ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2097話 午後の作業開始だぜ!

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 午後の作業が始まる前に、バザールと綾乃に連絡を入れると、5分もしないうちに拠点に設置したゲートから現れた。ゲートはあまり使わないようにしていたのに、最近ゴリゴリに使ってるな。

「いいんじゃないかしら。シュウ君が無くした地球関係の物と引き換えに、得た能力なんだから遠慮せずに使っていいと思うわよ。あの神様だって、自由に能力を使っても問題ないって言ってたしね」

「問題ないかもしれないけどさ、チビ神がいうと信用ならないんだよな……」

「シュウ君に関しては、この世界に来た理由が理由だからね。信用できないのも仕方がないよね。でも、私たちは、すごく感謝しているんだよ。特に加護は、凄い助かっているんだよね。回復魔法も使いやすいし、子どもたちの健康も保障されているされているからね」

 ミリーの話を聞いて俺は、チビ神が家族に加護を与えているを思い出した。俺にもありがた迷惑な加護があったな……妻限定で性欲増大ってなんだよ。確かにたくさんいるから、助かってはいるけど……そのせいで、搾り取られることがあるんだよな。

 妻たちは元々、夜の営みに関しては積極的な傾向があるし、妻が多いから俺は毎日だったとしても、妻たちから見れば1週間に1回とか回数が違うから、どうしても1回1回が積極的になるんは、仕方がないんだろうな。

 子どもたちが生まれた時は、子どもたちの事が中心になるから、一時的に落ち着くんだけど……子どもたちが大きくなってくると、次第に積極性が強くなるんだよな。ミーシャたちとプラムたちの事を考えると、そろそろ次ができそうなきがするんだよな。

 どれだけ子どもが増えても、全員を一人前になるまで育てることは出来るから、どれくらい増えてもいいけど……妻たちが全員2人子どもを産むとしたら、子どもが50人超える事になるよな……

 あれ? そう考えると、かつて地球の王様なんかで言えば、長くても6~70年の寿命の中で、100人とか作っている人がいたっけな? そう考えれば、実質寿命が無くなった俺たちは、50人ほどなら多いとは言えないかな?

 何度か綾乃とバザールにツッコまれるが、無視して俺たちの担当エリアへ向かった。

 移動方法は、指向性のエアバースト。いわゆる、圧縮空気による人間大砲みたいなもので移動した。肉体活性をすれば、この程度の距離なら問題なく飛ぶことができる。綾乃は、戦闘能力は皆無だが、魔法やスキルの扱いは上手いので、問題なく移動できた。

 綾乃は、久しぶりの仕事! と言って、テンション高めだが……素材生み出すのだって、人造ゴーレムを作るのだって、色々開発するのだって、趣味の延長上が仕事になっているんだけどな。本人は、仕事の意識がなかったのかね。

 兵士たちが野営の作業を始めるのは、中心となるエリアからだから、レイリーの滞在する上級士官のエリアと、調理場のあるエリアだから、そこから始めるのだろう。

「さて、俺たちも遊んでないで、仕事しますかね。作業を開始するのは、壁側から中心に向かって行く感じでいいかな?」

「了解でござる。では、まず初めに某が「口動かす前に、さっさと穴を空けてよ」……了解でござる」

 綾乃にツッコまれて、自分の作業を開始したバザール。

 俺は、設計図というか地図を広げて、スライム層を作る範囲を改めて確認する。

 街の下に作っているスライム層……地下下水は、街の地下全体に作っているが、ここでは必要な場所に必要な分だけ作るので、しっかりと確認する必要がある。一応慎重になる理由があって、壁の方まで広く作ってしまうと、地下からの襲撃を許してしまう可能性があるのだ。

 今回は難民の対応だが、そこに間者がいて土魔法が使える人間が、数人いれば壁を越えられるからな。俺がこの世界に来て、土魔法の有効性を知らしめてしまったので、最近は増えてきているみたいなんだよな。

 一応壁には対策をしているが、それでも壁の下でいえば、10メートルほどまでしか対策をしてないからな。理論だけで言えば、10メートルまで掘れる魔法使いがいるなら、実質いくら深くまで対応しても時間をかければ超えてこれる。

 もっと実力があるなら、クリエイトゴーレムで作っている壁以外なら、対策をしていてもこじ開けることができるんだよね。クリエイトゴーレムを使っていても、レベルが500を超えてくると、壊すことが可能だな。後は、魔法を無効にするような武器は、クリエイトゴーレムの天敵だな。

 そんなこともあるから、相手が有利にならないように、余り壁の近くまではスライム層を作らないつもりだ。壁側と言っていたが、壁からは……30メートルは離れている。これなら、壁を越して地上に向かう道を作る方が楽だからな。

 バザールが作業をしている間に、俺は地上を歩いてスライムエリアの範囲が分かるように、マーカーを打ち込んでおく。クリエイトゴーレムをかけた、ただ鉄の棒だけど、簡単に探知できるように魔力を放出させているので、マーカーの役割を果たしてくれる。

 難民たちに場所を提供する街には、どうやって対応するべきだろうか……いっそのこと、壁の中にアダマンタイトの板とか棒を埋め込むか? 加工が難し過ぎて未だに完成品でなければ、破格の安さで買えるから、こういうのに使うのはありかもな。

 よし、マーキング終了。

 バザールの作った穴に入ると、綾乃が作業を始めていた。バザールは、後ろから綾乃の作業を見ている。めっちゃ違和感がある……何がそう感じさせているのか分からずに、しばらく見守って気付いた。

「掘った土は、どこにいってるんだ? 周囲を固めるのに使っていると言っても、さすがに全部無くなってるのはおかしくないか?」

 バザールに質問をした。

「綾乃殿は魔法を改良して、地下を掘る時に便利なように、範囲内の土をすべて周囲の強化に使えるようにしたでござるよ。某たちが今まで使ってきた土魔法とは、使い方が違うみたいでござるな。さっき説明されたでござるが、よく理解できなかったでござる」

 綾乃は、知らない間にかなりすごい魔法を作り出していたみたいだ。

 俺も試したことがあるけど、小さな穴なら可能でもここまで広い空間となると、絶対に余る土が出てくる。それを収納の腕輪や箱を使って、外に運び出すのだが……綾乃の魔法は、その過程を必要としなくなっていたのだ。

 綾乃の魔力が尽きたら、教えてもらうかな。
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