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第2269話 子どもたちの根性
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俺が見た先には、大きな石の塊があった。おそらく、飛びあがった時にあの石に頭をぶつけ、目がちかちかしたのだろう。体を改造して頑丈になったとしても、不意の一撃はこたえるもののようだ。
普段、頭部にダメージをくらうことなど無いので気付かなかったが、不意の一撃だとステータスに関係なくダメージが入ることがあるみたいだな。全力ではないにしても、逃げるためにジャンプしたので慣性の法則を考えれば、10メートルは高く上がれた力があったはず。
それが頭にぶつかって首にもろに影響を与えて、目がちかちかしたのだろう。
それにしても、隠蔽をしながら戦闘をしていたとは……魔法の精度もかなりの物だが、俺に気付かせない隠蔽となると、ライムに近い技術を備え始めているのか? ウルの成長に底知れぬ不安を感じると同時に、誇らしくも思う自分がいた。
ウルはミーシャを投げつけられ受け止めたため、魔法の制御が甘くなり頭上に浮いていた石の塊の制御を手放してしまう。スミレとブルムは、いたたたた、と言いながら起き上がりすぐにウルの近くへ移動する。
動きが悪くなっているのは、投げられた衝撃で地面に激突した際のダメージが、体の中に残っているからだろう。今回の投げは、外傷ではなく内部にダメージを与えるように投げたので、見た目以上にダメージをくらっているだろう。
スミレとブルムは、ウルに回復魔法をかけてもらっている。その間はミーシャが俺の警戒をして、戦闘になっても問題ないようにこちらの様子を窺っているな。
子どもたちは全員、チビ神の加護をもらっていた回復魔法が使えるが、自分で回復しなかったのには理由がある。回復魔法を自分でかけていると、何かあった時の初動に遅れが出てしまうので、ウルに回復魔法をかけてもらいいつでも戦闘に戻れるようにしていたのだ。
この歳でなくても自分で回復魔法を使えるなら、少し距離を取って回復を自分でしそうだけど、それをしないこの子たちは、妻たちに厳しく訓練をされているのだろう。
戦闘している様子を見る限り、イヤイヤやらされているわけではなさそうなので、心配ではあるが頑張ってほしいと思う。
子どもたちが体勢を立て直すまで攻撃をするのは無粋かと思い、立て直す様子をながめることにした。
その行動に子どもたちは少し怒っている様子だが、その状態でも攻めてほしいと思わせられない限り、俺がそういった追撃をすることは無いぞ。
あからさまに手加減されていることに怒っているミーシャたちだが、ウルは冷静になるように声をかけている。怒りは諸刃の刃だ。与えるダメージが増えても攻撃が単調になり、反撃をくらう可能性が高まるからな。
もっと言えば、本当に怒る場合は冷静になって怒る必要がある。矛盾しているが、それができなければ経験豊富な相手には負けてしまうぞ。
妻たちからは、相も変わらずブーイングが飛んでくるが、ここまでしないと危なかった俺の身にもなれ。
父親の威厳として手加減をした状態でも、まだまだ子どもたちに負けるわけにはいかないのだ!
でも、最後のやり取りで子どもたちの弱点は分かってしまったので、今回の俺の勝ちは揺るぎない。
4人が武器を持ち替えて攻撃してくるが、俺は絶対に死角に入らせないように動きまわり、近付いて来た順に投げ飛ばしていく。
子どもたちは、投げるという攻撃に慣れていないのだ。妻たちの中に投げを使うメンバーがいないからな。魔物でも投げ技などを使う相手はいないし、そもそも体のサイズが違うので投げ技とか関係ない魔物も多い。
武器を持って殴り合いするような中で投げ技を使う奴なんて普通はいないからな。日本の戦国時代に使われていたという文献もあるが、何百人といる中で悠長に投げているやつ等、近くの敵に突かれて終わりだろう。
投げ技と言っていいのか分からないが、合気術なら人の多いところで使っても達人なら何とかなるかもしれない。少数で同数位での闘いなら投げ技は有効かもしれないが、人が多くなれば隙を晒すだけではないだろうか?
柔術は戦場格闘技とも言われるが、あれは投げ技だけでなく、武器術もしっかりと修める必要がある技術だからな。不意打ちから始まって、敵の武器を奪いそれを使って倒していく、みたいな話があった気がする。
馬鹿正直に投げていたら隙になるので、空気投げのような要領で、相手の力を利用して投げ落としているので、隙を晒すようなことはしない。
同時に攻撃をしようとしても、移動する方向を変え同時に攻撃をしにくくして、1人ずつ丁寧に投げていく。
子どもたちにはやらないが、頭から投げ落とせば、しばらく動けなくなるかそのまま死ぬだろう。敵じゃないならそんなに危ない事はしないけどな。
危なくは無いが、受け身が取れなければそれなりに体にダメージが入る。受け身が取れても起き上がるまでのロスタイムがある。
全部が俺に味方をする要因だ。
体力……戦闘状態持続時間……だけで言えば、子どもたちにも負けないので、時間が経てば経つほど俺の方が有利になっていく。
初めの攻防で俺を落としきれていれば勝ちだっただろうが、こうなってしまえば俺の物。
妻たちに何を言われようと、勝ちは勝ちなのだ。
勝てないと分かったウルたちは、経験を積むために何度も何度も試行錯誤を繰り返しながら俺に突っ込んでくる。この様子だと、次に戦う時には対策が練られているかもしれないな。
でも、あの時から俺が投げ技だけしか使っていないことに気付いているかな? 俺は投げ技以外にも色々できるので、投げ技だけの対策では俺に通用しないぞ。
それにしても、長い時間粘るな……体力も尽きかけて肩で息をしているのに、何故まだ突っ込んでくるのだろう? 少し休憩を入れてから再挑戦でもいいと思うのだが、それをしないのには理由があるのか?
俺は疑問を覚えたが、子どもたちは真剣な様子なので、最後まで全力で付き合うことにした。
普段、頭部にダメージをくらうことなど無いので気付かなかったが、不意の一撃だとステータスに関係なくダメージが入ることがあるみたいだな。全力ではないにしても、逃げるためにジャンプしたので慣性の法則を考えれば、10メートルは高く上がれた力があったはず。
それが頭にぶつかって首にもろに影響を与えて、目がちかちかしたのだろう。
それにしても、隠蔽をしながら戦闘をしていたとは……魔法の精度もかなりの物だが、俺に気付かせない隠蔽となると、ライムに近い技術を備え始めているのか? ウルの成長に底知れぬ不安を感じると同時に、誇らしくも思う自分がいた。
ウルはミーシャを投げつけられ受け止めたため、魔法の制御が甘くなり頭上に浮いていた石の塊の制御を手放してしまう。スミレとブルムは、いたたたた、と言いながら起き上がりすぐにウルの近くへ移動する。
動きが悪くなっているのは、投げられた衝撃で地面に激突した際のダメージが、体の中に残っているからだろう。今回の投げは、外傷ではなく内部にダメージを与えるように投げたので、見た目以上にダメージをくらっているだろう。
スミレとブルムは、ウルに回復魔法をかけてもらっている。その間はミーシャが俺の警戒をして、戦闘になっても問題ないようにこちらの様子を窺っているな。
子どもたちは全員、チビ神の加護をもらっていた回復魔法が使えるが、自分で回復しなかったのには理由がある。回復魔法を自分でかけていると、何かあった時の初動に遅れが出てしまうので、ウルに回復魔法をかけてもらいいつでも戦闘に戻れるようにしていたのだ。
この歳でなくても自分で回復魔法を使えるなら、少し距離を取って回復を自分でしそうだけど、それをしないこの子たちは、妻たちに厳しく訓練をされているのだろう。
戦闘している様子を見る限り、イヤイヤやらされているわけではなさそうなので、心配ではあるが頑張ってほしいと思う。
子どもたちが体勢を立て直すまで攻撃をするのは無粋かと思い、立て直す様子をながめることにした。
その行動に子どもたちは少し怒っている様子だが、その状態でも攻めてほしいと思わせられない限り、俺がそういった追撃をすることは無いぞ。
あからさまに手加減されていることに怒っているミーシャたちだが、ウルは冷静になるように声をかけている。怒りは諸刃の刃だ。与えるダメージが増えても攻撃が単調になり、反撃をくらう可能性が高まるからな。
もっと言えば、本当に怒る場合は冷静になって怒る必要がある。矛盾しているが、それができなければ経験豊富な相手には負けてしまうぞ。
妻たちからは、相も変わらずブーイングが飛んでくるが、ここまでしないと危なかった俺の身にもなれ。
父親の威厳として手加減をした状態でも、まだまだ子どもたちに負けるわけにはいかないのだ!
でも、最後のやり取りで子どもたちの弱点は分かってしまったので、今回の俺の勝ちは揺るぎない。
4人が武器を持ち替えて攻撃してくるが、俺は絶対に死角に入らせないように動きまわり、近付いて来た順に投げ飛ばしていく。
子どもたちは、投げるという攻撃に慣れていないのだ。妻たちの中に投げを使うメンバーがいないからな。魔物でも投げ技などを使う相手はいないし、そもそも体のサイズが違うので投げ技とか関係ない魔物も多い。
武器を持って殴り合いするような中で投げ技を使う奴なんて普通はいないからな。日本の戦国時代に使われていたという文献もあるが、何百人といる中で悠長に投げているやつ等、近くの敵に突かれて終わりだろう。
投げ技と言っていいのか分からないが、合気術なら人の多いところで使っても達人なら何とかなるかもしれない。少数で同数位での闘いなら投げ技は有効かもしれないが、人が多くなれば隙を晒すだけではないだろうか?
柔術は戦場格闘技とも言われるが、あれは投げ技だけでなく、武器術もしっかりと修める必要がある技術だからな。不意打ちから始まって、敵の武器を奪いそれを使って倒していく、みたいな話があった気がする。
馬鹿正直に投げていたら隙になるので、空気投げのような要領で、相手の力を利用して投げ落としているので、隙を晒すようなことはしない。
同時に攻撃をしようとしても、移動する方向を変え同時に攻撃をしにくくして、1人ずつ丁寧に投げていく。
子どもたちにはやらないが、頭から投げ落とせば、しばらく動けなくなるかそのまま死ぬだろう。敵じゃないならそんなに危ない事はしないけどな。
危なくは無いが、受け身が取れなければそれなりに体にダメージが入る。受け身が取れても起き上がるまでのロスタイムがある。
全部が俺に味方をする要因だ。
体力……戦闘状態持続時間……だけで言えば、子どもたちにも負けないので、時間が経てば経つほど俺の方が有利になっていく。
初めの攻防で俺を落としきれていれば勝ちだっただろうが、こうなってしまえば俺の物。
妻たちに何を言われようと、勝ちは勝ちなのだ。
勝てないと分かったウルたちは、経験を積むために何度も何度も試行錯誤を繰り返しながら俺に突っ込んでくる。この様子だと、次に戦う時には対策が練られているかもしれないな。
でも、あの時から俺が投げ技だけしか使っていないことに気付いているかな? 俺は投げ技以外にも色々できるので、投げ技だけの対策では俺に通用しないぞ。
それにしても、長い時間粘るな……体力も尽きかけて肩で息をしているのに、何故まだ突っ込んでくるのだろう? 少し休憩を入れてから再挑戦でもいいと思うのだが、それをしないのには理由があるのか?
俺は疑問を覚えたが、子どもたちは真剣な様子なので、最後まで全力で付き合うことにした。
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