ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2203話 想定外過ぎた

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 可愛そうな俺の呪詛に巻き込まれた一般人は……チビ神に言って何とか対象から外すことに成功した。それと同時に、呪詛にかかっていない工作員を認識してもらって、改めて呪詛をかけてもらった。チビ神、グッジョブだ!

 言葉で褒められてもうれしくないと言われたので、ブラウニーたちに言っていつもの3倍ほど、お菓子やデザートをお供えしておいた。賄賂じゃないよ! 感謝の気持ちだよ!

 言い訳する必要もないのだが、何となく言い訳をしてしまったな。

 新しく発見した工作員に関しては、建物に住みそうになったため、少し妨害を入れている間に呪詛をかけてもらったので、ここのトップの元領主さんに、腹下し工作員たちの仲間入りになれている。元領主は、工作員の事は知らないけど、領地のトップをやっていただけあって、注意が必要な奴らだと考えていたようだ。

 思っている以上に有能な元領主だな。残っている避難民たちの8割くらいは、元領主の街の住人だそうだ。

 街と言えば、数万人規模で人がいるはずだが、数が少ないのは某国の兵士たちに街を脱出する時に、多くの人間が捕まってしまったそうだ。

 詳細は分かっていないが暗部の話では、俺の街にちょっかいをかけるために、この人らの住んでいた国に戦争を仕掛けた可能性があるとか言ってたな。

 もしこれが事実なら、元凶を取り除いておく必要があるのだが……

 一緒に話を聞いていた妻たちは、マジギレしていました。避難民たちがかわいそうとかそういう話ではなく、自分たちで攻めてくるわけでもなく、搦め手を使ってこっちに手を出してきたことに対してキレている。特にちょっかいをかけるための戦争というのが、気に入らないようだな。

 グリエル、ガリア、ゼニス、レイリーも事実なら、攻めて滅ぼしておくべきだろうだってさ。でも、管理するつもりは無いから、どこかの国や街と連携して、後始末は押しつけるように考えてくれよな。

 その話をしたのが、避難民たちを受け入れた夜だ。

 そして次の日の昼に、皇帝から連絡が入り、帝国としては手を出しにくい位置だけど、隣国に友好な国があるから、そちらに話を通すことは出来ると言ってくれた。

 運搬をお願いできるのであれば、帝国からも騎士たちを参加させられるし、色々な大義名分があるので周りの国に避難されることは無いだろうだってさ。

 まだ事実か判明していないのに、既に連携がとられていることにビックリだよ!

 大義名分って言うのも、帝国と親密な関係にある俺の街に非合法な工作を仕掛けたため、俺に全面的に協力する。その協力には、現地での支援も含まれるので、友好国にお願いして現地での支援の手伝いをしてもらう。といった流れだった。

 その際に不足している物資に関しては、俺たちが運び込んで現地で安く販売してもらえると助かるだとさ。ジェノサイドキャラバンたちもいるので、物資に関しては何の問題も無い。あるとすれば、兵糧の確保くらいだろう。

 これは、ディストピア産の食材を魔導列車で運べば、問題はすぐに解決できるので、無いに等しいか?

 協力を求めて後始末を任せるため、帝国の騎士たちの食料やその他諸々は、俺が持つことになっており、支援してくれる国には、金銭での支払いと商会を建築する旨を伝えているってさ。

 ……話を聞いていくうちに俺が間違っているのかと勘違いしそうになるが、まだちょっかいをかけるために戦争をしたかどうかは分かっていないんだけど……

 それに、すでに話が終わってるのは何で? 昨日の夜話して、まだ半日くらいしか経ってないよ。

 もっと言えば、この話を始めた時は、隣国の支援してくれる国に話を通すことができるだったはずなのに、時間が経つにつれて話し合いが終わっていて、どういう風に動くかも決まっているんだけど……

 お金に関しても物資に関しても、ゼニスが問題ないって言ってるから大丈夫だろうけど、報告なはずなのに現在進行形で話の内容が変わっていくことに、疑問を隠せないのだけど!

 混乱している俺は半分放置されながら、決まった事の報告がガリアからされていく。

 どうもグリエルとゼニスが、現在進行形で皇帝と話をしており、その話場に隣国の大使も来ているため、話がどんどん進んでいっているらしい。

 大使がいるとは言っても、自国に帝国はともかくディストピアの軍が入るのに、自国のトップの意見は効かなくていいのか? と思うのですが、そこれへんはどうなんですか?

 大使がまさか第3王子で、俺の商会が王都や他の街にできるなら、攻め入るために駐屯する場所や後始末は任せてください! って話になってるとは思わんよね。いや、第3王子だったとしても、さすがに他国の軍なんだけどいいの?

 相手の国の事情は良く分からんが、良いらしい。

 帝国に支援を求めてはいるのだが、帝国も余裕があるわけではない。接している国という意味で言えば、20は軽く超えている。攻めてくることは無いだろうが、警戒しないわけにはいかないので、ある程度の兵力が各国境付近に配置されている。

 国を守るためとはいえ、軍は金食い虫である。そういった事にお金を使っているため、帝国としては俺たちが思っている以上に余裕がないんだとさ。

 もっと言えば、腐った貴族の相手も必要だし、国境を守るために辺境伯の地位を持っている貴族が、兵力が足りない金がないなどと言って、その対応で騎士団も動いているため、色々と面倒な事態になっているみたいだ。

 グリエルから後で教えてもらったが、辺境伯の地位にあるなら金がないというのは嘘だろうとのこと。国境の守りを任せるために、相応の収入があるはずで、そのお金を使って兵士や騎士を維持するのが、辺境伯の務めなんだとさ。

 街とその周辺を守るための力は、どんな貴族も持っているのだが、辺境伯以上……公爵・辺境伯・侯爵は、周辺の伯爵以下の地域を守るために、独自の騎士団や軍を維持する必要があるそうだ。

 その義務を果たしていない辺境伯が複数いて、金だけ毟り取って言っている状況だと、皇帝がグリエルに愚痴っていたんだとさ。

 そこでグリエルは、レイリーに相談して、頭を悩ませている辺境伯の領地を、皇帝の直轄地にすることを提案したらしい。何でレイリー? そこは皇帝じゃないのか?

 辺境伯たちは、口や書類では騎士団が維持できないとか言っているが、実際にはかなりの戦力があるため、討伐するためにはかなりの兵力を出す必要があるらしい。事実を突き付けても、のらりくらりと交わされ、支援してもらえないのであれば、他の貴族たちと相談する必要がある……と脅しているのが現状らしい。

 だから、レイリーの許可をもらって暗部を帝国の戦力に組み込んで、さっさと辺境伯たちの問題を解決させて、こっちに集中してもらおうという話で皇帝に持って行ったのだとか。

 とはいえ、暗部の力を他国の戦争や内輪もめで使いたくない。代替案で、ワイバーン一家と竜騎士たちの派遣で手を打ってもらっている。

 お昼から始まった報告会は、いつの間にか帝国内部の問題解決対策会議になり、久しぶりにまともに皇帝と話をした気がする。
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