ダンマス（異端者）

第2478話 筋肉育成計画？

　目が覚めると、体が筋肉痛になっていた。しばらく運動してなかった俺からすると、かなりハードだったということだろう。筋トレじゃなくて、衝撃を吸収するような装備を付けてはいるが、一撃一撃が重いから体の芯に響くんよな。

　その所為なのかは分からないが、何度も攻撃をくらっていれば、体に影響が出てもおかしくはないか……

　アマレロからすれば、こういう結果になるのは目に見えていたから、寝る前に高たんぱくな食事を用意していてくれたようだ。超回復ができるわけではないが、何も対策しないよりは圧倒的に差が出るので、対策していてくれたみたいだ。

　動かせないほど酷い筋肉痛ではないが、触られれば程々に痛いくらいの筋肉痛ではある……

　筋肉痛にはあまり刺激の強くないマッサージ……血行促進の効果があるリンパマッサージなどが有効らしいので、アマレロがシュリにレクチャーをして俺の体をマッサージしてくれている。

　筋肉痛は、筋肉が炎症を起こしている状態なので、アイシングして炎症をひどくさせないことも必要らしい。アマレロがスライムたちにそうレクチャーしている姿はシュールだが、しっかりと理解しているスライムたちは、魔法を使って自分たちの体を冷やしていく。

　冷たすぎるのも体に良くないので、アマレロがちょうどいいと思う温度に合わせると、マッサージされている場所以外をアイシングしてくれるようだ。

　ん？　ひんやりしていたと思ったら、今度はほのかに暖かくなってきた。温冷法と呼ばれる血行促進を促してくれる方法だとか。

　サウナに入った後に水に浸かるというのを、ゆるくやってくれている感じだ。

　マッサージは苦手だったのだが、今回のマッサージは気持ちいいな。少し強めな気はするが、しっかりと教えられた場所を押しているからか、気持ちいいんだよね。

　しっかりとツボを押してくれて、なんか疲れが飛んでいく感じがする。

　睡眠で失った水は、バナナミルクスムージーで補給するように言われ、結構な量を飲んだ気がするけど大丈夫だろうか？　美味しいんだけど、色々心配になってしまう味なんだよな。

　シュリの痛いんだけど気持ち良いせいか、昼寝から目覚めたばかりなのにまた寝てしまった。


　次に目が溜めた時は、体がひんやりしていた。

　温冷法で温めたり冷やしたりしてくれていたようだが、俺が寝たあたりで冷やす方向にシフトしたみたいだな。お腹は冷やさないように１匹が乗って温めてくれていたから、お腹を壊すということもなかったようだ。

　目が覚めたのは、おやつの時間を少し回っている。時間にすると１５時３０分くらいだな。

　シュリは、何かを食べているが、ずっと近くて様子を看ててくれたようだ。

　スライムたちにどいてもらい、体を起こしてみる。筋肉痛の痛みはおさまっていないが、少し楽になっているな。多分冷やしてもらって、少し炎症が治まったのだろう。ひどい筋肉痛になったことがなかったから気付かなかったが、アイシングって本当に効果があるんだな。

　ダンジョンを攻略している時とかに、妻たちがアイシングをしてくれていたのには、こういった効果があったんだな。いまさらながら、妻たちの献身的な活動に感謝する。

　俺のおやつに準備されていたのは、サラダチキンを使った料理だった。切ったサラダチキンンにネギ塩だれをかけたものと、ちぎったサラダチキンときゅうりの千切りを混ぜ合わせてゴマダレをかけた、バンバンジー風の料理が置かれた。

　どっちも美味い。甲乙つけがたいね。食事が進んでしまうのだが、この時間にたくさん食べていいのだろうか？

　しっかりと食事のことも考えられており、おやつに出された食事は、計算された栄養を摂取するために必要な量だったみたいだ。

　食事の最後は、今日３度目のバナナミルクスムージーだった。まぁ美味いからいいんだけどね。これだけでおやつを食べた感じになるから不思議だ。子どもたちも好きそうな味だし、イチゴにしたらシンラが飛びつきそうだな。

　ミーシャたちは基本的に果物は何でも好きなのだが、下の子たち特にシンラはイチゴに目がないんだよな。放っておくと吐くまで食べるらしく、そのため厳しく制限しているんだったな。

　俺が知らないところで、おやつにイチゴを出した時に起こった事故って話だ。シンラもなくなれば追加で要求することはないけど、あればあるだけ食べてしまうので、食事やおやつに出すイチゴの量は制限しているんだとさ。

　朝のビュッフェでデザートに果物があたのだが、いつの間にか出されなくなったのは、シンラが原因だったと後で知って少し笑ったのを覚えている。俺と同じで、食い意地が張ってるんだなってな。

　本当に好きなものは、限界を越しても食べたくなってしまうのは分かるが、俺は一応大人だから止まれるけど、小さな子は止まれずに食べてしまう子もいるって話だから、シンラはそのタイプなのだろう。

　ん～、鶏肉を変えたのだろうか？　味というか触感が少し変わっている気がする。それとも調理の仕方を変えたのか、しっとりとしている気がするんだよな。不味いわけではなく、反対に美味しく感じるのでうれしいことなのだが、不思議だ……

　アマレロの話だと、どこまで品種改良をしても、サラダチキンに使う胸肉のパサパサ感は無くならないそうだ。だから、より美味しく食べるためにどういった下処理をして、どういう風にサラダチキンに加工すれば、しっとりと食べやすくできるかを追求したのが、今日のサラダチキンなんだとさ。

　手軽にできるのがサラダチキンだと思っていたが、プロが手掛けるとここまで変わるんだな。

　それに、料理に合ったサラダチキンなので、ネギ塩だれをかけたサラダチキンとバンバンジーに使ったサラダチキンは少し作り方が違うんだとさ。美味いから何でもいいけどね！

　おやつの後は、ストレッチをして筋肉痛の緩和をするようだ。