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第1946話 早く帰りたい!
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6日目の俺たちの雰囲気は、殺伐としていた。ウル・綾乃・ロジーはまだ寝ているが、俺・ライガ・バザールは準備体操を始めている。
50人を殺せば、ウルたちを帰してあげられるので、俺のヤル気は天元突破しているといってもおかしくない。その殺る気が、この殺伐とした空気を生み出しているのだろう。
こうなることが分かっていたので、3人が起きる前に集まっているのだ。帰る方法が分かったので、ライガもバザールも俺の空気に当てられて、テンションをあげている。
バザールがここにいる理由は、ここにいない3人を可能な限り同時に送り返したいので、数を合わせるためにバザールも狩りに参加することになったのだ。サイレントアサシンを操って殺しても、カウントされないと考えて、本体で狩りに参加して散らばっていたサイレントアサシンを拠点の守りに使うことになった。
「新しく送り込まれてくるなら、人の少ないところだと思うけど、南東側は誰が行くか?」
「数を稼いでほしいのは、バザールさんじゃないですか。自分は鼻でお二方よりは敵を見つけやすいので、今の所一番数の少ないバザールさんを優先するのがいいのでは?」
「50になりそうだったら、連れ帰ってもらうことになるけど、それは問題ないよな?」
「了解でござる。本体で動いて拠点を守る分、2人のサポートは最低限になるでござるが、問題ないでござるか?」
「問題ない。情報共有といざって時の呼びかけに反応してくれれば、問題ないな」
「自分かシュウ様が、東と北ですかね。どちらに行きますか?」
「俺が北に行くよ。1人なら油断しないし、ライガより俺の方がああいったエリアは得意だろう。鼻があれば問題ないと思うけど、装備的に俺の方がまだましだからな。ライガは出来るだけ早く、数をこなしてくれ」
話し合いが終わり、綾乃を起こして伝言を残し、今まで以上に気合を入れて行動を開始する。
俺は、意識が研ぎ澄まされる感覚になる。昨日の油断もあり、気合を入れなおしたことも関係しているのか、体の隅々まで思い通りに動く感じがする。この感じ、久しぶりだな。妻たちと嫌々ながら本気の模擬戦をした時以来かな。
あの時は闇落ちみたいになりかけたけど、今回はただただ研ぎ澄まされているだけだ。
ジャングルの地面を走るのは、研ぎ澄まされていてもさすがに面倒なので、今日も木の枝を移動していく。昨日より早く移動しているのに、景色がゆっくりと流れている気がする。
30分も移動すると、昨日の残りか3人の人影を視界の端で捉えた。
進む方向を変え強襲をかける。
上から落下するように降りる最中にターゲット以外の2人に、麻痺ナイフを投げる。ターゲットに攻撃する前に、悲鳴が聞こえる。
驚いたターゲットは俺に対して無防備になり、首を切り落としナイフが刺さり麻痺した2人の心臓を突き刺し、息の根を止めた。
「ふ~、刀を作っておいてよかったな。持ち込めた武器や奪った武器では、こう上手くはいなかったな。間に合わせとはいえ、切れ味のいい武器を作ったのはナイス判断だったな」
刀から血を拭き取り、刃がかけていないか確認する。元の世界なら自動修復をかけるので、血をふき取るだけで問題ないのだが、頑丈に作ったとはいえ刃がかけていないか確認する。
「刀の方は問題なさそうだな。こいつらから得られそうな物は……なさそうだな」
そう考えて、ふと動きを止める。殺して荷物をあさるって、完璧に追い剥ぎの思考だな。帰るためには殺しを強要されているので、問題ないということにしておこう。
次の獲物を探して、移動を開始する。
今日は山のジャングルの中で5人、北へ超えた先の森で7人を仕留めた。
「お疲れさん。今日はどうだった?」
ライガとバザールに今日の成果を聞いた。2人も10人は殺したようで、このままのペースで進めば10日もあれば、全員帰れるな。
「そういえばさ、ここって山を中心に森があって、その外に草原がある感じかな? 西側が狭くて、東側が広い気がするけど、ライガは東の端までいけたか?」
「さすがに到着できていないですが、言われたように東側の方が広い感じがしますね。それと、森の中に開けた草原地帯をもう1つ発見しました。初めの方と同じで人がいた痕跡が所々にありましたね」
「某は、南に抜けて森の境界線上を東に移動したでござる。ライガ殿の外側を移動して、敵を探した感じでござるな」
「この世界って、森だけが生存圏みたいだな。動物は、ダンジョンの魔物みたいに、ドンドン補給されている感じだしな。動物を狩猟して、人間も狩猟する感じの舞台なのかね?」
「シュウ殿、それ以上考えても無駄でござる。神が考えている事なんて、某たちには分かるわけないでござる。人を50も殺せば帰れることが分かっただけ、十分でござろう」
バザールに言われた通りだな。神たちの考えなんて、俺たちが考えても分からんだろうな。
帰ったらチビ神のタブレットやノートパソコンのデータを、全部消してやるからな! 国民的アニメの破壊の言葉をオマージュして登録している。何故オマージュしたかと言えば、不意にチビ神があのアニメを真似て滅びの言葉、閉じよと唱えてしまったら、データが消えてしまうからな。
とはいえ、俺の声が直接天界に届くわけではないので、ちょっと工夫しないといけないんだけどな。俺の渡した機械は全部がリンクしているので、どれかにその言葉が登録されると全部からデータが飛ぶ仕様なんだよな。
チビ神のいい訳を聞いてから、タイミングを見計らって消すことを検討する。
帰れると分かったので、帰った後の事を考え始めている自分に、内心笑っている。
明日も同じコースで移動することが決まり、俺たちの懸念材料の1つのギリースーツの情報を聞くことにした。
バザールから緊急の連絡とかは無かったので、問題は起きていないのだろうが、気になるので情報は聞いておくにこしたことは無い。
奴は、あのスーツを脱ぐことはないのだが、匂いはほとんどしないらしい。アンデッドの嗅覚なので微妙にあてにならないが、俺たちが体を洗っても多少匂いを感じるのに、そいつからはほとんどにおわないのだとか。
深い眠りにつくことも無く、食事のために動物を狩り、保存食を作っているらしい。その匂いの方が強いから、本人の匂いが分かんないんじゃないかな?
とりあえず動いていないことに安心して、動きに注視はしておいてもらう。
50人を殺せば、ウルたちを帰してあげられるので、俺のヤル気は天元突破しているといってもおかしくない。その殺る気が、この殺伐とした空気を生み出しているのだろう。
こうなることが分かっていたので、3人が起きる前に集まっているのだ。帰る方法が分かったので、ライガもバザールも俺の空気に当てられて、テンションをあげている。
バザールがここにいる理由は、ここにいない3人を可能な限り同時に送り返したいので、数を合わせるためにバザールも狩りに参加することになったのだ。サイレントアサシンを操って殺しても、カウントされないと考えて、本体で狩りに参加して散らばっていたサイレントアサシンを拠点の守りに使うことになった。
「新しく送り込まれてくるなら、人の少ないところだと思うけど、南東側は誰が行くか?」
「数を稼いでほしいのは、バザールさんじゃないですか。自分は鼻でお二方よりは敵を見つけやすいので、今の所一番数の少ないバザールさんを優先するのがいいのでは?」
「50になりそうだったら、連れ帰ってもらうことになるけど、それは問題ないよな?」
「了解でござる。本体で動いて拠点を守る分、2人のサポートは最低限になるでござるが、問題ないでござるか?」
「問題ない。情報共有といざって時の呼びかけに反応してくれれば、問題ないな」
「自分かシュウ様が、東と北ですかね。どちらに行きますか?」
「俺が北に行くよ。1人なら油断しないし、ライガより俺の方がああいったエリアは得意だろう。鼻があれば問題ないと思うけど、装備的に俺の方がまだましだからな。ライガは出来るだけ早く、数をこなしてくれ」
話し合いが終わり、綾乃を起こして伝言を残し、今まで以上に気合を入れて行動を開始する。
俺は、意識が研ぎ澄まされる感覚になる。昨日の油断もあり、気合を入れなおしたことも関係しているのか、体の隅々まで思い通りに動く感じがする。この感じ、久しぶりだな。妻たちと嫌々ながら本気の模擬戦をした時以来かな。
あの時は闇落ちみたいになりかけたけど、今回はただただ研ぎ澄まされているだけだ。
ジャングルの地面を走るのは、研ぎ澄まされていてもさすがに面倒なので、今日も木の枝を移動していく。昨日より早く移動しているのに、景色がゆっくりと流れている気がする。
30分も移動すると、昨日の残りか3人の人影を視界の端で捉えた。
進む方向を変え強襲をかける。
上から落下するように降りる最中にターゲット以外の2人に、麻痺ナイフを投げる。ターゲットに攻撃する前に、悲鳴が聞こえる。
驚いたターゲットは俺に対して無防備になり、首を切り落としナイフが刺さり麻痺した2人の心臓を突き刺し、息の根を止めた。
「ふ~、刀を作っておいてよかったな。持ち込めた武器や奪った武器では、こう上手くはいなかったな。間に合わせとはいえ、切れ味のいい武器を作ったのはナイス判断だったな」
刀から血を拭き取り、刃がかけていないか確認する。元の世界なら自動修復をかけるので、血をふき取るだけで問題ないのだが、頑丈に作ったとはいえ刃がかけていないか確認する。
「刀の方は問題なさそうだな。こいつらから得られそうな物は……なさそうだな」
そう考えて、ふと動きを止める。殺して荷物をあさるって、完璧に追い剥ぎの思考だな。帰るためには殺しを強要されているので、問題ないということにしておこう。
次の獲物を探して、移動を開始する。
今日は山のジャングルの中で5人、北へ超えた先の森で7人を仕留めた。
「お疲れさん。今日はどうだった?」
ライガとバザールに今日の成果を聞いた。2人も10人は殺したようで、このままのペースで進めば10日もあれば、全員帰れるな。
「そういえばさ、ここって山を中心に森があって、その外に草原がある感じかな? 西側が狭くて、東側が広い気がするけど、ライガは東の端までいけたか?」
「さすがに到着できていないですが、言われたように東側の方が広い感じがしますね。それと、森の中に開けた草原地帯をもう1つ発見しました。初めの方と同じで人がいた痕跡が所々にありましたね」
「某は、南に抜けて森の境界線上を東に移動したでござる。ライガ殿の外側を移動して、敵を探した感じでござるな」
「この世界って、森だけが生存圏みたいだな。動物は、ダンジョンの魔物みたいに、ドンドン補給されている感じだしな。動物を狩猟して、人間も狩猟する感じの舞台なのかね?」
「シュウ殿、それ以上考えても無駄でござる。神が考えている事なんて、某たちには分かるわけないでござる。人を50も殺せば帰れることが分かっただけ、十分でござろう」
バザールに言われた通りだな。神たちの考えなんて、俺たちが考えても分からんだろうな。
帰ったらチビ神のタブレットやノートパソコンのデータを、全部消してやるからな! 国民的アニメの破壊の言葉をオマージュして登録している。何故オマージュしたかと言えば、不意にチビ神があのアニメを真似て滅びの言葉、閉じよと唱えてしまったら、データが消えてしまうからな。
とはいえ、俺の声が直接天界に届くわけではないので、ちょっと工夫しないといけないんだけどな。俺の渡した機械は全部がリンクしているので、どれかにその言葉が登録されると全部からデータが飛ぶ仕様なんだよな。
チビ神のいい訳を聞いてから、タイミングを見計らって消すことを検討する。
帰れると分かったので、帰った後の事を考え始めている自分に、内心笑っている。
明日も同じコースで移動することが決まり、俺たちの懸念材料の1つのギリースーツの情報を聞くことにした。
バザールから緊急の連絡とかは無かったので、問題は起きていないのだろうが、気になるので情報は聞いておくにこしたことは無い。
奴は、あのスーツを脱ぐことはないのだが、匂いはほとんどしないらしい。アンデッドの嗅覚なので微妙にあてにならないが、俺たちが体を洗っても多少匂いを感じるのに、そいつからはほとんどにおわないのだとか。
深い眠りにつくことも無く、食事のために動物を狩り、保存食を作っているらしい。その匂いの方が強いから、本人の匂いが分かんないんじゃないかな?
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