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第2171話 訓練終了
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音響爆弾により、部屋と階段に入ってきていた兵士たちは、ほとんどが気絶して倒れてしまい、倒れた兵士たちを全部回収する前に、レイリーから訓練終了の合図が入った。
「あ~しんどかった……ここまで魔力や体力を消耗したのって、久しぶりな気がするわ。限界まで訓練するとか最近してなかったからな。みんなも大丈夫か?」
妻たちも消耗はしているようだが、動くのには問題はなさそうだな。
俺たちが限界まで訓練することが無くなったのは、レベルが上がりすぎて限界まで訓練するとなると、通常訓練では時間がかかりすぎる上に、各々で違う仕事をしているので、訓練だけに割いている時間が限られている、という問題がある。
そもそも、領主というか王というか……まぁトップの人間は、先頭で戦う必要は無いので、そこらへんは兵士たちに任せればいい。だから、俺たちが訓練の相手というのも、本来ならおかしな話なのだが、俺たちの息抜きみたいなところもあるので、この訓練が成立している。
とりあえず、兵士たちの回収が終わらないと俺たちも行動ができないので、兵士たちの上を飛んできたブラウニーたちが休憩するスペースを、土木組の子たちが休んでいる部屋に作ってくれた。
4~5時間の訓練だったが、疲労困憊に近い状態だったな。水分もまともに摂取できていなかったので、喉もカラカラである。お腹もすいてはいるが、撤収が終わればすぐにご飯になるとの事なので、水分補給だけしている。
俺たちがいない間の子どもたちの様子が気になったので、ブラウニーたちに聞いてみると、
「拠点の周りに人が集まってきたことに興奮して、何やら騒いでいたようですが、途中で疲れて寝てしまったようですね。午前中も体を動かしていましたので、おやつの前に寝てしまいました。起きたら早くご飯が食べたいと、騒ぎ出しそうなので3人の分は別に用意しています」
午前中から精力的に動いており、意味も分からず人が集まってきたことに、何故か興奮してはしゃぎすぎて疲れて寝たってことか。あの子たちらしいな。
土木組の子たちは、休憩ができたためか、いつものように元気な様子だな。でも、精神的に疲れている部分があるようなので、いつもよりは大人しい感じだな。
訓練が終わってから20分程で、兵士たちの救出が全員おわったようだ。起きている人数の方が圧倒的に多いので、2人で1人を運べばこの程度で……終わるもんか? まぁ終わったのだから、急いだのかもしれないな。
みんなと外に出ると、ビックリするけど納得する光景が目に入った。
2人で1人をと思ったが、兵士たちの力と体力を考えれば、1人で1人を担ぎ上げることくらいは、簡単にできるよな。体の大きい兵士の1人は、両肩に担ぎ上げて運んでいたぞ。これなら、早く終わるのも納得できるかもしれない。
数百人を30~40分で全員救出して移動を開始できるのだから、皆さん優秀だね。
レイリーに言わせれば、これでもまだまだらしいのだ。負けて人を担いでの撤退となれば、もっと素早くやれ! との事らしいが、さすがに無茶が過ぎるだろう……負けによる撤退戦となれば、最悪仲間を置いていく洗濯もしなきゃいけないんだからさ。
そうならないために、救出に関しては素早くできるように訓練している! と言われれば返す言葉が無いけど、仲間を助けるための訓練もしているんだな。後方に運んで回復をすぐに受けられる体勢も作っていて、そのせいで、復帰が早くて俺たちが苦労したんだな。
その後も、レイリーから今回の評価や、俺が疑問に思った事の答えが返ってきた。
一番の収穫があったのは、土木組の子たちかもしれないな。実戦という意味では、従魔たちと一緒に移動している際に、盗賊たちを何回も殲滅しているのだが、強くなりすぎたせいで苦戦という苦戦をしたことが無かったのだ。それを今回の訓練で学べたことは、大きな収穫だな。
限界って実際に経験したところで、そこに行きつくまでの過程はいつも違い、時間も変わってくる。そして、訓練と実戦でも大きく違う。
兵士たちは、どんな状況でも一定以上の能力を発揮するように訓練して、土木組はいつでも一定以上のパフォーマンスを発揮できるように、休憩などをしてコントロールする。両者の違いは、ここにあるんだろうな。
頭では理解しているつもりだったが、実際に見てみるのとだとやっぱり違うな。
兵士たちも、訓練と実戦で違うって話を聞くもんな。特にレベル的には圧倒的に強いのに、初めての殺しとなると躊躇して、格下に負けることもあるって聞くしな。負けるといっても、仲間がフォローするので大怪我をすることは無いけどな。
このラインを越えられない兵士は一定数いるし、このラインを軽々超えていくのが盗賊のような犯罪者たちなんだよな。中には生きるためにとか言って、そのラインを超える奴は多い。
理由によっては情状酌量の余地があるかもしれないが、それでも殺したり犯したりするなら、タダの外道だ。この世界には、領主の圧政や横暴貴族の所為で困窮する人間は多い。そう言った人間がやむを得なず、盗みをするなどはまだわかる。
だけど、それ以上の殺人や強姦をするのであれば、タダの犯罪者だ。
だからと言って盗みを肯定するわけではないが、それをしないと生きていけないという環境も、実際には存在している世界なのだ。そう言った横暴貴族のいる街では、こういった軽犯罪で犯罪奴隷に落とされる人も少なくない。
その反面、ガンをつけられたような気がするといって平民を殺したり、美人の女がいれば抱いてやるといって無理やり犯したり、しまいには自分の子種をやったんだから金を払え……等々頭の腐っている行動をとるやつがいるんだとさ。
自分たちの方がよっぽど重犯罪を犯しているのに、裁く側の人間ということで無罪放免。理不尽な世界だよな。
日本でも大なり小なり、近い事例はあるらしいけど、金や権力があれば何でもしていい訳じゃないと思う。もみ消しもそうだけど、犯罪者を弁護する弁護士も思う所はあるな。心神喪失で責任能力がなく……みたいなのは、正直どうかと思う。
理不尽な事があるのは、どんな世界でも一緒だな。
っと、何でこんな考えになったんだっけ? いつも通りの脱線思考を終わらせて、自分に疑問を感じていた。
「あ~しんどかった……ここまで魔力や体力を消耗したのって、久しぶりな気がするわ。限界まで訓練するとか最近してなかったからな。みんなも大丈夫か?」
妻たちも消耗はしているようだが、動くのには問題はなさそうだな。
俺たちが限界まで訓練することが無くなったのは、レベルが上がりすぎて限界まで訓練するとなると、通常訓練では時間がかかりすぎる上に、各々で違う仕事をしているので、訓練だけに割いている時間が限られている、という問題がある。
そもそも、領主というか王というか……まぁトップの人間は、先頭で戦う必要は無いので、そこらへんは兵士たちに任せればいい。だから、俺たちが訓練の相手というのも、本来ならおかしな話なのだが、俺たちの息抜きみたいなところもあるので、この訓練が成立している。
とりあえず、兵士たちの回収が終わらないと俺たちも行動ができないので、兵士たちの上を飛んできたブラウニーたちが休憩するスペースを、土木組の子たちが休んでいる部屋に作ってくれた。
4~5時間の訓練だったが、疲労困憊に近い状態だったな。水分もまともに摂取できていなかったので、喉もカラカラである。お腹もすいてはいるが、撤収が終わればすぐにご飯になるとの事なので、水分補給だけしている。
俺たちがいない間の子どもたちの様子が気になったので、ブラウニーたちに聞いてみると、
「拠点の周りに人が集まってきたことに興奮して、何やら騒いでいたようですが、途中で疲れて寝てしまったようですね。午前中も体を動かしていましたので、おやつの前に寝てしまいました。起きたら早くご飯が食べたいと、騒ぎ出しそうなので3人の分は別に用意しています」
午前中から精力的に動いており、意味も分からず人が集まってきたことに、何故か興奮してはしゃぎすぎて疲れて寝たってことか。あの子たちらしいな。
土木組の子たちは、休憩ができたためか、いつものように元気な様子だな。でも、精神的に疲れている部分があるようなので、いつもよりは大人しい感じだな。
訓練が終わってから20分程で、兵士たちの救出が全員おわったようだ。起きている人数の方が圧倒的に多いので、2人で1人を運べばこの程度で……終わるもんか? まぁ終わったのだから、急いだのかもしれないな。
みんなと外に出ると、ビックリするけど納得する光景が目に入った。
2人で1人をと思ったが、兵士たちの力と体力を考えれば、1人で1人を担ぎ上げることくらいは、簡単にできるよな。体の大きい兵士の1人は、両肩に担ぎ上げて運んでいたぞ。これなら、早く終わるのも納得できるかもしれない。
数百人を30~40分で全員救出して移動を開始できるのだから、皆さん優秀だね。
レイリーに言わせれば、これでもまだまだらしいのだ。負けて人を担いでの撤退となれば、もっと素早くやれ! との事らしいが、さすがに無茶が過ぎるだろう……負けによる撤退戦となれば、最悪仲間を置いていく洗濯もしなきゃいけないんだからさ。
そうならないために、救出に関しては素早くできるように訓練している! と言われれば返す言葉が無いけど、仲間を助けるための訓練もしているんだな。後方に運んで回復をすぐに受けられる体勢も作っていて、そのせいで、復帰が早くて俺たちが苦労したんだな。
その後も、レイリーから今回の評価や、俺が疑問に思った事の答えが返ってきた。
一番の収穫があったのは、土木組の子たちかもしれないな。実戦という意味では、従魔たちと一緒に移動している際に、盗賊たちを何回も殲滅しているのだが、強くなりすぎたせいで苦戦という苦戦をしたことが無かったのだ。それを今回の訓練で学べたことは、大きな収穫だな。
限界って実際に経験したところで、そこに行きつくまでの過程はいつも違い、時間も変わってくる。そして、訓練と実戦でも大きく違う。
兵士たちは、どんな状況でも一定以上の能力を発揮するように訓練して、土木組はいつでも一定以上のパフォーマンスを発揮できるように、休憩などをしてコントロールする。両者の違いは、ここにあるんだろうな。
頭では理解しているつもりだったが、実際に見てみるのとだとやっぱり違うな。
兵士たちも、訓練と実戦で違うって話を聞くもんな。特にレベル的には圧倒的に強いのに、初めての殺しとなると躊躇して、格下に負けることもあるって聞くしな。負けるといっても、仲間がフォローするので大怪我をすることは無いけどな。
このラインを越えられない兵士は一定数いるし、このラインを軽々超えていくのが盗賊のような犯罪者たちなんだよな。中には生きるためにとか言って、そのラインを超える奴は多い。
理由によっては情状酌量の余地があるかもしれないが、それでも殺したり犯したりするなら、タダの外道だ。この世界には、領主の圧政や横暴貴族の所為で困窮する人間は多い。そう言った人間がやむを得なず、盗みをするなどはまだわかる。
だけど、それ以上の殺人や強姦をするのであれば、タダの犯罪者だ。
だからと言って盗みを肯定するわけではないが、それをしないと生きていけないという環境も、実際には存在している世界なのだ。そう言った横暴貴族のいる街では、こういった軽犯罪で犯罪奴隷に落とされる人も少なくない。
その反面、ガンをつけられたような気がするといって平民を殺したり、美人の女がいれば抱いてやるといって無理やり犯したり、しまいには自分の子種をやったんだから金を払え……等々頭の腐っている行動をとるやつがいるんだとさ。
自分たちの方がよっぽど重犯罪を犯しているのに、裁く側の人間ということで無罪放免。理不尽な世界だよな。
日本でも大なり小なり、近い事例はあるらしいけど、金や権力があれば何でもしていい訳じゃないと思う。もみ消しもそうだけど、犯罪者を弁護する弁護士も思う所はあるな。心神喪失で責任能力がなく……みたいなのは、正直どうかと思う。
理不尽な事があるのは、どんな世界でも一緒だな。
っと、何でこんな考えになったんだっけ? いつも通りの脱線思考を終わらせて、自分に疑問を感じていた。
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