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第2404話 成果はみられるか?
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この訓練はあまり長く続かないと考えている。
今回の訓練では穴をあけて魔力の放出をするので、魔力の欠乏で倒れるまでの時間が訓練の時間となるだろう。魔力を回復できるポーションや、穴を治せるエリクサーを飲めば問題ないのだが、訓練なので倒れるまでやらせるつもりだ。
優秀な者たちが多かったので、魔力の欠乏を体験せずに今まで来てしまっているため、それをこの機会に体験させてやろうというモノだ。
その他にも、限界まで訓練することはあったが、精神的な訓練をしたことがなかったためか、ヤル気はあっても体や心が追い付いていない現状を打破するために、心を折るように限界まで訓練をさせるという話になった。
レイリーと副官たちの訓練は、心が折れるくらい大変だとは思うのだが、3人に言わせると体や技術を鍛えているだけで、精神的な成長ができるようなものではないとのことだ。柔道や剣道などのように、スポーツで訓練するのと変わらないのだとか。
スポーツでも本気で取り組めば、精神的な成長も促せるだろうが、戦闘に必要な精神的なものは、極限時の状態で鍛えるだけでは身につかないものもあるんだとさ。
俺には分からないけど、戦場を体験した兵士と訓練しかしたことのない兵士では、質が違うという話を聞いたことがある。それと同じような理由なのかもな。
だとしたら、この訓練では精神的な成長が促せないのでは? と思ったが、レイリーたちがただ魔力の放出だけをさせるわけがなかった。
魔力を腕に集めても漏れ出てしまう状況で、先ほど副隊長たちが死ぬ思いをした攻撃を隊長たちにしかけ始めた。
必死になってガードしたり避けたりしているのだが、ガードしている者たちは総じてダメージが大きいようだ。両腕の骨折は見られないから手加減はしているのだろうが、片腕が折れたりヒビは当たり前に入っているので、気休め程度の手加減でしかない気がする。
折れたらスライムたちが回復させて、戦線に戻されるというか、強引に立たされているな。
魔力が減って来て、意識がもうろうとし始めるまで、30分ほどではないかと考えていたが、俺の予想を覆して初めてダウンしたものが現れたのは、1時間が経過してからだった。
魔力量が想像以上に多かったのか、魔力の操作が急にうまくなったのかと思い鑑定やダンジョンマスターの力で調べてみると、魔力量が多いわけでも操作が上手くなったわけではなかった。
魔力のヘリが全体的に遅かったのは、単純に魔力を集める技術が芳しくなかったので、腕に集められる量が少なく、流出する魔力も少なかったみたいだ。
だから倒れるまでに時間がかかったようだな。
魔力量はレベル相応の者たちだったので、早く倒れた者ほど魔力を集められたということなのだが……それでも予想より30分も遅かったので、魔力操作の技術は高くないようだ。
本来通る過程をすっ飛ばして、何段階も上の訓練をしていた弊害なんだろうな。
最後のダウンが出たのが訓練開始から2時間後だった。
全員が魔力欠乏しておりかなり辛そうではあるが、2~3時間も休めば動けるようにはなるので、魔力欠乏状態をしっかりと体験してもらいましょう。
2時間経ったメンバーから、穴を治すことができて魔力も回復できるエリクサーを支給して回復させていく。
穴が開いた状態だと、魔力が少しずつだが漏れてしまっていたため、2時間で回復することができなかったのが問題だった。
そこまでは考えていなかったが、回復したばかりでは食事を食べるのも苦労するとの判断で、時間の経った者たちから回復をした感じだな。
起きた次の瞬間にお腹が空いたのか、グーグー鳴らしていた。
俺の症状と同じなら、食事量が大変なことになるのだが、大丈夫だろうか……
「ご主人様、勝手ながら食事が大量に必要となりそうでしたので、いつも提供している倍の量を準備しています。追加でも作っていますので、食事に関しては問題ありません」
本当に優秀なメイドだな。
ブラウニーたちは優秀で片付けて良いものではないと思うが、それ以外に表しようがないんだよな。痒い所に当たり前に手が届くし、俺が気付いていなかったところもフォローしてくれるし、万能すぎて怖いと思う時もある。
それに、ブラウニーたちのスキルで、メイドの嗜みが便利過ぎて、本当に頭があがらないよ。
メイドの嗜みには、時間を操作できる能力もついているので、こと食事に関しては最強の一言に尽きるね。
時間を止めるというのは、この世界でもかなり便利なモノ扱いされているが、時間が加速するという能力は、外れだと思われているんだよな。発酵とか熟成の概念がほとんどないから、腐ったりしないものを入れておく道具になってたりするとか言ってたな。
この世界で唯一時間が経つことで高くなるものが、お酒だな。特にワインは、寝かせれば寝かせるほど高くなるって言う話だ。
昔、20年物の地球産ワインとブラウニーの作ってくれた搾りたてのワインを飲み比べたことがあるのだが、俺には違いが良く分からなかった。舌や鼻には自信があるのだが、そもそもあまり好きではないのでどっちが美味いとかが分からないのだ。
考えた結果、美味しいと思ったワインを選んだのだが、ブラウニーたちの作ってくれたワインだった。
お酒の好きな妻たちは普通に当てていたけど、20年物のワインの値段を聞いて、ブラウニーたちの作ってくれたワインにしていたな。
高い物をガブガブ飲まれたらさすがにドン引きする自信があるので、助かってはいたのだが、ブラウニーたちの作ってくれたワインをDPに還元したら、20年物のワインより高かったんだよね……
値段だけ見たらそうなのだが、ブラウニーたちが作ってくれている物なので、限りはあるが量はあるので、妻たちがたくさん飲んでも余るだろう。ワイン以外にも作っているし、寝かせるためのワインも別にあったりするみたいだ。
思考がそれていたが、最後の1人が起き上がったところで食事が始まる。
戦争の如く食べ始めた隊長たち。
あまりにも行儀が悪かったため、ブラウニーたちに怒られ全員が青い顔してたな。
今回の訓練では穴をあけて魔力の放出をするので、魔力の欠乏で倒れるまでの時間が訓練の時間となるだろう。魔力を回復できるポーションや、穴を治せるエリクサーを飲めば問題ないのだが、訓練なので倒れるまでやらせるつもりだ。
優秀な者たちが多かったので、魔力の欠乏を体験せずに今まで来てしまっているため、それをこの機会に体験させてやろうというモノだ。
その他にも、限界まで訓練することはあったが、精神的な訓練をしたことがなかったためか、ヤル気はあっても体や心が追い付いていない現状を打破するために、心を折るように限界まで訓練をさせるという話になった。
レイリーと副官たちの訓練は、心が折れるくらい大変だとは思うのだが、3人に言わせると体や技術を鍛えているだけで、精神的な成長ができるようなものではないとのことだ。柔道や剣道などのように、スポーツで訓練するのと変わらないのだとか。
スポーツでも本気で取り組めば、精神的な成長も促せるだろうが、戦闘に必要な精神的なものは、極限時の状態で鍛えるだけでは身につかないものもあるんだとさ。
俺には分からないけど、戦場を体験した兵士と訓練しかしたことのない兵士では、質が違うという話を聞いたことがある。それと同じような理由なのかもな。
だとしたら、この訓練では精神的な成長が促せないのでは? と思ったが、レイリーたちがただ魔力の放出だけをさせるわけがなかった。
魔力を腕に集めても漏れ出てしまう状況で、先ほど副隊長たちが死ぬ思いをした攻撃を隊長たちにしかけ始めた。
必死になってガードしたり避けたりしているのだが、ガードしている者たちは総じてダメージが大きいようだ。両腕の骨折は見られないから手加減はしているのだろうが、片腕が折れたりヒビは当たり前に入っているので、気休め程度の手加減でしかない気がする。
折れたらスライムたちが回復させて、戦線に戻されるというか、強引に立たされているな。
魔力が減って来て、意識がもうろうとし始めるまで、30分ほどではないかと考えていたが、俺の予想を覆して初めてダウンしたものが現れたのは、1時間が経過してからだった。
魔力量が想像以上に多かったのか、魔力の操作が急にうまくなったのかと思い鑑定やダンジョンマスターの力で調べてみると、魔力量が多いわけでも操作が上手くなったわけではなかった。
魔力のヘリが全体的に遅かったのは、単純に魔力を集める技術が芳しくなかったので、腕に集められる量が少なく、流出する魔力も少なかったみたいだ。
だから倒れるまでに時間がかかったようだな。
魔力量はレベル相応の者たちだったので、早く倒れた者ほど魔力を集められたということなのだが……それでも予想より30分も遅かったので、魔力操作の技術は高くないようだ。
本来通る過程をすっ飛ばして、何段階も上の訓練をしていた弊害なんだろうな。
最後のダウンが出たのが訓練開始から2時間後だった。
全員が魔力欠乏しておりかなり辛そうではあるが、2~3時間も休めば動けるようにはなるので、魔力欠乏状態をしっかりと体験してもらいましょう。
2時間経ったメンバーから、穴を治すことができて魔力も回復できるエリクサーを支給して回復させていく。
穴が開いた状態だと、魔力が少しずつだが漏れてしまっていたため、2時間で回復することができなかったのが問題だった。
そこまでは考えていなかったが、回復したばかりでは食事を食べるのも苦労するとの判断で、時間の経った者たちから回復をした感じだな。
起きた次の瞬間にお腹が空いたのか、グーグー鳴らしていた。
俺の症状と同じなら、食事量が大変なことになるのだが、大丈夫だろうか……
「ご主人様、勝手ながら食事が大量に必要となりそうでしたので、いつも提供している倍の量を準備しています。追加でも作っていますので、食事に関しては問題ありません」
本当に優秀なメイドだな。
ブラウニーたちは優秀で片付けて良いものではないと思うが、それ以外に表しようがないんだよな。痒い所に当たり前に手が届くし、俺が気付いていなかったところもフォローしてくれるし、万能すぎて怖いと思う時もある。
それに、ブラウニーたちのスキルで、メイドの嗜みが便利過ぎて、本当に頭があがらないよ。
メイドの嗜みには、時間を操作できる能力もついているので、こと食事に関しては最強の一言に尽きるね。
時間を止めるというのは、この世界でもかなり便利なモノ扱いされているが、時間が加速するという能力は、外れだと思われているんだよな。発酵とか熟成の概念がほとんどないから、腐ったりしないものを入れておく道具になってたりするとか言ってたな。
この世界で唯一時間が経つことで高くなるものが、お酒だな。特にワインは、寝かせれば寝かせるほど高くなるって言う話だ。
昔、20年物の地球産ワインとブラウニーの作ってくれた搾りたてのワインを飲み比べたことがあるのだが、俺には違いが良く分からなかった。舌や鼻には自信があるのだが、そもそもあまり好きではないのでどっちが美味いとかが分からないのだ。
考えた結果、美味しいと思ったワインを選んだのだが、ブラウニーたちの作ってくれたワインだった。
お酒の好きな妻たちは普通に当てていたけど、20年物のワインの値段を聞いて、ブラウニーたちの作ってくれたワインにしていたな。
高い物をガブガブ飲まれたらさすがにドン引きする自信があるので、助かってはいたのだが、ブラウニーたちの作ってくれたワインをDPに還元したら、20年物のワインより高かったんだよね……
値段だけ見たらそうなのだが、ブラウニーたちが作ってくれている物なので、限りはあるが量はあるので、妻たちがたくさん飲んでも余るだろう。ワイン以外にも作っているし、寝かせるためのワインも別にあったりするみたいだ。
思考がそれていたが、最後の1人が起き上がったところで食事が始まる。
戦争の如く食べ始めた隊長たち。
あまりにも行儀が悪かったため、ブラウニーたちに怒られ全員が青い顔してたな。
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