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第2468話 予想外
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目が覚めると体が重かった……何年振りかの病気にかかったってことだな。このタイミングってことは、子どもたちから移っちゃ感じか。目が覚めてすぐにお腹の痛みも感じてるし……トイレに行こう。
「スカーレット、すまん。子どもたちから病気が移ったみたいで、熱と腹の痛みがヤバいから、俺の部屋に誰も近付けないでくれ。食事は……大人なら形のあるモノ食べても大丈夫か? いったん朝食はパンとかにしてもらっていいか?」
スカーレットへまず連絡を入れ、俺の部屋に入れるようになったのは、スライムたちだけだ。あいつらは、病原菌とか関係なく捕食するから、そういう意味では食物連鎖の頂点にいるんだよな。
スライムたちに食事を持って来てもらう形になるけど、あいつらなら問題ないだろう。普段はいたずらをするけど、真面目な時にはきちんと空気を読んでくれるからな。
食欲自体は問題なさそうだ。お腹の痛みは……腸炎なのだろうか? すぐにトイレに行きたくなるが、まったくでないあのしんどい感じがずっと続いている。
起きているのもつらいが寝ることもできず、痛みにただただ耐えるだけの状況がしんどい。
下の子たちは、こんな状態でずっといたかと思うと、本当に治ってよかったと思うよ。体力の差で自分でほとんど動けなかったから、更につらかっただろうな。
子どもたちは、消化の良いものや吸収の良いものを食べてたけど、俺はそこまでしなくても大丈夫のようだ。ただ一気に飲み過ぎると、吸収されずに出てしまうようなので、少しずつ継続的に飲んている。
腸は動いているけど、水分があまり吸収できていないみたいで、少しゆるい……水分不足にならないか少し心配だな。最悪、自分で点滴うちこむしかないかな。
1日目はまだよかった……2日目に入ると、お腹の痛みのギアが一段上がったように感じられた。なんとか寝たのに、2時間ほどで腹痛で目が覚めてしまったのだ。
1人でいるのがしんどいけど、誰かがここにいても辛いから、やっぱり一人でいるしかない寂しさが泣けてくる。
ピーチから連絡が入って、子どもたちが心配しているけど、大丈夫か? という内容だった。大丈夫じゃないけど、弱音を吐くわけにはいかないから、大丈夫と答えている。近くには、ミーシャたちだけではなく、シンラ・プラム・シオンの3人もいて、声が聞こえてきている。
子どもたちには心配かけないように、声を作って返事をしている。
無音だと気が滅入りそうだったので、アニメを垂れ流しにしておく。流しておくのは、コメディーとアクションのミックスだと勝手に思っている、召喚物の美味い飯につられて最強の魔物が従魔契約を結ぶやつだ。
コントっぽい部分もあって面白いし、スライムとのやり取りが和むので、俺の気も紛れればと思って……
まぁ、そんなに甘くはないけど、少しは気がまぎれたと思う。2時間で目が覚めたためか、少し痛みが緩くなったタイミングで、寝てしまっていたからな。
幸せだった時間は、お腹の痛みで目が覚める。
現在は、2日目の夕方近くだな。もうすぐで夕食を運んでくるが、食事の形態をどうするかの確認があったからだ。
もちろん、普通の物を準備してもらう。正直、お腹の痛みでかなり大変なことになっているから、唯一の娯楽が食事なのでそれを味気ない物にはできない。お腹の痛みが強くなるとしても、ここは譲れない一線だ。
まだ1日半くらいしか時間が経っていないのに、もう心が折れそうなんだよね。痛みだけで言えば、妻たちと模擬戦をして骨を折ったりした時の方が圧倒的に痛いけど、向こうは全然耐えられるのに、何で腹痛は耐えがたく感じるんだろうな……
トイレかベットの上でうずくまるかの2択で過ごしていると、食事が運ばれてきた。うん、食事というよりはおやつのようなメニューだけど、正直これでもかなり嬉しい。元気な時みたいにお腹いっぱいに食べられないから、一つひとつがかなり貴重に感じられる。
全部がサンドイッチなのだが、いつもは食べないフルーツサンドのようなサンドイッチが用意されていた。
パンもフルーツも消化に良いものを選んでいるらしく、あまさのあるフルーツは、俺の心を癒してくれた。
お腹は痛くても、やっぱり美味い物って違うな。熱出したり夏バテすると食欲がなくなる人がいるようだけど、俺ってどんな時でも食欲があるから食べられないって思うことがほとんどないんだよな。何かに集中してて食べ忘れるとかはあるけど、自覚すれば食べたくなるからな。
熱だけでお腹の痛みさえなければ、ゲームをしてたり本を読んだりできたのだろうが、お腹が痛いと本当に何もする気になれない……寝返りうつのもしんどい。すべてが嫌になる。
それでも時々かかってくる通話では、大丈夫だけど熱が下がっていないだけ……ということにしている。妻たちにはバレてるけど、子どもたちの前ではそういった指摘はしてこない。
俺が苦しんでいるのを放っておけなくて、妻たちがこの部屋に来ようとしているらしいが、スライムたちや従魔たちが塞き止めているらしい。子どもたちが来てもはねのけるあたり、本気度がうかがえるな。
3日目もあまり痛みに変わりはなく、限界まで耐えて寝るを繰り返すような形だった。
4日目からは多少痛みが治まり、やっと余裕が出てきた感じだった。トイレに行く回数は変わらないが、痛みが少し弱くなっているのでかなり助かった。多分、1日目と同じくらい痛いのだが、2日目3日目と痛みの上限を体験した所為か、1日目より余裕がある4日目だった。
5日目になると、腹痛で悩まされることはなくなったが、相変わらず便がしたくなる感じは変わらない。
6日目は痛みが完全に収まり、後は熱が出ているだけだな。
でもさ、熱って、体の病原菌とかに対抗するために体温をあげるんだよな? それが6日も続くって、大丈夫なのだろうか?
熱を出せばかなり体力を使うのだが、その体力が無尽蔵に近いせいか、熱が出ていてもあまりしんどく感じないんだよな。やっぱり、あの腹痛が今回の最大の敵だったな。
7日目になっても熱が下がらん……あれ? おかしいなそろそろ熱が下がるはずなのに、まだまだ39度以上をキープしているのだが、なんでだ?
「スカーレット、すまん。子どもたちから病気が移ったみたいで、熱と腹の痛みがヤバいから、俺の部屋に誰も近付けないでくれ。食事は……大人なら形のあるモノ食べても大丈夫か? いったん朝食はパンとかにしてもらっていいか?」
スカーレットへまず連絡を入れ、俺の部屋に入れるようになったのは、スライムたちだけだ。あいつらは、病原菌とか関係なく捕食するから、そういう意味では食物連鎖の頂点にいるんだよな。
スライムたちに食事を持って来てもらう形になるけど、あいつらなら問題ないだろう。普段はいたずらをするけど、真面目な時にはきちんと空気を読んでくれるからな。
食欲自体は問題なさそうだ。お腹の痛みは……腸炎なのだろうか? すぐにトイレに行きたくなるが、まったくでないあのしんどい感じがずっと続いている。
起きているのもつらいが寝ることもできず、痛みにただただ耐えるだけの状況がしんどい。
下の子たちは、こんな状態でずっといたかと思うと、本当に治ってよかったと思うよ。体力の差で自分でほとんど動けなかったから、更につらかっただろうな。
子どもたちは、消化の良いものや吸収の良いものを食べてたけど、俺はそこまでしなくても大丈夫のようだ。ただ一気に飲み過ぎると、吸収されずに出てしまうようなので、少しずつ継続的に飲んている。
腸は動いているけど、水分があまり吸収できていないみたいで、少しゆるい……水分不足にならないか少し心配だな。最悪、自分で点滴うちこむしかないかな。
1日目はまだよかった……2日目に入ると、お腹の痛みのギアが一段上がったように感じられた。なんとか寝たのに、2時間ほどで腹痛で目が覚めてしまったのだ。
1人でいるのがしんどいけど、誰かがここにいても辛いから、やっぱり一人でいるしかない寂しさが泣けてくる。
ピーチから連絡が入って、子どもたちが心配しているけど、大丈夫か? という内容だった。大丈夫じゃないけど、弱音を吐くわけにはいかないから、大丈夫と答えている。近くには、ミーシャたちだけではなく、シンラ・プラム・シオンの3人もいて、声が聞こえてきている。
子どもたちには心配かけないように、声を作って返事をしている。
無音だと気が滅入りそうだったので、アニメを垂れ流しにしておく。流しておくのは、コメディーとアクションのミックスだと勝手に思っている、召喚物の美味い飯につられて最強の魔物が従魔契約を結ぶやつだ。
コントっぽい部分もあって面白いし、スライムとのやり取りが和むので、俺の気も紛れればと思って……
まぁ、そんなに甘くはないけど、少しは気がまぎれたと思う。2時間で目が覚めたためか、少し痛みが緩くなったタイミングで、寝てしまっていたからな。
幸せだった時間は、お腹の痛みで目が覚める。
現在は、2日目の夕方近くだな。もうすぐで夕食を運んでくるが、食事の形態をどうするかの確認があったからだ。
もちろん、普通の物を準備してもらう。正直、お腹の痛みでかなり大変なことになっているから、唯一の娯楽が食事なのでそれを味気ない物にはできない。お腹の痛みが強くなるとしても、ここは譲れない一線だ。
まだ1日半くらいしか時間が経っていないのに、もう心が折れそうなんだよね。痛みだけで言えば、妻たちと模擬戦をして骨を折ったりした時の方が圧倒的に痛いけど、向こうは全然耐えられるのに、何で腹痛は耐えがたく感じるんだろうな……
トイレかベットの上でうずくまるかの2択で過ごしていると、食事が運ばれてきた。うん、食事というよりはおやつのようなメニューだけど、正直これでもかなり嬉しい。元気な時みたいにお腹いっぱいに食べられないから、一つひとつがかなり貴重に感じられる。
全部がサンドイッチなのだが、いつもは食べないフルーツサンドのようなサンドイッチが用意されていた。
パンもフルーツも消化に良いものを選んでいるらしく、あまさのあるフルーツは、俺の心を癒してくれた。
お腹は痛くても、やっぱり美味い物って違うな。熱出したり夏バテすると食欲がなくなる人がいるようだけど、俺ってどんな時でも食欲があるから食べられないって思うことがほとんどないんだよな。何かに集中してて食べ忘れるとかはあるけど、自覚すれば食べたくなるからな。
熱だけでお腹の痛みさえなければ、ゲームをしてたり本を読んだりできたのだろうが、お腹が痛いと本当に何もする気になれない……寝返りうつのもしんどい。すべてが嫌になる。
それでも時々かかってくる通話では、大丈夫だけど熱が下がっていないだけ……ということにしている。妻たちにはバレてるけど、子どもたちの前ではそういった指摘はしてこない。
俺が苦しんでいるのを放っておけなくて、妻たちがこの部屋に来ようとしているらしいが、スライムたちや従魔たちが塞き止めているらしい。子どもたちが来てもはねのけるあたり、本気度がうかがえるな。
3日目もあまり痛みに変わりはなく、限界まで耐えて寝るを繰り返すような形だった。
4日目からは多少痛みが治まり、やっと余裕が出てきた感じだった。トイレに行く回数は変わらないが、痛みが少し弱くなっているのでかなり助かった。多分、1日目と同じくらい痛いのだが、2日目3日目と痛みの上限を体験した所為か、1日目より余裕がある4日目だった。
5日目になると、腹痛で悩まされることはなくなったが、相変わらず便がしたくなる感じは変わらない。
6日目は痛みが完全に収まり、後は熱が出ているだけだな。
でもさ、熱って、体の病原菌とかに対抗するために体温をあげるんだよな? それが6日も続くって、大丈夫なのだろうか?
熱を出せばかなり体力を使うのだが、その体力が無尽蔵に近いせいか、熱が出ていてもあまりしんどく感じないんだよな。やっぱり、あの腹痛が今回の最大の敵だったな。
7日目になっても熱が下がらん……あれ? おかしいなそろそろ熱が下がるはずなのに、まだまだ39度以上をキープしているのだが、なんでだ?
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