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第1868話 4日目突入
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開始から72時間が経とうとしている。
綾乃の作った階は結局、攻略法を全部見つけられたため、移動に時間のかかるマップとなっている。そして以外にもバザールが作ったマップで時間を食い、俺の予想を少しだけ裏切る形で、まだ4階には到達されていない。
それでも、あと少し……2トラップ部屋分で4階に辿り着けるところまで来ている。
「予想外に健闘したわね。強風トラップを2個準備しているとは思わなかったわ。しかも横じゃなくて縦に登るように、突風が吹くトラップとか聞いてないわよ」
「あそこでござるな! あそこは初め、ただの梯子を上るだけの落とし穴トラップでござったが、試合前日になんか面白くないと思って、こっそりと改造してたのでござる」
綾乃の下に上に移動させるトラップを、バザールも同じように作っており、下に行く方はまだよかったのだが、上に登る方は強風トラップ付きだったのだ。梯子も人間には少し使い辛いが、少し大きい魔物にとっては、反対に使いやすいサイズで下りる方は綾乃のトラップより、断然早く下りてたな。
そして上る方は……2つ目の飛行タイプの魔物殺しトラップだった。先行していたグリフォンや他の飛べる魔物も、全部あのトラップに殺されていた。相変わらず高速移動時の魔物の結界のようなものを、どうやって無効化しているか分からないが、バランスを崩したグリフォンたちは、床や天井の剣山に串刺しになった。
「それでも、あそこで結構な魔物が死ぬとは思わなかったわ。掴まるところがあって、下から上に風が吹いているだけなんだから、上るのにはさほど苦労しないと思ったけど、あの強風の中だと滑るだけで天井や床に刺さるんだね」
「風速100メートルだと、本当に飛び上がることができるんだな。中には落ちている奴も結構いたけど、体や装備に強風が当たると魔物でも結構飛ぶもんなんだな」
俺の正直な感想である。横のときは這って進むことができていたから、上りも大したことねえだろ! とか思っていた俺がバカだったな。
『さてさて、予想以上に健闘している防衛側だが、もうすぐ4日目に入る前に3階を突破されようとしているぞ! すでにダンジョンは半分以上踏破されてしまい、攻略法も発見されてしまったトラップエリアの次はなにを見せてくれるのでしょうか!
実は実況者の私には、3階までの詳細なデータが創造神様よりもらえていたのですが、4階以降の情報は全くもらえていないため、この先を知っているのは防衛側のダンジョンマスターだけ!
様々なひきょ……エグイトラップを2階にわたり作り、片方は大きい魔物には通りづらく、獣タイプの魔物は飛行系以外脱落せざるを得なかった! 進軍できているのは、ほとんどが亜人タイプの魔物だ。これには、何か理由があるのだろうか!』
なにやら実況者が熱く語っているが、もともと人間でないと進むことが難しいトラップを、多数用意しているのだから亜人が多くなるのは当たり前な話である。亜人型ではないのは、ヘビタイプとヤモリの様な壁に貼り付けるタイプの魔物くらいだろう。
横の強風エリアでは、進むことのできる魔物に絡みついて移動に便乗し、縦の強風エリアは難なく突破してたな。アナコンダみたいに大きい奴もいたのだが、そいつらは綾乃の下りる方のトラップで死んでたな。絡まる場所が無くてそのまま落下して死んでたわ。
4日目に入る前に突破されてしまったな。
「とうとうこのダンジョンの本領発揮ね。相手のダンジョンマスターはどう思うかしら。必死にここまでたどり着いたのに、これは無いよね」
「そうでござるな。見る限り半数以上は4階の初めの部屋に、辿り着けないでござるな。このダンジョンをダンジョンバトルに使うダンジョンマスターは、性格がひねくれているでござるな。そもそも、こんな形のダンジョンを作る奴なんて……痛いでござる! 何で叩くでござるか!」
「人のことをひねくれてるとかいうからだろ。あまり調子に乗ってると、聖銀に包まれた牢屋を作ってぶち込むぞ! お前の大好きな農園が見えそうで見えない場所にセットして、スキル無効化エリアに放り込む」
「失礼しました! 少し調子に乗ってしまったでござる!」
「プププッ! バザールの言いたいことは分かるけど、思っててもシュウの前で言うのはないっしょ!」
「俺の前じゃなければいいと思ってそうだな、綾乃……シルキーに言って、例の罰を半年くらい続けてもいいんだが? そうすればお前は、真人間になるか?」
綾乃はその場でジャンピング土下座を決めた。別に怒ってはいないが、ちょっとイラっとしたので言ってみたら、例の罰……ゲーム禁止はあいつにとって、震えあがるほど厳しい罰のようだ。
1回あの罰をくらった時は、しばらく規則正しい生活が出来ていたのに、今では鍛冶中のドワーフも真っ青な生活リズムしているからな。あ~緊急時も規則正しい生活になるな。今回みたいなダンジョンバトルとかさ。それ以外だと、本当にポンコツになるからな……
『おっと~、なんだこれは! 72時間経つ前に4階へ突入できた侵攻側だが、ここにきて半数以上が先に進むことができていないぞ! どうなっているんだ!』
実況者の後ろでは、インチキするな! 堂々と戦え! 禿げろ! とか言っている奴がいるが、最後のやつちょっとこっちこいや。本当に禿げたらマジで殺すからな!
『おや? 何やら悲鳴が聞こえていますね。男神が調子こいて女神にセクハラでもしたのか?』
実況者が聞こえてきた女神の悲鳴の元を見ると、男神がぶっ倒れていたのでそんな風に言っているが、ぶっ倒れた男神はシュウに禿げろと言って、どす黒い何かをぶつけられてぶっ倒れたのだ。
『エロ爺は放っておいて、ここで創造神様からの手紙です!
こやつが準備したダンジョンの4階は、人間サイズでないと攻略が難しいだけで、ダンジョンとしては何ら卑怯でもないぞ。むしろダンジョンとしては、正しい造りとなっているが、魔物も移動し辛いからこんな構造にする奴はおらんがな!
とのことです。防衛側はダンジョンの特性として、人間が攻略できる……という前提のダンジョンを、ダンジョンバトルに持ち込んできたぞ! ダンジョンバトル用にポンポンと新しいダンジョンを作ってしまう、いかれたダンジョンマスター……何やら背筋が急に……コホン、失礼しました。
DPが有り余っているダンジョンマスターは、違いますね! っと、こんなことを話している間に72時間が経過していました。4日目に突入だ!』
実況者が暴走気味な気がするが、創造神の爺め、もう1段階狭い通路があるのに、4階の構造をばらしやがって。今はまだオークくらいなら通れるが、もう少し先に行くとオークでも小柄でないと通れない通路があるのに……強化種や上位種は通常種より大きいので、そこから先には進めないようになってるのにさ……
でも時間の問題か。ここからは通れる魔物が限定されるんだよな。元々小柄な亜人でないと、キングクラスは通れなくなる。俺たちが使っているS級スケルトンや人造ゴーレムなら、余裕で進めるんだけどね。
この先、100を超えるダンジョンマスターは、どうやって攻めてくるんだろうか。
綾乃の作った階は結局、攻略法を全部見つけられたため、移動に時間のかかるマップとなっている。そして以外にもバザールが作ったマップで時間を食い、俺の予想を少しだけ裏切る形で、まだ4階には到達されていない。
それでも、あと少し……2トラップ部屋分で4階に辿り着けるところまで来ている。
「予想外に健闘したわね。強風トラップを2個準備しているとは思わなかったわ。しかも横じゃなくて縦に登るように、突風が吹くトラップとか聞いてないわよ」
「あそこでござるな! あそこは初め、ただの梯子を上るだけの落とし穴トラップでござったが、試合前日になんか面白くないと思って、こっそりと改造してたのでござる」
綾乃の下に上に移動させるトラップを、バザールも同じように作っており、下に行く方はまだよかったのだが、上に登る方は強風トラップ付きだったのだ。梯子も人間には少し使い辛いが、少し大きい魔物にとっては、反対に使いやすいサイズで下りる方は綾乃のトラップより、断然早く下りてたな。
そして上る方は……2つ目の飛行タイプの魔物殺しトラップだった。先行していたグリフォンや他の飛べる魔物も、全部あのトラップに殺されていた。相変わらず高速移動時の魔物の結界のようなものを、どうやって無効化しているか分からないが、バランスを崩したグリフォンたちは、床や天井の剣山に串刺しになった。
「それでも、あそこで結構な魔物が死ぬとは思わなかったわ。掴まるところがあって、下から上に風が吹いているだけなんだから、上るのにはさほど苦労しないと思ったけど、あの強風の中だと滑るだけで天井や床に刺さるんだね」
「風速100メートルだと、本当に飛び上がることができるんだな。中には落ちている奴も結構いたけど、体や装備に強風が当たると魔物でも結構飛ぶもんなんだな」
俺の正直な感想である。横のときは這って進むことができていたから、上りも大したことねえだろ! とか思っていた俺がバカだったな。
『さてさて、予想以上に健闘している防衛側だが、もうすぐ4日目に入る前に3階を突破されようとしているぞ! すでにダンジョンは半分以上踏破されてしまい、攻略法も発見されてしまったトラップエリアの次はなにを見せてくれるのでしょうか!
実は実況者の私には、3階までの詳細なデータが創造神様よりもらえていたのですが、4階以降の情報は全くもらえていないため、この先を知っているのは防衛側のダンジョンマスターだけ!
様々なひきょ……エグイトラップを2階にわたり作り、片方は大きい魔物には通りづらく、獣タイプの魔物は飛行系以外脱落せざるを得なかった! 進軍できているのは、ほとんどが亜人タイプの魔物だ。これには、何か理由があるのだろうか!』
なにやら実況者が熱く語っているが、もともと人間でないと進むことが難しいトラップを、多数用意しているのだから亜人が多くなるのは当たり前な話である。亜人型ではないのは、ヘビタイプとヤモリの様な壁に貼り付けるタイプの魔物くらいだろう。
横の強風エリアでは、進むことのできる魔物に絡みついて移動に便乗し、縦の強風エリアは難なく突破してたな。アナコンダみたいに大きい奴もいたのだが、そいつらは綾乃の下りる方のトラップで死んでたな。絡まる場所が無くてそのまま落下して死んでたわ。
4日目に入る前に突破されてしまったな。
「とうとうこのダンジョンの本領発揮ね。相手のダンジョンマスターはどう思うかしら。必死にここまでたどり着いたのに、これは無いよね」
「そうでござるな。見る限り半数以上は4階の初めの部屋に、辿り着けないでござるな。このダンジョンをダンジョンバトルに使うダンジョンマスターは、性格がひねくれているでござるな。そもそも、こんな形のダンジョンを作る奴なんて……痛いでござる! 何で叩くでござるか!」
「人のことをひねくれてるとかいうからだろ。あまり調子に乗ってると、聖銀に包まれた牢屋を作ってぶち込むぞ! お前の大好きな農園が見えそうで見えない場所にセットして、スキル無効化エリアに放り込む」
「失礼しました! 少し調子に乗ってしまったでござる!」
「プププッ! バザールの言いたいことは分かるけど、思っててもシュウの前で言うのはないっしょ!」
「俺の前じゃなければいいと思ってそうだな、綾乃……シルキーに言って、例の罰を半年くらい続けてもいいんだが? そうすればお前は、真人間になるか?」
綾乃はその場でジャンピング土下座を決めた。別に怒ってはいないが、ちょっとイラっとしたので言ってみたら、例の罰……ゲーム禁止はあいつにとって、震えあがるほど厳しい罰のようだ。
1回あの罰をくらった時は、しばらく規則正しい生活が出来ていたのに、今では鍛冶中のドワーフも真っ青な生活リズムしているからな。あ~緊急時も規則正しい生活になるな。今回みたいなダンジョンバトルとかさ。それ以外だと、本当にポンコツになるからな……
『おっと~、なんだこれは! 72時間経つ前に4階へ突入できた侵攻側だが、ここにきて半数以上が先に進むことができていないぞ! どうなっているんだ!』
実況者の後ろでは、インチキするな! 堂々と戦え! 禿げろ! とか言っている奴がいるが、最後のやつちょっとこっちこいや。本当に禿げたらマジで殺すからな!
『おや? 何やら悲鳴が聞こえていますね。男神が調子こいて女神にセクハラでもしたのか?』
実況者が聞こえてきた女神の悲鳴の元を見ると、男神がぶっ倒れていたのでそんな風に言っているが、ぶっ倒れた男神はシュウに禿げろと言って、どす黒い何かをぶつけられてぶっ倒れたのだ。
『エロ爺は放っておいて、ここで創造神様からの手紙です!
こやつが準備したダンジョンの4階は、人間サイズでないと攻略が難しいだけで、ダンジョンとしては何ら卑怯でもないぞ。むしろダンジョンとしては、正しい造りとなっているが、魔物も移動し辛いからこんな構造にする奴はおらんがな!
とのことです。防衛側はダンジョンの特性として、人間が攻略できる……という前提のダンジョンを、ダンジョンバトルに持ち込んできたぞ! ダンジョンバトル用にポンポンと新しいダンジョンを作ってしまう、いかれたダンジョンマスター……何やら背筋が急に……コホン、失礼しました。
DPが有り余っているダンジョンマスターは、違いますね! っと、こんなことを話している間に72時間が経過していました。4日目に突入だ!』
実況者が暴走気味な気がするが、創造神の爺め、もう1段階狭い通路があるのに、4階の構造をばらしやがって。今はまだオークくらいなら通れるが、もう少し先に行くとオークでも小柄でないと通れない通路があるのに……強化種や上位種は通常種より大きいので、そこから先には進めないようになってるのにさ……
でも時間の問題か。ここからは通れる魔物が限定されるんだよな。元々小柄な亜人でないと、キングクラスは通れなくなる。俺たちが使っているS級スケルトンや人造ゴーレムなら、余裕で進めるんだけどね。
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