ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
2,102 / 2,518

第2102話 よくあるシュウのPON

しおりを挟む
 1時間ほど相手をすると、シンラも満足しているようなので、俺は仕事に行きますかね。

 まぁ、満足しているシンラだが、実際にやった事といえば、ミット打ちを2~3分だけで後は姉たちの後姿を見ながら、プラムとシオンと一緒に手足をワチャワチャさせていただけだけどな。

 いつもと違う体の動かし方をしたシンラたちは、運動の後にはウトウトとし始めていたので、今日の見守りの妻たちが3人を回収して、ベッドで寝かしつけてくれるだろう。起きたらお風呂かな?

 ミーシャたちはシンラたちとは違って、真剣に体を動かしているので、結構汗をかいているようなので、シャワーを浴びに行くようだ。俺も誘われたが、橋を作るのに汗をかいたりするので、お誘いは辞退して仕事へ向かうことにした。

 お供は聖獣たちだけだな。グレンも落ち着いて、ニコたちスライムも関わった全員で謝りにきたそうだ。謝らない選択肢はなかったからな。さすがのスライムたちでも、今回はしっかり謝ったか。

 さて、一度に作るのも悪くないけど、無駄に疲れるからのんびりと1つずつ作っていくことにした。

 ん~、土木組に教えたやり方で行こうかな。

「シエル、大きい姿に戻って水の上に浮いてくれ。その上に乗って作業するから、潜るのだけは止めてくれな」

 俺の指示に従って、シエルは大きくなって気持ちよさそうに水の上に浮いている。その上に俺とダマが飛び乗り、レオは少しだけ体を大きくして、ウミヘビみたいに水堀の中を泳ぎ始めた。グレンは俺の肩に乗って、作業を見守るつもりらしい。

 シエルの位置が悪かったので、少し移動するようにお願いする。

 さて、まずは基礎を作る場所に筒を作り、中の水を抜く。そのまま飛び降りて、浸水してくる部分を埋めて……足元を一気に固める。ソナーを作成した基礎にかけると……うん、問題なさそうだな。

「あ~、失敗した……先に鉄の棒を埋めておくんだったな。せっかく省エネで頑張ろうかと思ったのに……」

 固めた基礎に魔法で干渉して、鉄の棒を基礎に打ち込んでいく。ちょっと消費したけど、仕方がないな。適当にやったのがバレるな……

『主殿、本気で魔法を使えば、基礎に埋め込む鉄の棒はいらなかったのでは?』

「そっちも考えたんだけど、そっちの方が魔力を余計に消耗するから、今回はこの方法にしたんだよ」

 ダマはそれで納得してくれたようだ。面倒で説明していなかったが、俺の魔法だけで鉄の棒を入れなで作ると、後で整備する人の力量次第では、干渉できなくなってしまうんだとか。俺もそうだけど、綾乃とバザールも同じみたいだな。

 土木組が本気でやっても、一般的な魔法使いでは無理だが、土魔法に精通していれば問題ないらしい。この違いはイメージの差だと考えている。まぁ魔力も影響していると思うけどね。

 一気に作るとそこらへんも関係して、干渉できるように整備するのも面倒だったりするんだよな。

 さて、次に行くぞ!

『橋脚は作らないんですか?』

「橋脚より、基礎の部分に鉄の棒が入っているかが、今回のみそになるんだって。干渉できるレベルまで力を落とすと、どうしても基礎の部分とこの鉄の棒がないと、橋が壊れやすくなるみたいなんだってさ。俺は分からんけど、リンドがそういうから理由があるとおもうぞ」

 ダマは納得したようなしないような表情を器用に作っていた。

 必要分の基礎を作ったところで、拠点のある島へ向かい、そこから橋を作っていく。

 橋脚が無くても基礎を俺の魔法で作っているから、マーカーの代わりになり、そこを起点に自分の位置とつなげて、橋を作り上げていく。土木組の作る橋と似たような造りにしないと、整備が面倒になるから、レンガを繋げるイメージで橋を作っていく。

『1つ疑問に感じていたのですが、難民の街を作った後に反乱があったら鎮圧した後、駐屯地を全部水堀にするのではなかったですか?』

 …………

 そういえば駐屯地って鎮圧が終わったら、全部解体して水堀を広くするって話じゃなかったっけ?

 ダマに言われて、この場所の最終的な利用方法を思い出した……

「長引くかもしれないし、念には念を入れて作ってるだけだよ」

『……そうかもしれないけど、橋のメンテナンスが必要になるほど、長い間軍隊を駐留させるんですか? 橋のメンテナンスが必要になるのは、定期確認でも1年以上は先ではないですか? 本格的なメンテナンスは、下手すれば10年とか先ではないでしょうか?』

 確かに、メンテナンスの事を考えていたけど、必要になる時期までここに軍が駐留するわけないな。それにダマの言う通り、駐留する軍隊がいなくなれば崩すつもりだったな……

 これだけ話しているのに誰も気付いてないのは、みんなも失念しているだけなのだろうか?

 今日の仕事をすべて終わらせてから拠点に戻る。

 既にリンドもカエデも戻ってきており、今日の反省会のようなことをしていた。初めは、反省会かと思ったが、魔法の効率的な使い方をするために、基礎知識を教えているような感じだろうか? 仕事が終わった後なのに、勉強熱心なことで……

「シュウ君、実戦で学んだことを、きちんとした知識として身に着けるために、あの子たちは勉強しているのよ。今までは、基礎を叩き込んで、実戦を繰り返してあそこまで成長したけど、ここから先はしっかりとした技術と知識が必要なんだってさ」

「そういう事なんだ。俺はにわか知識に、適当に参考書を読んだだけだから、あまり実感がないんだけど、やっぱり知識って必要なんだな」

「シュウ君や綾乃さん、バザールは、この世界の常識では計り切れないわね。専門的な勉強をしてないのに、この世界の専門家より知識があるんだか恐ろしいわよ」

 そんなもんかね。地球の専門家なんて、俺たちと比較にならないほどの知識だぞ。一歩前の学生だって、ありえないくらい知識があるんだぞ。

 昼間に気付いたことを、ミリーに聞いてみた。

「え? 気付いてなかったの?」

 あ~、俺が分かってて今回の話を進めていたと思っていた感じ? 誰も指摘しなかったのは、俺が分かってて話を進めている物だと思っていたらしい……
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

俺だけ展開できる聖域《ワークショップ》~ガチャで手に入れたスキルで美少女達を救う配信がバズってしまい、追放した奴らへざまあして人生大逆転~

椿紅颯
ファンタジー
鍛誠 一心(たんせい いっしん)は、生ける伝説に憧憬の念を抱く駆け出しの鍛冶師である。 探索者となり、同時期に新米探索者になったメンバーとパーティを組んで2カ月が経過したそんなある日、追放宣言を言い放たれてしまった。 このことからショックを受けてしまうも、生活するために受付嬢の幼馴染に相談すると「自らの価値を高めるためにはスキルガチャを回してみるのはどうか」、という提案を受け、更にはそのスキルが希少性のあるものであれば"配信者"として活動するのもいいのではと助言をされた。 自身の戦闘力が低いことからパーティを追放されてしまったことから、一か八かで全て実行に移す。 ガチャを回した結果、【聖域】という性能はそこそこであったが見た目は派手な方のスキルを手に入れる。 しかし、スキルの使い方は自分で模索するしかなかった。 その後、試行錯誤している時にダンジョンで少女達を助けることになるのだが……その少女達は、まさかの配信者であり芸能人であることを後々から知ることに。 まだまだ驚愕的な事実があり、なんとその少女達は自身の配信チャンネルで配信をしていた! そして、その美少女達とパーティを組むことにも! パーティを追放され、戦闘力もほとんどない鍛冶師がひょんなことから有名になり、間接的に元パーティメンバーをざまあしつつ躍進を繰り広げていく! 泥臭く努力もしつつ、実はチート級なスキルを是非ご覧ください!

無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった

さくらはい
ファンタジー
 主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ―― 【不定期更新】 1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。 性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。 良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。

異世界召喚されたと思ったら何故か神界にいて神になりました

璃音
ファンタジー
 主人公の音無 優はごく普通の高校生だった。ある日を境に優の人生が大きく変わることになる。なんと、優たちのクラスが異世界召喚されたのだ。だが、何故か優だけか違う場所にいた。その場所はなんと神界だった。優は神界で少しの間修行をすることに決めその後にクラスのみんなと合流することにした。 果たして優は地球ではない世界でどのように生きていくのか!?  これは、主人公の優が人間を辞め召喚された世界で出会う人達と問題を解決しつつ自由気ままに生活して行くお話。  

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう

果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。 名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。 日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。 ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。 この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。 しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて―― しかも、その一部始終は生放送されていて――!? 《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》 《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》 SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!? 暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する! ※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。 ※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。

処理中です...