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第2319話 既視感のある行動
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俺の家なんだから、家族の誰かが入っているのだと思う。綾乃がこんな時間にはいりに来るわけないし、入っているのならブラウニーたちが止めるはずだ。となれば、妻たちの誰かかな?
そう考えながらお風呂の扉を開くと……仁王立ちをして、タオルを股下を通ってお尻でペシンッと音が鳴るような動作をしているシンラを発見した。
昔の銭湯の1シーンを思い出させるような仕草だが、実際にやっていることを見たこと無いので、幻の行動だと思っていた。そんな行動をシンラがやっていたのだ。
何か満足そうな顔をしているのが分かる雰囲気がしている。扉の音に気付いたのか振り向いた。
俺を発見したシンラは、何でこんな時間にお風呂にいるんだ? みたいなことを言ってきたが、そっくりそのままお前に返したいのだが?
シンラは、プラムとシオンにいつも以上に密着されて寝ていたせいで、かなりの寝汗をかいてしまっていたようだ。その感じが嫌だったのか、スライムに協力してもらって2人の拘束から抜け出して、お風呂へ入りにきたということらしい。
廊下で見た奇妙なものは、シンラの後を追いかけていたスライムたちの行列ってことか。あの時間にはいつも、スライムたちの行列が見れるのかと思ったが、そうではないらしい。
安心したような、どうでもいいような感じだな。
せっかく2人きりだから、シンラの思うようにお風呂に入ってもいいぞ!
そんなことを伝えると、サウナに入りたい! と言い出した。
あまり興味がなさそうだったから誘ってなかったが、プラムとシオンは好きではないらしいので、こういう時じゃないとゆっくり入れないとの事。最近は、風呂の中では密着してないから、入りたければ入ればいいんじゃないか?
そんなことを思ったが口には出さずにいた。
姉たちは、乾式サウナよりミストサウナが好きだけど、お前さんはどちらにはいりたいんだい?
「おとーといっしょのやつ」
シンラが俺を呼ぶときは、『おとー』と呼ぶ。でも1ヶ月前くらいは、ミーシャたちと同じで、とーたんと呼んでいた。その時の気分次第で呼び方が変わるので、気にしたら負けかもしれないな。
俺と一緒ということは、乾式サウナってことか……大丈夫だろうか?
入って思い出したが、ミーシャたちが一緒に入りたいと言い出した時に、一番下の段の足場を更に掘り下げて、水が流れる足湯のようなモノを作ったのを思い出した。
久しぶりにそれを解放しよう。
シンラに説明すると、熱さに既に参りそうになっていたのだが、水を得た魚のように元気になったのが分かる。俺に対抗して、長く入ろうとしているのが分かった。
子どもって変なところで、自分勝手な勝負をしたがるんだよな。
俺も昔、父親に連れられて行ったサウナで、見知らずの人をターゲットに我慢比べをしてたな。
シンラの様子を見ながら、無理させない程度で出ることにしよう……なんて考えていたら、足湯だったところに腰までつけて涼んでいた。
それだと、本格的に意味がないんだが……本人が満足しているようなので、しばらくそのままにしておこう。
さすがにこの歳だと、サウナという熱い部屋の中で汗をかく……という、その行為が体に与える影響というモノを分かっていないのだろう。熱いから涼しい水に浸かる。だがそれだと、炎天下に入るプールが気持ちいのと大して変わらんのだよな。
こいつなりに楽しんでいるのだろう。
そんなことを思っていたら、また昔の事を思い出した。
熱い部屋で耐える、それがサウナという場所であり、一種の修行のような気持ちで入っていた時があった。少し前に思い出したサウナのもうちょっと前の話だったかな。
わざと熱くしているのだから、部屋自体を涼しくすることはダメだと分かっていた。ならば長く耐えるのに、どうするべきか? そう考えた時に、持ち込めるタオルに目を付けた。
サウナの入り口に、体を拭いてからタオルをよく絞ってお入りください、とあるので水に浸したタオルを持ち込むのもダメだ。
ならばどうするか?
体を拭いた後に冷たい水に浸けよく絞ったタオルを、出来る限り熱くしないようにサウナに持ち込んで、熱くなったと思ったらその冷気を使ってササッと体を拭くのはどうだ?
そう考えた幼いころの俺は実践する。
一瞬だけ気持ち良かったよね。だけどすぐに体がカッと熱くなって、反対に長く入るのがしんどく感じた覚えがある。
今のシンラの状況とかなり違うので、同じとは言えないのだが、俺の息子と思うような行動をとるのは、遺伝子のなせる技だろうか?
熱いのと寒いのを交互に体験すると、自律神経を刺激していい影響を与えるみたいだけど、シンラのそれはただ気持ちいだけだろ。
熱くなったら水に入って、冷えたら外に出るけど足だけはずっと水の中……本当にこいつは何がしたいんだかな。
抱きかかえてサウナを出ることにした。さすがにあの状況のままサウナに入らせるのは……どうなのかと思い、今日はサウナに入るのは止めよう。どうせ訓練すれば滝のように汗をかくだろうし、わざわざサウナでかかなくてもいいよな。
シンラの体はどちらかというと冷えていたので、一緒に水風呂に入るのではなく、シンラはそのままお風呂に入れた。スライムたちが待ち構えており、シンラが思う適温に調整されたスライム湯舟へ。
しっかりと体を冷やした後に体を洗い、シンラがオッサンくさくなっている横で、俺もシンラの真似をしてオッサンっぽくなってみた。
浴槽の縁に後頭部を乗せて体の力を抜くと、大の字まではいかないが湯舟に半分浮かぶような形になった。漂っている感じが……って、いつの間にか縁から頭が落ちており、プカプカと浮いていた。
これは銭湯や温泉でやったら怒られる奴だな。自分の家に大きなお風呂があるから出来る、超贅沢なお風呂の楽しみ方かもしれない。妻たちがいたらこんなことできなかったけど、シンラと2人きりだから出来たことだな。
これだけでも、この時間にはいりに来てよかった気がする。
さすがにシンラは途中で疲れたみたいだな。任せる人もいないから、一緒に出ることに。
半分寝ている状態だったので、床にタオルを敷いてクルクル回しながら洋服を着せて、抱きかかえてプラムとシオンの待っているベッドへ置いてから、部屋に戻るのが面倒になった俺は、食堂のコタツのある場所でもう1度寝ることにした。
そう考えながらお風呂の扉を開くと……仁王立ちをして、タオルを股下を通ってお尻でペシンッと音が鳴るような動作をしているシンラを発見した。
昔の銭湯の1シーンを思い出させるような仕草だが、実際にやっていることを見たこと無いので、幻の行動だと思っていた。そんな行動をシンラがやっていたのだ。
何か満足そうな顔をしているのが分かる雰囲気がしている。扉の音に気付いたのか振り向いた。
俺を発見したシンラは、何でこんな時間にお風呂にいるんだ? みたいなことを言ってきたが、そっくりそのままお前に返したいのだが?
シンラは、プラムとシオンにいつも以上に密着されて寝ていたせいで、かなりの寝汗をかいてしまっていたようだ。その感じが嫌だったのか、スライムに協力してもらって2人の拘束から抜け出して、お風呂へ入りにきたということらしい。
廊下で見た奇妙なものは、シンラの後を追いかけていたスライムたちの行列ってことか。あの時間にはいつも、スライムたちの行列が見れるのかと思ったが、そうではないらしい。
安心したような、どうでもいいような感じだな。
せっかく2人きりだから、シンラの思うようにお風呂に入ってもいいぞ!
そんなことを伝えると、サウナに入りたい! と言い出した。
あまり興味がなさそうだったから誘ってなかったが、プラムとシオンは好きではないらしいので、こういう時じゃないとゆっくり入れないとの事。最近は、風呂の中では密着してないから、入りたければ入ればいいんじゃないか?
そんなことを思ったが口には出さずにいた。
姉たちは、乾式サウナよりミストサウナが好きだけど、お前さんはどちらにはいりたいんだい?
「おとーといっしょのやつ」
シンラが俺を呼ぶときは、『おとー』と呼ぶ。でも1ヶ月前くらいは、ミーシャたちと同じで、とーたんと呼んでいた。その時の気分次第で呼び方が変わるので、気にしたら負けかもしれないな。
俺と一緒ということは、乾式サウナってことか……大丈夫だろうか?
入って思い出したが、ミーシャたちが一緒に入りたいと言い出した時に、一番下の段の足場を更に掘り下げて、水が流れる足湯のようなモノを作ったのを思い出した。
久しぶりにそれを解放しよう。
シンラに説明すると、熱さに既に参りそうになっていたのだが、水を得た魚のように元気になったのが分かる。俺に対抗して、長く入ろうとしているのが分かった。
子どもって変なところで、自分勝手な勝負をしたがるんだよな。
俺も昔、父親に連れられて行ったサウナで、見知らずの人をターゲットに我慢比べをしてたな。
シンラの様子を見ながら、無理させない程度で出ることにしよう……なんて考えていたら、足湯だったところに腰までつけて涼んでいた。
それだと、本格的に意味がないんだが……本人が満足しているようなので、しばらくそのままにしておこう。
さすがにこの歳だと、サウナという熱い部屋の中で汗をかく……という、その行為が体に与える影響というモノを分かっていないのだろう。熱いから涼しい水に浸かる。だがそれだと、炎天下に入るプールが気持ちいのと大して変わらんのだよな。
こいつなりに楽しんでいるのだろう。
そんなことを思っていたら、また昔の事を思い出した。
熱い部屋で耐える、それがサウナという場所であり、一種の修行のような気持ちで入っていた時があった。少し前に思い出したサウナのもうちょっと前の話だったかな。
わざと熱くしているのだから、部屋自体を涼しくすることはダメだと分かっていた。ならば長く耐えるのに、どうするべきか? そう考えた時に、持ち込めるタオルに目を付けた。
サウナの入り口に、体を拭いてからタオルをよく絞ってお入りください、とあるので水に浸したタオルを持ち込むのもダメだ。
ならばどうするか?
体を拭いた後に冷たい水に浸けよく絞ったタオルを、出来る限り熱くしないようにサウナに持ち込んで、熱くなったと思ったらその冷気を使ってササッと体を拭くのはどうだ?
そう考えた幼いころの俺は実践する。
一瞬だけ気持ち良かったよね。だけどすぐに体がカッと熱くなって、反対に長く入るのがしんどく感じた覚えがある。
今のシンラの状況とかなり違うので、同じとは言えないのだが、俺の息子と思うような行動をとるのは、遺伝子のなせる技だろうか?
熱いのと寒いのを交互に体験すると、自律神経を刺激していい影響を与えるみたいだけど、シンラのそれはただ気持ちいだけだろ。
熱くなったら水に入って、冷えたら外に出るけど足だけはずっと水の中……本当にこいつは何がしたいんだかな。
抱きかかえてサウナを出ることにした。さすがにあの状況のままサウナに入らせるのは……どうなのかと思い、今日はサウナに入るのは止めよう。どうせ訓練すれば滝のように汗をかくだろうし、わざわざサウナでかかなくてもいいよな。
シンラの体はどちらかというと冷えていたので、一緒に水風呂に入るのではなく、シンラはそのままお風呂に入れた。スライムたちが待ち構えており、シンラが思う適温に調整されたスライム湯舟へ。
しっかりと体を冷やした後に体を洗い、シンラがオッサンくさくなっている横で、俺もシンラの真似をしてオッサンっぽくなってみた。
浴槽の縁に後頭部を乗せて体の力を抜くと、大の字まではいかないが湯舟に半分浮かぶような形になった。漂っている感じが……って、いつの間にか縁から頭が落ちており、プカプカと浮いていた。
これは銭湯や温泉でやったら怒られる奴だな。自分の家に大きなお風呂があるから出来る、超贅沢なお風呂の楽しみ方かもしれない。妻たちがいたらこんなことできなかったけど、シンラと2人きりだから出来たことだな。
これだけでも、この時間にはいりに来てよかった気がする。
さすがにシンラは途中で疲れたみたいだな。任せる人もいないから、一緒に出ることに。
半分寝ている状態だったので、床にタオルを敷いてクルクル回しながら洋服を着せて、抱きかかえてプラムとシオンの待っているベッドへ置いてから、部屋に戻るのが面倒になった俺は、食堂のコタツのある場所でもう1度寝ることにした。
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