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第2298話 訓練の続き再開
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裏切り者! と言わんばかりの視線をシンラから向けられたが、この状況でお前を助けたら、俺はこの子たちに目っためったにされるのは目に見えている。下手したら、周りの従魔を使ってくる可能性だってあるからな。
俺の従魔なのに、俺より子どもたちに懐いているんだから、何とも言えない気分だよ! って、同じことなんかい言わせるつもりだ。
風船みたいに膨らんだ頬が、シンラの不満度を分かりやすく表している気がする。
分かった分かった、ミーシャたちに頼んでみるから、それでだめだったらあきらめるんだぞ。
従魔たちと戯れていたミーシャたちの元へ……シンラの状況を話して、問題がなさそうならシンラを助けるためにプラムとシオンを起こしてほしいんだけど、問題なさそうかな?
特に気負うこともなく、3人はシンラたちを起こしに行ってくれた。シンラはミーシャに、プラムはスミレに、シオンはブルムに抱っこされてご満悦の様子だ。シンラだけ、助けてもらえたことによる喜びだけどな。
シオンもプラムも最近は、お姉ちゃんも大好きなようで、抱っこされたりするのが嬉しいみたいなんだよな……まてよ、妻たちに抱っこされても喜ぶから、俺以外ならいいってことか?
事実に気付いてしまった俺は、ショックを受けてその場で項垂れてしまう。両手両膝をついた状態だったので、俺の背中に猫たちが乗ってきた。遊び道具じゃないんだから降りてくれ。励ましてくれるわけでもないんだから、どっか行ってくれっての。
しばらく動かなかったので、さすがに怒ろうかと思った瞬間に、急に背中からいなくなった猫たち……こいつらの危機回避能力が相変わらず高すぎるんだが。
下の子たちも完全に目が覚めたようで、運動の準備をすると言って子ども部屋へ着替えにいってしまった。
妻たちも準備に更衣室か何処かへむ立ったようなので、俺は先に訓練する場所へ向かっておくかな。着替えは収納の腕輪に入れてあるし、向こうの更衣室で着替えよう。
最近着ている運動服は、蜘蛛たちから採れるスパイダーシルクと、アダマンタイト繊維を強化加工した布から作った一品だ。地球にあったある程度伸び縮みする合成繊維と同じように伸び縮みする便利な布を使って作っている。
そんな超高級布を使って、ジャージを作っているので、見る人が見たらぶち切れろうな布の使い方だろう。
革装備などを身につけて模擬戦を行うのだが、つけないことの方が多いため、ジャージを着ている感じだな。
本気で戦闘をする時は、全身タイツみたいに体にぴったりするインナーを上下に着て、その上から服を身に着け、その上にメインの装備を身につける形になる。
普通の冒険者でも、ある程度稼げるランクになると、インナーにも気を使うようになるらしく、魔物製の素材で蒸れたりしないものを使っているのを揃えるみたいだな。
汗かいたりするのは仕方がないが、乾かなかったりしてずっとジメジメしたままだと、気がめいりそうだな。それにただ乾くだけだと、汗のにおいがどんどん強くなって、臭くなりそうだから嫌だな。
どうでもいい事を考えている内に、準備が整った妻や子どもたちが集まってきた。
シンラたちもしっかりと着替えており、今日も一番張り切っているのがこの子たちだな。
今日は、妻たちと乱取りをするように!
ミーシャたちは、良く分からないが指示をされたので、妻たちと次々と乱取りを行っていく。子どもたちも投げられるだけでなく、反撃をできるならしてもいいという条件で、乱取りが開始された。
戦闘において妻たちの方が何歩も前を進んでいるので、子どもたちは投げられる一方だが、時間が経つにつれて動きが良くなっているのが見てわかる。
自分たちなりに工夫をして、対応しようとしているのが分かる。
ミーシャたちはまだ攻める余裕がないのか、受け身の姿勢になってしまっている。妻たちは、攻められる気配がないからか、油断しているような感じがあるな。良くない傾向だな……よし、少し休憩をはさんでいる間に、子どもたちに少し助言をしてみるか。
少し話してみると、自分たちが受け身になっているのは理解しているが、攻めに出れるほど余裕がないので、受けに徹して打開策を考えているようだ。
全部の投げ技について返し技を教えられるわけではないが、大雑把にやることを教えることは可能だ。分かりやすく言えば、カウンターのような攻撃で反撃するのはどうかと、助言をしてみる。
足払いを避けたり防いだりすることはできるようになってきているので、避けた時に相手の軸足を払って投げ返したりできれば、反撃が可能になると教えてみた。
上級者になればそれだけで投げられることは無いが、妻たちにはまだ教えていない事なので、いきなりやられても対応できないのではないかと思う。
口頭でしか説明をしてあげられなかったけど、格闘のセンスはあるので何とかしてしまいそうな気はする。何度か失敗はするだろうが、油断している妻たちに泡を吹かせてやれるかもしれないな。
休憩が終わり、乱取りが再開される。
ミーシャたちは、まずは反撃の糸口をつかむために、防御と回避を見直すようだな。どの攻撃ならカウンターをできそうか考えているようで、何度か投げられた後に集まって話し合い、また投げられて話し合う、というように対策を考えているみたいだ。
妻たちは……子どもたちの動きは気になっているようだが、油断とは少し違う気はするのだが、手を抜いている感じがするな。
乱取りの様子を見ていると、後ろの方で何やら音がするので振り返ると……
シンラたちが見よう見真似で、乱取りのようなことをして遊んでいた。怪我をしないようにスライムたちが、高速で移動している。怪我をさせないように頑張っているんだろうな。
投げ技みたいに上手くはいかないが、本人たちが満足しているようなので、口を出さないことにしよう。
おっと、そろそろ子どもたちが反撃に出るようだ。
さっきまでは観察するような動きだったのだが、今は何かを狙っているような動きに見える。
そこまで露骨だと妻たちも気付きそうだが、何をされるか迄は分からないから成功するかもしれないな。
俺の従魔なのに、俺より子どもたちに懐いているんだから、何とも言えない気分だよ! って、同じことなんかい言わせるつもりだ。
風船みたいに膨らんだ頬が、シンラの不満度を分かりやすく表している気がする。
分かった分かった、ミーシャたちに頼んでみるから、それでだめだったらあきらめるんだぞ。
従魔たちと戯れていたミーシャたちの元へ……シンラの状況を話して、問題がなさそうならシンラを助けるためにプラムとシオンを起こしてほしいんだけど、問題なさそうかな?
特に気負うこともなく、3人はシンラたちを起こしに行ってくれた。シンラはミーシャに、プラムはスミレに、シオンはブルムに抱っこされてご満悦の様子だ。シンラだけ、助けてもらえたことによる喜びだけどな。
シオンもプラムも最近は、お姉ちゃんも大好きなようで、抱っこされたりするのが嬉しいみたいなんだよな……まてよ、妻たちに抱っこされても喜ぶから、俺以外ならいいってことか?
事実に気付いてしまった俺は、ショックを受けてその場で項垂れてしまう。両手両膝をついた状態だったので、俺の背中に猫たちが乗ってきた。遊び道具じゃないんだから降りてくれ。励ましてくれるわけでもないんだから、どっか行ってくれっての。
しばらく動かなかったので、さすがに怒ろうかと思った瞬間に、急に背中からいなくなった猫たち……こいつらの危機回避能力が相変わらず高すぎるんだが。
下の子たちも完全に目が覚めたようで、運動の準備をすると言って子ども部屋へ着替えにいってしまった。
妻たちも準備に更衣室か何処かへむ立ったようなので、俺は先に訓練する場所へ向かっておくかな。着替えは収納の腕輪に入れてあるし、向こうの更衣室で着替えよう。
最近着ている運動服は、蜘蛛たちから採れるスパイダーシルクと、アダマンタイト繊維を強化加工した布から作った一品だ。地球にあったある程度伸び縮みする合成繊維と同じように伸び縮みする便利な布を使って作っている。
そんな超高級布を使って、ジャージを作っているので、見る人が見たらぶち切れろうな布の使い方だろう。
革装備などを身につけて模擬戦を行うのだが、つけないことの方が多いため、ジャージを着ている感じだな。
本気で戦闘をする時は、全身タイツみたいに体にぴったりするインナーを上下に着て、その上から服を身に着け、その上にメインの装備を身につける形になる。
普通の冒険者でも、ある程度稼げるランクになると、インナーにも気を使うようになるらしく、魔物製の素材で蒸れたりしないものを使っているのを揃えるみたいだな。
汗かいたりするのは仕方がないが、乾かなかったりしてずっとジメジメしたままだと、気がめいりそうだな。それにただ乾くだけだと、汗のにおいがどんどん強くなって、臭くなりそうだから嫌だな。
どうでもいい事を考えている内に、準備が整った妻や子どもたちが集まってきた。
シンラたちもしっかりと着替えており、今日も一番張り切っているのがこの子たちだな。
今日は、妻たちと乱取りをするように!
ミーシャたちは、良く分からないが指示をされたので、妻たちと次々と乱取りを行っていく。子どもたちも投げられるだけでなく、反撃をできるならしてもいいという条件で、乱取りが開始された。
戦闘において妻たちの方が何歩も前を進んでいるので、子どもたちは投げられる一方だが、時間が経つにつれて動きが良くなっているのが見てわかる。
自分たちなりに工夫をして、対応しようとしているのが分かる。
ミーシャたちはまだ攻める余裕がないのか、受け身の姿勢になってしまっている。妻たちは、攻められる気配がないからか、油断しているような感じがあるな。良くない傾向だな……よし、少し休憩をはさんでいる間に、子どもたちに少し助言をしてみるか。
少し話してみると、自分たちが受け身になっているのは理解しているが、攻めに出れるほど余裕がないので、受けに徹して打開策を考えているようだ。
全部の投げ技について返し技を教えられるわけではないが、大雑把にやることを教えることは可能だ。分かりやすく言えば、カウンターのような攻撃で反撃するのはどうかと、助言をしてみる。
足払いを避けたり防いだりすることはできるようになってきているので、避けた時に相手の軸足を払って投げ返したりできれば、反撃が可能になると教えてみた。
上級者になればそれだけで投げられることは無いが、妻たちにはまだ教えていない事なので、いきなりやられても対応できないのではないかと思う。
口頭でしか説明をしてあげられなかったけど、格闘のセンスはあるので何とかしてしまいそうな気はする。何度か失敗はするだろうが、油断している妻たちに泡を吹かせてやれるかもしれないな。
休憩が終わり、乱取りが再開される。
ミーシャたちは、まずは反撃の糸口をつかむために、防御と回避を見直すようだな。どの攻撃ならカウンターをできそうか考えているようで、何度か投げられた後に集まって話し合い、また投げられて話し合う、というように対策を考えているみたいだ。
妻たちは……子どもたちの動きは気になっているようだが、油断とは少し違う気はするのだが、手を抜いている感じがするな。
乱取りの様子を見ていると、後ろの方で何やら音がするので振り返ると……
シンラたちが見よう見真似で、乱取りのようなことをして遊んでいた。怪我をしないようにスライムたちが、高速で移動している。怪我をさせないように頑張っているんだろうな。
投げ技みたいに上手くはいかないが、本人たちが満足しているようなので、口を出さないことにしよう。
おっと、そろそろ子どもたちが反撃に出るようだ。
さっきまでは観察するような動きだったのだが、今は何かを狙っているような動きに見える。
そこまで露骨だと妻たちも気付きそうだが、何をされるか迄は分からないから成功するかもしれないな。
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