英霊召喚 ~ハズレと呼ばれた召喚魔法で、過去の大賢者を召喚して史上最強~

向原 行人

文字の大きさ
上 下
262 / 343
第8章 ヴァロン王国遠征

挿話2 元兵士ジャンの冒険

しおりを挟む
「ブライタニア王国の元騎士で、若い女性のソロ冒険者? 何ですか、そのピンポイント過ぎる条件は?」
「俺が強くなるために、どうしても必要な人材なんです。どうか冒険者ギルドの力で探していただけませんか?」
「ヴァロン王国の元騎士なら居るかもしれませんが、ブライタニア王国というのがねぇ。はっきり言って、そんな人はかなりレアですし、居たとしても元騎士なら相応の強さでしょうから、新米の貴方と組んで貰えるとは到底思えませんよ」

 ブライタニア王国の騎士に仕官するため兵士を辞めたものの、先ずは強くならなければ騎士に採用してもらえない。
 そう気付いて、慌てて冒険者ギルドに掛け込んだけど、やはりあの御方の故郷へ行かなければ、理想の人材は居ないようだ。

「分かりました。では、先程の条件は諦めますので、エッチな女性冒険者とか居ませんか?」
「だから居ませんってば! 貴方、冒険者ギルドを変なお店と勘違いしていませんか? ここは、冒険者を斡旋する場所であり、貴方の趣味に合う女性を探す場所ではありませんっ!」
「くっ……では、普通の女性冒険者をお願いします」
「女性には拘るんですね。そういう人は時々居ますけど……まぁいいでしょう。それで、希望のクラスは?」
「女性ならクラスは何でも良いです」
「…………一応、紹介はしますが、あくまで紹介です。実際にパーティを組んで貰えるかどうかは、貴方次第です。あと、パーティを組んだ後でも、女性に変な事をしたら普通に投獄されますからね? ……一先ず、そちらのテーブルでお待ちください」

 変な事をしたら投獄か……。
 あの御方はいいなぁ。美少女に囲まれ、人前で巨乳少女の胸を揉み、夜も全員にやりたい放題しているんだろうな。
 羨ましい……が、だからこそだ。
 俺も強くなってブライタニア王国に仕官し、あの御方のように美少女ハーレムを作るっ!
 だから、先ずは俺が強くなれるように、エッチでお触りオッケーな美少女冒険者を仲間にするんだっ!
 少しでもあの御方に近づこうと、女の子のおっぱいを揉むイメージトレーニングをしていると、

「あんたがジャンかい? あまり強くなさそうだねぇ」

 唐突に可愛らしい声がして、誰かが椅子に座る気配がした。
 声だけで判る!
 これは……歳は十六歳で、巨乳で金髪の可愛らしいシーフの女の子だっ!
 ワクワクしながら目を開け、顔を上げると、

「うぉぉぉっ! ご、ゴリラ……」
「誰がゴリラだっ! 失礼だなっ!」

 筋肉隆々の厳つい女性が居た……って、本当に女性なのか? その胸は筋肉じゃないのか!?

「アタイはキトリーって言うんだ。二十三歳で、クラスはモンク。趣味は……」
「……ンジで」
「ん? 何か言ったかい?」
「チェンジでっ!」
「はぁ!? てめぇ、ギルドが呼ぶから来てやったのに、何様のつもりだっ!」

 いや、せめて性別が一目でわかるくらいの女の子を……って、思いっきりビンタして行きやがった。

「に、兄ちゃん。大丈夫か? アンタ、今あの女に殴られて、床に落ちるまでに三回転くらいしてたぞ?」
「ら、らいじょうぶ……」

 見知らぬ兄さんに助けてもらい、再び元の席へ。
 これくらいでは、めげていられない。
 もっと集中しろ……。イメージを高め、リアルに感じるんだ。俺がおっぱいに囲まれ、どれでも揉み放題になっている姿を!
 あの御方がドM少女に言っていたように、気配を読むんだ。
 そこら中にあふれる、おっぱいの存在をっ!

「貴方がジャンという方かしら」

 来たっ!
 見える……見えるぞっ!
 この声は二十代半ばで、エッチな格好の精霊使いだ!
 精霊使いはエロい格好と決まっているし、この女性は当たりだっ!
 ウキウキしながら目を開けると、目の前に小柄な女性が座っている。

「はじめまして。私はジェルメーヌっていうのよ。クラスは錬金術師になるわ」
「あ、あの……失礼ながら、お歳は?」
「……はぃ? 何か仰られましたか? 最近は耳が遠くなってしまってね」
「……ばばぁじゃねーか」
「あら、聞き間違いかしら? 汚い言葉が聞こえた気がしたんですけど」

 めちゃくちゃ聞こえてるじゃねーかっ!
 というか、どう見ても俺の親より年上だよっ!
 無理というか、無いわー。
 絶対冒険とか出来ないだろ。
 一先ず丁重にお断りする。
 ……これは、先にブライタニア王国へ行ってから、向こうの冒険者ギルドへ行くべきなのか?
 だが、騎士の修行法はともかく、女の子の可愛らしさは、どっちの国でも変わらないと思うのだが。
 テーブルに突っ伏し、次に来た冒険者でダメなら、一旦次の街へ行こうかと思っていると、

「……」

 無言のまま誰かが同じテーブルに着いた。
 淡い期待を残したまま顔を上げると……可愛らしい少女が座っている。
 胸は無いが、顔は可愛い。
 先の二人の事を考えると、エロさは皆無だが、ギリギリボーダーラインは越えているし、一先ずキープを……

「今、私の事をエッチな目で見たでしょ! 変態っ!」

 目が合っただけでボロクソに言われてしまった。

「今も私の胸を見たっ! 気持ち悪いんですけどっ!」

 何故だ。何故、あの御方は胸を揉んでも許されるのに、俺は何も無い胸を見ただけで、ここまで言われるんだ!?
 だが、だが……言動はキツイし、胸も揉みごたえがなさそうだが、顔だけは良い。
 あの御方だって、最初からハーレムがあった訳じゃないハズだっ!
 先ずは一人……この少女を俺のハーレム要員にするんだっ!

「お願いしますっ! 俺と――いや、僕とパーティを組んでくださいっ!」
「無理」

 ……何でだぁぁぁっ!
 俺とあの御方で、何が違うんだよぉぉぉっ!
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~

うみ
ファンタジー
 恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。  いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。  モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。  そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。  モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。  その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。  稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。 『箱を開けるモ』 「餌は待てと言ってるだろうに」  とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!

よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。 10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。 ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。 同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。 皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。 こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。 そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。 しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。 その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。 そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした! 更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。 これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。 ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる

まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。 そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。

処理中です...