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第3章 精霊と新しい暮らしを始める元聖女
第40話 長期化?
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レオナさんからのお願いで、色んな効果があるアクセサリーを十個程渡した二日後の夜、
「……という訳で、リディア様。メリア大臣との話し合いは平行線をたどっており、長期戦になりそうです」
クロードさんが私の部屋へ来て、王宮側の状況を教えてくれた。
どうやら、シャルロットちゃんとロビンさんが大臣の不正を指摘し、石の鑑定が出来る者――私の存在を仄めかすけれど、大臣側が私を無力化したと思っているため、強気の姿勢を崩さない。
一方で、シャルロットちゃん側も、私を前面に出すと狙われると分かっているので、隠したまま。
結論として、騎士団内の内通者を捕まえないと、拮抗したままの状態が続いてしまうそうだ。
ちなみに、私はエミリーが守ってくれるので、危険を承知で表に出ても良いと話してみたのだけれど、
「通常時でしたら、私が命に代えてもリディア様をお守りいたします。ですが、背後から――身内から攻撃される恐れがある今、一人でリディア様をお守り出来ない可能性があるため、絶対にダメです」
と、強く断られてしまった。
『クロードが居なくても、ウチが絶対にリディアを護るんだけどなー』
(でも、クロードさんはエミリーの事が見えないから仕方ないよ)
『だねー。ウチの姿が、普通の人間の視界に映らないっていうのは、武器でもあるけれど、こういう場合は不便だよねー』
口を尖らせるエミリーを宥めつつ、相変わらずロビンさんとクロードさんの二人だけで騎士団の内部調査を行っているという話を聞いている途中で、
「リディアちゃーん! 入るわよー……って、クロード!? あ、ごめんね。お邪魔だったわね」
「姉上! 誤解です! 私は、そんな不埒な事は考えておらず、リディア様に状況報告を……」
「そ、そうですよっ! レオナさん、用事があるのでしたら、どうぞ入ってください」
突如部屋に入って来ては、すぐさま出て行こうとしたレオナさんを、クロードさんと共に全力で引き留める。
そりゃあ、クロードさんと二人っきりっていうのは良いけど、未だそんな関係ではないし、何よりクロードさんに迷惑が掛かってしまうからね。
「……私、本当にお邪魔じゃない? なんなら、二時間くらいしてから来るけど?」
「いえ、粗方の報告は済みましたので、一先ず私が失礼いたします」
そう言ってクロードさんが部屋から出て行ったけど、
「えーっと……リディアちゃん、ごめんね。これからは、ノックしてから入るようにするね」
未だにレオナさんは誤解したままだった。
一応、勘違いである事を伝えたけれど、レオナさんはどこまで理解してくれただろうか。
「……ところで、何か用事があったのではないですか?」
「そうそう。リディアちゃん、凄いの! アクセサリーを貸した十組の冒険者パーティ全てが、いつもより怪我が少ないとか、想定よりも早く依頼を達成するとか、アクセサリー効果が凄いの!」
「それは何よりですね。まだ実現出来ていないですけど、当初考えていたのは、防御系の効果があるアクセサリーを沢山作って、街の人全員に身につけてもらって、負傷者を減らす事でしたから」
「え!? 何その、壮大な計画! 凄いじゃない! 是非とも、それを目標にしましょう! このギルドでの実績をアピールしていけば、私だけじゃなくて、冒険者ギルドとしても協力出来るはずよっ!」
「……という訳で、リディア様。メリア大臣との話し合いは平行線をたどっており、長期戦になりそうです」
クロードさんが私の部屋へ来て、王宮側の状況を教えてくれた。
どうやら、シャルロットちゃんとロビンさんが大臣の不正を指摘し、石の鑑定が出来る者――私の存在を仄めかすけれど、大臣側が私を無力化したと思っているため、強気の姿勢を崩さない。
一方で、シャルロットちゃん側も、私を前面に出すと狙われると分かっているので、隠したまま。
結論として、騎士団内の内通者を捕まえないと、拮抗したままの状態が続いてしまうそうだ。
ちなみに、私はエミリーが守ってくれるので、危険を承知で表に出ても良いと話してみたのだけれど、
「通常時でしたら、私が命に代えてもリディア様をお守りいたします。ですが、背後から――身内から攻撃される恐れがある今、一人でリディア様をお守り出来ない可能性があるため、絶対にダメです」
と、強く断られてしまった。
『クロードが居なくても、ウチが絶対にリディアを護るんだけどなー』
(でも、クロードさんはエミリーの事が見えないから仕方ないよ)
『だねー。ウチの姿が、普通の人間の視界に映らないっていうのは、武器でもあるけれど、こういう場合は不便だよねー』
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「リディアちゃーん! 入るわよー……って、クロード!? あ、ごめんね。お邪魔だったわね」
「姉上! 誤解です! 私は、そんな不埒な事は考えておらず、リディア様に状況報告を……」
「そ、そうですよっ! レオナさん、用事があるのでしたら、どうぞ入ってください」
突如部屋に入って来ては、すぐさま出て行こうとしたレオナさんを、クロードさんと共に全力で引き留める。
そりゃあ、クロードさんと二人っきりっていうのは良いけど、未だそんな関係ではないし、何よりクロードさんに迷惑が掛かってしまうからね。
「……私、本当にお邪魔じゃない? なんなら、二時間くらいしてから来るけど?」
「いえ、粗方の報告は済みましたので、一先ず私が失礼いたします」
そう言ってクロードさんが部屋から出て行ったけど、
「えーっと……リディアちゃん、ごめんね。これからは、ノックしてから入るようにするね」
未だにレオナさんは誤解したままだった。
一応、勘違いである事を伝えたけれど、レオナさんはどこまで理解してくれただろうか。
「……ところで、何か用事があったのではないですか?」
「そうそう。リディアちゃん、凄いの! アクセサリーを貸した十組の冒険者パーティ全てが、いつもより怪我が少ないとか、想定よりも早く依頼を達成するとか、アクセサリー効果が凄いの!」
「それは何よりですね。まだ実現出来ていないですけど、当初考えていたのは、防御系の効果があるアクセサリーを沢山作って、街の人全員に身につけてもらって、負傷者を減らす事でしたから」
「え!? 何その、壮大な計画! 凄いじゃない! 是非とも、それを目標にしましょう! このギルドでの実績をアピールしていけば、私だけじゃなくて、冒険者ギルドとしても協力出来るはずよっ!」
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