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第2200話 チビ神、たまには役に立つ
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あったことの無い、俺の領地に悪意を向ける輩に心の中で呪詛を吐く。
呪い殺すのは面白くないから……死ぬまで一生腹を下し続けたり、歩けば足の小指をぶつけたりすればいいんだ! 娘には軽蔑した目で見られ、息子には暴言を吐かれボコボコにされ、妻には結婚したことを後悔しているようなことを言われてしまえ!
『ちょっとアンタ……その呪詛はシャレにならないから、本気じゃないならやめた方がいいわよ』
む? 急にチビ神が降臨したな。お前に話しかけるようなことをしていないけど、何でお前が反応するんだ?
『個人的にはどうでもよかったんだけど、あなたのいる世界に一番影響のある神って誰だと思う?』
神の事なんて俺が知るわけないじゃん。それに星の数ほどいて、それが今も増減しているんだろ? 分かるわけないだろ。
『あのさ、あなたのおかげで私の存在値が高くなったって話はしたでしょ? 存在値って言うのは、私たち神の格を表すの。あなたがいける世界では、創造神様を除けば私が一番影響力があるのよ』
へ~、創造神ってやっぱりすごいんだな。いや、チビ神たちの上にいるから、存在値とかじゃなくて、本質的な上位者って可能性もあるか……
『創造神様がすごいのは正しいんだけど、そこじゃないの! 私の影響力がすごい事が問題になってるのよ!』
お前の影響力がすごい事になっているからって、何が問題になるんだよ。お前なんもしてないだろ?
『今さっき、あんたが呪詛を吐いたでしょ。一生腹くだせとか、小指ぶつけろとか。私とアンタは、パスみたいなので繋がっているの。そんなアンタが呪詛を吐くと、この世界で一番影響の強い私が現実にしてしまうのよ。神の存在値って言うのは絶対ではないけど、ある程度の無茶は押し通してしまうのよ』
……つまり俺が呪詛を吐くと、ある程度の事であれば実現してしまうってことか?
『私が止めない限りは、死に直結しない嫌がらせみたいなものは、大半が実現してしまうとおもうわ』
ほうほう……じゃぁ、貢物をすれば止めなかったりするのか?
『貢物をくれるならもらうけど、そんなことしなくても止めないわよ。ただ、戦争があって敵対する陣営に不利になるような呪詛は、叶えられないけどね。後は、創造神様が止めた場合もどうにもならないわよ』
今回の呪詛は、叶えられるけど本当に実行していいのか、確認してくれたってことでいいのか?
『その認識で間違ってないわ。本当に呪詛として実現させていいの?』
それで、チビ神にとって不利になることがあるのか?
『ん~不利というか、呪詛の実現に私の存在値をちょっと使うだけね。あんたを召喚する前なら、それだけで致命傷になるから止めただろうけど、今なら痛くも痒くもないわね』
よし、減った分は食い物と酒なんかを送ってやるから、可能な範囲で計画の首謀者たちを対象に呪詛の実現させてくれ。工作員にもできれば同じような呪詛を頼む。
『了解よ。いっておくけど、私の存在値を使えば何時でも呪詛を叶えられるわけじゃないからね。タイミングみたいなものもあるから、画策してやろうとしても難しいわよ。後、呪詛の対象だけど、私やあなたの認識じゃなくて……巨大な記憶装置みたいな物の中から、条件に当てはまるモノを対象にするから、狙い撃ちは難しいわよ』
良く分からん神界のルールがあるみたいだな。呪詛なんてしょっちゅう吐くもんでもないし、今回叶えてもらえるのは棚ぼたってもんだろう。間違ったやつにかかってたとしても、俺たちに迷惑をかけている奴らの仲間なら、気にする必要もないだろう。
『シュウ! 何ボーっとしてるの? 何かあった?』
チビ神と話していて、作業の手が止まっていたようだ。リンドに心配されてしまった。
「すまん、チビ神が急に話しかけてきて、ちょっと話をしてた」
そう言って、チビ神とのやり取りについて、簡単に説明すると、いい気味ね! とリンドが笑っていた。後でレイリーやグリエルたちにも話をすると、大爆笑をしていたので、呪詛に関しては大成功なのではないだろうか? 実際に下痢になっているか分からないけど……
チビ神も俺も知らぬところで、俺たちの予想を大きく超えて呪詛が実現していた。
この計画の立案者から指示をした人間、工作員たちまで、貢献度の高い順に呪詛が降りかかっていた。一番貢献度の高かった某国宰相は、半年ほど一日の半分以上をトイレで過ごすことになったとか。死なないように水分をとっては垂れ流していたとか。
暗部の人間は俺たちの話を聞いていなかったので、罰でも当たったのではないか? と予想していたようだ。半分あたりみたいなものだが、判定を下す人間がいなかったので、そこで話が終わっている。
俺が水路を作っていると、土木組の1グループが家を建て始めていた。簡易的な豆腐建築だが、避難民の家と考えれば十分すぎるほどの物だろう。5人で住むなら十分すぎる広さがある。住もうと思えば15人くらいなら、問題ないれべるだろう。
こんなに上等な建物を準備する必要があるのか疑問に思ったが、グリエルたちには重要だと言われているので、手を抜くことはしていないようだな。
初めは俺たちが準備して、その後は住民たちにやらせると言っているが、簡易的な豆腐建築とはいえ、難民たちがこれ以上のものを作れるのだろうか? そうすると、差別だなんだと騒ぐやつがいるんじゃないかと……
それも目的の1つとかグリエルたちは言ってたな。避難民たちに何をさせるのかは分からんが、レイリーたちも協力して話が進んでいるそうなので、俺はノータッチである。グリエルたちにはグリエルたちの考えがあるから、それに従っておこう。
豆腐建築ではあるが、雨に対応できるように少しだけ屋根に傾斜が付いているな。通りの方に向かって傾斜が付いていて、通りには一応排水溝のような物もあるので、浸水することは無いかな。
ここって雨ってどのくらい降るんだ?
リンドに確認したところ、そこまで降る地域ではないが、まとまって振ることがあるので、外堀に水が流れるようにもなっているようだ……俺たちが作った壁にそんな細工してないんだけど……
そこはインフラ整備をする際に、壁に穴を開けたそうだ。直線ではなく、少し曲がりくねった穴を作っているそうだ。水を外に流す穴とはいえ、それなりの穴になるので、物を受け渡しできないように考えられている。
知らない所でも、いろんな対策がされていたんだな。
呪い殺すのは面白くないから……死ぬまで一生腹を下し続けたり、歩けば足の小指をぶつけたりすればいいんだ! 娘には軽蔑した目で見られ、息子には暴言を吐かれボコボコにされ、妻には結婚したことを後悔しているようなことを言われてしまえ!
『ちょっとアンタ……その呪詛はシャレにならないから、本気じゃないならやめた方がいいわよ』
む? 急にチビ神が降臨したな。お前に話しかけるようなことをしていないけど、何でお前が反応するんだ?
『個人的にはどうでもよかったんだけど、あなたのいる世界に一番影響のある神って誰だと思う?』
神の事なんて俺が知るわけないじゃん。それに星の数ほどいて、それが今も増減しているんだろ? 分かるわけないだろ。
『あのさ、あなたのおかげで私の存在値が高くなったって話はしたでしょ? 存在値って言うのは、私たち神の格を表すの。あなたがいける世界では、創造神様を除けば私が一番影響力があるのよ』
へ~、創造神ってやっぱりすごいんだな。いや、チビ神たちの上にいるから、存在値とかじゃなくて、本質的な上位者って可能性もあるか……
『創造神様がすごいのは正しいんだけど、そこじゃないの! 私の影響力がすごい事が問題になってるのよ!』
お前の影響力がすごい事になっているからって、何が問題になるんだよ。お前なんもしてないだろ?
『今さっき、あんたが呪詛を吐いたでしょ。一生腹くだせとか、小指ぶつけろとか。私とアンタは、パスみたいなので繋がっているの。そんなアンタが呪詛を吐くと、この世界で一番影響の強い私が現実にしてしまうのよ。神の存在値って言うのは絶対ではないけど、ある程度の無茶は押し通してしまうのよ』
……つまり俺が呪詛を吐くと、ある程度の事であれば実現してしまうってことか?
『私が止めない限りは、死に直結しない嫌がらせみたいなものは、大半が実現してしまうとおもうわ』
ほうほう……じゃぁ、貢物をすれば止めなかったりするのか?
『貢物をくれるならもらうけど、そんなことしなくても止めないわよ。ただ、戦争があって敵対する陣営に不利になるような呪詛は、叶えられないけどね。後は、創造神様が止めた場合もどうにもならないわよ』
今回の呪詛は、叶えられるけど本当に実行していいのか、確認してくれたってことでいいのか?
『その認識で間違ってないわ。本当に呪詛として実現させていいの?』
それで、チビ神にとって不利になることがあるのか?
『ん~不利というか、呪詛の実現に私の存在値をちょっと使うだけね。あんたを召喚する前なら、それだけで致命傷になるから止めただろうけど、今なら痛くも痒くもないわね』
よし、減った分は食い物と酒なんかを送ってやるから、可能な範囲で計画の首謀者たちを対象に呪詛の実現させてくれ。工作員にもできれば同じような呪詛を頼む。
『了解よ。いっておくけど、私の存在値を使えば何時でも呪詛を叶えられるわけじゃないからね。タイミングみたいなものもあるから、画策してやろうとしても難しいわよ。後、呪詛の対象だけど、私やあなたの認識じゃなくて……巨大な記憶装置みたいな物の中から、条件に当てはまるモノを対象にするから、狙い撃ちは難しいわよ』
良く分からん神界のルールがあるみたいだな。呪詛なんてしょっちゅう吐くもんでもないし、今回叶えてもらえるのは棚ぼたってもんだろう。間違ったやつにかかってたとしても、俺たちに迷惑をかけている奴らの仲間なら、気にする必要もないだろう。
『シュウ! 何ボーっとしてるの? 何かあった?』
チビ神と話していて、作業の手が止まっていたようだ。リンドに心配されてしまった。
「すまん、チビ神が急に話しかけてきて、ちょっと話をしてた」
そう言って、チビ神とのやり取りについて、簡単に説明すると、いい気味ね! とリンドが笑っていた。後でレイリーやグリエルたちにも話をすると、大爆笑をしていたので、呪詛に関しては大成功なのではないだろうか? 実際に下痢になっているか分からないけど……
チビ神も俺も知らぬところで、俺たちの予想を大きく超えて呪詛が実現していた。
この計画の立案者から指示をした人間、工作員たちまで、貢献度の高い順に呪詛が降りかかっていた。一番貢献度の高かった某国宰相は、半年ほど一日の半分以上をトイレで過ごすことになったとか。死なないように水分をとっては垂れ流していたとか。
暗部の人間は俺たちの話を聞いていなかったので、罰でも当たったのではないか? と予想していたようだ。半分あたりみたいなものだが、判定を下す人間がいなかったので、そこで話が終わっている。
俺が水路を作っていると、土木組の1グループが家を建て始めていた。簡易的な豆腐建築だが、避難民の家と考えれば十分すぎるほどの物だろう。5人で住むなら十分すぎる広さがある。住もうと思えば15人くらいなら、問題ないれべるだろう。
こんなに上等な建物を準備する必要があるのか疑問に思ったが、グリエルたちには重要だと言われているので、手を抜くことはしていないようだな。
初めは俺たちが準備して、その後は住民たちにやらせると言っているが、簡易的な豆腐建築とはいえ、難民たちがこれ以上のものを作れるのだろうか? そうすると、差別だなんだと騒ぐやつがいるんじゃないかと……
それも目的の1つとかグリエルたちは言ってたな。避難民たちに何をさせるのかは分からんが、レイリーたちも協力して話が進んでいるそうなので、俺はノータッチである。グリエルたちにはグリエルたちの考えがあるから、それに従っておこう。
豆腐建築ではあるが、雨に対応できるように少しだけ屋根に傾斜が付いているな。通りの方に向かって傾斜が付いていて、通りには一応排水溝のような物もあるので、浸水することは無いかな。
ここって雨ってどのくらい降るんだ?
リンドに確認したところ、そこまで降る地域ではないが、まとまって振ることがあるので、外堀に水が流れるようにもなっているようだ……俺たちが作った壁にそんな細工してないんだけど……
そこはインフラ整備をする際に、壁に穴を開けたそうだ。直線ではなく、少し曲がりくねった穴を作っているそうだ。水を外に流す穴とはいえ、それなりの穴になるので、物を受け渡しできないように考えられている。
知らない所でも、いろんな対策がされていたんだな。
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