ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
2,112 / 2,518

第2112話 お酒の飲み方って重要

しおりを挟む
 ミリーたちは、お風呂から上がったあとに、しっかりと水分を補給してから、またお酒を飲みだした。カエデとリンドは、よくドワーフたちと飲んでいるので気にならないが、ミリーのお酒の量が増えてる気がするんだよな。

 そこら辺どうなの、ブラウニーさんやい。

「ミリー様の最近のお酒の量ですか? 確かに、昔と比べれば飲むようになりましたが、ご主人様が思っているより飲まれていませんよ。お酒の席に長くいるから、そつ思うのかもしれませんね」

 どうやら、お酒の席によくいるだけで、俺が心配しているほど飲んでるわけじゃないみたいだ。

 ミリーとリンドは、ドワーフなのでブラウニーたちも気にしていないようだな。よく飲んでるってことくらいしか、知らないみたいだ。あの種族は、お酒で気にすることと言えば、懐具合だけと言う、ただの飲兵衛だからな。

 ミリーに問題がないのなら、気にしなくてもいいだろう。あっ、一応おつまみは塩分控えめで頼むな。あの3人は、天ぷらを塩でばくばく食べてたし、お風呂前も味の濃いものだったから、よろしくね。

 俺もなんか飲むかな?

 1人で飲みたい気分だから、屋上に持ってきてもらっていいか? 俺のおつまみはお任せでお願いしていいかな? 

 そうお願いすると、俺は屋上に行くと声をかけ、ダマだけ抱き抱えて屋上に向かう。ダマは嫌がるだけ無駄だと思い、脱力して抵抗するが、それが成功するのは、シンラたちくらいだぞ。

 レベルが50を越えれば、脱力した所で全く関係無いんだよね。お前にも好物を持ってきてもらえるから、近くにいるだけでいいんだから、そこにいろって。近くにいなかったら、妻たちに怒られんぞ。

 特等席に俺の好きな椅子を置いて、ダマを足下に座らせて希望のあった飲み物の、イチゴオレを器に注ぐ。普通ならチロチロと舐めていると温まるが、クリエイトゴーレムで保温できる、最高級の器を使っているので問題ない。

 ブラウニーが運んで来てくれるかと思ったら、ミドリが運んできてくれた。運んできたと言っても、手には何も持たずに全部、スキルの中に入れてるから、何を持ってきてくれたのか、現時点では分からないんだよね。

 量は飲むつもりはなかったので、それ以外はお任せにした。

 おつまみとして出されたのは、イカの一夜干しとカマンベールチーズだった。組み合わせ的にどうなんだ? それと、塩分が多いと思うんだが、そこら辺はどうなんだ?

「ご主人様であれば、問題ないですね。運動もしっかりしていますので、こな程度は誤差の範囲です。ご主人様のお好きな、七味マヨネーズも準備していますよ。カマンベールチーズは、今日の夕食に合わせて、天ぷらにしています」

 チーズの天ぷらって、聞いたことあるけど食べたことはないな。少しつまむくらいでいいから、2個くらいでいいぞ。でも、干しイカは多めにお願い。

 うちは、酒飲みの家系じゃないから、酒のことはよく分からんが、何故かおつまみ系の食べ物は何故かあって、好きだったんだよね。燻製イカとか美味しいから、ついつい食べちゃうんだよね。

 自分だけじゃないと思うけど、ちょこっと食べられる好きなものって、気付いたら再現たべてしまうことってないか? 特別好きじゃなくても、素朴な味とかでもパクパク食べてしまうよね。芋ケンピとか、干しいもとかついつい食べちゃうね。

 干しいもでも、柔らかくて甘い高級品っぽいのではなく、ちょっと緑とか茶色っぽくて、周りに白い粉がついている、昔ながらのイメージの干しいもって、気付いたら口に運んでるんだよな。

 そういえば、干しいもの白い粉って、小麦粉とか片栗粉じゃなくて、糖分が結晶化した物なんだってね。勝った時は付いてなくても、ちょっと置いとくと白くなって、カビかと思ったこともあるけど、日本にいたときは体に害はないって教わったっけな。

 麹菌みたいな、体に入れても平気な何かだと思ってたけど、この世界に来てブラウニーたちが、製法を学び詳しく知ったおかげで教えてもらった知識だ。

 ちなみに、麹菌はカビの一種だけど、身体に害のある、毒を生み出す菌ではないので、摂取しても問題がないのだ。もっと言えば、消化の手伝いなどをしてくれる、有益な菌らしいぞ。

 天ぷらは熱いうちが美味しいので、2ピースのカマンベールの天ぷらが出てきた。あわせるのは、ワインだとさ。俺、ほとんど飲んだこと無いけど、チーズとワインって本当に美味しいのか?

「こちらは、作りたての赤ワインです。ワインとしては未熟ですが、風味が強く出ているので、チーズによくあいますよ」

 出されたワインの香りを感じながら口に含む。渋みは強いが鼻を抜ける香りは、驚くほどだった。ワインって、こういう楽しみ方もあるんだな。ドワーフたちが好き好んで飲む酒ではなさそうだ。あいつらは、ワインではなく蒸留した、酒精の強いブランデーの方が好きなんだよな。

 量と質(高アルコール度数)が重要なんだと、前に聞いたことがあるな。

 チーズを口に含んでからワインを飲むと……味わいが変わった。俺の語彙力では表現できないが、美味しい組み合わせだった。

 俺が天ぷらを食べている間に、一夜干しのイカが炙られて出てきた。七味マヨネーズと一緒に!

 切り分けられているので、一切れつまんでつけてから口に入れる。問題なく美味い。

 一緒に出されたのは、冷酒だった。アルコール度数は違うのに、すごく飲みやすいな。熱燗をミリーたちと飲んだことあるが、あれはアルコールが強い! と感じたんだよな。揮発しているアルコールが、きつく感じさせるのかね?

 冷酒は飲みすぎそうで駄目だな。こっそりと出された干しいものせいで、また冷酒が進んでしまう……無限ループがヤバいな。

「ご主人様、今日はこの辺にしておきましょう。少しペースが早かったのか、すごく眠そうな表情をされていますよ。それと、ミリー様たちがお迎えに来てます」

 3人で飲んでいたはずのミリーたちが、屋上に迎えに来てくれたようだ。この程度の量で歩けなくなるようなことは無いが、少しフワフワしていた気分がいいな。これも美味しいお酒が飲めたからだろう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ
ファンタジー
 地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。  そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。  できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!! 第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...