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第2293話 延長戦Part7
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多少無理をしても反撃に出たいのだが、絶対にくらってはいけないのが、シェリルの攻撃を防御無しだな。あの子の攻撃は、舐めてると致命傷になりかねない攻撃になるから、絶対に無防備で受けるのはありえない。肉体活性などで強化した状態でも、ガード無しで受けるのは危険だろう。
そう考えると、イリアの隙をついてシェリルの攻撃を誘発しそれをガードして、先に倒せそうな方を強引に攻撃する感じかな……
イリアの攻撃はできる限り受けないようにしているのに、シェリルのカバーが上手くて良く分からない攻撃が体の芯に響く。
防御を高めて、イリアの攻撃を真正面から受ける。そうすると、シェリルが嫌な位置から攻撃してくるが、このパターンにはある程度慣れた。嫌な場所を狙うのなら、俺もそれに合わせて防御をすればいいだけだ。
イリアの攻撃は右腕でガードしている。そうするとどうしても、右わき腹付近がフリーになってしまうのだが、シェリルの攻撃に合わせて足をあげ、強引に膝で受けることができた。
俺もシェリルも強化しているとはいえ、受け技として膝を使ったガードをしたので、シェリルの方が少し拳を痛める形になっただろう。俺の膝も多少痛むが、戦闘する分には問題ない。
本当はシェリルに攻撃をしたかったのだが、右腕右足をガードに使っているし、左手足で攻撃するにはいる場所が悪くて、攻撃が届かない。
イリアは攻撃しているとはいえ、ほぼ万全の態勢だが、後ろにシェリルがいるので引けないため、俺の攻撃を受けることになる。
攻撃の来る方向を予想されていても防げないレベルの攻撃……は、さすがに無理だな。となれば、投げ技に派生させられるような攻撃は無いだろうか?
そこでピンッと閃く。
先ほどと同じように手首を掴んで、強引に回転に巻き込めば、一本背負いとまではいかないが投げられるはずだ。イリアが壁になってシェリルの攻撃もしにくいだろうからな。
攻撃した手を引こうとしているイリアの顔面に向かって、弧を描くようなフック気味のパンチを放つ。
体を逸らして拳の軌道からそれるが、体を逸らしたことによって手が掴みやすい位置に移動した。その隙を逃さずに左手首を掴み、フックの勢いそのままに巻き込みながら投げ飛ばす。
シェリルの攻撃は何処から……
イリアを投げて崩れた体勢を整えようとすると、顔面に向かって右足の蹴りが迫っていた。
何とか顔面に当たるのを避けるため、慌てて右腕を添えて軌道を下にずらす。
左肩と右腕でダメージを少し減らすと同時に、後方へ飛び威力を小さくすることに成功した。
咄嗟にしては、上出来の回避だったな。しかも後ろに飛んでいるとはいえ、今はシェリルの足を掴んでいる状態だ。
今回は関節技を使うつもりはなかったが、左肩の位置にあった足首を左わきに強引に移動させ、吹っ飛びながらもアキレス腱固めに移行する。
幸か不幸か、吹っ飛んだ勢いに引きずられたシェリルは、うつ伏せ状態になっており、アキレス腱固めをするつもりが逆片エビ固めになっていた。
ここで力を入れれば、シェリルの右足は回復魔法が無ければ、攻撃に参加することができないレベルで負傷するのだが、それだと復帰ができてしまうので、足を掴んだまま体を半回転させ、後頭部に向かって拳を突き当てて戦闘不能判定。
イリアの事は目を離していないが、復帰が思っている以上に早くて、次の攻撃は受けるしかなかった。
シェリルへの止めを刺していなければ、防御は間に合っただろうが、シャリるが復活するのが一番厄介なので、リスクを取ってでも倒しきることを優先した。
後頭部から首のあたりを狙った攻撃だということは分かっていたので、ガードを固めて勢いに逆らわず先ほどと同じように跳ぶことでダメージを軽減させた。
つもりだった……
ダメージ自体は軽減されていたが、予想外の攻撃によって、俺は眩暈と吐き気に襲われて、次の攻撃に対する備えができなかった。
そして、イリアの攻撃をもろに受けて、保護シールが壊れた。
最後の一瞬に何が起きたのか全く分からなかった。眩暈と吐き気が残る頭では、まともに立つことも出来ずその場にうずくまることしかできなかった。
5分程で何とか動けるようになったが、ここまで体の不調を戦闘中に感じたことは無かった。回復魔法が聞かないことを考えると、何がおこったのだろうか?
シェリルとイリアは2人で勝ちにきたが、シェリルが倒されると分かった瞬間に、どうにかして勝つために今回の攻撃を使ったようだ。
で今回の俺の体調不良はその攻撃だったのだが、そのからくりはみんなが集まった後に教えてくれた。
やっと頭が良くなってきたところで、みんなが集まってきた。
みんなが集まって最終試合の総括が始まった。
その中で、やはり2人の連携は、4組中1番だということになった。相性の問題で、違う敵を相手にすれば話は変わるだろうが、今回に限って言えば、イリアをメインにシェリルがフォローする形が、一番戦い難そうにしていたと、周りから見てもそういう評価だった。
俺は戦っている最中、イリアがメインになっているけど、シェリルが俺の事を倒す役割だと思っていた。
だけど2人の中では、始めからイリアが俺を倒す予定だったらしい。
その理由は、俺を倒した攻撃にあるのだが、それ以外にも体の芯に響く攻撃も、俺に早めに攻撃を仕掛けさせるための布石だったらしい。ただ思い違いを1つ言えば、体の芯に残る攻撃も俺が眩暈や吐き気を覚えた攻撃も、同じ攻撃だったということだ。
強弱と当たる位置で、攻撃の効果が変わるらしい。
強弱は、込める魔力の事らしい。
聞いてもいまいち理解できなかったが、剣や拳に魔法を纏わせて攻撃することの応用だとのことだ。
頭部に近い位置で受けると、魔力酔いを起こすらしい。全力の魔力を叩き込まれたせいで、俺は5分間もグロッキーになっていたみたいだ。
魔力を込めれば込めるほど、魔力酔いが強くなるんだとさ。
浸透勁がスキルなのに対して、この攻撃は魔力操作だけで出来るので、魔法組の自衛手段には向いているらしいが、込める魔力が大魔法以上に必要なので、一般的な魔法使いには縁のない攻撃らしい。
魔力を叩き込まれたから、魔力酔いを起こしたのか……どうやってガードするのかと思えば、肉体活性などで強化するのではなく、単純に魔力を集めて攻撃を受けるしかないんだとか。
魔法を使うわけではないため、肉体を強化しているのか、魔力を集めているのか判断がしにくい攻撃だな。
俺の知らない所で色々してるんだな……
そう考えると、イリアの隙をついてシェリルの攻撃を誘発しそれをガードして、先に倒せそうな方を強引に攻撃する感じかな……
イリアの攻撃はできる限り受けないようにしているのに、シェリルのカバーが上手くて良く分からない攻撃が体の芯に響く。
防御を高めて、イリアの攻撃を真正面から受ける。そうすると、シェリルが嫌な位置から攻撃してくるが、このパターンにはある程度慣れた。嫌な場所を狙うのなら、俺もそれに合わせて防御をすればいいだけだ。
イリアの攻撃は右腕でガードしている。そうするとどうしても、右わき腹付近がフリーになってしまうのだが、シェリルの攻撃に合わせて足をあげ、強引に膝で受けることができた。
俺もシェリルも強化しているとはいえ、受け技として膝を使ったガードをしたので、シェリルの方が少し拳を痛める形になっただろう。俺の膝も多少痛むが、戦闘する分には問題ない。
本当はシェリルに攻撃をしたかったのだが、右腕右足をガードに使っているし、左手足で攻撃するにはいる場所が悪くて、攻撃が届かない。
イリアは攻撃しているとはいえ、ほぼ万全の態勢だが、後ろにシェリルがいるので引けないため、俺の攻撃を受けることになる。
攻撃の来る方向を予想されていても防げないレベルの攻撃……は、さすがに無理だな。となれば、投げ技に派生させられるような攻撃は無いだろうか?
そこでピンッと閃く。
先ほどと同じように手首を掴んで、強引に回転に巻き込めば、一本背負いとまではいかないが投げられるはずだ。イリアが壁になってシェリルの攻撃もしにくいだろうからな。
攻撃した手を引こうとしているイリアの顔面に向かって、弧を描くようなフック気味のパンチを放つ。
体を逸らして拳の軌道からそれるが、体を逸らしたことによって手が掴みやすい位置に移動した。その隙を逃さずに左手首を掴み、フックの勢いそのままに巻き込みながら投げ飛ばす。
シェリルの攻撃は何処から……
イリアを投げて崩れた体勢を整えようとすると、顔面に向かって右足の蹴りが迫っていた。
何とか顔面に当たるのを避けるため、慌てて右腕を添えて軌道を下にずらす。
左肩と右腕でダメージを少し減らすと同時に、後方へ飛び威力を小さくすることに成功した。
咄嗟にしては、上出来の回避だったな。しかも後ろに飛んでいるとはいえ、今はシェリルの足を掴んでいる状態だ。
今回は関節技を使うつもりはなかったが、左肩の位置にあった足首を左わきに強引に移動させ、吹っ飛びながらもアキレス腱固めに移行する。
幸か不幸か、吹っ飛んだ勢いに引きずられたシェリルは、うつ伏せ状態になっており、アキレス腱固めをするつもりが逆片エビ固めになっていた。
ここで力を入れれば、シェリルの右足は回復魔法が無ければ、攻撃に参加することができないレベルで負傷するのだが、それだと復帰ができてしまうので、足を掴んだまま体を半回転させ、後頭部に向かって拳を突き当てて戦闘不能判定。
イリアの事は目を離していないが、復帰が思っている以上に早くて、次の攻撃は受けるしかなかった。
シェリルへの止めを刺していなければ、防御は間に合っただろうが、シャリるが復活するのが一番厄介なので、リスクを取ってでも倒しきることを優先した。
後頭部から首のあたりを狙った攻撃だということは分かっていたので、ガードを固めて勢いに逆らわず先ほどと同じように跳ぶことでダメージを軽減させた。
つもりだった……
ダメージ自体は軽減されていたが、予想外の攻撃によって、俺は眩暈と吐き気に襲われて、次の攻撃に対する備えができなかった。
そして、イリアの攻撃をもろに受けて、保護シールが壊れた。
最後の一瞬に何が起きたのか全く分からなかった。眩暈と吐き気が残る頭では、まともに立つことも出来ずその場にうずくまることしかできなかった。
5分程で何とか動けるようになったが、ここまで体の不調を戦闘中に感じたことは無かった。回復魔法が聞かないことを考えると、何がおこったのだろうか?
シェリルとイリアは2人で勝ちにきたが、シェリルが倒されると分かった瞬間に、どうにかして勝つために今回の攻撃を使ったようだ。
で今回の俺の体調不良はその攻撃だったのだが、そのからくりはみんなが集まった後に教えてくれた。
やっと頭が良くなってきたところで、みんなが集まってきた。
みんなが集まって最終試合の総括が始まった。
その中で、やはり2人の連携は、4組中1番だということになった。相性の問題で、違う敵を相手にすれば話は変わるだろうが、今回に限って言えば、イリアをメインにシェリルがフォローする形が、一番戦い難そうにしていたと、周りから見てもそういう評価だった。
俺は戦っている最中、イリアがメインになっているけど、シェリルが俺の事を倒す役割だと思っていた。
だけど2人の中では、始めからイリアが俺を倒す予定だったらしい。
その理由は、俺を倒した攻撃にあるのだが、それ以外にも体の芯に響く攻撃も、俺に早めに攻撃を仕掛けさせるための布石だったらしい。ただ思い違いを1つ言えば、体の芯に残る攻撃も俺が眩暈や吐き気を覚えた攻撃も、同じ攻撃だったということだ。
強弱と当たる位置で、攻撃の効果が変わるらしい。
強弱は、込める魔力の事らしい。
聞いてもいまいち理解できなかったが、剣や拳に魔法を纏わせて攻撃することの応用だとのことだ。
頭部に近い位置で受けると、魔力酔いを起こすらしい。全力の魔力を叩き込まれたせいで、俺は5分間もグロッキーになっていたみたいだ。
魔力を込めれば込めるほど、魔力酔いが強くなるんだとさ。
浸透勁がスキルなのに対して、この攻撃は魔力操作だけで出来るので、魔法組の自衛手段には向いているらしいが、込める魔力が大魔法以上に必要なので、一般的な魔法使いには縁のない攻撃らしい。
魔力を叩き込まれたから、魔力酔いを起こしたのか……どうやってガードするのかと思えば、肉体活性などで強化するのではなく、単純に魔力を集めて攻撃を受けるしかないんだとか。
魔法を使うわけではないため、肉体を強化しているのか、魔力を集めているのか判断がしにくい攻撃だな。
俺の知らない所で色々してるんだな……
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