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第1901話 予想外の出来事と弟妹たち
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「弓持ち確認、魔法使いもいる可能性あり。ジェネラルクラスは……いないと思う」
部屋に入る前に陰から部屋の中を確認して、ミーシャが声に出した。一緒に確認していたスミレとブルムも、同意見のようで頷いている。ウルは、ダンジョン探索で役立つ魔法として、風魔法のサーチを使っている。
ライムが教えていたようで、索敵スキルに頼らない方法の1つで、風魔法で超音波を作りその反響を魔法で感じ取って、敵のサイズを判断したりする魔法だ。動いている魔物にしか効かないから、擬態している魔物とかは分からないんだけどね。
索敵では敵の数しか分からない。慣れてくれば、何となくサイズくらいは分かるが、同じくらいの強さで大して大きさの違わない、ゴブリンと強化種では違いが分からなかったりするのだ。
ミーシャたちは、しっかりと視認して敵を確認している。魔法使いが分からなかった理由は、杖を持っているゴブリンがいなかったからだ。魔法は、杖がなくても発動できるので、鑑定できなければ普通のゴブリンに見えてしまうのだ。
強化種の特徴として分かりやすいのは、ナイト・ソルジャー・アーチャーあたりだろう。こいつらは、装備でほぼ間違いなく見分けがつく。ナイトは剣と盾、ソルジャーは両手武器、アーチャーは弓、を持っているからだ。
分かりにくいのは、モンク……武闘家はノーマルゴブリンと見た目が変わらないので、鑑定以外には判断方法がない。ヒーラーやメイジは、杖を持っていることもあるが、ゴブリンと一緒で棍棒の時もあるため、判断しにくいのだ。
今回の正解は、アーチャーもメイジもいる……なんだよね。俺たちが把握できているのは、もちろんマップ先生のおかげなんだけどね。先行させたウィスプたちが、一生懸命マッピングしながら、敵も確認してくれているので、詳細を知ることができるのだ。
「一ヶ所に固まっているみたいだから、3人で部屋に魔法を撃ちこんで。魔法の効果がキレたら、みんなで突入してミーちゃんがタンクで、スーちゃんとムーちゃんがフォローして、私は魔法か弓で残りを削る」
「ウー姉は、魔法一緒に撃たないの?」
「私も一緒になって撃つと、誰が魔法の余波を防御するの? ここは外じゃなくて、ダンジョンの中だよ。お母さんたちに、魔法を使う時は余波を抑えなきゃいけないって言われたのを忘れたの?」
スミレがウルに質問すると、ウルが魔法の余波について話した。ハッとした顔をして、気まずそうに頬をポリポリと掻いていた。
ダンジョンの様な狭い空間だと、魔法の余波はシャレにならないことがあるのだ。特に火魔法の余波はキツイね。だから、しっかりと防御するメンバーがいないと、自分の魔法でダメージを受けてしまうのだ。
「3人は、火風風のユニゾンマジックでいける? 結界で熱を防いで、風魔法で衝撃波を抑えるね。その後に氷魔法で部屋を冷やすから、それを確認したら突入だよ。魔法の準備! 3、2、1、GO」
ウルはしっかりと勉強をしているようだな。火魔法を使えば熱くなるのは常識なのだが、その常識が頭からすっぽ抜けて、熱いまま突入するアホは結構いるのだ。
近付けるレベルの熱さなら、魔物は死なないかもしれないが、今回みたいにユニゾンマジックを使えば……
「「ウー姉、全部死んだ」」
ミーシャは部屋に入ってすぐに、挑発スキルを使いヘイトを稼ぐ。左右に展開したスミレとブルムが、そう報告してきた。
簡単に言えば、焼死だな。風2つに強化された火が、ゴブリンの強化種の体力をすべて削り取ったと言うことだ。
こんな狭い部屋でユニゾンマジックの火魔法を使って、入り口に蓋をすれば……階段にしか爆発の威力が抜けなかったので、部屋の中が大変なことになったと言うことだ。
ウルもこの状況を予想していなくて、苦笑気味だった。
「予想外だったけど、ユニゾンマジックの効果は確認できたね。周りに人がいなくて、敵が多ければ作戦の1つに入れてもいいかもしれないね」
ミーシャたちも同意見のようで、頷いている。
「ミリーお母さん。休憩するなら、この場所がいいのかな? それとも、2階に降りてから探す方が良いのかな?」
「状況にもよるけど、基本的には敵を倒したところで休憩を取る方がいいかな。この場合は、この部屋がいいね。ちょっと強い敵がいたから、すぐにまた魔物が沸くことは無いだろうからね。長く休む場合は、部屋の中心よりは壁に近い方が良いわ。沸いたときに距離がとれるからね」
ダンジョンでは、人がいるところにあまり魔物が沸かないが、ゼロではないので注意が必要だ。で今回は、中ボスみたいなのを倒した後だから、ゴブリンと言えどすぐには沸くまい。
オヤツの時間を少し過ぎていたので、キッチン馬車で作られていたスープと、サンドイッチなどの軽食をブラウニーたちから受け取り、みんなで食べ始める。
綾乃とバザールは、戦闘には参加していないが、ミーシャたちが通らない場所の敵を使って色々試していたようで、良い情報をゲットできた! とはしゃいでいた。どんなデータを取っていたのかマジで気になる。
ウルたちは、午前中の戦闘を振り返って、問題点や評価点を出し合っていた。近くでブラウニーたちがメモをしているので、内容はそれを見せてもらえば分かるっぽいな。
食事が終わると、ブラウニーたちがキッチン馬車を移動させて、側面に白い布を張って映像を流し始めた。
その映像には、シンラ・プラム・シオンの3人と母親たちが映っていた。どうやら、プラムたちが姉がいないと探し始めたので、映像を繋げて安心させようと言う考えらしい。
シンラは、悟ったような顔をしていたので、午前中は大変だったのだろうと予想がつく。プラムとシオンは、向こうに映っている映像にワーキャー言っている。こちらの映像も移さなければ、姉たちがいるってわからないもんな。
おそらく画面に近付いてペチペチ叩いているのだと思う。姉たちは、下の子たちに声をかけて、午前中にあった事を話している。
そんな様子をのほほんと見ていたら、映像とは別口で俺に連絡が入った。声の主は、ミドリだった。
内容は、下の子たちが姉たちを探すので、ウルたちは違うところで頑張っているのが、分かるようにしてもらえないか? という感じだった。寂しがっているんだろうな。
そこは、綾乃が持ってきた人造ゴーレムでも、映像を取ることに特化したゴーレムを使うことにした。グロイ映像は見せたくないので、そこらへんは見せないように頑張ってもらおう……人造ゴーレムに!
大半が移動風景になるので、戦闘に関しては最悪暗転で対応するのも手かな?
プラムとシオンは満足したようで、シンラの隣へ戻りスヤスヤと寝始めた。シンラは相変わらず、悟ったような顔をして無表情だった。
2階に進むとレベルが上がっただけで、大半がゴブリンだった。追加で出てきたのは、キラーラビットという角付きのウサギだった。見た時は、ドラ〇エのアル〇ラージか! って突っ込みそうになってしまった。
でもこいつが初心者には油断ならない相手らしく、見た目に油断して角に突かれて大怪我をする新人が多いのだとか。
問題なく3階への階段までたどり着き、今日はそこで野営となる。
部屋に入る前に陰から部屋の中を確認して、ミーシャが声に出した。一緒に確認していたスミレとブルムも、同意見のようで頷いている。ウルは、ダンジョン探索で役立つ魔法として、風魔法のサーチを使っている。
ライムが教えていたようで、索敵スキルに頼らない方法の1つで、風魔法で超音波を作りその反響を魔法で感じ取って、敵のサイズを判断したりする魔法だ。動いている魔物にしか効かないから、擬態している魔物とかは分からないんだけどね。
索敵では敵の数しか分からない。慣れてくれば、何となくサイズくらいは分かるが、同じくらいの強さで大して大きさの違わない、ゴブリンと強化種では違いが分からなかったりするのだ。
ミーシャたちは、しっかりと視認して敵を確認している。魔法使いが分からなかった理由は、杖を持っているゴブリンがいなかったからだ。魔法は、杖がなくても発動できるので、鑑定できなければ普通のゴブリンに見えてしまうのだ。
強化種の特徴として分かりやすいのは、ナイト・ソルジャー・アーチャーあたりだろう。こいつらは、装備でほぼ間違いなく見分けがつく。ナイトは剣と盾、ソルジャーは両手武器、アーチャーは弓、を持っているからだ。
分かりにくいのは、モンク……武闘家はノーマルゴブリンと見た目が変わらないので、鑑定以外には判断方法がない。ヒーラーやメイジは、杖を持っていることもあるが、ゴブリンと一緒で棍棒の時もあるため、判断しにくいのだ。
今回の正解は、アーチャーもメイジもいる……なんだよね。俺たちが把握できているのは、もちろんマップ先生のおかげなんだけどね。先行させたウィスプたちが、一生懸命マッピングしながら、敵も確認してくれているので、詳細を知ることができるのだ。
「一ヶ所に固まっているみたいだから、3人で部屋に魔法を撃ちこんで。魔法の効果がキレたら、みんなで突入してミーちゃんがタンクで、スーちゃんとムーちゃんがフォローして、私は魔法か弓で残りを削る」
「ウー姉は、魔法一緒に撃たないの?」
「私も一緒になって撃つと、誰が魔法の余波を防御するの? ここは外じゃなくて、ダンジョンの中だよ。お母さんたちに、魔法を使う時は余波を抑えなきゃいけないって言われたのを忘れたの?」
スミレがウルに質問すると、ウルが魔法の余波について話した。ハッとした顔をして、気まずそうに頬をポリポリと掻いていた。
ダンジョンの様な狭い空間だと、魔法の余波はシャレにならないことがあるのだ。特に火魔法の余波はキツイね。だから、しっかりと防御するメンバーがいないと、自分の魔法でダメージを受けてしまうのだ。
「3人は、火風風のユニゾンマジックでいける? 結界で熱を防いで、風魔法で衝撃波を抑えるね。その後に氷魔法で部屋を冷やすから、それを確認したら突入だよ。魔法の準備! 3、2、1、GO」
ウルはしっかりと勉強をしているようだな。火魔法を使えば熱くなるのは常識なのだが、その常識が頭からすっぽ抜けて、熱いまま突入するアホは結構いるのだ。
近付けるレベルの熱さなら、魔物は死なないかもしれないが、今回みたいにユニゾンマジックを使えば……
「「ウー姉、全部死んだ」」
ミーシャは部屋に入ってすぐに、挑発スキルを使いヘイトを稼ぐ。左右に展開したスミレとブルムが、そう報告してきた。
簡単に言えば、焼死だな。風2つに強化された火が、ゴブリンの強化種の体力をすべて削り取ったと言うことだ。
こんな狭い部屋でユニゾンマジックの火魔法を使って、入り口に蓋をすれば……階段にしか爆発の威力が抜けなかったので、部屋の中が大変なことになったと言うことだ。
ウルもこの状況を予想していなくて、苦笑気味だった。
「予想外だったけど、ユニゾンマジックの効果は確認できたね。周りに人がいなくて、敵が多ければ作戦の1つに入れてもいいかもしれないね」
ミーシャたちも同意見のようで、頷いている。
「ミリーお母さん。休憩するなら、この場所がいいのかな? それとも、2階に降りてから探す方が良いのかな?」
「状況にもよるけど、基本的には敵を倒したところで休憩を取る方がいいかな。この場合は、この部屋がいいね。ちょっと強い敵がいたから、すぐにまた魔物が沸くことは無いだろうからね。長く休む場合は、部屋の中心よりは壁に近い方が良いわ。沸いたときに距離がとれるからね」
ダンジョンでは、人がいるところにあまり魔物が沸かないが、ゼロではないので注意が必要だ。で今回は、中ボスみたいなのを倒した後だから、ゴブリンと言えどすぐには沸くまい。
オヤツの時間を少し過ぎていたので、キッチン馬車で作られていたスープと、サンドイッチなどの軽食をブラウニーたちから受け取り、みんなで食べ始める。
綾乃とバザールは、戦闘には参加していないが、ミーシャたちが通らない場所の敵を使って色々試していたようで、良い情報をゲットできた! とはしゃいでいた。どんなデータを取っていたのかマジで気になる。
ウルたちは、午前中の戦闘を振り返って、問題点や評価点を出し合っていた。近くでブラウニーたちがメモをしているので、内容はそれを見せてもらえば分かるっぽいな。
食事が終わると、ブラウニーたちがキッチン馬車を移動させて、側面に白い布を張って映像を流し始めた。
その映像には、シンラ・プラム・シオンの3人と母親たちが映っていた。どうやら、プラムたちが姉がいないと探し始めたので、映像を繋げて安心させようと言う考えらしい。
シンラは、悟ったような顔をしていたので、午前中は大変だったのだろうと予想がつく。プラムとシオンは、向こうに映っている映像にワーキャー言っている。こちらの映像も移さなければ、姉たちがいるってわからないもんな。
おそらく画面に近付いてペチペチ叩いているのだと思う。姉たちは、下の子たちに声をかけて、午前中にあった事を話している。
そんな様子をのほほんと見ていたら、映像とは別口で俺に連絡が入った。声の主は、ミドリだった。
内容は、下の子たちが姉たちを探すので、ウルたちは違うところで頑張っているのが、分かるようにしてもらえないか? という感じだった。寂しがっているんだろうな。
そこは、綾乃が持ってきた人造ゴーレムでも、映像を取ることに特化したゴーレムを使うことにした。グロイ映像は見せたくないので、そこらへんは見せないように頑張ってもらおう……人造ゴーレムに!
大半が移動風景になるので、戦闘に関しては最悪暗転で対応するのも手かな?
プラムとシオンは満足したようで、シンラの隣へ戻りスヤスヤと寝始めた。シンラは相変わらず、悟ったような顔をして無表情だった。
2階に進むとレベルが上がっただけで、大半がゴブリンだった。追加で出てきたのは、キラーラビットという角付きのウサギだった。見た時は、ドラ〇エのアル〇ラージか! って突っ込みそうになってしまった。
でもこいつが初心者には油断ならない相手らしく、見た目に油断して角に突かれて大怪我をする新人が多いのだとか。
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