「わかった。けど、ユーリヤちゃんはどうする気なんだい?」
「もちろん連れて行くさ。俺がおんぶしたまま走る」
「……まぁ、私は構わないけど、大丈夫なのかい? 貴方も、ユーリヤちゃんも」
「大丈夫だ。いつもユーリヤとは、こうやって移動しているし」
「そ、そうなのね」
改めてアタランテに競走の話をして、それから俺とアタランテに身体強化魔法を掛けた。
「あんまり、強化された感じはしないけどねぇ」
「それは、走ってみれば分かるよ。じゃあ、準備は良い?」
「大丈夫さ。じゃあ、次の街の中へ、先に入った方が勝ちだよ?」
「了解。じゃあ……スタートッ!」
街道を俺とアタランテの二人で爆走して行く。
以前、アラランテを召喚して間もない頃は、俺自身にだけ身体強化魔法を使用して圧勝してしまった訳だが、条件を同じにすると……流石にアタランテは速いな。
昔、アラタランテが生きていた時代では世界一の速さだったというだけはある。
だが、その時代に俺は居ないからな。
もしも俺がその時代に居たならば、アタランテは世界二位だったのだろう。
悪いが俺は、武術を極めようとしているんだ。
身体能力だって、おろそかにせず、ちゃんとトレーニングしているんだからなっ!
ユーリヤをおんぶしたハンデがあっても、僅かに俺の方が速い。
このまま走り続けれ居れば、俺が勝ってしまうがアタランテはどうするのだろうか。
夜の屋敷で、俺の部屋に来て貰い、あんな事や、こんな事をしてもらっちゃうぞ!?
「どうしたんだい? 突然スピードが落ちたよ? じゃあねっ!」
「しまった! 変な事を妄想している場合じゃないっ!」
気合を入れ直し、アタランテに追いた所で、
「うげっ。前方に魔物の群れが居る……」
索敵魔法で魔物の群れを発見してしまった。
「仕方ないね。ここは一旦、競走を止めるかい?」
「……いや、あの程度の魔物の群れごときに、俺たちの走りは邪魔させないっ! 文句無しに俺が勝って、あんな事や、こんな事をするんだっ!」
「貴方。願望が声に出てる……というか、そういう事がしたいなら、競走なんてしなくても、もっと早くすれば良いのに……」
早く走り過ぎて、アタランテが後半何を言っていたのか聞こえなかったが、
「マテリアライズ!」
具現化魔法で投槍――ジャベリンを生み出す。
右手にそのジャベリンを持つと、
「っらぁぁぁっ!」
走る勢いを殺さず、しっかり投槍に速度を乗せて前方に投げ放つ。
すると、索敵魔法に引っ掛かった十数匹の魔物の反応が半分消えたので、同じ事をもう一度行い、
「よし、討伐成功!」
前方の魔物を全滅させた。
「……貴方。少し見ない内に、前より更に強くなってない?」
ただ、アタランテとは競走中だというのに、何故かジト目で見られてしまったが。
「リオナはおふろより、ごはんがほしいー! おなかすいたー!」
「わ、わたしは、おふろくらい一人で入れたんだけど……た、たまには良いかな」
新たに加わった犬耳幼女三姉妹を綺麗に洗い、ついでにユーリヤともお風呂で遊んであげて、食堂へ。
メリッサが用意してくれた昼食を食べながら皆への紹介と、変態――もとい父さんへの警告を行って、後はノーマに任せて解散とした。
ラウラが俺の部屋でゴロゴロしているので、こっそりユーリヤを連れ出して、人気のない裏庭へ移動する。
「さて、ユーリヤ。今日もお散歩に行こうか」
「うん! にーにと、おさんぽいくー!」
正直言って、俺とユーリヤだけで進んだ方が速いので、今日もそうしようと思っていたのだが、
「貴方。どこへ行くつもりかしら」
「あ、アタランテ!?」
「今回は、私も連れて行ってくれるんでしょ?」
「いや、そうなんだけどさ。ラウラはあんまり魔法を使いたがらないだろうし、俺が一人で走って次の街へ行ってから、皆で瞬間移動した方が早いと思うんだが」
「貴方。もしかして、私の能力の事を忘れたの? 以前、貴方には負けたけど、それでも元は世界で一番足が速かったんだよ!?」
「……えっと、それはつまり、アタランテも俺と一緒に走るって事か?」
「ふふっ。久しぶりに競走しましょう。貴方が勝ったら、私に好きな事をして良いわよ」
好きな事!? アタランテに!?
それはつまり、成り行きでの建前上の妻や、書類上での妻とかじゃなくて、本当の妻にしちゃうような事でも!?
「……いいの?」
「もちろん。というか、私だって負けるつもりはないんだよ? それに私が勝ったら、私も貴方に好きな事をさせてもらうからね?」
「あぁ、競走だからね。じゃあ、行こうか……テレポート」
ユーリヤをおんぶし、アタランテをお姫様抱っこして、レオナたちが住んでいた小屋へ移動する。
「じゃあ、この街から次の街へ先に着いた方が勝ちって事で」
「えぇ、構わないわ」
「よし。じゃあ、その条件で競走だ。だけど、先に情報収集だな」
「じれったいわね。要はこの街に入ってきた門と逆側の門から出て、街道沿いに走れば良いんでしょ?」
「そうだけど……まぁいいか。前の街で帝都は北東だって言っていたしな」
アタランテの提案通りに、反対側の門の近くまで行くと、浮遊魔法を使ってこっそり門を越える。
暫く街から離れたところで街道へ降り立つと、
「じゃあ、これからアタランテと競走する訳だけど、本来の目的は次の街へ行く事だ。なので、身体強化魔法を使ってどちらも足が速くなるようにするから」
「わかった。けど、ユーリヤちゃんはどうする気なんだい?」
「もちろん連れて行くさ。俺がおんぶしたまま走る」
「……まぁ、私は構わないけど、大丈夫なのかい? 貴方も、ユーリヤちゃんも」
「大丈夫だ。いつもユーリヤとは、こうやって移動しているし」
「そ、そうなのね」
改めてアタランテに競走の話をして、それから俺とアタランテに身体強化魔法を掛けた。
「あんまり、強化された感じはしないけどねぇ」
「それは、走ってみれば分かるよ。じゃあ、準備は良い?」
「大丈夫さ。じゃあ、次の街の中へ、先に入った方が勝ちだよ?」
「了解。じゃあ……スタートッ!」
街道を俺とアタランテの二人で爆走して行く。
以前、アラランテを召喚して間もない頃は、俺自身にだけ身体強化魔法を使用して圧勝してしまった訳だが、条件を同じにすると……流石にアタランテは速いな。
昔、アラタランテが生きていた時代では世界一の速さだったというだけはある。
だが、その時代に俺は居ないからな。
もしも俺がその時代に居たならば、アタランテは世界二位だったのだろう。
悪いが俺は、武術を極めようとしているんだ。
身体能力だって、おろそかにせず、ちゃんとトレーニングしているんだからなっ!
ユーリヤをおんぶしたハンデがあっても、僅かに俺の方が速い。
このまま走り続けれ居れば、俺が勝ってしまうがアタランテはどうするのだろうか。
夜の屋敷で、俺の部屋に来て貰い、あんな事や、こんな事をしてもらっちゃうぞ!?
「どうしたんだい? 突然スピードが落ちたよ? じゃあねっ!」
「しまった! 変な事を妄想している場合じゃないっ!」
気合を入れ直し、アタランテに追いた所で、
「うげっ。前方に魔物の群れが居る……」
索敵魔法で魔物の群れを発見してしまった。
「仕方ないね。ここは一旦、競走を止めるかい?」
「……いや、あの程度の魔物の群れごときに、俺たちの走りは邪魔させないっ! 文句無しに俺が勝って、あんな事や、こんな事をするんだっ!」
「貴方。願望が声に出てる……というか、そういう事がしたいなら、競走なんてしなくても、もっと早くすれば良いのに……」
早く走り過ぎて、アタランテが後半何を言っていたのか聞こえなかったが、
「マテリアライズ!」
具現化魔法で投槍――ジャベリンを生み出す。
右手にそのジャベリンを持つと、
「っらぁぁぁっ!」
走る勢いを殺さず、しっかり投槍に速度を乗せて前方に投げ放つ。
すると、索敵魔法に引っ掛かった十数匹の魔物の反応が半分消えたので、同じ事をもう一度行い、
「よし、討伐成功!」
前方の魔物を全滅させた。
「……貴方。少し見ない内に、前より更に強くなってない?」
ただ、アタランテとは競走中だというのに、何故かジト目で見られてしまったが。
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