ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2366話 アウェイ

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 小説を読んでいたウルは、スライムクッションの気持ちよさにやられ、眠りについてしまったようだな。あのクッションは、眠気がなくても眠たくなってしまう魔法がかかっているのでは? と思うくらいに眠くなることがあるから、危険だったりするんだよね。

 ミーシャたちもウルが寝てしまったことに気付き、騒いでゲームをしているプラムとシオン(応援)に声をかけて、お風呂へ連れていくようだ。シンラも声をかけられて、状況を察したのかゲーム機を片付けて、ブラウニーに帰した後、お風呂へ向かった。

 部屋から出ていく前にミーシャたちにもシンラにも、一緒にお風呂へ入るといわれたので、ウルのように遠慮する必要はなさそうだな。プラムとシオンは、来なくてもいいみたいな表情をしているが、4:2で一緒に入るが優勢なので、文句は聞かないぞ!

 ミーシャたちお姉ちゃん組は、基本的に俺のことを肯定してくれるので、ウルを含めても7票中3票は賛成に入るので、俺に否定的なプラムとシオンを除いた、シンラとウルのどちらかが賛成に回ってくれれば、多数決は勝利するので、勝率は高い。

 ウルも俺に問題がなければ、基本的には賛成派なので、実質4人がそろえば俺の価値なんだよな。母親たち曰く、プラムとシオンは、大好きなシンラを取られたくないから、俺を突き放しているだけで、俺自身が嫌いというわけではないと思うってことらしい。

 根拠としては薄い気がするが、本当に嫌いだったら一緒のベッドで寝ることも拒否するだろうけど、シンラが近くにいれば問題ないみたいだから、シンラとの距離を気をつければ邪険にはされないだろうってさ。

 言いたいことはわかるが、父親として娘に邪険に扱われるのは傷つくんだよな……本当は、ミーシャたちの小さなときみたいにかまいたいが、それをするとさげすんだような視線で見られるので、断念しているんだぞ!

 お風呂へ行くと、いつもと違うお風呂に大はしゃぎしている子どもたちを発見する。俺が服を脱ぎ終わった後に妻たちも何人か入ってきたので、俺1人で全員を見る必要がなくて助かるな。

 女の子組は5人で集まって、髪の毛を洗い合いっこをしている。プラムとシオンは、まだ拙いのでミーシャに教わりながらスミレとブルムの髪の毛を一生懸命洗っている。

 一方シンラといえば、俺の前に陣取って体を洗っている。頭は俺に洗えってことだな。

 俺とお風呂に入るときは、ほぼ俺が洗っているからな、こいつにとっては当たり前なんだろうな。

 そういえば、もっと小さいころから髪の毛を洗ってやっているが、シャンプーハットのような目に入るのを防ぐ道具って、ほとんど使ったことがなかったな。特有のギュッと目をつぶるしぐさもなかったし、これってすごいことなんじゃないか?

 変なことを考えていたら、シンラに早く洗ってくれって急かされてしまった。

 仕方がないな~って思いながら、指の平を軽く押し付けるようにして、頭皮をきれいに洗ってあげた。かゆいところもないそうなので、シャンプーを流した。俺と同じで、リンスとかコンディショナーは使わないので、簡単に終わるから楽なもんだよな。体は自分で洗うようになったしな。

 娘たちの髪の毛の洗い合いっこが交代するあたりで、妻たちがお風呂に入ってきて、娘たちの髪の毛を洗うのを手伝い始めた。

 やっぱり、女性のほうがこういうことには強い気がするな。地球の物をここで使っているせいか、俺より知識量が圧倒的に増えているんだよな。

 俺は先にシンラと一緒に、ヒノキ風呂へはいる。いつもと違うお風呂でテンションの上がっていたシンラは、泳ぎだしそうな勢いで湯船に入ろうとしたが、こいつまだ泳げないのに勢いだけはあるから質が悪いんだよな。

 溺れる前にスライムたちが助けてくれるから、危機感が薄かったりするから、本当に怖かったりするんだよな。

 スライムたちに、足を入れられるアヒル型の浮き輪のようになるように指示をして、シンラをその浮き輪に座らせた。広いヒノキ風呂なので、足を動かしてスイスイと移動し始めた。ただの浮き輪だと足しか浸からないのだが、スライムたちがやると、胸のあたりまで疲れるので、溺れる心配もなく安心である。

 シンラにお湯をかけられたので、指水鉄砲で応戦していると、体を洗い終えたプラムたちが援軍に来てしまった。シンラと同じアヒルの浮き輪に乗って、シンラ側についてお湯をかけてきた。

 3人で手足を使った攻撃に対して、俺は指水鉄砲1つだけなので勝ち目がない。

 甘んじて攻撃を受け入れると、その様子に満足したプラムとシオンは、スイスイと浮き輪を動かしてシンラの隣に行ってくっついた。相変わらずだな……

 その様子を見ていたミーシャたちは、苦笑して俺の励ましてくれているのか、近くに座ってくれた。

 そんなやさしさに少し心がほっこりした。
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