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第3章 精霊と新しい暮らしを始める元聖女
第60話 プロポーズ
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クロードがイーサリム公国の兵士たちを気絶させた後、私たちは目的……精霊さんを逃す事が出来たので、急いで逃げる事にした。
悪い薬を流通させていた人たちだけど、他国の一騎士であるクロードが介入出来る問題では無いらしい。
それに、そもそも薬を作っていたのは、こっちの国だしね。
という訳で、既に作られてしまった薬を壊して、作っていた設備も破壊。製造に関わった人たちも投獄されて、一件落着だと思っていたんだけど、後から大変な物が見つかったらしい。
「見てよ、これ。メリア元大臣の家から発見されたんだけど、あのバカ……例の薬をイーサリム公国だけじゃなくて、世界中にばら撒こうとしていたのよ」
王宮へ戻ってロビンさんが見せてくれたんだけど、見た事のない、別の国の文字で書かれた文章がある。
どうやらイーサリム公国で流通のノウハウを得た後、もっと遠い国とも取引を開始する予定だったらしく、契約書? みたいな内容だったらしい。
「という訳で、貴方達二人は世界に薬が蔓延するのを未然にふせいだのよ! 流石リディアちゃんにクロードねっ!」
「ロビンさん。世界を救った……は、流石に大袈裟過ぎないですか?」
「そんな事ないわよ。だってこんな危険な薬が出回って、誰でも簡単に入手出来るようになってしまったら、冗談抜きで世界の終わりよ。だから、二人は世界を救った英雄。そう、英雄なのよ」
ロビンさんが過剰に褒めてくると、
「そうですよ。事態が事態なので、大っぴらには出来ませんが、本来ならば、お二人には勲章をお送りしたい程ですから」
シャルロットちゃんがやって来た。
いやいや、勲章って。
勲章なんて貰っても困るだけなんだけど……と思っていると、
「とはいえ、先程もお伝えした通り、そもそもの原因が我が国の大臣が起こした事ですので、勲章の授与はちょっと拙くて……何か、代替品を授与したいのです。お二人は、何かご希望の品などはありますか?」
何か好きなものをプレゼントして貰えるらしい。
それなら何だろう……と考えていると、先にクロードが口を開く。
「シャルロット様。それでは私からお願いが」
「何でしょう」
「私とリディアが共に住む家を賜れればと」
ふーん、家かぁ。
家って、勲章の代替になるのかなぁ……
「って、家!? 私とクロードが一緒に住む……家!?」
「はい。リディア……私と一緒に、末長く暮らしてくれませんか?」
「…………は、はい」
唐突なクロードからのプロポーズを受けたけど……もうっ! もっと場所とかタイミングとかあるでしょっ!?
「皆ぁぁぁっ! 大変よぉぉぉっ!」
ほら、ロビンさんがニヤニヤしながらメイドさんたちへ言いふらしに行ったし、早くも遠目に視線が向けられるし。
「あ、やっぱりそうだったんですね。リディアさんとクロードの互いの呼び方が変わっていたから、何かあったんだろうな……とは思っていましたが、おめでとうございます!」
「ち……違わないけど、シャルロットちゃんにまで、そんな風に見られていたの!?」
「だって、リディアさんに向けるクロードの目が、すっごく優しくなっていましたから」
そ、そういうものなのかな?
普段から一緒に居るから分からないけど。
「リディア。改めて、これから宜しくお願いします」
「こ、こちらこそ…….って、だから人前っ! そういうのは人前で言わないのっ!」
剣の腕は一流だけど、意外にも色んな事を分かっていないクロードに見つめられながら、今度からは小さな子供向けのアクセサリーを作る事にした。
了
悪い薬を流通させていた人たちだけど、他国の一騎士であるクロードが介入出来る問題では無いらしい。
それに、そもそも薬を作っていたのは、こっちの国だしね。
という訳で、既に作られてしまった薬を壊して、作っていた設備も破壊。製造に関わった人たちも投獄されて、一件落着だと思っていたんだけど、後から大変な物が見つかったらしい。
「見てよ、これ。メリア元大臣の家から発見されたんだけど、あのバカ……例の薬をイーサリム公国だけじゃなくて、世界中にばら撒こうとしていたのよ」
王宮へ戻ってロビンさんが見せてくれたんだけど、見た事のない、別の国の文字で書かれた文章がある。
どうやらイーサリム公国で流通のノウハウを得た後、もっと遠い国とも取引を開始する予定だったらしく、契約書? みたいな内容だったらしい。
「という訳で、貴方達二人は世界に薬が蔓延するのを未然にふせいだのよ! 流石リディアちゃんにクロードねっ!」
「ロビンさん。世界を救った……は、流石に大袈裟過ぎないですか?」
「そんな事ないわよ。だってこんな危険な薬が出回って、誰でも簡単に入手出来るようになってしまったら、冗談抜きで世界の終わりよ。だから、二人は世界を救った英雄。そう、英雄なのよ」
ロビンさんが過剰に褒めてくると、
「そうですよ。事態が事態なので、大っぴらには出来ませんが、本来ならば、お二人には勲章をお送りしたい程ですから」
シャルロットちゃんがやって来た。
いやいや、勲章って。
勲章なんて貰っても困るだけなんだけど……と思っていると、
「とはいえ、先程もお伝えした通り、そもそもの原因が我が国の大臣が起こした事ですので、勲章の授与はちょっと拙くて……何か、代替品を授与したいのです。お二人は、何かご希望の品などはありますか?」
何か好きなものをプレゼントして貰えるらしい。
それなら何だろう……と考えていると、先にクロードが口を開く。
「シャルロット様。それでは私からお願いが」
「何でしょう」
「私とリディアが共に住む家を賜れればと」
ふーん、家かぁ。
家って、勲章の代替になるのかなぁ……
「って、家!? 私とクロードが一緒に住む……家!?」
「はい。リディア……私と一緒に、末長く暮らしてくれませんか?」
「…………は、はい」
唐突なクロードからのプロポーズを受けたけど……もうっ! もっと場所とかタイミングとかあるでしょっ!?
「皆ぁぁぁっ! 大変よぉぉぉっ!」
ほら、ロビンさんがニヤニヤしながらメイドさんたちへ言いふらしに行ったし、早くも遠目に視線が向けられるし。
「あ、やっぱりそうだったんですね。リディアさんとクロードの互いの呼び方が変わっていたから、何かあったんだろうな……とは思っていましたが、おめでとうございます!」
「ち……違わないけど、シャルロットちゃんにまで、そんな風に見られていたの!?」
「だって、リディアさんに向けるクロードの目が、すっごく優しくなっていましたから」
そ、そういうものなのかな?
普段から一緒に居るから分からないけど。
「リディア。改めて、これから宜しくお願いします」
「こ、こちらこそ…….って、だから人前っ! そういうのは人前で言わないのっ!」
剣の腕は一流だけど、意外にも色んな事を分かっていないクロードに見つめられながら、今度からは小さな子供向けのアクセサリーを作る事にした。
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