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第1864話 2日目序盤
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「おい、バザール」
「何でござるか?」
「最近、お前が受けてたダンジョンバトルって、どんな条件で戦ってた?」
「ダンジョンバトルでござるか……良く分からない条件で申し込まれることが多いでござるな。例えば、魔物同士のバトルは全くなく、指定された広さの中で迷路みたいなのを作って、どっちが先にゴールできるか……とか、隠されたアイテムを探せ! みたいなのとかでござるな」
「……なんだそれ? そんなルールでバトルできたんか?」
「それでござるが、創造神とやらがルールを変えて、ランカー1位に挑むバトルに限り、こちらが了承すればどんなバトルでも可能! みたいなルールを作ったでござるよ。それで、某も綾乃殿も楽しんでいるでござる。手を変え品を変え、いろんなバトルができるでござるからな!」
「俺の知らない所で、そんな面白そうなことしてたんだな。今度、面白そうだったりアホっぽいバトルがあったら、教えてくれ。参加するかは分からないけど、どんなバトルがあるから見てみたい」
「あ~それなら、どんなバトルを挑まれたか、リストがあるわよ。こっちが不利過ぎるのは、バトルしてないことも分かるようにしてあるしね」
そう言われて、綾乃からデータが送られてきた。
本当にくだらないバトルが沢山あったみたいだな。一番初めに目についたのは、陸上の獣タイプの魔獣で水中息止め対決! だってさ。それで、向こうが象タイプの魔物に対して、こっちはイモリタイプだってさ。イモリって獣扱いなのか! ってところに驚いたわ。
両生類を使っちゃダメじゃね? って思ったけど、召喚の分類するとイモリも獣で陸上の魔物なので、ルールに抵触せずに勝ったんだとさ。
他にも、100メートル木登り速度対決! とか、指定された食事の早食い対決! とか、変なのまであったわ。ちなみに、早食い対決にはニコが出場して圧倒的速さで完食して、10秒もかからずにバトルが終わったんだとさ。
何を食べたか聞いたら、合計1トンを超える色々な丸焼き、超激辛料理100キログラムとかそんな感じだったってさ。相手もスライムを出してきたんだけど、さすがにニコには勝てなかったらしい。近くで転がっていたニコを撫でてやる。
「こんな感じで、くだらないのが多かったわ。たまには面白いのもあったけど、暇潰しにはちょうどいい感じでバトルできるから、飽きなくていいわよ」
「そっか。でもそれなら俺は、子どもたちと遊んでる方がいいな。みんな可愛くて仕方がない」
「そういえばさ、あんたのとこのプラムちゃんとシオンちゃんって、何であんたを見ると親の仇みたいな表情するときがあるの? あんたなんかしたの?」
「ん~覚えはないんだよな。あるとすれば、シンラに関係する何かだと思うんだけど……心当たりはないかな」
「あ~あの2人、シンラちゃんの事大好きだもんね。シンラちゃんの事が好きだから、取られるのが嫌なのかもね」
「やっぱりそうなのかな……あの視線に負けて、シンラを差し出すと機嫌がよくなるから、まさかとは思ってたけど……綾乃から見てもそうなら、やっぱりそういうことか」
「その様子だと、薄々気付いてたみたいね。私も言われて今気付いたけど、おそらくシンラちゃんが関係しているんだろうね。もっと大きくなって、シンラちゃんに依存しなくなれば、シュウにもくっ付いてくれるかもね」
「生まれたばかりのころは、結構くっ付いてもらえてた気がするんだけどな……いつの間にかあんな感じになってたからな。そして、従魔たちの慰めが辛い……」
様子を見に来ていたクロとギンが、俺の肩に前足を乗せてくる。しかも優しくポンポンしやがるのだ……こいつらはモフモフだから、下の子たちにも優しくしてもらえるからって! くそ、このワンコロめ!
ギンの手を掴み引き寄せて、首元に抱き着いてから床に転がして、ギンの撫でウィークポイントの脇の下や、胸のちょっとしたあたりをワシャワシャする。形勢が不利だと察したのかクロに助けを求めて鳴くが、そっちには綾乃が飛びついていた。
綾乃ってこういう時のカンとノリは良いんだよな。クロの撫でウィークポイントの首回りと、お腹をワシャワシャされて抵抗できなくなっている。
2人とも10分ほど交代しながら撫で繰り回し、クロとギンは息絶え絶えになりながらも、恍惚した表情だった。
「終わったでござるか? そろそろ今日の1陣が2階に到着するでござるよ」
「ほんとね。見たトラップで死ぬような奴がいれば、その魔物を操っているダンジョンマスターは、余程の無能だろうね。どのくらい死ぬと思う?」
「さすがに1割は死なないよな?」
「どうでござるかね……今日は魔物の種類を見る限り、指示に従いやすい魔物が多いでござるが、某みたいに操れるわけではないでござるから、多ければ3割くらい死ぬのではござらんか?」
「魔物同士は戦わないけど、昨日の指揮取る亜人がいなければ、進むのにお互いを邪魔したりするんじゃない?」
綾乃の言い分も良く分かる。というか、1つ目の罠……落とし穴からの剣山コンボで、2割が死にやがった。理由は、統率の取れていない進攻で、魔物同士が押し合いトラップを何度も発動させてしまい、その度に魔物が落ちて死んでいた。
振り子の刃物も、後続が無理に進もうとして、行列が前に押されるようにして、無駄に魔物が削り取られている。
この様子に神たちは大爆笑していた。ランカーが操る魔物でも、あんな風に無様をさらす姿が面白いのだとさ。チビ神が無い胸を張って、ドヤ顔で言っているのが分かるような声で、教えてくれたわ。
結局、昨日のところまでたどり着けた1陣は、半数ほどだった。途中から死ぬ魔物が減ったのは、どうやら指揮する個体が現れたからのようだが、複数匹いて小集団を形成しているような形だ。
そんな中、2陣も送り込まれてきた。今回は、指揮できる個体が多数いて、お互いをフォローするような形で進んでいる気がする。
「これってさ、沢山いる敵同士連絡を取り合ったりできるのかね?」
「どうでござるかね? 言われてみれば、動き的にそんな感じに見えなくも無いでござるな」
「どっちでもいいんじゃない? どうせ、シュウの階層に到着すれば、仲間なはずなのに敵になるんだからさ。私たちの用意したトラップがどれだけ効果があるか、実験できると思えばいいじゃない」
綾乃は、自分の階が突破される前提で考えているんだな。ヒントを探して解きながらなら時間はかかるが、物量で罠を発見して進むなら、そこまで時間はかからないからな。
さて、新しいトラップエリアに到着したな。これからどうなる?
「何でござるか?」
「最近、お前が受けてたダンジョンバトルって、どんな条件で戦ってた?」
「ダンジョンバトルでござるか……良く分からない条件で申し込まれることが多いでござるな。例えば、魔物同士のバトルは全くなく、指定された広さの中で迷路みたいなのを作って、どっちが先にゴールできるか……とか、隠されたアイテムを探せ! みたいなのとかでござるな」
「……なんだそれ? そんなルールでバトルできたんか?」
「それでござるが、創造神とやらがルールを変えて、ランカー1位に挑むバトルに限り、こちらが了承すればどんなバトルでも可能! みたいなルールを作ったでござるよ。それで、某も綾乃殿も楽しんでいるでござる。手を変え品を変え、いろんなバトルができるでござるからな!」
「俺の知らない所で、そんな面白そうなことしてたんだな。今度、面白そうだったりアホっぽいバトルがあったら、教えてくれ。参加するかは分からないけど、どんなバトルがあるから見てみたい」
「あ~それなら、どんなバトルを挑まれたか、リストがあるわよ。こっちが不利過ぎるのは、バトルしてないことも分かるようにしてあるしね」
そう言われて、綾乃からデータが送られてきた。
本当にくだらないバトルが沢山あったみたいだな。一番初めに目についたのは、陸上の獣タイプの魔獣で水中息止め対決! だってさ。それで、向こうが象タイプの魔物に対して、こっちはイモリタイプだってさ。イモリって獣扱いなのか! ってところに驚いたわ。
両生類を使っちゃダメじゃね? って思ったけど、召喚の分類するとイモリも獣で陸上の魔物なので、ルールに抵触せずに勝ったんだとさ。
他にも、100メートル木登り速度対決! とか、指定された食事の早食い対決! とか、変なのまであったわ。ちなみに、早食い対決にはニコが出場して圧倒的速さで完食して、10秒もかからずにバトルが終わったんだとさ。
何を食べたか聞いたら、合計1トンを超える色々な丸焼き、超激辛料理100キログラムとかそんな感じだったってさ。相手もスライムを出してきたんだけど、さすがにニコには勝てなかったらしい。近くで転がっていたニコを撫でてやる。
「こんな感じで、くだらないのが多かったわ。たまには面白いのもあったけど、暇潰しにはちょうどいい感じでバトルできるから、飽きなくていいわよ」
「そっか。でもそれなら俺は、子どもたちと遊んでる方がいいな。みんな可愛くて仕方がない」
「そういえばさ、あんたのとこのプラムちゃんとシオンちゃんって、何であんたを見ると親の仇みたいな表情するときがあるの? あんたなんかしたの?」
「ん~覚えはないんだよな。あるとすれば、シンラに関係する何かだと思うんだけど……心当たりはないかな」
「あ~あの2人、シンラちゃんの事大好きだもんね。シンラちゃんの事が好きだから、取られるのが嫌なのかもね」
「やっぱりそうなのかな……あの視線に負けて、シンラを差し出すと機嫌がよくなるから、まさかとは思ってたけど……綾乃から見てもそうなら、やっぱりそういうことか」
「その様子だと、薄々気付いてたみたいね。私も言われて今気付いたけど、おそらくシンラちゃんが関係しているんだろうね。もっと大きくなって、シンラちゃんに依存しなくなれば、シュウにもくっ付いてくれるかもね」
「生まれたばかりのころは、結構くっ付いてもらえてた気がするんだけどな……いつの間にかあんな感じになってたからな。そして、従魔たちの慰めが辛い……」
様子を見に来ていたクロとギンが、俺の肩に前足を乗せてくる。しかも優しくポンポンしやがるのだ……こいつらはモフモフだから、下の子たちにも優しくしてもらえるからって! くそ、このワンコロめ!
ギンの手を掴み引き寄せて、首元に抱き着いてから床に転がして、ギンの撫でウィークポイントの脇の下や、胸のちょっとしたあたりをワシャワシャする。形勢が不利だと察したのかクロに助けを求めて鳴くが、そっちには綾乃が飛びついていた。
綾乃ってこういう時のカンとノリは良いんだよな。クロの撫でウィークポイントの首回りと、お腹をワシャワシャされて抵抗できなくなっている。
2人とも10分ほど交代しながら撫で繰り回し、クロとギンは息絶え絶えになりながらも、恍惚した表情だった。
「終わったでござるか? そろそろ今日の1陣が2階に到着するでござるよ」
「ほんとね。見たトラップで死ぬような奴がいれば、その魔物を操っているダンジョンマスターは、余程の無能だろうね。どのくらい死ぬと思う?」
「さすがに1割は死なないよな?」
「どうでござるかね……今日は魔物の種類を見る限り、指示に従いやすい魔物が多いでござるが、某みたいに操れるわけではないでござるから、多ければ3割くらい死ぬのではござらんか?」
「魔物同士は戦わないけど、昨日の指揮取る亜人がいなければ、進むのにお互いを邪魔したりするんじゃない?」
綾乃の言い分も良く分かる。というか、1つ目の罠……落とし穴からの剣山コンボで、2割が死にやがった。理由は、統率の取れていない進攻で、魔物同士が押し合いトラップを何度も発動させてしまい、その度に魔物が落ちて死んでいた。
振り子の刃物も、後続が無理に進もうとして、行列が前に押されるようにして、無駄に魔物が削り取られている。
この様子に神たちは大爆笑していた。ランカーが操る魔物でも、あんな風に無様をさらす姿が面白いのだとさ。チビ神が無い胸を張って、ドヤ顔で言っているのが分かるような声で、教えてくれたわ。
結局、昨日のところまでたどり着けた1陣は、半数ほどだった。途中から死ぬ魔物が減ったのは、どうやら指揮する個体が現れたからのようだが、複数匹いて小集団を形成しているような形だ。
そんな中、2陣も送り込まれてきた。今回は、指揮できる個体が多数いて、お互いをフォローするような形で進んでいる気がする。
「これってさ、沢山いる敵同士連絡を取り合ったりできるのかね?」
「どうでござるかね? 言われてみれば、動き的にそんな感じに見えなくも無いでござるな」
「どっちでもいいんじゃない? どうせ、シュウの階層に到着すれば、仲間なはずなのに敵になるんだからさ。私たちの用意したトラップがどれだけ効果があるか、実験できると思えばいいじゃない」
綾乃は、自分の階が突破される前提で考えているんだな。ヒントを探して解きながらなら時間はかかるが、物量で罠を発見して進むなら、そこまで時間はかからないからな。
さて、新しいトラップエリアに到着したな。これからどうなる?
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