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第2020話 勇者の結末
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子どもたちと一緒に植物の勉強をした後、しなければならない事を思い出した。
製薬系のスキルを持っている勇者をできる限り早めに処分しておきたかったのだ。裏切ったわけではなく、捕虜になり尋問を受けている状態なので、敵側の神たちに内情がバレてしまう可能性があるのだ。
勇者でも、裏切ってダンジョンマスター側についた場合は、神たちが自由にのぞき見ができなくなるのだ。ルールは良く分かっていないが、チビ神の話では、所属した神側の許可が無ければ、ダンジョンバトルでもない限り、自由に覗くことは出来ないとか言っていた。
ダンジョンマスターが勇者についた場合は……どうなるのか知らないが、おそらく同じような許可制なのだろう。
情報を抜かれないためにも、早めに処分することが必要だな。隔離しているのが、専用に準備したマイワールド内なので、もし夢幻爆弾を使われても被害は無い。尋問する際も、遠隔操作できるドッペルを使ってたしな。生身で移動したと思っていたが、憑依するために移動していただけっぽい。
生身のまま行こうとしていた俺は、それは止められるわけだわ。
夢幻爆弾を使う隙も無く殺せるように、色々仕掛けないといけないから、さっさと準備しに行きますかね。
一応、バザールと綾乃に声をかけると、2人とも一緒に準備してくれるとのことで、指令室で落ち合うことにした。
「よし、全員揃ったな。えっと、バザールは、スケルトンを操作して参加する形だよな?」
「そうでござる。数が必要かもしれないでござるから、S級を10体と強化したスケルトンを40体連れてきたでござるよ」
「必要な物が増えたら、バザールに召喚してもらって、スケルトンに運んでもらえばいいか。綾乃と俺は、憑依してから向かうぞ」
指令室には憑依用のベッドも椅子もなかったのだが、綾乃が改良してリクライニングシートで、ベッドと同じ効果を発揮する物を作ってくれていた。
それに座り、憑依中の筋力低下防止をセットして、意識を移す。
「何度やっても、意識移す瞬間は変な感じがするな……慣れないな」
「シュウは、神経質なんじゃない? 確かに変な感じはするけど、言うほど気持ち悪いわけじゃないし、気にしすぎだと思うわよ。そこの骨、拘束用に使う金属を運び込んどいて」
「スキルを見る感じ、クリエイトゴーレムでガチガチに拘束するのか?」
「シュウから話を聞いてすぐに考えたんだけど、全身を隙間なく金属で被って、呼吸が出来る穴と、武器を刺し込めば殺せる状態にしようかと思ってね。直接殺さないと神授のスキルはゲットできないから、どうしても人の手が必要になるけど、その負担を最大限減らす工夫を見つけたのよ」
なんとなく、言わんとしていることは分かる。俺も同じようなことをしようとしていたしな。だけど、俺とはちょっと違う感じだな。
同じように拘束して、首を飛ばすのに斧を使うようなことを考えていた。処刑用の落とすギロチンでは、スキルが移らなかったらしく、武器を直接持っていることが条件だと聞いていたので、斧はどうかと考えていた。
スキルに関しては、質の悪い勇者がいて、排除要請が冒険者ギルドに出たらしく、スカルズのみんなが受諾して、捕らえてきてくれた勇者を使って、いくつか実験した時に判明した事実だ。
俺の知らない所で行われていたから、少しヒヤッとしたが、死刑囚を使って実験していたようで、捕らえた時のスカルズは危険だったが、それ以外では危険を冒していないと言っていた。
勇者が捕らえられているマイワールドにやってきた。
「ん~、やっぱり変だと思うんだけど、これってどうなの?」
綾乃は、尋問したときにも来ているのだが、ここの様子を見て首を傾げている。
目の前には、豆腐建築のレンガ造りで、中には牢屋が1つだけの造りだ。中からは、独立した牢屋が複数あるように感じるが、実際は草原にポツンと建物があるだけなのだ。
「壊される危険があるから、無駄にDPを使う必要は無いかなって思ってる。同じようなマイワールドがいくつもあるんだから、今更じゃないか?」
ほとんど使われることは無いが、危険な人物だったり、危険な魔法が使える人間はここに閉じ込めている。勇者は、神が関わっていると夢幻爆弾を使われる可能性があるので、強制的にここに入れている。暗部はそれを覚えていたけど、俺はすっかり忘れていて怒られたけどな。
綾乃は微妙な顔をしながら、バザールに指示を出して金属を運ばせている。かなりの量を持ち込んでいるな。鉄のインゴットで大体、200個近くはあるんじゃないだろうか? DPで召喚した物なので、お金はかかっていない。豆腐建築の牢屋よりは、多少高くついたかな?
綾乃の前に連れてこられた勇者に、鉄のインゴットをクリエイトゴーレムで纏わせていく。薬で眠らされている勇者の体は、見る見るうちに金属の塊に包まれていく。でも、クリエイトゴーレムをした後の鉄が、若干色が違うのは何でだ?
「それはね、これも一緒に混ぜているからよ」
そう言って俺の前に差し出されたのは、黒い塊だった。なんだこれ?
「カーボンとその他いろいろよ。まぁ、鋼ってことよ」
クリエイトゴーレムで合金にして鋼を作っていたのな。だから少し色が違う感じがするのか。
「色が変な風に見えるのは、磨いてないからよ。表面がザラザラしているから、黒っぽく見えるの。ちょっと待ってて」
そう言って、勇者にまとわりついていた金属に触れてクリエイトゴーレムを使った。そうすると、見る見るうちに表面がキレイな銀色に変わっていく。
「この通り、削って磨くことによって、キレイな色になるみたいね。手作業じゃこう上手くはいかないけど、魔法だと何でもありよね。何でこうなるか、未だに理解できないわ」
魔法で削って磨くイメージをすると、ああいう風になるらしい。全然意味が分からん。
20分もすると大きな直方体の塊が出来上がる。口の部分に呼吸用の穴、首に当たる部分に武器を刺し込む細長い穴が開いていた。武器で首を切断できるように長く作られている。
綾乃の指示に従って、首を切断するための武器を作成する。武器と言っていいのか謎だが、刃の形はギロチンを短くして穴に合わせた感じで、ロープが付くであろう場所にT字の棒が付けられている。
それを綾乃の作ったパーツに乗せると、T字の棒を押し込むだけで首が切断できる状態になる。
「なるほどね。こういうことか。確かにこれなら負担は少ないかな。首を切断する感触は残るけど、それ以外は見なくて済むわけだ」
血も見なくていいように、隙間を作って金属の塊の中に作った隙間に流れるようにしているらしい。至れり尽くせりだな。
押し込む棒の前にゲートを作り、押し込んだ後にすぐに退避できるようにした。
ネルを呼び切断を実行させ、神授のスキルが移った事を確認する。
製薬系のスキルを持っている勇者をできる限り早めに処分しておきたかったのだ。裏切ったわけではなく、捕虜になり尋問を受けている状態なので、敵側の神たちに内情がバレてしまう可能性があるのだ。
勇者でも、裏切ってダンジョンマスター側についた場合は、神たちが自由にのぞき見ができなくなるのだ。ルールは良く分かっていないが、チビ神の話では、所属した神側の許可が無ければ、ダンジョンバトルでもない限り、自由に覗くことは出来ないとか言っていた。
ダンジョンマスターが勇者についた場合は……どうなるのか知らないが、おそらく同じような許可制なのだろう。
情報を抜かれないためにも、早めに処分することが必要だな。隔離しているのが、専用に準備したマイワールド内なので、もし夢幻爆弾を使われても被害は無い。尋問する際も、遠隔操作できるドッペルを使ってたしな。生身で移動したと思っていたが、憑依するために移動していただけっぽい。
生身のまま行こうとしていた俺は、それは止められるわけだわ。
夢幻爆弾を使う隙も無く殺せるように、色々仕掛けないといけないから、さっさと準備しに行きますかね。
一応、バザールと綾乃に声をかけると、2人とも一緒に準備してくれるとのことで、指令室で落ち合うことにした。
「よし、全員揃ったな。えっと、バザールは、スケルトンを操作して参加する形だよな?」
「そうでござる。数が必要かもしれないでござるから、S級を10体と強化したスケルトンを40体連れてきたでござるよ」
「必要な物が増えたら、バザールに召喚してもらって、スケルトンに運んでもらえばいいか。綾乃と俺は、憑依してから向かうぞ」
指令室には憑依用のベッドも椅子もなかったのだが、綾乃が改良してリクライニングシートで、ベッドと同じ効果を発揮する物を作ってくれていた。
それに座り、憑依中の筋力低下防止をセットして、意識を移す。
「何度やっても、意識移す瞬間は変な感じがするな……慣れないな」
「シュウは、神経質なんじゃない? 確かに変な感じはするけど、言うほど気持ち悪いわけじゃないし、気にしすぎだと思うわよ。そこの骨、拘束用に使う金属を運び込んどいて」
「スキルを見る感じ、クリエイトゴーレムでガチガチに拘束するのか?」
「シュウから話を聞いてすぐに考えたんだけど、全身を隙間なく金属で被って、呼吸が出来る穴と、武器を刺し込めば殺せる状態にしようかと思ってね。直接殺さないと神授のスキルはゲットできないから、どうしても人の手が必要になるけど、その負担を最大限減らす工夫を見つけたのよ」
なんとなく、言わんとしていることは分かる。俺も同じようなことをしようとしていたしな。だけど、俺とはちょっと違う感じだな。
同じように拘束して、首を飛ばすのに斧を使うようなことを考えていた。処刑用の落とすギロチンでは、スキルが移らなかったらしく、武器を直接持っていることが条件だと聞いていたので、斧はどうかと考えていた。
スキルに関しては、質の悪い勇者がいて、排除要請が冒険者ギルドに出たらしく、スカルズのみんなが受諾して、捕らえてきてくれた勇者を使って、いくつか実験した時に判明した事実だ。
俺の知らない所で行われていたから、少しヒヤッとしたが、死刑囚を使って実験していたようで、捕らえた時のスカルズは危険だったが、それ以外では危険を冒していないと言っていた。
勇者が捕らえられているマイワールドにやってきた。
「ん~、やっぱり変だと思うんだけど、これってどうなの?」
綾乃は、尋問したときにも来ているのだが、ここの様子を見て首を傾げている。
目の前には、豆腐建築のレンガ造りで、中には牢屋が1つだけの造りだ。中からは、独立した牢屋が複数あるように感じるが、実際は草原にポツンと建物があるだけなのだ。
「壊される危険があるから、無駄にDPを使う必要は無いかなって思ってる。同じようなマイワールドがいくつもあるんだから、今更じゃないか?」
ほとんど使われることは無いが、危険な人物だったり、危険な魔法が使える人間はここに閉じ込めている。勇者は、神が関わっていると夢幻爆弾を使われる可能性があるので、強制的にここに入れている。暗部はそれを覚えていたけど、俺はすっかり忘れていて怒られたけどな。
綾乃は微妙な顔をしながら、バザールに指示を出して金属を運ばせている。かなりの量を持ち込んでいるな。鉄のインゴットで大体、200個近くはあるんじゃないだろうか? DPで召喚した物なので、お金はかかっていない。豆腐建築の牢屋よりは、多少高くついたかな?
綾乃の前に連れてこられた勇者に、鉄のインゴットをクリエイトゴーレムで纏わせていく。薬で眠らされている勇者の体は、見る見るうちに金属の塊に包まれていく。でも、クリエイトゴーレムをした後の鉄が、若干色が違うのは何でだ?
「それはね、これも一緒に混ぜているからよ」
そう言って俺の前に差し出されたのは、黒い塊だった。なんだこれ?
「カーボンとその他いろいろよ。まぁ、鋼ってことよ」
クリエイトゴーレムで合金にして鋼を作っていたのな。だから少し色が違う感じがするのか。
「色が変な風に見えるのは、磨いてないからよ。表面がザラザラしているから、黒っぽく見えるの。ちょっと待ってて」
そう言って、勇者にまとわりついていた金属に触れてクリエイトゴーレムを使った。そうすると、見る見るうちに表面がキレイな銀色に変わっていく。
「この通り、削って磨くことによって、キレイな色になるみたいね。手作業じゃこう上手くはいかないけど、魔法だと何でもありよね。何でこうなるか、未だに理解できないわ」
魔法で削って磨くイメージをすると、ああいう風になるらしい。全然意味が分からん。
20分もすると大きな直方体の塊が出来上がる。口の部分に呼吸用の穴、首に当たる部分に武器を刺し込む細長い穴が開いていた。武器で首を切断できるように長く作られている。
綾乃の指示に従って、首を切断するための武器を作成する。武器と言っていいのか謎だが、刃の形はギロチンを短くして穴に合わせた感じで、ロープが付くであろう場所にT字の棒が付けられている。
それを綾乃の作ったパーツに乗せると、T字の棒を押し込むだけで首が切断できる状態になる。
「なるほどね。こういうことか。確かにこれなら負担は少ないかな。首を切断する感触は残るけど、それ以外は見なくて済むわけだ」
血も見なくていいように、隙間を作って金属の塊の中に作った隙間に流れるようにしているらしい。至れり尽くせりだな。
押し込む棒の前にゲートを作り、押し込んだ後にすぐに退避できるようにした。
ネルを呼び切断を実行させ、神授のスキルが移った事を確認する。
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