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第2285話 危なかった……
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俺が大きく下がった事で、先ほどと同じ立ち位置になる。
先ほどと同じ戦い方をするのか、それとも変化をつけてくるのか……
下がっても押しても、同じ距離を保たれるのは正直厄介だな。こちらには近接と中距離攻撃しかないから、その外から攻撃されると、手も足も出なくなる。隙をついて距離を縮めるしかないのかな。
次の手を考えていると、視界の隅で動きを感じ視線をずらす。
スミレとブルムも弓を持って、距離を先ほどより取っていた。それでも視界に1度に収まらないので、左右に視点を動かすしかない。正確に言えば、下がっている間だけなら視界に全員はいるのだが、それではこちらからの反撃も出来ないので意味がない。
3人からの弓は、正直避けるのが面倒だ。
攻撃しにくいようにランダムで移動方向を変えているが、しっかりと距離を取っていることもあり、自分たちに不利になるような立ち回りはしてこないな。
止まっていれば当てられるというだけあって、少しでも動きを止めれば正確な矢がとんでくる。
しばらくすると、ミーシャが武器を持ち替えて、両手に短剣を持った。投擲も出来るようにチョイスしたのかな。
そして、左右に視点を動かさないと見れない位置にいる2人は、弓での攻撃を続けている。これは今考えうる一番面倒な攻撃方法だな。
先ほどの正面だけの矢と違い、弓を撃つ2人を同時に視界に入れられないので、どうしても一歩対応に遅れることがある。その隙をついて、更にこちらを落とそうとしてくる。後手に回っているから正直どうにもならない。
ミーシャは無理に距離を詰めてくるつもりはないようだが、しっかりと鞭の射程範囲の外にいる。
真正面に来たから分かるが、この子たちの移動方法は少し特殊だった。昨日までは見たことのない移動方法で、俺の近くにいる時だけ普段の移動速度より早いのは、この移動方法のおかげなのだろう。
ただこの移動方法だと、盾は使えないから短剣や木刀の両手持ちだったのかもな。
弓は、しっかりと距離をとれているから、出だしが遅れても牽制に矢を撃って距離を取ることも難しくない。それでも、自分と敵が一緒に動いているから、当てるのはかなり困難だけどな。それでも牽制にはなる。
一番気になるのが、本人たちはここまで考えていなかったことが、上手くかみ合って俺の動きを阻害してくるのだ。
妻たちは言いたい放題だし、少しは俺の応援もしてくれ。もともとシンラたちは俺の応援なんてしないんだから、妻の1人や2人は俺の事を気遣ってくれてもいいじゃん。
圧倒的不利な状況でも、戦闘が不利になるわけではないので、俺の心は闇落ちせずにいるが、戦闘まで不利になったらやってられないかもしれない。
一番ミスしたのは、戦う場所の選定だな。子どもたちを投げる可能性があるから、畳のある場所にしていたが、そのせいで地面を鞭で叩いて手ごろな石を準備することもできない。武器として使えるのは、この鞭だけだからな……
外的要因から持ってきたかったのだが、床は畳で手ごろな石も調達できない。石があれば、投げて牽制くらいはできたのに、それも出来ないから困っている。
この程度の攻撃であれば、時間いっぱい逃げ切ってもいいのだが、それでは模擬戦の意味が無くなってしまう。俺が負けようが子どもたちが負けようが、意味のある試合をするべきだろう。
唯一こちらに利点があるとすれば、この場所は広さに制限があることだ。平地で距離を取っている状態なら弓に有利に働く場所でも、外枠に限界があるのならこちらに流れを持ち込むことができる。
外に出たからと言って負けになるわけではないが、俺の手数を増やせるので、せこいかもしれないが今は手段を選んでいられない。
弓を警戒できる速度で、ミーシャとの距離を詰める。
移動時に両手足を地面につけて、四足歩行とは違うが腕の力も使い、俺から距離を取っている。
真っすぐ後ろに逃げるのではなく、少しずつ回り込むようなコースを取っているが、それはよろしくない。追いかけるのではなく、俺も回り込むように……畳の外へ出るように誘導しながら移動する。
俺の意図に気付いた妻たちは、大人気ない! 卑怯者~! などと言ってくるが、俺の武器が制限されてて攻撃方法がないんだから、このくらいの小細工は許せよ! それが嫌なら、場外は負けにしてもらわないと俺が何もできん。
ここでは強く投げ飛ばせないが手数は増やせるのでありがたいな。
追いかけるのを止めて、むき出しになった地面を鞭で叩く。手ごろな石をたくさん準備する。紐に魔力を通して、石をいくつか手に取る。
紐も上手く使えば、スリングショットにもなるか?
紐で石をからめとり、遠心力を使いグルグルと回してみる。
速度をあげられるが、真っすぐ飛ばせるのだろうか?
1つミーシャに向かって投げてみる。
残念ながら、真っすぐ飛ばすのは無理そうだな。
紐でいくつか石を回収しながら、子どもたちの矢を躱していく……
体勢を崩した振りをして、ミーシャたちの攻撃を誘発する。
隙をついて矢を放ってくる2人に会わせて、2人石を投げる。
予想していたのか、簡単に回避されてしまうが、これも俺の作戦だ。
そして本命は、もう1度石を投げた後の近距離攻撃だ。
今度は3人に向かって石を投げ、そのままミーシャに突っ込んでいく。その間にも何度も牽制の石を投げていく。
ミーシャとの距離がゼロになる前に、左右から矢がとんでくるが、そのまま回避してミーシャの腕を掴む。反対の手で俺の手首を攻撃しようとするが、さすがに遅い!
足を払いつつ攻撃してきたナイフが手首に届く前に、腕に捻りを加えて攻撃範囲から逃れつつ投げ落とす。
畳の上ではないので、優しく投げた後に紐で拘束して、ミーシャは離脱。
2人が武器を持ち替えて俺に突っ込んでくるが、さすがにそれは悪手ですな。
2人がぶつかるように受け流して、防御態勢が取れない状態にして、2人を紐で拘束して終わり。
シンラたちからは、姉たちをイジメるな! みたいなブーイングが飛んでくるし、妻たちからは手加減しろって言われる……踏んだり蹴ったりの状況なんだが!
そんなことはどうでもいいか。
娘たちの拘束を解いて、良かった点や悪かった点を話し合うことにしよう。外野はうるさいから黙ってて!
先ほどと同じ戦い方をするのか、それとも変化をつけてくるのか……
下がっても押しても、同じ距離を保たれるのは正直厄介だな。こちらには近接と中距離攻撃しかないから、その外から攻撃されると、手も足も出なくなる。隙をついて距離を縮めるしかないのかな。
次の手を考えていると、視界の隅で動きを感じ視線をずらす。
スミレとブルムも弓を持って、距離を先ほどより取っていた。それでも視界に1度に収まらないので、左右に視点を動かすしかない。正確に言えば、下がっている間だけなら視界に全員はいるのだが、それではこちらからの反撃も出来ないので意味がない。
3人からの弓は、正直避けるのが面倒だ。
攻撃しにくいようにランダムで移動方向を変えているが、しっかりと距離を取っていることもあり、自分たちに不利になるような立ち回りはしてこないな。
止まっていれば当てられるというだけあって、少しでも動きを止めれば正確な矢がとんでくる。
しばらくすると、ミーシャが武器を持ち替えて、両手に短剣を持った。投擲も出来るようにチョイスしたのかな。
そして、左右に視点を動かさないと見れない位置にいる2人は、弓での攻撃を続けている。これは今考えうる一番面倒な攻撃方法だな。
先ほどの正面だけの矢と違い、弓を撃つ2人を同時に視界に入れられないので、どうしても一歩対応に遅れることがある。その隙をついて、更にこちらを落とそうとしてくる。後手に回っているから正直どうにもならない。
ミーシャは無理に距離を詰めてくるつもりはないようだが、しっかりと鞭の射程範囲の外にいる。
真正面に来たから分かるが、この子たちの移動方法は少し特殊だった。昨日までは見たことのない移動方法で、俺の近くにいる時だけ普段の移動速度より早いのは、この移動方法のおかげなのだろう。
ただこの移動方法だと、盾は使えないから短剣や木刀の両手持ちだったのかもな。
弓は、しっかりと距離をとれているから、出だしが遅れても牽制に矢を撃って距離を取ることも難しくない。それでも、自分と敵が一緒に動いているから、当てるのはかなり困難だけどな。それでも牽制にはなる。
一番気になるのが、本人たちはここまで考えていなかったことが、上手くかみ合って俺の動きを阻害してくるのだ。
妻たちは言いたい放題だし、少しは俺の応援もしてくれ。もともとシンラたちは俺の応援なんてしないんだから、妻の1人や2人は俺の事を気遣ってくれてもいいじゃん。
圧倒的不利な状況でも、戦闘が不利になるわけではないので、俺の心は闇落ちせずにいるが、戦闘まで不利になったらやってられないかもしれない。
一番ミスしたのは、戦う場所の選定だな。子どもたちを投げる可能性があるから、畳のある場所にしていたが、そのせいで地面を鞭で叩いて手ごろな石を準備することもできない。武器として使えるのは、この鞭だけだからな……
外的要因から持ってきたかったのだが、床は畳で手ごろな石も調達できない。石があれば、投げて牽制くらいはできたのに、それも出来ないから困っている。
この程度の攻撃であれば、時間いっぱい逃げ切ってもいいのだが、それでは模擬戦の意味が無くなってしまう。俺が負けようが子どもたちが負けようが、意味のある試合をするべきだろう。
唯一こちらに利点があるとすれば、この場所は広さに制限があることだ。平地で距離を取っている状態なら弓に有利に働く場所でも、外枠に限界があるのならこちらに流れを持ち込むことができる。
外に出たからと言って負けになるわけではないが、俺の手数を増やせるので、せこいかもしれないが今は手段を選んでいられない。
弓を警戒できる速度で、ミーシャとの距離を詰める。
移動時に両手足を地面につけて、四足歩行とは違うが腕の力も使い、俺から距離を取っている。
真っすぐ後ろに逃げるのではなく、少しずつ回り込むようなコースを取っているが、それはよろしくない。追いかけるのではなく、俺も回り込むように……畳の外へ出るように誘導しながら移動する。
俺の意図に気付いた妻たちは、大人気ない! 卑怯者~! などと言ってくるが、俺の武器が制限されてて攻撃方法がないんだから、このくらいの小細工は許せよ! それが嫌なら、場外は負けにしてもらわないと俺が何もできん。
ここでは強く投げ飛ばせないが手数は増やせるのでありがたいな。
追いかけるのを止めて、むき出しになった地面を鞭で叩く。手ごろな石をたくさん準備する。紐に魔力を通して、石をいくつか手に取る。
紐も上手く使えば、スリングショットにもなるか?
紐で石をからめとり、遠心力を使いグルグルと回してみる。
速度をあげられるが、真っすぐ飛ばせるのだろうか?
1つミーシャに向かって投げてみる。
残念ながら、真っすぐ飛ばすのは無理そうだな。
紐でいくつか石を回収しながら、子どもたちの矢を躱していく……
体勢を崩した振りをして、ミーシャたちの攻撃を誘発する。
隙をついて矢を放ってくる2人に会わせて、2人石を投げる。
予想していたのか、簡単に回避されてしまうが、これも俺の作戦だ。
そして本命は、もう1度石を投げた後の近距離攻撃だ。
今度は3人に向かって石を投げ、そのままミーシャに突っ込んでいく。その間にも何度も牽制の石を投げていく。
ミーシャとの距離がゼロになる前に、左右から矢がとんでくるが、そのまま回避してミーシャの腕を掴む。反対の手で俺の手首を攻撃しようとするが、さすがに遅い!
足を払いつつ攻撃してきたナイフが手首に届く前に、腕に捻りを加えて攻撃範囲から逃れつつ投げ落とす。
畳の上ではないので、優しく投げた後に紐で拘束して、ミーシャは離脱。
2人が武器を持ち替えて俺に突っ込んでくるが、さすがにそれは悪手ですな。
2人がぶつかるように受け流して、防御態勢が取れない状態にして、2人を紐で拘束して終わり。
シンラたちからは、姉たちをイジメるな! みたいなブーイングが飛んでくるし、妻たちからは手加減しろって言われる……踏んだり蹴ったりの状況なんだが!
そんなことはどうでもいいか。
娘たちの拘束を解いて、良かった点や悪かった点を話し合うことにしよう。外野はうるさいから黙ってて!
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