ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
2,259 / 2,518

第2259話 謎の実

しおりを挟む
 2度目の休憩の後にな、何度も失敗した。多少進めたのが、2回目にチャレンジした時が一番長く移動できたな。後半の複数回は、全部途中で落ちてしまっている。

 ビギナーズラックとは言わないが、一度行けたので心のどこかで油断していたのだと思う。凡ミスで全部落ちていたからな。届くと確信して、次の行動をとろうとしている時に、手が届かずにそのまま落ちるということもあったな。

 でも、後半は特に何も考えずにできていたと思う。本来の目的は達成できていたので、それでよしとしよう。無心になってやっていると、時間が経つのが早かったな。気付いたら昼食の時間もすっ飛ばして、おやつの時間になっていたくらいだ。

 おやつは軽食が準備され、のんびりと食事をするように言われた。サンドウィッチのツナマヨ美味いな……タマゴもうまいしハムレタスも美味いな。全部が美味い。

 飲み物がスポーツドリンクというのが少し合わないが、水分をかなり失っているので、チビチビと温いスポーツドリンクを飲んでいる。

 温い理由は分かりやすく、冷たいと一気に飲んでしまうことへの注意と、吸収が早くなるらしいと聞いているためだ。まぁ、冷たいのをがぶ飲みして、お腹をくだした経験があるので、冷たいスポーツドリンクを飲む時は、お風呂上がりの一杯だけだな。

 後は、緊急時だったりするが、戦闘なんかの合間に飲むのも冷たい物だったりする。体の温度を多少でも下げるためだ。これは、熱中症の対策としても有効だったりするらしい。

 一気に飲むのは体に悪いが、体の水分が少なく熱を持っている時は、適量の冷たい飲み物を複数回に分けて、口に含み口の中で温めてから飲むのが、熱中症にはいいらしい。

 医療機関でも介護現場でも、重要なタイミングの水分補給は、吸収率の良いスポーツドリンクを採用しているところも多いらしい。お風呂上りなどの、汗をかいた後などに飲むらしい。

 体温は、落ちた先の水たまりで十分に吸収されているので、スポーツドリンクは温いんだよな。個人的には冷たい飲み物が好きなんだけど、スポーツドリンクの後にじゃないと出してもらえないのだ。

 俺は温いスポーツドリンクを一気に飲まないのを知っているから、ブラウニーたちはこれを準備するんだよな……分かっていてやっているんだから、変えてもらうことはできない。

 とりあえず、すっくり飲んでからお代わりの冷たいものを貰うかな。

 体を動かしている時は、お腹が空いているとは思わなかったが、食べ始めて自分の空腹に気付いた。ここでお腹いっぱい食べると、夕食が食べられなくなるので、適量だけが出されている。

 普通の人の昼食として考えると、2倍くらいの量はあるのだが、それでも俺にとっては少ない量だ。前にも話しているが、体を改造される前から多少食事の量が多くなっていたが、改造してからはさらに倍以上は食べているので、この量でも少なく感じる。

 そうでもなければ、カレーライスの大盛りに、チキンカレーと大型のナンにチーズナンも食べた後に、まだ何か食べようか考えていないだろう。大盛りのカレーライスだけでもお腹いっぱいになってた、地球の時が懐かしいな。

 妻たちの食べる量も、デカ盛りとかを食べている人を除いた、たくさん食べると言われている男の人たちと同じくらいは食べていると思う。1食あたり平均して1キログラム以上は食べるからな。シュリだけは、話は変わってくるけどね。

 ガブリとサンドウィッチを食べて、ちびちびとスポーツドリンクを飲んでいく。

 少ないと思っていたが、食べてみれば満足感のある量ではあったな。

 この後も続けようかと悩んでみたが、今日はもう休むように言われたので、久しぶりに世界樹の根元でのんびり本を読むことにした。

 分体と言っていいのかユグドラシルが、世界樹の実をいくつかくれた。

 これだけ大きな木なので、身もそれに従って大きな物だった。俺の身長くらいある、硬い殻に包まれた実を俺にくれたのだが、これをどうしろというのだろうか?

 世界樹をもう一本育てろってことだろうか?

 というのは俺の勘違いで、食べれる実と飲める実があるから、プレゼントだってさ。

 話を聞いてみると、この世界樹は枯れる時だけに次世代に残る実を残すらしいが、今まで枯れたことがないので、その実を見たことのある人はいないんだとさ。

 DPで出した物だから知らなかったが、世界樹はかなり貴重な物らしい。数ある神たちの遊戯盤のこの世界で現存しているのは、3割未満なんだとか。

 世界樹の恩恵があるから、大体が戦争の巻き添えをくって、滅びてしまったとか。枯れたと表現しない所を聞くと、人間たちが壊したんだろうな。

 何でそんなことをユグドラシルが知っているか疑問だったが、どうやらユグドラシルは他の世界の世界樹とリンクしているようだ。壊れても問題ないが、アーカイブの機能を備えているんだとか。

 記録媒体として創造神が使っているんだってさ。

 あっても無くても何とでもなるので、気にしていないんだとさ。その副産物としてできるお酒の実が好きだという理由で、自分の飲む分が確保できれば、それ以外はスペアでしかないんだとさ。

 って、この実って飲み物って言ってたからお酒か?

 ユグドラシルが肯定した。半数ほどがお酒の実らしい……俺の身長分の直径がある実ってことは……硬い殻の分を除いても、1000リットル……1トンくらいのお酒が、5個ほどある。

 お酒だから、カエデかリンドがいるといいんだが、既にこちらに向かっている気配がする。どうやってかぎつけたか分からないが、お酒に吸い寄せられるようにこちらへやってきた。

 俺が何も言わなくても、謎の球体にお酒が入っていることを看破して、試飲させてほしいと2人に懇願された。

 基本的にお酒なら何でも好きなドワーフの血が流れているので、試しに飲んでもらって判断しようと考えていた。

 実を割ってお酒を取り出そうとしたが……のこぎりでは軽い傷しかつかなかった。どれだけ硬いねん!

 直刀で突けば穴が開くかな?

 お酒の実を巨大なおけの中に置いて、突く側と反対に壁を設置した。

 全体重を刀の先に乗せるイメージで、全力で突く。

 根元まで埋まったかと思うと、真っ二つに割れて中身が桶の中に零れ落ちる。そこそこの量をこぼしてしまったが、それでもかなりの量がある。

 周囲には香しい匂いと共にアルコールの匂いが漂った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。 子供の頃、僕は奴隷として売られていた。 そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。 だから、僕は自分に誓ったんだ。 ギルドのメンバーのために、生きるんだって。 でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。 「クビ」 その言葉で、僕はギルドから追放された。 一人。 その日からギルドの崩壊が始まった。 僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。 だけど、もう遅いよ。 僕は僕なりの旅を始めたから。

処理中です...