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第3章 第三王女直属特別隊

第40話 ドルマンド村?

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 改めてアオイの神聖魔法の凄さを実感していると、猛スピードでアタランテが追いついて来た。
 世界一の俊足と言うだけあって、確かに早い。神聖魔法無しでは到底敵わないだろう。

『一先ずヘンリーさんが死ななくて済んで良かったですけど、これから頑張ってくださいね』
(頑張るって、何を?)
『何を……って、そんなの決まっているじゃないですか。彼女は体力が凄そうですし……でも、ヘンリーさんも体力と性欲が化け物みたいに凄いから、丁度良いのかもしれないですね』

 アオイは一体何を言っているのだろう。
 そんな事を考えていると、猛ダッシュで疲れたのか、顔を赤く染めたアタランテが寄り添ってきた。

「流石だね。本当はわざと負けるつもりだったんだけど、そんなの要らなかったね。普通に私の負けだよ」
「そっか。ということは、これでアタランテのルールは守られたのかな?」
「うん。だから、これからよろしくね」
「あぁ。じゃあ、早速先に進もうか」

 そう言うと、アタランテが俺の腕に抱きついてきた。
 エリーもそうだけど、どうして女の子って腕に抱きつくのが好きなのだろうか。
 俺としては、胸が腕にくっついて、その感触が楽しめるから良いだけどさ。
 あ、でも、時々岩場を乗り越えなければならない今の道に限定すると、これまで通りアタランテが前を歩く方が良いかも。……岩を乗り越える時に下からパンツが覗けるし。
 まぁ、また岩場が出て来たら先に進んでもらえば良いか。
 そんな事を考えながら、昨日と同様に、だけどアタランテとの距離が大きく違った状態で日が暮れるまで山道を進む。
 アオイの見立てでは、明日の昼頃には目的の場所へ到着するだろうとの事で、今日も具現化魔法で小屋を作り、そして風呂を作った。
 昨日はアタランテの全てを見せて貰ったけれど、そのせいで体調を崩してしまうという申し訳ない事になってしまったので、流石に今日は自重しようと思う。
 なので、空間収納魔法で毛布とタオルを取り出した後、小屋の壁の一部を扉に変える。

「アタランテ。俺は外で時間を潰しておくから、ゆっくりお風呂へ入って良いよ」
「どうして? 一緒に入らないのかい?」
「え? 一緒に……って、良いの?」
「もちろんだよ。さぁ早く入ろう。私が貴方の身体を洗ってあげるよ」

 一体、何がどうなったのか。
 昨日は一緒にお風呂の中に居ても、のぼせるまで身体が触れる事なんて無かったのに、アタランテが俺の前に来て、その身体を見せつけるかのように、ゆっくりと服を脱いでいく。
 そして全裸になったアタランテが、

「ほらほら、早く。入らないのかい?」
「いや、入る。もちろん入るよ」
「うんうん。そうこなくっちゃ。私はいつでもどこでも良いんだからね。……あ、でも神様の聖域でだけはダメだからね。以前、聖域でしちゃって、怒られてライオンにされちゃったんだよ」

 聖域でお風呂に入るとライオンにされる? そんな危ないお風呂があるのだろうか。
 そんな俺の疑問を吹き飛ばすかのように、お風呂へ入るとアタランテが寄り掛かってきた。
 いきなりのぼせた? いや、そんな訳ないか……って、背中に柔らかい物が押し付けられている!?

「アタランテ!? な、何を!?」
「ナニって、貴方の身体を洗うんだよ。ゆっくりリラックスしてくれれば良いからね」
「え!? いや、その……えぇぇぇっ!?」

 以前、エリーが俺の背中をスポンジで洗おうとしてくれたけど、ここにはスポンジなんて物はない。
 手で背中を洗ってくれているにしても、感触が柔らかすぎる……あ、鼻血が出てきた。

「じゃあ次は前を……」
「待って! アタランテ、それ以上されたら大変な事になる!」
「ふふ……これ以上したら、貴方はどうなっちゃうんだい?」
「……アタランテ。こうなるんだよ」
「是非教えて欲しい……って、あら? 貴方、鼻から大量の血が……って、その量は本当に大丈夫かい!? 尋常じゃ無い量だよ!?」

 無理だ。猫耳アタランテが全裸で自ら身体を密着させてくるなんて、俺のレベルでは耐えられない。
 あっという間に出血量の限界値を超え、俺は風呂の中で気を失ってしまった。

……

 目が醒めると、温かい毛布に身体が包まれて居た。
 空気穴から光が差し込んで居るし、どうやら俺は一晩中気を失っていたらしい。
 俺の胸元をくすぐる、モフモフした毛布をどけようとして……俺の右手が毛布とは全く異なる柔らかい何かを鷲掴みにした。

「んん……あ、貴方! 良かった、気が付いたんだね」
「え? アタランテ!? って、な、何を!?」
「ん? 貴方がお風呂でのぼせてしまったから、ベッドへ運んだんだけど、毛布が一枚しか無かったから、一緒に眠っていただけだよ?」
「一緒にって、妙に温かいですけど……まさか、裸!? というか、俺も!?」
「うん。互いの肌で温めあった方が良いからね。それよりも大丈夫かい? 流石に山道を進むのに、朝から体力を使うのはお勧め出来ないから、せめて揉んでおくかい?」

 アタランテの言葉でようやく気付いたけれど、俺が鷲掴みにしていたのは、アタランテのおっぱいだった。
 二日前はあんなに恥ずかしがっていたのに、この積極性はなんだろう。
 せっかくなので、おっぱいは揉ませてもらい、アタランテに感謝しつつ山道を進む。
 腕に押し付けられる胸の感触を楽しみ、時折魔物を倒し、岩場でアタランテのパンツを観察して……

『ここです! やっと着きましたよ。目的地であるドルマンド村――魔王について記録している種族の村です』

 ようやくアオイが言っていた目的地へと到着した。
 そしてその直後、

「何者です! ここは秘境マートヒル。用が無いのであれば、立ち去りなさい!」

 精霊を呼び出した状態の女性が、厳しい表情で俺とアタランテに話しかけてきた。
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