ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2236話 少しだけ真面目な話

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 夜のメインであるイルミネーションを見た日から1週間、俺は子どもたちと一緒に色々な景色を楽しんだ。1日を前半と後半に分けて違う景色を楽しんだり、シチュエーションを変えて食事を楽しんでみたり、簡単にできる範囲で色々試して回った。

 子どもたちは、色々な所へ行けると楽しんでくれていたし、妻たちは今度各々が集まって景色を楽しみに来ると言っていた。妻たちは全員が1~2日参加できていないので、参加したく組としていない組で混じっていくと言っていたな。

 行ったグループに色々教わりながら、景色を楽しむらしい。俺が子どもたちにしたことを、妻たちでするようだな。

 観光だけで、それ以外の内容があるわけではないが、面白かったな。

 それ以上に良かったのは、プラムとシオンとの距離が少しだけ縮まった事だろう。寝てるときに足蹴にされたり、シンラをかまいすぎると怒ったり、親バカを発揮すると呆れたりするが、毛嫌いされるようなことが無くなった。

 あのまま成長して、俺の事をキモイ、クサイ、汚いとか言われる可能性が減って少し嬉しい。

 1週間休んだ後に何をするかと言えば、報告だけ聞いてほしいと、グリエルたちに呼ばれているのだ。この報告が終わったらまた自由な時間になるが、子どもたちも妻たちも、日常に戻るようなので、俺と一緒に遊びまわるということは無いみたいだ。

 1人でゆっくりしてくれという話らしい。

 寂しいけど、妻たちにも役職があるわけで、自分たちの仕事をしっかりと行う必要があるのだ。いなくても問題は無い様に調整されているし、魔導無線でのやり取りでも十分仕事になるのだが、やっぱり現場に行って自分の目で確かめたいというのが本音みたいだな。

 参考までに妻たちの中で、長期間いなくなると職場が困るのは、ミリーだけだって話だ。

 ミリーが担当している冒険者ギルドは、仕事内容的にはいなくても処理できることが大半なのだが、俺と同じで可能な限り直接対応しないといけないものがあったりする。冒険者ギルドのトップとして、決裁をしなければならないことがあるのだ。

 厳密に言えば、俺でも問題は無い。簡単に説明すると、ディストピアの冒険者ギルドとは言っているが、王国や帝国にある冒険者ギルドとは組織が違うのだ。

 ディストピア、ゴーストタウンなどの俺が初期から関わっている街のギルドは、冒険者ギルドと読んではいるが、俺のお金で作った私的な組織という扱いなのだ。ただ、それだと街の外から来た人間が困るので、同じ名前の冒険者ギルドと提携しているという形だ。

 だから、俺が決裁しても問題は無いのだが、ミリーは責任感がとても強いので、俺に任せることなく自分で処理している。

 まぁ元々あった冒険者ギルドをミリーを通して学び、それを模倣して作ったので、提携すること自体は問題は無かった。

 問題があったのは、所属している冒険者たちのランクによる強さの差だろう。

 環境的にディストピア基準で言うと、訓練施設の充実ということもあり、しっかりと鍛えられるようになっている。そのせいかディストピアを基準とすると、他の街の冒険者たちは、1ランクか2ランク下の戦闘力しかないことも多い。

 死なないようにしっかりと訓練させるのが俺たち流なので、どうしてもランクが上がりにくくなってしまうようになっている。それに冒険者も無理をしなくても稼げるので、実力があってもランクをあげない者も多かったりするのだ。

 特に指名依頼の出るランク以上になるのは、嫌がる傾向にある。提携しているから、他の街へ行った時に指名依頼を出されると、断れなかったりするんだとか。強制ではないのだが、半分強制みたいなもので受けざるを得なかったりするとか。

 そのせいでトラブルに巻き込まれたディストピアやゴーストタウンの冒険者はそれなりにいる。

 無理難題の指名依頼を受けさせられ、失敗したことによるペナルティーで金銭を払えず奴隷落ちさせたりする輩がいたのだ。優秀な冒険者を安く手に入れるために、冒険者ギルドと共謀してうちの冒険者を嵌めていたということだ。

 そういう奴らには、漏れなく奴隷に落ちてもらい、自分たちのしたことの罪の深さを理解してもらっている。大半は頭が腐っているので、自分が受けるしうちではない! みたいな事を心が擦り切れるまで言っている阿呆が多い。

 うちの所属の冒険者たちには、一時的に奴隷にさせてしまってはいるが、何かが起こる前に暗部の人間が助けているので、物理的な問題は起きていない。精神的な問題はあるので、完全に助けられたとは言えないけどね。

 所属が違う冒険者に指名依頼を出せないように契約を盛り込んでも、賄賂を貰って指名依頼をすることがあるので、うち所属の冒険者は、ランクを積極的に上げない者も多い。

 特権階級の悪事への理解力の低さが本当に目立つよな。自分たちは何をしても問題は無い! みたいな奴が多くて本当に困る。

 ただ単に逆らえない人間が多く、思いのままになっている現状が、奴らを増長させてしまうのだ。とはいえ、貴族階級社会であるこの世界では、それを取り締まる人間がほとんどいないので、こういった悪循環が生まれてしまうのだ。

 っと、冒険者ギルドの報告をグリエルたちから受けていたため、昔の事を思い出してしまっていた。

 今回の報告の内容は、うちの冒険者と外の冒険者の実力に差がありすぎるので、実力もあって問題ないなら、積極的にランクを上げるように依頼が来ているという話だったので、思い出してしまっていたのだ。

 ミリーは、提携していても別の組織なので、ランクを上げるつもりは無いと相手にしていない。指名依頼という名の強制依頼を絶対に受けさせないことを条件に、消極的な理解はしているのだとか。

 契約しているのに、何人も問題を起こしているので、契約の書類だけでは信用に値しないからな。知らなかったでは済まされない問題なのに、切り捨てて終わっているのもこちらとしてはマイナス評価だ。

 こちらの条件として提示しているのは、指名依頼を出した場合、それにかかわっていた者たちと、その家族を全員奴隷落ちにさせる……という物だが、受け入れてもらえていない。

 この場合のそれにかかわっていた者というのが曖昧ということもあるが、上司の命令で逆らえないという話は考慮されていない。漏れなく奴隷落ちを条件にしているため、折り合っていない感じだ。

 こちらとしては、折れる必要もないので、条件を付けくわえることがあっても、減らすことは無い。

 頑として、強気の姿勢で話し合っているようだ。

 帝国の問題は、少しずつ進展はしているが、まだまだ時間がかかるようだ。食料の問題もあったが、専属でブラウニーたちが何人か派遣されて、概ね解決しているとの事。

 避難民たちの街は、良くも悪くも変わっていないらしい。乗り込もうとしている間者が少ないのは、関わると体調不良になり、大変なことになるため、裏の人間たちは依頼を受けなくなっているんだとか。

 身内から派遣しようとはしているが、軒並みヤバい状態になっているので、進展しないのが知られざる事実だ。

 神の呪いって、無慈悲で本当にヤベエな……
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