ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2242話 いない間に色々あったようだ

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 獣人の妻たちは、本当に体の限界まで体を動かして、倒れるように眠りについた。俺が見始めた時はシュリが1人で相手をしていたが、次第にメンバーを入れ替えて、体力が尽きるまで模擬戦をいていた。

 素手の闘いだったためか、普段から格闘をよく使っているシェリルの闘いは、シュリの時より一方的な模擬戦だった。シュリは複数で戦っていたし、違いは多いがそれでも1対1であれば、攻撃をほとんど当てられずに完封に近い状態で勝っていることもあった。

 保護シールを使っていても模擬戦の中で妻たちは、痛みも感じるし痣なども出来ている。だけど止めることなく、最後まで見守っている。

 獣人の妻たちが倒れるように眠ったため、俺は闘技台に近付き回復魔法をかける。痣が全身にできており、悲惨な姿になっている。日本でこんな状態の人がいれば間違いなく、警察にお世話になることになるだろうな。俺が原因でなくても、理由を聞くために任意同行とかさせられるだろう。

 大きな内傷は無いが、痛々しい姿なのは変わらないので、念入りに回復魔法をかけて痣を無くしていく。骨折などの怪我は無いが、痛みは軽減されていないので、精神的にはかなりの負担がかかっているはずだ。

 起きた後に気持ちを落ち着けられるであろう美味しいものを準備してもらいますかね。治療を行いながらスカーレットに、起きた時に食べられるスイーツか何かを準備するようにお願いする。

 治療は終わったので、妻たちを運ぶことにする。みんなに手伝ってもらいベッドへ寝かせて、一応残った妻たちに経緯を説明してもらった。

 獣人って同族意識が高いようだ。聖国がとった政策の所為で団結しないと身を守れなかったことに由来するようで、それでも守り切れずに、強制に奴隷にされたり拷問されたりして亡くなった獣人の仲間たちは多い。

 昔のように生活をしていたら自分の事でいっぱいいっぱいだから、他人を気にしていられなかったが、人生の勝ち組と言っていいほど余裕のできた妻たちは、同族のために悩んでいたようだ。

 知り合いでもなければ、そこにいたことも知らなかった獣人たちのために、妻たちが苦悩するところは見たくないが、全てを救うことは俺にはできない。絶対に目が届かない場所は出るし、何よりマンパワーが足りないから、守ることも出来ない。

 だけど、妻たちが気にするのであれば、出来る範囲で頑張ろうとは思う。

 で話が戻り、俺と別れた後ミリーたちは家に戻ってきてたのだが、ミリーの話を聞いて妻たちが全員怒りだしたようだ。あれだけ俺の事を罵倒するような内容なら、妻たちは怒るだろうとは思っていた。

 だけど妻たちで話し合いが行われていると、少しずつ予想外の方向へ進んでいったようだ。それが獣人同士の団結力というか、仲間意識なのだろう。

 獣人の妻たちは、俺を罵倒している手紙の無い様に加え、仲間意識が爆発して落ち着かなくなってしまったらしい。獣人以外の妻たちがその様子をみて、反対に冷静になって止める形になったようだ。

 自分より怒っている人間がいると、自分が冷静になれるあれだろう。俺の事を罵倒したてがみは許せないが、それどころの話ではなくなってしまったということだ。

 今回の問題は、俺が解決してくれると分かっていたから、話を切り上げて冷静になれるように、全員が落ち着くために、体を動かすことを提案して、模擬戦が始まったようだ。

 何で模擬戦なのかは良く分からないが、行き場のない気持ちをサンドバックとかを殴りつけて、発散する感じかね?

 闘技場に着た後は、俺が見た通りの状況だったということだ。

 保護シールがあって、妻たちに大きな怪我は無いと思っていたが、本当に無くて安心した。獣人の妻たちは、限界まで体を動かしたようで、まだしばらくは目が覚めなそうだな。

 それ以外の妻たちも疲れてはいるが、とりあえず落ち着いたようだな。交代で休みながら、みんなが起きるのを待ってくれるようなので、俺はいったん離れて子どもたちの様子を見に行くことにした。

 自分の部屋に戻るとすぐに、ブラウニーから静かにするようにと注意を受けた。

 子どもたちがいた部屋を覗いてみると、子どもたちが眠っていたのだ。なので静かにするように注意してきたわけか。

 シンラの見たかったアニメを見終えた後、眠くなったのかプラムとシオンがごね出して、それに付き合ったシンラと姉たちが、今さっき眠りについたとのことだ。

 ん~妻たちの事も気になるが、あっちにはみんながいるので、俺はこっちで待機するかな。

 この子たちも疲れていたんだろう。色々環境は整えたと言ってもディストピアの家みたいに快適ではなかったし、そこから帰って来てすぐに俺の休みに付き合って船に乗ったし、知らず知らずのうちに無理をさせていたのかもしれない。

 プラムとシオンがぐずったのは、その疲れなんかが溜まって、ゆっくり休みたくなったということだろう。

 そう考えると、シンラは丈夫に育っているってことか。プラムとシオンに追いかけられたり、何かを覚ったような表情をするのも、シンラが丈夫に育った理由の1つかもな。

 こういう時の子どもたちの昼寝はどのくらい寝るか分からないが、付き合って寝ているミーシャたちは、30分とか1時間もすれば起きるだろう。

 下の子たちの面倒を看てくれていたのだから、ミーシャたちにも美味しいスイーツ……おやつでも食べさせてあげたいな。ブラウニーに確認を取ると、今日はチーズケーキをおやつに準備しているようだ。俺の好きなケーキの1つが出るのか……一緒に食べよう。

 俺が好きということもあり、うちでは結構な頻度でチーズケーキが出ていると思う。他の家庭では知らないが、少なくとも俺が育ったエリアでは、ケーキは頻繁に食べる物ではなかった。

 シュークリームとかアイスは食べても、ケーキだけは少なかった気がする。友達の誕生日会で食べたくらいで、後たまにおやつやデザートで食べたくらいだ。

 年に5~6回食べてれば多いんじゃないかな? って思う。

 友達の誕生日会でも、ケーキじゃなくて昼食や夕食と一緒に食べるから、ケーキじゃなくて豪華な食事を食べるのが俺の誕生日会のイメージだ。

 っと、好きな物に思考がとられていたな。

 子どもたちが起きるまでは、本でも読んで待っていようかな。
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