127 / 343
第5章 新たな試練
第127話 プロポーズ
しおりを挟む
立ち上がろうとしては、腕を掴まれるという行動を何度か繰り返した後、ついに隣から黄色い声が聞こえなくなってしまった。
おそらく着替えを終え、更衣室を出てしまったのだろう。
覗いてくれと言わんばかりの状況なのに、何もする事が出来なかった。
可愛らしいメイドさんたちの様子を凝視する事も出来なかった。
俺はこんな所で一体何をしているのだろう。
「では、次のページへ……って、ちょっと貴方!? どうして泣いていますの!?」
「もう無理だ。国の歴史なんて興味が無いし、騎士の礼儀作法なんて覚える気も無いし、そもそも女の子を見てはいけないなんて、酷過ぎる! これは止めよう!」
「な、何を言っていますの!? 相手は教会ですの! 貴方の言動一つで、貴方を一つの隊の長にしたフローレンス様が窮地に陥る可能性だってありますの!」
「分かってる。だから、逃げ出したり、無視したりする訳じゃないんだ。別の方法を考えようと言っているんだ」
涙で滲む視界をコートニーに向けると、ペタンとした胸が視界に映る。
せめてこれがジェーンみたいな大きな胸だったら、やる気も上がるのに。
そんな俺を見て、
「……ふぅ。一先ず、少し休憩に致しますの。何か飲み物でも持って来ますの」
コートニーが部屋を出て行った。
その直後、
「主様。大丈夫ですか?」
「にーに、ないてる……。どーしたのー?」
「ヘンリーさん。あまり無理し過ぎないでくださいね?」
部屋に居た三人が俺の元へと集まって来る。
皆、良い子だなぁ。
俺を癒す為に、胸に顔を埋めさせてくれると、もっとありがたいんだけど。
ただしユーリヤは除くが。流石に、コートニー以上に何も無い胸に顔を埋める……というか、ぶつけても楽しくないからな。
シャロンは胸の大きさは申し分ないのだけれど、身体が小さいから危ない感じがしてしまう。
やはり、ここはジェーンの胸に顔をダイブ……いや、調子に乗って愛想を尽かされても困るし、ユーリヤが真似をしても困る。
ここは他の二人に見えないように気を付けながら、こっそりお尻を触らせてもらおう。
お尻なら構わないみたいだしね。
「……あ、主様!? い、今……ですか?」
ユーリヤとシャロンが心配そうな表情を浮かべる傍で、ジェーンのスカートに手を入れ、サワサワとお尻に触れる。
右手に伝わる下着越しの柔らかい感触が俺の壊れかけた心を修復していく。
あぁー、癒されるなぁ。
ジェーンの顔をチラッと見てみると、困った表情を浮かべて何やらモジモジしているものの、怒っている様子は無い。
空気が読めるし、可愛いし、胸が大きくて戦えるし、忠誠心もあって、お尻を触らせてくれるし……って、何気にジェーンが最強かもしれないな。
ただ忠誠心の高さ故にか、受身な事が多くて、あまり能動的ではないけれど。
しかし、指示された任務を忠実にこなすという事は、騎士としては求められる能力なのかも……って、待てよ。
「ジェーン、あのさ」
「は、はい。主様、きょ、今日はピンクです」
「何の話!? それよりも、さっきコートニーさんが言っていた呪文みたいな話って、ジェーンは聞いてた?」
「はい。この国の建国から今に至るまでの、興味深いお話でした」
「なるほど。じゃあ、ある程度内容は覚えているって事かな?」
「そうですね。私としては、コートニーさんが仰っていた、七代目の国王による領土奪還の戦いのお話が特に面白かったです」
おぉ、俺も知らない話がスラスラと出てきた。
これは……いけるんじゃないだろうか。
「よし、決めた! ジェーン、俺と一緒になろう!」
「……は、はい。主様の仰せのままに」
ジェーンのお尻から手を離し、立ち上がってジェーンの目を見ながら話すと、小さく、だが確かに頷いてくれた。
よし、本人の了承は得たから、後はやり方だな。
「え、えぇっ!? ま、まさかこんな場所でプロポーズですかっ!? ヘンリーさん、もう少しムードを考えてあげた方が良くないですか?」
「にーに。ぷろぽーずって、なにー?」
どういう風にやろうかと考えていると、シャロンが良く分からない事を言い、それを聞いたユーリヤも不思議そうな顔をする。
「プロポーズ……って、何の事だ?」
「え? 今、ヘンリーさんがジェーンさんに一緒になろうって……結婚の申し出では無かったんですか?」
「結婚!? いや、俺は未だ学生なんだが」
「じゃあ一緒になろうって、どういう意味……あっ! に、肉体的に一つになろうって事ですかっ!? へ、ヘンリーさんったら、こんな所で何を言っているんですかっ!」
いや、シャロンの方こそ何を言っているんだよ。
前に言っていた発情期なのか?
だったら俺が相手をするが……というか、むしろ相手をしてください。お願いします!
「どうして、そんな意味で伝わったのかは分からないが、違うぞ? 俺が言ったのは、ジェーンが俺になる……つまり、代役になってもらうって事だ。ジェーンは元々騎士だし、心構えや礼儀、知識や節度と、コートニーさんが言っていた物を全て持って居るだろ? 完璧じゃないか」
「……あの、ヘンリーさん。さっきの言い方では……いえ、やっぱりいいです。それよりも、ジェーンさんが完璧な騎士だと言うのは私も分かりますけど……女性ですよ?」
「あぁ。問題はそこだけだな」
「……それが一番大きな問題だと思うんですが」
どうやら発情期では無かったらしく、すぐさま普段の様子に戻ったシャロンから、冷静に突っ込まれてしまった。
おそらく着替えを終え、更衣室を出てしまったのだろう。
覗いてくれと言わんばかりの状況なのに、何もする事が出来なかった。
可愛らしいメイドさんたちの様子を凝視する事も出来なかった。
俺はこんな所で一体何をしているのだろう。
「では、次のページへ……って、ちょっと貴方!? どうして泣いていますの!?」
「もう無理だ。国の歴史なんて興味が無いし、騎士の礼儀作法なんて覚える気も無いし、そもそも女の子を見てはいけないなんて、酷過ぎる! これは止めよう!」
「な、何を言っていますの!? 相手は教会ですの! 貴方の言動一つで、貴方を一つの隊の長にしたフローレンス様が窮地に陥る可能性だってありますの!」
「分かってる。だから、逃げ出したり、無視したりする訳じゃないんだ。別の方法を考えようと言っているんだ」
涙で滲む視界をコートニーに向けると、ペタンとした胸が視界に映る。
せめてこれがジェーンみたいな大きな胸だったら、やる気も上がるのに。
そんな俺を見て、
「……ふぅ。一先ず、少し休憩に致しますの。何か飲み物でも持って来ますの」
コートニーが部屋を出て行った。
その直後、
「主様。大丈夫ですか?」
「にーに、ないてる……。どーしたのー?」
「ヘンリーさん。あまり無理し過ぎないでくださいね?」
部屋に居た三人が俺の元へと集まって来る。
皆、良い子だなぁ。
俺を癒す為に、胸に顔を埋めさせてくれると、もっとありがたいんだけど。
ただしユーリヤは除くが。流石に、コートニー以上に何も無い胸に顔を埋める……というか、ぶつけても楽しくないからな。
シャロンは胸の大きさは申し分ないのだけれど、身体が小さいから危ない感じがしてしまう。
やはり、ここはジェーンの胸に顔をダイブ……いや、調子に乗って愛想を尽かされても困るし、ユーリヤが真似をしても困る。
ここは他の二人に見えないように気を付けながら、こっそりお尻を触らせてもらおう。
お尻なら構わないみたいだしね。
「……あ、主様!? い、今……ですか?」
ユーリヤとシャロンが心配そうな表情を浮かべる傍で、ジェーンのスカートに手を入れ、サワサワとお尻に触れる。
右手に伝わる下着越しの柔らかい感触が俺の壊れかけた心を修復していく。
あぁー、癒されるなぁ。
ジェーンの顔をチラッと見てみると、困った表情を浮かべて何やらモジモジしているものの、怒っている様子は無い。
空気が読めるし、可愛いし、胸が大きくて戦えるし、忠誠心もあって、お尻を触らせてくれるし……って、何気にジェーンが最強かもしれないな。
ただ忠誠心の高さ故にか、受身な事が多くて、あまり能動的ではないけれど。
しかし、指示された任務を忠実にこなすという事は、騎士としては求められる能力なのかも……って、待てよ。
「ジェーン、あのさ」
「は、はい。主様、きょ、今日はピンクです」
「何の話!? それよりも、さっきコートニーさんが言っていた呪文みたいな話って、ジェーンは聞いてた?」
「はい。この国の建国から今に至るまでの、興味深いお話でした」
「なるほど。じゃあ、ある程度内容は覚えているって事かな?」
「そうですね。私としては、コートニーさんが仰っていた、七代目の国王による領土奪還の戦いのお話が特に面白かったです」
おぉ、俺も知らない話がスラスラと出てきた。
これは……いけるんじゃないだろうか。
「よし、決めた! ジェーン、俺と一緒になろう!」
「……は、はい。主様の仰せのままに」
ジェーンのお尻から手を離し、立ち上がってジェーンの目を見ながら話すと、小さく、だが確かに頷いてくれた。
よし、本人の了承は得たから、後はやり方だな。
「え、えぇっ!? ま、まさかこんな場所でプロポーズですかっ!? ヘンリーさん、もう少しムードを考えてあげた方が良くないですか?」
「にーに。ぷろぽーずって、なにー?」
どういう風にやろうかと考えていると、シャロンが良く分からない事を言い、それを聞いたユーリヤも不思議そうな顔をする。
「プロポーズ……って、何の事だ?」
「え? 今、ヘンリーさんがジェーンさんに一緒になろうって……結婚の申し出では無かったんですか?」
「結婚!? いや、俺は未だ学生なんだが」
「じゃあ一緒になろうって、どういう意味……あっ! に、肉体的に一つになろうって事ですかっ!? へ、ヘンリーさんったら、こんな所で何を言っているんですかっ!」
いや、シャロンの方こそ何を言っているんだよ。
前に言っていた発情期なのか?
だったら俺が相手をするが……というか、むしろ相手をしてください。お願いします!
「どうして、そんな意味で伝わったのかは分からないが、違うぞ? 俺が言ったのは、ジェーンが俺になる……つまり、代役になってもらうって事だ。ジェーンは元々騎士だし、心構えや礼儀、知識や節度と、コートニーさんが言っていた物を全て持って居るだろ? 完璧じゃないか」
「……あの、ヘンリーさん。さっきの言い方では……いえ、やっぱりいいです。それよりも、ジェーンさんが完璧な騎士だと言うのは私も分かりますけど……女性ですよ?」
「あぁ。問題はそこだけだな」
「……それが一番大きな問題だと思うんですが」
どうやら発情期では無かったらしく、すぐさま普段の様子に戻ったシャロンから、冷静に突っ込まれてしまった。
0
お気に入りに追加
1,338
あなたにおすすめの小説
無能はいらないと追放された俺、配信始めました。神の使徒に覚醒し最強になったのでダンジョン配信で超人気配信者に!王女様も信者になってるようです
やのもと しん
ファンタジー
「カイリ、今日からもう来なくていいから」
ある日突然パーティーから追放された俺――カイリは途方に暮れていた。日本から異世界に転移させられて一年。追放された回数はもう五回になる。
あてもなく歩いていると、追放してきたパーティーのメンバーだった女の子、アリシアが付いて行きたいと申し出てきた。
元々パーティーに不満を持っていたアリシアと共に宿に泊まるも、積極的に誘惑してきて……
更に宿から出ると姿を隠した少女と出会い、その子も一緒に行動することに。元王女様で今は国に追われる身になった、ナナを助けようとカイリ達は追手から逃げる。
追いつめられたところでカイリの中にある「神の使徒」の力が覚醒――無能力から世界最強に!
「――わたし、あなたに運命を感じました!」
ナナが再び王女の座に返り咲くため、カイリは冒険者として名を上げる。「厄災」と呼ばれる魔物も、王国の兵士も、カイリを追放したパーティーも全員相手になりません
※他サイトでも投稿しています
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる