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第2章 精霊と学校へ通う元聖女
第15話 初授業
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「はじめまして。本日から皆さんと一緒に学校生活を送らせていただく事になりました、リディア=エドワーズです。宜しくお願いいたします」
学長室を出ると、担任だという女性の連れられ、二階の教室へ。
二十人くらいの生徒の前で自己紹介をすると、一番後ろの端の席へ座るように指示された。
ふふっ……これが学校かぁー。
「……こんな一学期の終わりかけの中途半端な時期に転入生? お家が没落して、急遽一家揃って国を出たとかかしら」
「……どこの国の貴族なんだろ? こんな半端な時期だし、王族って事はないよね? けど、この学院は授業のレベルが高いけど、途中からでついて来れるのかな?」
「……」
何だろう。最初から学校に居ないと変な風に思われちゃうのかな?
それとも、お喋り好きなのかな?
チラチラ私を見ながら、同じ教室の女の子たちが話をするのは構わないんだけど、一人無言のまま凄く睨んできているんだけど。
どういう事?
『あらら……どうする? とりあえず、あの凄く睨んで居る子には、ウチの力でガツンと目にもの見せておく? それとも、クラス全体にウチの力を思い知らせておく?』
(いや、どっちもダメでしょ。というか、別に何をされた訳でもないし、物凄く人見知りなのかもしれないよ? で、実は凄く怯えているとか)
『どう見ても、そんな風には見えないけどねー。言ってくれれば、どういう感情を抱いているか調べてくるよー?』
(はいはい。そんな事しなくても大丈夫。それより、初めての授業を楽しもー!)
『授業は楽しむものなのかなー? 多分、退屈だと思うよー?』
エミリーは沢山人が居る場所でジッとしているのが嫌みたいで、姿が見えない事を良い事に、教室中をウロウロしている。
私が一人でアクセサリーを作っている時なんかは、静かに横で見ているだけに、ちょっと意外だ。
さて、エミリーには悪いけど、私は授業に集中させてもらおう。
最初の授業は……算術の授業ね。
昨日は荷物の確認だけで終わってしまい、教科書に目を通す余裕は無かった。
ワクワクしなかがら算術の本を開き……固まってしまった。
(え? え、エミリー。こ、これ……どう思う?)
『あー、うん。まぁ、リディアのリアクションはウチの予想通りかな。こればっかりは頑張って……としか言いようがないかな』
(嘘……そんな。こんなの、どうすれば……)
茫然としながら、教科書に目を向けていると、
「では、早速ですがこの問題を……リディアさんに解いてもらいましょう」
いきなり担任の先生に問題を答えるように言われてしまった。
「えっ!? わ、私ですか?」
「そうですよ。この問題の意味は分かりますか?」
「えぇ。答えは2です。途中式も必要でしたら、前に書きますが」
「そ、そうですね。では、前へ」
三角形の面積を求めるという、何とも簡単な問題を解くように言われ、スラスラと計算式を書くと、
「そ、その公式をどうして知っているのですか!?」
「え? どうしてって、この定理を使えば簡単に解けますよね?」
「そ、それはその通りですが、そもそも平方なんてまだ教えて……こほん。えーっと、リディアさんの解き方も正しいのですが、別の解き方で誰か……」
残念ながら、私の解答は無かった事にされてしまった。
ど、どうして!?
『まぁぶっちゃけると、ウチがリディアに教えていたのって、千年近く前の学問だからねー。算術なんかは、その頃に完成されていたって言われているし、リディアはかなり難しい事を学んでいたんだよー』
(そ、そうなんだ)
『ただ、その一方で歴史や魔導学なんかは、いろいろと進歩があったから、リディアに教えた内容だと、古過ぎて全然ダメかもねー』
(えぇっ!? そ、そうなの!?)
リディアの言葉を聞いて、こっそり歴史の教科書を開いてみる。
最初の数ページは分かるけど、少し読み進めると、
(待って。エスドレア王国史って何!? この国の歴史を学ぶの!?)
『まぁそういう事じゃない? ウチも個々の国で何があったかなんて知らないからねー』
はっきり言って何が書いてあるか分からなかった。
建国記とか、歴代の王様の名前とか、主な功績とか知らないよーっ!
エスドレア一世がこの国の基礎を作り、三世が発展させ、七世で少し縮小して……うん、無理。
学校は完全に息抜きの場かなーっと思っていると、
「ねぇ、リディアさん。すっごくお勉強が出来るのね。いろいろ教えてくださらない?」
休憩時間になって、早速クラスメイトから話しかけてもらえた。
学長室を出ると、担任だという女性の連れられ、二階の教室へ。
二十人くらいの生徒の前で自己紹介をすると、一番後ろの端の席へ座るように指示された。
ふふっ……これが学校かぁー。
「……こんな一学期の終わりかけの中途半端な時期に転入生? お家が没落して、急遽一家揃って国を出たとかかしら」
「……どこの国の貴族なんだろ? こんな半端な時期だし、王族って事はないよね? けど、この学院は授業のレベルが高いけど、途中からでついて来れるのかな?」
「……」
何だろう。最初から学校に居ないと変な風に思われちゃうのかな?
それとも、お喋り好きなのかな?
チラチラ私を見ながら、同じ教室の女の子たちが話をするのは構わないんだけど、一人無言のまま凄く睨んできているんだけど。
どういう事?
『あらら……どうする? とりあえず、あの凄く睨んで居る子には、ウチの力でガツンと目にもの見せておく? それとも、クラス全体にウチの力を思い知らせておく?』
(いや、どっちもダメでしょ。というか、別に何をされた訳でもないし、物凄く人見知りなのかもしれないよ? で、実は凄く怯えているとか)
『どう見ても、そんな風には見えないけどねー。言ってくれれば、どういう感情を抱いているか調べてくるよー?』
(はいはい。そんな事しなくても大丈夫。それより、初めての授業を楽しもー!)
『授業は楽しむものなのかなー? 多分、退屈だと思うよー?』
エミリーは沢山人が居る場所でジッとしているのが嫌みたいで、姿が見えない事を良い事に、教室中をウロウロしている。
私が一人でアクセサリーを作っている時なんかは、静かに横で見ているだけに、ちょっと意外だ。
さて、エミリーには悪いけど、私は授業に集中させてもらおう。
最初の授業は……算術の授業ね。
昨日は荷物の確認だけで終わってしまい、教科書に目を通す余裕は無かった。
ワクワクしなかがら算術の本を開き……固まってしまった。
(え? え、エミリー。こ、これ……どう思う?)
『あー、うん。まぁ、リディアのリアクションはウチの予想通りかな。こればっかりは頑張って……としか言いようがないかな』
(嘘……そんな。こんなの、どうすれば……)
茫然としながら、教科書に目を向けていると、
「では、早速ですがこの問題を……リディアさんに解いてもらいましょう」
いきなり担任の先生に問題を答えるように言われてしまった。
「えっ!? わ、私ですか?」
「そうですよ。この問題の意味は分かりますか?」
「えぇ。答えは2です。途中式も必要でしたら、前に書きますが」
「そ、そうですね。では、前へ」
三角形の面積を求めるという、何とも簡単な問題を解くように言われ、スラスラと計算式を書くと、
「そ、その公式をどうして知っているのですか!?」
「え? どうしてって、この定理を使えば簡単に解けますよね?」
「そ、それはその通りですが、そもそも平方なんてまだ教えて……こほん。えーっと、リディアさんの解き方も正しいのですが、別の解き方で誰か……」
残念ながら、私の解答は無かった事にされてしまった。
ど、どうして!?
『まぁぶっちゃけると、ウチがリディアに教えていたのって、千年近く前の学問だからねー。算術なんかは、その頃に完成されていたって言われているし、リディアはかなり難しい事を学んでいたんだよー』
(そ、そうなんだ)
『ただ、その一方で歴史や魔導学なんかは、いろいろと進歩があったから、リディアに教えた内容だと、古過ぎて全然ダメかもねー』
(えぇっ!? そ、そうなの!?)
リディアの言葉を聞いて、こっそり歴史の教科書を開いてみる。
最初の数ページは分かるけど、少し読み進めると、
(待って。エスドレア王国史って何!? この国の歴史を学ぶの!?)
『まぁそういう事じゃない? ウチも個々の国で何があったかなんて知らないからねー』
はっきり言って何が書いてあるか分からなかった。
建国記とか、歴代の王様の名前とか、主な功績とか知らないよーっ!
エスドレア一世がこの国の基礎を作り、三世が発展させ、七世で少し縮小して……うん、無理。
学校は完全に息抜きの場かなーっと思っていると、
「ねぇ、リディアさん。すっごくお勉強が出来るのね。いろいろ教えてくださらない?」
休憩時間になって、早速クラスメイトから話しかけてもらえた。
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