2,345 / 2,518
第2345話 完成したエリア
しおりを挟む
「ねえ、シュウ。あなたが配置した通りに大体は置いたけど、包丁の場所とかぎっちり詰め込み過ぎじゃない? 落ち着いてみれない気がするんだけど、あれでいいの?」
「展示会みたいに、だれだれが作ったとか言って表記して、良し悪しを評価するわけじゃないから、あんなもんでいいんだよ。無駄に広過ぎたら、似た物同士を比べるのが大変じゃないか? そういう意味では、ある程度同じ種類のものを近くにあった方がいいと思うんだよ」
なるほどね。と綾乃が納得したようだ。
俺もあまり間隔が狭すぎるとどうなのかと思っていたが、ここら辺はカエデとリンドの助言で、ある程度密集させている。なので昨日説明されたことを、そのまま綾乃に説明しただけだな。
シルキーやブラウニーたちは、ただ刃物が見たいわけではないのだ。調理用の道具として刃物を見たいのだ。出来を評価するわけではなく、どれだけ使いやすいか、メンテナンスのしやすさなど、そういうのを確認したいだけなのだ。
だから、無駄に広く無駄にスペースを空けて展示すると、比べるのが面倒になるかもしれないので、近くにまとめた方がいいということらしい。
飛んで移動しているとはいえ、広すぎれば移動するのも面倒だし、比べるのにまた移動するようになれば、いくら便利なモノがあっても、今使っている物でいいかな? ってなってしまう気持ちは分からなくもない。
俺は職人ではないので、包丁のこだわりとかは分からないけど、現状で苦無く使えているのであれば、広い中から移動して探すのは面倒に感じてしまうだろう。
それでも展示する刃物の数が数なので、かなり広くなってしまっているが、分かりやすいようにエリア分けをしているので、目的のものがある場所へ行けば見られるようにしているのだ。でも、その場で使い比べができるようにすると、それこそ種類ごとにエリアを作った方が早くなるので、今回はこんな感じにしている。
もし希望で、各種類毎にエリアを分けてほしいと言われればその通りにするが、今回はそのようなことはまいので、いまのところこの状態から変える予定はない。そりゃそうだ、作ったばかりだからな!
後は、研ぎ石エリアも少し調整しておかないとな。
あっちは、言われる前からある程度分類しておいてあるが、研石の細かさを適当に区切っていたので、100ずつほどに細かく区切るように助言をもらったのだ。
正直、100番変わるくらいで違いが分からないけど、それぞれ調理に合った砥石があるそうなので、細かく区切っていた方が、シルキーやブラウニーたちにとっては便利だろうと言っていた。
カエデたちが言うには、普段調理に使っている包丁なら、仕上げ砥があれば十分だろうと言っていた。
他の砥石が必要になると言えば、解体や魚を調理する際の出刃包丁など、硬いものを切ることがある場合は、少し荒い砥石を使うのが良いのだとか。欠ける可能性があるので、荒い砥石で削ってから仕上げるのがいいとのことだ。
刃の状況で変わってくるそうなので、一概に全部を粗い砥石を最初に使うわけではないとも言われたな。
そう考えると、消耗品と言える剣は荒砥で刃を整えてから、仕上げ砥でキレイにするのかね? 俺たちの武器には、俺がアダマンコーティングをしているので欠けることはないのだが、強い圧力がかかると変形をするからそれを整える作業が、俺たちの武器の整備となる。
普通の武器より整備回数が少ないが、一度にかかる整備の時間には何倍もかかるんだとさ。俺がコーティングを剥げばそんなこともないのだが、俺のに手間をかけさせるくらいなら、多少苦労しても自分たちで調整するからいいそうだ。
色々苦労はあるそうだが、その時間も楽しんでいるみたいなので、良いと思っておこう。
っと砥石の品分けをしないとな。
バザールには砥石を集めてもらい、綾乃には新しく俺が作った展示エリアに砥石を種別ごとに分けてもらう。
砥石の番号として使われている物を流用して、100番から4000番までを100番ずつ分けて並べるようにお願いしている。
家庭で使われているような小さなものだけではなく、ここまで大きいとどうやって使うのか分からない砥石も準備している。
一般的に売られているであろう砥石の幅を1とした時に、幅が5くらいあるような幅の広い砥石を揃えている。
マジで何に使うんだろうな? 俺たちが興味を示したマグロ包丁でも研ぐやつなのかね?
100番違っただけでは分からないと言ったが、あれは嘘だな。100番と200番はさすがに違いが分かる。見た目からして粗さが違うからな。さすがにこれが分からないというのは、さすがに問題があるだろうな。
そうはいったが2000番と2100番の違いはさすがに分からない。だって、どっちも細かいって言うくらいしか本当に分からん。教えてもらい、触れば何かが違うかな? くらいは感じるけど、同じだと言われれば同じなのか……って感じるくらいの違いしかない。
よし、問題なく作業が終了した。
ここはもう使える状態なので、手の空いているシルキーとブラウニーたちを呼んでお披露目をした。
言葉ではこんな施設を用意していただかなくても……と言っているが、態度は明らかに喜んでいてソワソワしているのが分かる。
ここは自由に使っていいエリアだから、飾ってあるものは全部自由に使っていいと言っておいた。
使いたいものがあれば、俺に言ってくれればドワーフたちに話を通すし、調理器具であれば召喚するから遠慮なく伝えてほしい事を話しておく。
今日しなければいなかったことを終えた俺は、一息ついた。
解放した後のブラウニーたちの偏りに驚いた。
半数以上が砥石のエリアに移動したのだ。今まで使っていたのも悪くないが、やはり自分たちに合う物を探したいようだ。
「展示会みたいに、だれだれが作ったとか言って表記して、良し悪しを評価するわけじゃないから、あんなもんでいいんだよ。無駄に広過ぎたら、似た物同士を比べるのが大変じゃないか? そういう意味では、ある程度同じ種類のものを近くにあった方がいいと思うんだよ」
なるほどね。と綾乃が納得したようだ。
俺もあまり間隔が狭すぎるとどうなのかと思っていたが、ここら辺はカエデとリンドの助言で、ある程度密集させている。なので昨日説明されたことを、そのまま綾乃に説明しただけだな。
シルキーやブラウニーたちは、ただ刃物が見たいわけではないのだ。調理用の道具として刃物を見たいのだ。出来を評価するわけではなく、どれだけ使いやすいか、メンテナンスのしやすさなど、そういうのを確認したいだけなのだ。
だから、無駄に広く無駄にスペースを空けて展示すると、比べるのが面倒になるかもしれないので、近くにまとめた方がいいということらしい。
飛んで移動しているとはいえ、広すぎれば移動するのも面倒だし、比べるのにまた移動するようになれば、いくら便利なモノがあっても、今使っている物でいいかな? ってなってしまう気持ちは分からなくもない。
俺は職人ではないので、包丁のこだわりとかは分からないけど、現状で苦無く使えているのであれば、広い中から移動して探すのは面倒に感じてしまうだろう。
それでも展示する刃物の数が数なので、かなり広くなってしまっているが、分かりやすいようにエリア分けをしているので、目的のものがある場所へ行けば見られるようにしているのだ。でも、その場で使い比べができるようにすると、それこそ種類ごとにエリアを作った方が早くなるので、今回はこんな感じにしている。
もし希望で、各種類毎にエリアを分けてほしいと言われればその通りにするが、今回はそのようなことはまいので、いまのところこの状態から変える予定はない。そりゃそうだ、作ったばかりだからな!
後は、研ぎ石エリアも少し調整しておかないとな。
あっちは、言われる前からある程度分類しておいてあるが、研石の細かさを適当に区切っていたので、100ずつほどに細かく区切るように助言をもらったのだ。
正直、100番変わるくらいで違いが分からないけど、それぞれ調理に合った砥石があるそうなので、細かく区切っていた方が、シルキーやブラウニーたちにとっては便利だろうと言っていた。
カエデたちが言うには、普段調理に使っている包丁なら、仕上げ砥があれば十分だろうと言っていた。
他の砥石が必要になると言えば、解体や魚を調理する際の出刃包丁など、硬いものを切ることがある場合は、少し荒い砥石を使うのが良いのだとか。欠ける可能性があるので、荒い砥石で削ってから仕上げるのがいいとのことだ。
刃の状況で変わってくるそうなので、一概に全部を粗い砥石を最初に使うわけではないとも言われたな。
そう考えると、消耗品と言える剣は荒砥で刃を整えてから、仕上げ砥でキレイにするのかね? 俺たちの武器には、俺がアダマンコーティングをしているので欠けることはないのだが、強い圧力がかかると変形をするからそれを整える作業が、俺たちの武器の整備となる。
普通の武器より整備回数が少ないが、一度にかかる整備の時間には何倍もかかるんだとさ。俺がコーティングを剥げばそんなこともないのだが、俺のに手間をかけさせるくらいなら、多少苦労しても自分たちで調整するからいいそうだ。
色々苦労はあるそうだが、その時間も楽しんでいるみたいなので、良いと思っておこう。
っと砥石の品分けをしないとな。
バザールには砥石を集めてもらい、綾乃には新しく俺が作った展示エリアに砥石を種別ごとに分けてもらう。
砥石の番号として使われている物を流用して、100番から4000番までを100番ずつ分けて並べるようにお願いしている。
家庭で使われているような小さなものだけではなく、ここまで大きいとどうやって使うのか分からない砥石も準備している。
一般的に売られているであろう砥石の幅を1とした時に、幅が5くらいあるような幅の広い砥石を揃えている。
マジで何に使うんだろうな? 俺たちが興味を示したマグロ包丁でも研ぐやつなのかね?
100番違っただけでは分からないと言ったが、あれは嘘だな。100番と200番はさすがに違いが分かる。見た目からして粗さが違うからな。さすがにこれが分からないというのは、さすがに問題があるだろうな。
そうはいったが2000番と2100番の違いはさすがに分からない。だって、どっちも細かいって言うくらいしか本当に分からん。教えてもらい、触れば何かが違うかな? くらいは感じるけど、同じだと言われれば同じなのか……って感じるくらいの違いしかない。
よし、問題なく作業が終了した。
ここはもう使える状態なので、手の空いているシルキーとブラウニーたちを呼んでお披露目をした。
言葉ではこんな施設を用意していただかなくても……と言っているが、態度は明らかに喜んでいてソワソワしているのが分かる。
ここは自由に使っていいエリアだから、飾ってあるものは全部自由に使っていいと言っておいた。
使いたいものがあれば、俺に言ってくれればドワーフたちに話を通すし、調理器具であれば召喚するから遠慮なく伝えてほしい事を話しておく。
今日しなければいなかったことを終えた俺は、一息ついた。
解放した後のブラウニーたちの偏りに驚いた。
半数以上が砥石のエリアに移動したのだ。今まで使っていたのも悪くないが、やはり自分たちに合う物を探したいようだ。
0
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
彼女をイケメンに取られた俺が異世界帰り
あおアンドあお
ファンタジー
俺...光野朔夜(こうのさくや)には、大好きな彼女がいた。
しかし親の都合で遠くへと転校してしまった。
だが今は遠くの人と通信が出来る手段は多々ある。
その通信手段を使い、彼女と毎日連絡を取り合っていた。
―――そんな恋愛関係が続くこと、数ヶ月。
いつものように朝食を食べていると、母が母友から聞いたという話を
俺に教えてきた。
―――それは俺の彼女...海川恵美(うみかわめぐみ)の浮気情報だった。
「――――は!?」
俺は思わず、嘘だろうという声が口から洩れてしまう。
あいつが浮気してをいたなんて信じたくなかった。
だが残念ながら、母友の集まりで流れる情報はガセがない事で
有名だった。
恵美の浮気にショックを受けた俺は、未練が残らないようにと、
あいつとの連絡手段の全て絶ち切った。
恵美の浮気を聞かされ、一体どれだけの月日が流れただろうか?
時が経てば、少しずつあいつの事を忘れていくものだと思っていた。
―――だが、現実は厳しかった。
幾ら時が過ぎろうとも、未だに恵美の裏切りを忘れる事なんて
出来ずにいた。
......そんな日々が幾ばくか過ぎ去った、とある日。
―――――俺はトラックに跳ねられてしまった。
今度こそ良い人生を願いつつ、薄れゆく意識と共にまぶたを閉じていく。
......が、その瞬間、
突如と聞こえてくる大きな声にて、俺の消え入った意識は無理やり
引き戻されてしまう。
俺は目を開け、声の聞こえた方向を見ると、そこには美しい女性が
立っていた。
その女性にここはどこだと訊ねてみると、ニコッとした微笑みで
こう告げてくる。
―――ここは天国に近い場所、天界です。
そしてその女性は俺の顔を見て、続け様にこう言った。
―――ようこそ、天界に勇者様。
...と。
どうやら俺は、この女性...女神メリアーナの管轄する異世界に蔓延る
魔族の王、魔王を打ち倒す勇者として選ばれたらしい。
んなもん、無理無理と最初は断った。
だが、俺はふと考える。
「勇者となって使命に没頭すれば、恵美の事を忘れられるのでは!?」
そう思った俺は、女神様の嘆願を快く受諾する。
こうして俺は魔王の討伐の為、異世界へと旅立って行く。
―――それから、五年と数ヶ月後が流れた。
幾度の艱難辛苦を乗り越えた俺は、女神様の願いであった魔王の討伐に
見事成功し、女神様からの恩恵...『勇者』の力を保持したまま元の世界へと
帰還するのだった。
※小説家になろう様とツギクル様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる