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第5章 新たな試練
第118話 ピンク色のジュース
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放課後。
いつもの如く、ユーリヤが皆から囲まれる前に教室を抜け出して訓練室へ。
そこには、いつもの――綺麗な髪を真っ直ぐに降ろしただけのソフィアが居た。
「ちょっと、アンタ。今朝はどうしたの!? 瞬間移動出来るくせに遅刻だなんて」
「いや、昨日の夜に色々あって、眠れなかったからさ」
「眠れ……って、大丈夫なの!?」
「あぁ。午前中、ぐっすり寝たからな。……まぁそのせいで先生には怒られたが」
「呆れた。授業中に寝るなんて……そんな事をしていたら、ウチがアンタを抜かすわよ?」
おっと。ソフィアから聞き流せない言葉が出て来た。
ほほぅ。俺に勝つつもりなのか?
「じゃあ、久しぶりに勝負でもするか? 負けた方が勝った方の言う事を一つ聞くってルールで」
「望む所よ……と言いたい所だけど、今のアンタには勝てそうにないわ」
「えぇー。勝負しようぜー」
「いやよ。アンタ、絶対ウチにエッチな要求をするでしょ」
「当たり前だろ」
「ほらー! 開き直ってるじゃない! そんな事より、ニーナさんとマーガレットさんを待たせているんじゃないの? 早く行きましょう」
くっ……任務を盾にされてしまったか。
まぁあまり遊んでいる訳にもいかないのは事実だ。ニーナは今日シャロンの所へ行っているけど、マーガレットが待っているし、さっさと行くか。
「あ、そうだ。ソフィア、これやるよ」
「何これ? ジュース?」
「あぁ。錬金ギルドの新商品で、飲むと一定時間魔力が上がるらしいぞ」
「これのピンク色のジュースを飲むだけで? 魔力が?」
「そう。飲むだけで。まだ発売したばかりで市場に出回って無いんだけど、一本だけ譲って貰ったんだ」
「……怪しいわね。ウチは遠慮しておくわ。自分で修行を積んで魔力を上げる事に意味があるんだし」
チッ……ソフィアのくせに勘がするどいな。
エリーに作ってもらったエロ薬をソフィアに飲ませるために色々考えたのに、断られてしまった。
どうしよう。眼鏡っ子のロレッタちゃんに飲ませても良いんだけど、同じ教室の女の子に飲ませると、後々面倒臭そうなんだよな。
『ヘンリーさん。暫く好きにさせていたら、発想が外道になってきましたね』
(いやいや、危機回避能力が上がっただけだよ。エロい事は否定しないが、人の道は踏み外していないハズ!)
『どうですかねー。その薬をよりにもよってソフィアさんに飲まそうとした辺りがどうかと』
どうしてソフィアにエロ薬を飲まそうとすると外道になるのだろうか。
アオイの言葉に首をかしげていると、ソフィアに飲ませようとしたエロ薬をユーリヤが欲しがってきた。
さり気なく空間収納魔法に格納していたイチゴジュースにすり替えて渡すと、ワープ・ドアでマーガレットとの待ち合わせ場所へ。
「あ、お兄さん。それにソフィアちゃんとユーリヤちゃんも、こんにちは」
「マーガレットさん、こんにちは」
「ねーね、こんにちはー!」
商店街でマーガレットと合流し、いつものように食事処へ入って打ち合わせを行う。
「今日は、この前ソフィアが鉱物の反応があると言っていた北東の山へ行ってくるから、ソフィアとマーガレットは別の方角も調べて欲しいんだ」
「ど、どういう事? 皆で行くんじゃないの?」
「いや、正直に言わせて貰うと、俺が一人で行った方が圧倒的に速いんだ。で、俺は一度言った所には瞬間移動の魔法で行けるようになるから、俺が北東の山へ行って、瞬間移動で戻って来て、もう一度全員で瞬間移動で山に行こうと思う」
「で、でもウチも頑張って歩くわよ?」
「いや、多分……というか、間違いなくソフィアが思っているような移動速度じゃないんだ。俺が本気を出せば、おそらく二時間程度で北東の山へ着くはずだ」
以前アタランテと競走をした時に、神聖魔法で身体強化して走ったら、俺自身が怖いと思う程の速度が出た。
アタランテならまだしも、ソフィアとマーガレットは絶対に着いてこれないだろう。
ユーリヤは……正直言って分からん。
本来のドラゴンの姿に戻れば一っ飛びなのだろうが、こんな街の近くでドラゴンの姿に戻られたら、パニックになってしまう。
「あ、アンタ……二時間って、それ本気で言ってるの?」
「え? あぁ、本気だけど?」
「嘘でしょ。宮廷魔術師って、そんな人ばっかりなの!?」
いや、俺は厳密には宮廷魔術師じゃない……って、この話は別にいいか。
「マーガレット。二時間で戻るからユーリヤを任せても良いか?」
「……お、お兄さん。昨晩の事、もしかして忘れたの?」
「あ……仕方が無い。ユーリヤは何とかして連れて行くよ」
ユーリヤの軽さなら、おんぶや抱っこをしても走れるか。
それに、あの速度でもユーリヤなら笑って居そうな気がする。
一先ず、今日の活動内容が決まったので、早速移動しようとしたのだが、
「アンタ……昨晩って何? マーガレットさんと何があったのよ!?」
「え? あぁ、昨日は別の任務で夜に出掛けなければならなかったから、マーガレットにユーリヤを見てもらっていたんだよ。……まぁ結果として、大惨事になったんだけどさ」
「へ、へぇー。そ、そう。夜にねぇ。ふ、ふーん」
何故かソフィアの様子がおかしい。
まぁでも、様子がおかしいとか、状態異常とかの類なら、マーガレットが魔法で治せそうだし、任せておこう。
「ユーリヤ、おいで。ちょーっとスピードの速いお散歩に行くよー!」
「いくいくー! にーにとおさんぽー!」
注文したクッキーを両手に持ったままユーリヤが抱きついてきたので、早速テレポートで街の北東へ移動し、そのまま北東の山を目指す事にした。
いつもの如く、ユーリヤが皆から囲まれる前に教室を抜け出して訓練室へ。
そこには、いつもの――綺麗な髪を真っ直ぐに降ろしただけのソフィアが居た。
「ちょっと、アンタ。今朝はどうしたの!? 瞬間移動出来るくせに遅刻だなんて」
「いや、昨日の夜に色々あって、眠れなかったからさ」
「眠れ……って、大丈夫なの!?」
「あぁ。午前中、ぐっすり寝たからな。……まぁそのせいで先生には怒られたが」
「呆れた。授業中に寝るなんて……そんな事をしていたら、ウチがアンタを抜かすわよ?」
おっと。ソフィアから聞き流せない言葉が出て来た。
ほほぅ。俺に勝つつもりなのか?
「じゃあ、久しぶりに勝負でもするか? 負けた方が勝った方の言う事を一つ聞くってルールで」
「望む所よ……と言いたい所だけど、今のアンタには勝てそうにないわ」
「えぇー。勝負しようぜー」
「いやよ。アンタ、絶対ウチにエッチな要求をするでしょ」
「当たり前だろ」
「ほらー! 開き直ってるじゃない! そんな事より、ニーナさんとマーガレットさんを待たせているんじゃないの? 早く行きましょう」
くっ……任務を盾にされてしまったか。
まぁあまり遊んでいる訳にもいかないのは事実だ。ニーナは今日シャロンの所へ行っているけど、マーガレットが待っているし、さっさと行くか。
「あ、そうだ。ソフィア、これやるよ」
「何これ? ジュース?」
「あぁ。錬金ギルドの新商品で、飲むと一定時間魔力が上がるらしいぞ」
「これのピンク色のジュースを飲むだけで? 魔力が?」
「そう。飲むだけで。まだ発売したばかりで市場に出回って無いんだけど、一本だけ譲って貰ったんだ」
「……怪しいわね。ウチは遠慮しておくわ。自分で修行を積んで魔力を上げる事に意味があるんだし」
チッ……ソフィアのくせに勘がするどいな。
エリーに作ってもらったエロ薬をソフィアに飲ませるために色々考えたのに、断られてしまった。
どうしよう。眼鏡っ子のロレッタちゃんに飲ませても良いんだけど、同じ教室の女の子に飲ませると、後々面倒臭そうなんだよな。
『ヘンリーさん。暫く好きにさせていたら、発想が外道になってきましたね』
(いやいや、危機回避能力が上がっただけだよ。エロい事は否定しないが、人の道は踏み外していないハズ!)
『どうですかねー。その薬をよりにもよってソフィアさんに飲まそうとした辺りがどうかと』
どうしてソフィアにエロ薬を飲まそうとすると外道になるのだろうか。
アオイの言葉に首をかしげていると、ソフィアに飲ませようとしたエロ薬をユーリヤが欲しがってきた。
さり気なく空間収納魔法に格納していたイチゴジュースにすり替えて渡すと、ワープ・ドアでマーガレットとの待ち合わせ場所へ。
「あ、お兄さん。それにソフィアちゃんとユーリヤちゃんも、こんにちは」
「マーガレットさん、こんにちは」
「ねーね、こんにちはー!」
商店街でマーガレットと合流し、いつものように食事処へ入って打ち合わせを行う。
「今日は、この前ソフィアが鉱物の反応があると言っていた北東の山へ行ってくるから、ソフィアとマーガレットは別の方角も調べて欲しいんだ」
「ど、どういう事? 皆で行くんじゃないの?」
「いや、正直に言わせて貰うと、俺が一人で行った方が圧倒的に速いんだ。で、俺は一度言った所には瞬間移動の魔法で行けるようになるから、俺が北東の山へ行って、瞬間移動で戻って来て、もう一度全員で瞬間移動で山に行こうと思う」
「で、でもウチも頑張って歩くわよ?」
「いや、多分……というか、間違いなくソフィアが思っているような移動速度じゃないんだ。俺が本気を出せば、おそらく二時間程度で北東の山へ着くはずだ」
以前アタランテと競走をした時に、神聖魔法で身体強化して走ったら、俺自身が怖いと思う程の速度が出た。
アタランテならまだしも、ソフィアとマーガレットは絶対に着いてこれないだろう。
ユーリヤは……正直言って分からん。
本来のドラゴンの姿に戻れば一っ飛びなのだろうが、こんな街の近くでドラゴンの姿に戻られたら、パニックになってしまう。
「あ、アンタ……二時間って、それ本気で言ってるの?」
「え? あぁ、本気だけど?」
「嘘でしょ。宮廷魔術師って、そんな人ばっかりなの!?」
いや、俺は厳密には宮廷魔術師じゃない……って、この話は別にいいか。
「マーガレット。二時間で戻るからユーリヤを任せても良いか?」
「……お、お兄さん。昨晩の事、もしかして忘れたの?」
「あ……仕方が無い。ユーリヤは何とかして連れて行くよ」
ユーリヤの軽さなら、おんぶや抱っこをしても走れるか。
それに、あの速度でもユーリヤなら笑って居そうな気がする。
一先ず、今日の活動内容が決まったので、早速移動しようとしたのだが、
「アンタ……昨晩って何? マーガレットさんと何があったのよ!?」
「え? あぁ、昨日は別の任務で夜に出掛けなければならなかったから、マーガレットにユーリヤを見てもらっていたんだよ。……まぁ結果として、大惨事になったんだけどさ」
「へ、へぇー。そ、そう。夜にねぇ。ふ、ふーん」
何故かソフィアの様子がおかしい。
まぁでも、様子がおかしいとか、状態異常とかの類なら、マーガレットが魔法で治せそうだし、任せておこう。
「ユーリヤ、おいで。ちょーっとスピードの速いお散歩に行くよー!」
「いくいくー! にーにとおさんぽー!」
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