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第2129話 模擬試合の続き
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思ったより上手くいったな。攻撃のやり取りから戦い方を模索して、関節技に持ち込むのが今までのパターンだったのだが、今回は自ら仕掛けて行動を限定させて誘導し、常に先手を取る戦法が通じたな。問題は、2回目以降も通じるかだな。
再び距離を取って、試合を再開する。
先ほどと同じで、1投目は右足首へ投げる。人造ゴーレムは、同じよう左へ回避した。
正直、俺が対処しやすいってだけで誘導しているので、反対に逃げたとしても、対処の方法を少し変えるだけで対応できてしまうのが、この誘導の嫌らしい点だろう。
問題は鉄鞭で弾かれて、距離を詰められた時だな。距離が離れたままなら、また投げればいいだけだしな。
1戦目と同じように、俺は2投目を着地する左足首に向かって投げ、3投目を右に切り返せないように投げた。これで同じ避け方をするなら、前の試合と同じになってしまうぞ?
強引に切り返すか、弾く、距離を取る、のどれかを選ぶと思ったのだが、人造ゴーレムは前の試合と同じで、そのまま左に流れた。
4・5投目も先の試合と同じように、左足とそのまま流れないように牽制するために投げる。このままだと先ほどと同じになるので、ここで変化があるのだろう。
という予想は裏切られ、前の試合と同じように切り返して、俺との距離が縮まる選択肢を取った。ここにきて、人造ゴーレムが狙っていることを理解した。
接近戦に持ち込まれることが分かっているなら、俺の考えている間合いより詰めるか、詰める時間を短くするのが狙いだろう。
危うく誘われて、負けてしまう所だったな。
俺は方向転換をして、切り返した人造ゴーレムと一定の距離を保ちながら、人造ゴーレムの左をとるように円運動へ切り替える。
右に移動している人造ゴーレムに合わせて、俺も右へ移動するので、必然的に円運動になる形だ。
さっきの試合は、俺の流れ通りに距離を詰められたのでこの動きはしなかったが、相手が動きを変えるのであれば、俺もそれに合わせて派生系の動きに変えればいいだけだ。
円運動をしながら、再びハンドアックスを投げつける。狙いは右足首。動きを止めるか、切り返させるのが目的だ。だが、1戦目の詰み方を学んでいる人造ゴーレムは、俺の誘いには乗らずに右へ移動し続け、円運動の速度が加速していく。
正直このままだと追いつかれるのは目に見えてる。そうなれば負けは必至である。
その想定をしている俺は、次なる武器を取り出す。
僅か5メートルの距離で取り出したのは……弓だ。それも、魔導弓と呼ばれる、人造ゴーレムに初めて見せる武器。初見の武器で意表を突くつもりは無く、その攻撃方法で意表を突くつもりだったのだ。
この魔導弓は、魔力を込めれば込めるほど、矢の太さや数を増やせるという、かなりチートな性能を持っている弓だ。
俺のように、魔力の余っている人間でないと使えないので、この武器を渡したから、すぐに強くなれる人間はそう多くない。魔力も多く弓の扱いにも長けている必要があるからな。
俺は太い矢ではなく、拡散するように矢を撃ちだす。狙いは、偏差射撃でそのまま移動を続ければ、回避しようのない矢の雨にツッコむことになる。
さすがに人造ゴーレムも、その矢の中に入ることは良しとせず、強引に動きを止めた。切り返しではなく止まるか……これなら、俺の攻撃に対して、左へ躱す方法がとれるもんな。
だけど甘いんだな。それならもう1度矢を撃つだけだ。狙いは足を薙ぐような、低い位置に扇状に広がる矢を放つ。この弓、かなり便利だな。イメージに合わせて矢を放てるのは、魔法に似ているし、弓のスキルがあるので自由自在だな。
この際の回避方法は、上に飛ぶ。方向は何処でもいいが、上に移動しなければ、物理的に足が削れることを意味するほどの弾幕だ。
人造ゴーレムはそんなことないが、人間の体と同じ強度として考えさせているので、回避しない選択肢はない。そして魔法の矢なので、全部叩き落とすのは難しいであろう。
人造ゴーレムは、俺の予想通りに上に飛ぶ。その方向は、距離をとるのではなく距離を詰めてきた。
俺の武器の性能を考えれば、距離を詰めるしかないよな。動きをとれない空中で、全身を狙う矢を回避する術がないから、距離を詰めて矢を放たれないようにする必要があるのだ。
その選択肢は間違っていないが、俺の武器が弓のままならな。
そもそも、追撃に使う武器はハンドアックスだ。
重さと遠心力による強化が強いので、速度は矢に比べれば圧倒的に遅いが、逃げられない状況であれば、こっちを全力で投げる方が強い。
人造ゴーレムがとれる行動は、鉄鞭による弾きだな。
矢なら、最悪体を小さくして、受ける体勢をすれば、急所を避け被害を手足だけで済ませられる。魔法矢なので、当たれば霧散するから、ポーションを飲めば何とかなる……という認識だっただろうが、考えを欺けただろう。
双鉄鞭を振りかぶり、ハンドアックスを何とか弾き落とした。
だけどその隙をついて俺は、武器を大薙刀に持ち替えて、下から切り上げるように武器を動かす。
双鉄鞭で防ごうとするが、さすがに強度が足りず双鉄鞭を、俺の大薙刀が砕く。
武器を砕かれた人造ゴーレムは、その時点で降参の意思を示す。
こいつも性能が良くなったもんだな。自分が勝てないと思ったらすぐに降参した。
今までは壊れるまで戦っていたが、俺のお願いを調整するついでにバザールが、この仕草を教え込んでいたのだろう。初めて見る行動だったので、警戒していたがバザールが試合終了を告げたので、戦いが終わった事を理解した。
ふぅ、誘導しているとはいえ、高速で思考しているので思ったより疲れる。条件反射でできるようになれば負担は減って、精度が上がっていくと思うが、今はまだ俺はその域に達してないからな……
再び距離を取って、試合を再開する。
先ほどと同じで、1投目は右足首へ投げる。人造ゴーレムは、同じよう左へ回避した。
正直、俺が対処しやすいってだけで誘導しているので、反対に逃げたとしても、対処の方法を少し変えるだけで対応できてしまうのが、この誘導の嫌らしい点だろう。
問題は鉄鞭で弾かれて、距離を詰められた時だな。距離が離れたままなら、また投げればいいだけだしな。
1戦目と同じように、俺は2投目を着地する左足首に向かって投げ、3投目を右に切り返せないように投げた。これで同じ避け方をするなら、前の試合と同じになってしまうぞ?
強引に切り返すか、弾く、距離を取る、のどれかを選ぶと思ったのだが、人造ゴーレムは前の試合と同じで、そのまま左に流れた。
4・5投目も先の試合と同じように、左足とそのまま流れないように牽制するために投げる。このままだと先ほどと同じになるので、ここで変化があるのだろう。
という予想は裏切られ、前の試合と同じように切り返して、俺との距離が縮まる選択肢を取った。ここにきて、人造ゴーレムが狙っていることを理解した。
接近戦に持ち込まれることが分かっているなら、俺の考えている間合いより詰めるか、詰める時間を短くするのが狙いだろう。
危うく誘われて、負けてしまう所だったな。
俺は方向転換をして、切り返した人造ゴーレムと一定の距離を保ちながら、人造ゴーレムの左をとるように円運動へ切り替える。
右に移動している人造ゴーレムに合わせて、俺も右へ移動するので、必然的に円運動になる形だ。
さっきの試合は、俺の流れ通りに距離を詰められたのでこの動きはしなかったが、相手が動きを変えるのであれば、俺もそれに合わせて派生系の動きに変えればいいだけだ。
円運動をしながら、再びハンドアックスを投げつける。狙いは右足首。動きを止めるか、切り返させるのが目的だ。だが、1戦目の詰み方を学んでいる人造ゴーレムは、俺の誘いには乗らずに右へ移動し続け、円運動の速度が加速していく。
正直このままだと追いつかれるのは目に見えてる。そうなれば負けは必至である。
その想定をしている俺は、次なる武器を取り出す。
僅か5メートルの距離で取り出したのは……弓だ。それも、魔導弓と呼ばれる、人造ゴーレムに初めて見せる武器。初見の武器で意表を突くつもりは無く、その攻撃方法で意表を突くつもりだったのだ。
この魔導弓は、魔力を込めれば込めるほど、矢の太さや数を増やせるという、かなりチートな性能を持っている弓だ。
俺のように、魔力の余っている人間でないと使えないので、この武器を渡したから、すぐに強くなれる人間はそう多くない。魔力も多く弓の扱いにも長けている必要があるからな。
俺は太い矢ではなく、拡散するように矢を撃ちだす。狙いは、偏差射撃でそのまま移動を続ければ、回避しようのない矢の雨にツッコむことになる。
さすがに人造ゴーレムも、その矢の中に入ることは良しとせず、強引に動きを止めた。切り返しではなく止まるか……これなら、俺の攻撃に対して、左へ躱す方法がとれるもんな。
だけど甘いんだな。それならもう1度矢を撃つだけだ。狙いは足を薙ぐような、低い位置に扇状に広がる矢を放つ。この弓、かなり便利だな。イメージに合わせて矢を放てるのは、魔法に似ているし、弓のスキルがあるので自由自在だな。
この際の回避方法は、上に飛ぶ。方向は何処でもいいが、上に移動しなければ、物理的に足が削れることを意味するほどの弾幕だ。
人造ゴーレムはそんなことないが、人間の体と同じ強度として考えさせているので、回避しない選択肢はない。そして魔法の矢なので、全部叩き落とすのは難しいであろう。
人造ゴーレムは、俺の予想通りに上に飛ぶ。その方向は、距離をとるのではなく距離を詰めてきた。
俺の武器の性能を考えれば、距離を詰めるしかないよな。動きをとれない空中で、全身を狙う矢を回避する術がないから、距離を詰めて矢を放たれないようにする必要があるのだ。
その選択肢は間違っていないが、俺の武器が弓のままならな。
そもそも、追撃に使う武器はハンドアックスだ。
重さと遠心力による強化が強いので、速度は矢に比べれば圧倒的に遅いが、逃げられない状況であれば、こっちを全力で投げる方が強い。
人造ゴーレムがとれる行動は、鉄鞭による弾きだな。
矢なら、最悪体を小さくして、受ける体勢をすれば、急所を避け被害を手足だけで済ませられる。魔法矢なので、当たれば霧散するから、ポーションを飲めば何とかなる……という認識だっただろうが、考えを欺けただろう。
双鉄鞭を振りかぶり、ハンドアックスを何とか弾き落とした。
だけどその隙をついて俺は、武器を大薙刀に持ち替えて、下から切り上げるように武器を動かす。
双鉄鞭で防ごうとするが、さすがに強度が足りず双鉄鞭を、俺の大薙刀が砕く。
武器を砕かれた人造ゴーレムは、その時点で降参の意思を示す。
こいつも性能が良くなったもんだな。自分が勝てないと思ったらすぐに降参した。
今までは壊れるまで戦っていたが、俺のお願いを調整するついでにバザールが、この仕草を教え込んでいたのだろう。初めて見る行動だったので、警戒していたがバザールが試合終了を告げたので、戦いが終わった事を理解した。
ふぅ、誘導しているとはいえ、高速で思考しているので思ったより疲れる。条件反射でできるようになれば負担は減って、精度が上がっていくと思うが、今はまだ俺はその域に達してないからな……
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